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前々回のブログ 映画おすすめ 近未来戦争/オメガ帝国の崩壊
前回のブログ 映画おすすめ ディクソンエクスペリメンタルサウンドフィルム 1894年
悪夢から人を救え
「ドリームスケープ」
評価:★3,8
・映画おすすめ 物語
アメリカ合衆国大統領は悪夢にうなされていた。
原子爆弾が爆発し、妻が巻き込まれる悪夢だった。
そんなことも知らず、青年アレックスは生まれながら超能力を備えていたこともあり、競馬で大穴を狙い、見事、大金を手に入れるのだった。
そんな能天気な彼をある研究所が目をつける。
アレックスが連れていかれたそこは、人の夢、悪夢の根源を断ち切ることで、人生を変えることができないかというものであり、他人が悪夢に入り込み、悪夢の根源を排除することを目的とした実験をしていた。
しかし実験には危険性もあり、夢の中で死を迎えると、現実の肉体も死ぬ恐れがあったのだ。
アレックスは最初、実験に手伝う気はなかったのだが、女性科学者ジェーンと出会い、実験に参加することを決意するのであった。
実験は他人の夢に入り込み、その悪夢を解消することで、人の人生を変えること。
アレックスは非常に優秀であり、次々と問題のある人の悪夢を解消していった。
次第にジェーンとの距離も縮まり、ある日、ジェーンが居眠りしているところに出くわしたアレックスは、機械無しでジェーンの夢の中に入り込む。
そこで二人は激しく愛し合うのだったが、目覚めたジェーンは勝手に夢に入られたこと、恋愛関係になることを恐れていた。
そんな時、小説家のチャーリーと酒場でアレックスは出会う。
チャーリーはアレックスに政府の高官ブレアが大統領暗殺に、アレックスが関わっている実験を利用するのではないか、と言い出すのであった。
アレックスは独自に実験施設を探っていると、アレックスと同じく夢の中に入ることを許されたもう一人の男トミーの黒い行動の証拠が出てくる。
その証拠をもってチャーリーと合流するも、政府の関係者にチャーリーは撃たれてしまい、その場でアレックスは拘束されるのだった。
なんとか逃げ出すアレックスだったが、すでにトミーは大統領の夢へと侵入を開始していた。
・映画おすすめ 感想
悪夢を解消してくれる。
個人的には素晴らしい実験だと思った。
悪夢に悩まされている人の悪夢を解消することで、その人の人生を変えてくれる。
だが同時に悪夢の中で死がもたらされることもある。
この設定は当時としてはきっと斬新だったのだろう。
「マトリックス」の設定に似ているような気もした。
演出は核爆弾の脅威が世界的に高まっていた時代を反映してか、大統領の悪夢は核兵器に関するものになっている。
ヒロインを演じるのは、スピルバーグの妻になる、ケイト・キャプショーであり、夢の中で主人公と愛し合うシーンはなかなかセクシーである。
主演デニス・クエイドマックス・フォン・シドークリストファー・プラマーケイト・キャプショーエディ・アルバートデビッドパトリックケリー
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前々回のブログ 映画おすすめ キネトグラフの前のコーベットとコートニー 1894年
前回のブログ 映画おすすめ 近未来戦争/オメガ帝国の崩壊
世界初のライブ録音映画
「ディクソンエクスペリメンタルサウンドフィルム」
・映画おすすめ 感想
本作はエジソンが開発した蓄音機と、エジソンが力を入れる映画が合わさった、力作である。
エジソンの元で多くの映画を製作してきたディック監督による、世界初の音のついた映画である。
無声映画がこの先もまだ主流になるのだが、実験映画としては見事な成功映画である。
この映画の貴重性は高く、アメリカも米国議会図書館国立フィルム名簿に記載されているほどである。
映画は巨大な蓄音機の前でヴァイオリンを弾く人物と、その音楽に合わせて踊る男が二人、という映像である。
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前々回のブログ 映画おすすめ 死霊館のシスター
前回のブログ 映画おすすめ キネトグラフの前のコーベットとコートニー 1894年
