年間500本を観た映画ファンの映画おすすめ 七人の侍というジャンル|映画レビューズ
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年間500本を観た映画ファンの映画おすすめ 七人の侍というジャンル

「七人の侍というジャンル」

1954年公開した本作について、語ることはおそらくないであろうし、他の人々が多いに語り尽くしていると思う。

 

本作は戦国時代、信長が本能寺で亡くなった数年後、世は乱れ野武士が溢れていた。

野武士は農村を襲い、米、女を奪っては、村を焼き払っていた。

 

ある農村で野武士の標的となったことを知った村人たちは、街に出て侍を雇い村を守ることにする。白い米を食べさせる。それだけで村を守る物づきの侍たちがいるものか、と疑問に思いながらも街で侍たち七人と出会い、村へ戻ってくる。

 

そして野武士たちとの戦が始まる。

 

物語は200分を超える超大作となり、東宝は途中で制作中止を決定し、撮影しているところまででいいから完成させろ、と黒澤明監督に言った。

 

しかたなく撮影しているところまでを編集、会社側に見せたところ、続きはないのか、と聞かれたので、だからこれから撮影するんです。と答えたところ内容の面白さから会社は社運をかけた映画とすることを決意。普通の映画の約7倍もの制作費をつぎ込んで映画は完成した。

 

「なにかに取り憑かれたように作った」

 

と監督が言っていた通り、この映画には何らかの強い魂が入っているかのように、世界中に連鎖していった。アメリカではスピルバーグ、ルーカス、コッポラがロシアではタルコフスキーが、イタリアではレオーネ。きっとまだまだ居るはずである、映画を志した人ならばこの映画に影響を受けないはずがない。それだけこの映画の持つ力は凄まじい物がある。

 

私はこの映画見る度に、引き込まれていく感覚になる。200分もあるのに、すべてのシーンを覚えているし、すべてのセリフが言えるわけではないが、覚えている。

 

だが意外なことに公開された1954年の年間興行収入で七人の侍は3位であった。上には「君の名は第三部」「忠臣蔵」が入っている。下には「ゴジラ」が控えていた。

 

「君の名は」はアニメの例もあるように、ブームというものを引き起こす映画であるからこれはこれで当時、ブームになったのだからすごいことだし、忠臣蔵は今も昔も日本人の心であるから仕方がない。ゴジラはあの当時、最先端の特撮技術を駆使して作った映像は、世界最先端であろう。

 

こうした中で名作と呼ばれ、後に数多くの亜種映画を生み出した七人の侍。

 

私は個人的にこう思う。黒澤明監督は「七人の侍」という映画のジャンルをつくってしまったのではないだろうか。と。

 

もちろん映画自体は時代劇に区分されるれっきとした時代劇だ。だがこれだけ人を引きつけ物語の枠組みを引用される映画が他にあるだろうか?

 

スターウォーズが公開された時、世界中の人々がスターウォーズの亜種映画を見た頃だろう。SFというジャンルを大きく世界に広めた映画である。その中にも確実に七人の侍の血は流れている。「隠し砦の三悪人」を元にしたのは有名な話だが、ルーカスが七人の侍を意識しているのは間違いない事実だ。

 

現にスターウォーズのアニメクローン・ウォーズには、七人の侍と同じストーリーの話がある。

 

またSFブームになった時「宇宙の七人」という映画も公開されている。荒野の七人、黄金の七人など7人でなにかを行うというフォーマットを作った映画だと個人的には感じる。

 

これは映画に関したことだけではない。関連性は誰も述べていないが、戦後、エログロ路線の時代劇を書き、忍者ブームを牽引した山田風太郎の忍法帖シリーズでは、敵味方決まって7人というのがお決まりのようになっている。これは偶然ではないと私は考える。

 

7人は確かに人間が一見して決まりのいい数字であるし、キャラクターを創造するにあたって、7人が並ぶのは光景として決まりがいい。

 

だが七人の侍はそれをフォーマット化した。つまり七人の侍というジャンル、七人組の物語の基盤を作った、ジャンルを超越した映画だと思うのだ。

 

世界には名作と呼ばれる、映画、本、漫画、アニメ、演劇。あらゆるジャンルのエンターテイメントがあるだろう。その根底に、創作者の中に何かしらの形で七人の侍は影響を与えていると思う。

 

直接的ではなくても、影響を受けた人物が作ったなにかを見て、それに影響を受けている。

 

人類はきっとこの映画を遺伝子レベルで刻み込んでいるのだ。


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