アウトローが反乱軍を変えていく
「近未来戦争/オメガ帝国の崩壊」
評価:★3,8
・映画おすすめ 物語
近未来、文明はひん死の状態だった。
そんな世界をアインシュタインというAIを搭載したバイクで旅をするライダーの姿があった。
ライダーは道すがら、荒くれどもに襲われケガを負う。
そこを超能力を持った長老たちに救われ、彼は反乱軍に身を置くことになった。
反乱軍とは人々を管理し、自由を奪い、反抗するものは容赦なく殺害する国家、オメガ帝国の打倒を掲げていた。
反乱軍でライダーはナスタシアという女性と出会う。
彼女は囚われた反乱軍のリーダーマクウェインの娘であり、射撃の名手でもあった。
ライダーは反乱軍を率いてマクウェイン救出のため、帝国へ侵入する。
マクウェイン救出には成功したものの、ナスタシアが囚われてしまう。
マクウェインが戻ってきた反乱軍は、各地に点在するアウトサイダーたちをまとめ、大きな勢力にしょうと考える。
そこで最強は誰だ、という問いかけを各勢力へすることで、一か所へ勢力を集中させ、団結を呼びかけるのだった。
一つになった勢力は独裁者プロッサー打倒を掲げ、進撃を開始する。
・映画おすすめ 感想
マッドマックスのヒットを受け制作された、マッドマックス2。
これは世界中に影響を与え、本作制作へもつながっている。
世界は荒野ではないものの、イタリアで制作された本作は、革ジャンをまとったバイカーが反乱軍を率いて、独裁者を倒す、というマッドマックスのプロットを忠実に再現している。
本作への力の入れようはすごく、車がとにかく爆発する。
ただ荒くれものたちの設定が、マッドマックス2とは異なり、なかなか独特で中には空手家なども混じっている。
そんなとんでも映画だが、なかなかいい出来のSF映画だと個人的には思えた。
主演ロバート・ギンティパーシス・カンバッタドナルド・プレザンスフレッド・ウィリアムソン -
前々回のブログ 映画おすすめ コックファイト№2 1894年
前回のブログ 映画おすすめ 死霊館のシスター
本物のボクシング
「キネトグラフの前のコーベットとコートニー」
・映画おすすめ 感想
本作はコーベット、コートニーという当時活躍していた、本物のボクサーを撮影した映画である。
リングで戦う二人は本当に殴り合いをしており、それがそのままフィルムに残されている。
本作は6ラウンドまであったようだが、残っているのはこの1ラウンドのフィルムのみである。
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「死霊館のシスター」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
ウォーレン夫妻がたびたび見るシスターの悪霊。その悪霊は実在した。ウォーレン夫妻が悪霊払いを始める昔のルーマニア。一人の修道女が首つり自殺をし、それを近くの村の青年フレンチが発見し、ヴァチカンが知ることになる。こうした不可思議なことを解決する神父バークは司教たちから、見習い修道女アイリーンと一緒に、ルーマニアへ行くよう指示される。アイリーンはルーマニアとはまったく関係なく、なぜ自分が選ばれたのか、不思議に思っていた。バーク神父とアイリーンは、フレンチのところへ向かい、修道院へ案内してもらう。城を修道院としたそこは、周囲を十字架で囲み、村人たちは呪われた場所、と言って近寄らなかった。とりあえず中に入った修道院の中に遺体を安置したフレンチは、遺体を寝かせたはずが、座っていることに驚く。さらに修道院の中に入ると、1人の修道女が客が泊る部屋があるので、そこで一晩、過ごしてから、明日、説明するという。フレンチを村へ帰し、バーク神父とアイリーンは客間に泊まることになる。そこでバーク神父が昔、悪魔祓いで少年を死なせてしまったこと。アイリーンは昔から不思議なものが見え、最後に「マリア様が示してくださる」という言葉が聞こえるという。アイリーンがなぜ、選ばれたのか納得したバーク神父。その夜、バーク神父は修道女の姿を追いかけて墓場に向かうと、棺桶に閉じ込められ、アイリーンに救われるのだった。そこには悪魔が確実にいる。修道女の死の真相と修道女が握りしめていた鍵の謎とは。・映画おすすめ 感想
死霊館ユニバースの一作である。
アナベルシリーズは死霊館でウォーレン夫妻が保管してある呪われた品々の一つとして、持ち主に災いをもたらすシリーズだが、本作はそれとは別の方向から映画化したスピンオフ映画である。
時々、本編の死霊館シリーズの中に登場する、悪霊のシスターがいる。
本作はそのシスターに焦点を当てた映画になっている。
ユニバースの中でも本作は色合いが違い、ゴシックホラーの様相がかなり強く出ている。
さらにサスペンス要素も盛り込まれ、悪魔の復活と封印がテーマとなっている。
しかしただで終わらないのが死霊館ユニバース。
しっかりと死霊館シリーズにつなげつつも、続編をにおわせる終わり方をしている。
現に続編が制作中とのことなので、期待したい。
この死霊館シリーズは、ユニバース方式でアベンジャーズの次に成功した例ではないだろうか。
監督 コリン・ハーディ(英語版)脚本 ゲイリー・ドーベルマン原案 ゲイリー・ドーベルマンジェームズ・ワン製作 ピーター・サフランジェームズ・ワン製作総指揮 リチャード・ブレナーウォルター・ハマダデイヴ・ノイスタッターゲイリー・ドーベルマンマイケル・クリアトッド・ウィリアムズ出演者タイッサ・ファーミガデミアン・ビチルジョナ・ブロケ(英語版)
ボニー・アーロンズ(英語版)
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前々回のブログ 映画おすすめ 中国のアヘン窟 1894年
前回のブログ 映画おすすめ チューズ・オア・ダイ:恐怖のサバイバルゲーム
日本でいう闘鶏がアメリカにもあった
「コックファイト№2」
・映画おすすめ 感想
闘鶏がアメリカにもあったことにまず驚きである。
鶏同士が激しい戦いをしている様子が、しっかりとフィルムに収められている。
オーナーたちの努力が、きっとこのコックファイトに出ているのだろう。
しかしこれをどうして映画化しようとしたのだろうか?
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「チューズ・オア・ダイ:恐怖のサバイバルゲーム」
評価:★3,7
・映画おすすめ 物語
妻子のある男ハルは、カセットテープで再生する昔のゲームをプレイしていた。すると自分の動きがすべてパソコンの中に文字で書かれ、不気味に感じる。そして妻子のところへ戻ると、妻が息子の舌を切り落としていた。ビルの清掃をしながら安い賃金で母を養うケイラは、弟を亡くしてから精神に異常のある母を看病していた。そんな彼女には親友が一人いた。古い機械が好きなオタクのアイザックだった。アイザックはケイラに恋をしており、ケイラもそれを知りながら、恋人まではいかない関係が続いていた。古いパソコンや古い機械を集めている彼の部屋の中で、ケイラはあるカセットテープの古いゲームを見つける。アイザックはガラクタをまとめ買いした中に紛れ込んでいたらしく、興味を持ったケイラは、仕事終わりに行きつけの喫茶店に入り、それを起動させる。すると文字が出てきて、彼女の行動を文字は予測していく。そして選択肢が現れると、突然、ウェイトレスがコップを床に落とし始める。それを掃除させるか、そのままにするか。選択肢で掃除させる、と選択した途端、ウェイトレスは座り込み割れたコップの破片を口に入れ、かみ砕き始めた。慌てて止めに行こうとすると、もう一人の常連客の男に邪魔をされるが、無理やり男を押しのけ、ウェイトレスを助けるのだった。この事件をアイザックに話すと信じてはもらえず、とりあえずゲームを起動した午前二時を待つことに。するとスマホにゲーム画面が現れ、なかったはずのアイザックの部屋に赤と青の扉が現れるのだった。これは呪いのゲームだったのである。・映画おすすめ 感想
80年代が現代の若者を襲う。そんな感じの映画内容なのだが、パソコンマニアでなければ、昔、データをカセットテープに記録していたことや、ゲームもカセットテープだったことは分からないと思う。さらにゲーム画面も古いまだパソコンが世の中に出始めたころの画面で、本当にパソコンオタクならば、楽しめるも、普通の人には分からないかもしれない。ゲームと映画の関係性として、なかなか映画はゲームに勝てないし、ゲームを原作とした映画は成功するのが難しい。今回の映画はゲームを題材にしているが、原作があるわけではないので、ある意味ではゲームの映画化としては面白い試みだと思った。ゲームと映画の融合という大きなテーマについて、ジェームズ・キャメロン監督が考えているように、これからの時代、映画とゲーム。切り離せない関係性になるのだろう。その点に関して、今回の映画、試みだけは良かったと思う。ただもう少しなにかが足りなかった気がしてならない。監督トビー・ミーキンズ脚本トビー・ミーキンズ出演者エイサ・バターフィールドアイオラ・エヴァンスエディ・マーサンロバート・イングランドライアン・ゲージケイト・フリートウッドアンジェラ・グリフィン
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前々回のブログ 映画おすすめ チャイニーズ・ランドリー・シーン 1894年
前回のブログ 映画おすすめ ジュニア 2011
世界最古のアヘン問題を扱った映画
「中国のアヘン窟」
・映画おすすめ 感想
感想と描いているが、本作は残念ながら映像が残っていないので、みることはできない。
ただ薬物を取り扱った最初の映画であることは確かなので、ここに記録しておきたいと思い、書いている。
薬物問題は映画が作られた当時からなにも変わってはいない。
人は欲望に負ける生き物である限り、この問題は永遠に続くのだろう。
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前々回のブログ 映画おすすめ RAW 少女のめざめ
前回のブログ 映画おすすめ チャイニーズ・ランドリー・シーン 1894年
少女から女性へ変体する「ジュニア 2011」
評価:★3,7
・映画おすすめ 物語
おてんば娘、13歳のジャスティンは、学校でも家でも大人の言葉に従うことを嫌っていた。気の合う友達といつも一緒にいる。そんな彼女を理解してくれるのは、幼馴染の黒人の同級生だけだった。ある日、彼女は激しい嘔吐に見舞われ、急ぎ病院に向かう。両親は心配するも、胃の病気であることが判明し、そこまで重症ではないと判断された。しばらく安静にしていれば治ると言われ、ジャスティンは苦痛ながら安静にしていた。病気がよくなって、風呂に入っていた彼女は、腕の皮がむけることに気付く。さらに背中に違和感を感じて触ってみると、背中がひび割れ、皮膚が裂けていた。そして学校に行く日、黒人の幼馴染は彼女を見て驚く。それまでニキビがあった顔は綺麗になり、まるで別人のようにきれいになっていた。彼女は脱皮したのだった。皮を部屋で脱ぎ捨て、大人の女性になったのである。・映画おすすめ 感想
「チタン」「RAW 少女のめざめ」の監督が制作した短編映画である。もともと、両親が皮膚科の医師と産婦人科の医師だったことから、肉体に興味を持ったという監督。本作もそうした肉体の変化を目で見える形で表現した映画になっている。監督は女性の体をエロスではなくホラーに見せることに拘りを持っており、本作でも背中がひび割れる特撮シーンなどは、なかなかのできである。そしてラストは青春ものの映画にも見えるが、ホラー要素も残しつつ、観客に何かを植え付ける。この初期の短編はのちの長編映画にも生かされており、何かスッキリしない終わり方をする映画を作る監督である。監督ジュリア・デュクルノー出演者ギャランス・マリリアーYacine N'DiayeAude Briantヴィルジル・ルクレールLouis Dussolベルナール・ブランカンヴィルジル・ブランムリ
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前々回のブログ 映画おすすめ カルメンシータ 1894年
前回のブログ 映画おすすめ RAW 少女のめざめ
最初期の喜劇映画
「チャイニーズ・ランドリー・シーン」
・映画おすすめ 感想
これまでの映画と違い、セットを作って本格的に喜劇を撮影した映画。
本作はある男が警官を殴りつけ、仕掛けのあるセットで警官との追いかけっこをする喜劇映画である。
これまでの映画は、記録映画、ショーをスタジオで演じてもらうなどの、映画がほとんどであったが、本格的に背景セット、仕掛けを付けたものを使い、喜劇を演じるのは初めてではないだろうか。
喜劇の原点がここにある。
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前々回のブログ 映画おすすめ 海底大戦争
前回のブログ 映画おすすめ カルメンシータ 1894年
その少女は何かが変だ
「RAW 少女のめざめ」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
ジュスティーヌは厳格なベジタリアンの家庭で育ち、獣医をしている両親が卒業し、姉が現在在学中の獣医大学へ入学する。
大学では新入生通過儀礼として、ペンキを全身に浴びせかけられたり、四つん這いになって進むなど、変なことをさせられながらも、上級生はパーティーを開いてくれたりと、新しい生活が始まった。
ルームメイトに女性を希望するも、ゲイの男性がルームメイトになり、戸惑いながらも学生としての新しい生活が待っていた。
そんな彼女は通過儀礼の一つ、動物の内臓を食べるというものがあり、ベジタリアンだと説明したが受け入れられず、姉に説明を求めるも、姉はベジタリアンではない、とはっきり言ってしまい、仕方なく口に入れるも、吐き出してしまう。
だがその日から彼女は何かが変貌した。
夜中に冷蔵庫に入っていた鶏肉を生のまま食べたり、食堂でハンバーグを白衣の中に入れ、万引きしようとしたりと、明らかに変化していった。
そんな変化の中でゲイのルームメイトに男としての魅力を感じ、一晩を過ごすも、自分の腕を噛むのだった。
また冷たい姉と見解になり、互いを噛みあうなど、まるで獣のようなふるまいをする。
そんな中、姉にムダ毛処理をされている時、誤って姉の指を挟みで切り落としてしまい、姉は気を失う。
急いで救急車を呼ぶ中、ジュスティーヌは落ちていた姉の指を見ているうちに、それを食べ始めるのであった。
起き上がった姉はそれを見て、ただ茫然とするばかりだった。
姉が病院で手当てを受けた後、二人はある通りに向かい、姉は車が来たら道路に飛び出し、それをよけようとした車は気にぶつかってしまう。
急ぎ、姉のところへ駆け寄るが、姉は妹の事よりも、ぶつかった車に向かい、中で死にかけている男たちを妹に見せる。
実は姉も人肉を食べることをしていたのだった。
・映画おすすめ 感想
淡々としているのが逆にリアルで怖い。
本作はカニバリズムをテーマとしているが、青春映画としても描かれており、思春期の不安定な気持ちを体現している。
肉を喰らうシーンなどには何かしらの意味があるのだろうが、結局、個人的には人肉を喰らうこと。
それが平然と描かれている恐ろしさしか読み取れなかった。
吸血鬼物なんか、とも思いながらもどうやらそういうわけでもなく、本当に淡々と少女の思春期の不安定さと人肉への欲求を描いた物語になっている。
そして根源的な結末へと向かう。
見終わった後、衝撃というかただ茫然とするしかない映画であった。
面白い映画ではある。
エログロが苦手な方にはおすすめできない映画である。
監督ジュリア・デュクルノー脚本ジュリア・デュクルノー出演者ギャランス・マリリアーエラ・ルンプフローラン・リュカブーリ・ランネール
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前々回のブログ 映画おすすめ カイセド 1894年
前回のブログ 映画おすすめ 海底大戦争
映画史最初期のドキュメンタリー映画
「カルメンシータ」
・映画おすすめ 感想
本作はディック監督が制作に力を入れていた、サーカスや見世物小屋でのショーをフィルムに収めるという活動の一つである。
本作はコスターアンドビアーズミュージックホールで踊られていた、カルメンシータをコロンブススタジオに招き、踊ってもらったものである。
こうした活動をおかげで、現代でも映画という形で我々は当時の風俗を知ることができるのである。
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前々回のブログ 映画おすすめ ジャンクⅢ 死の瞬間
前回のブログ 映画おすすめ カイセド 1894年
海底からの侵略
「海底大戦争」
評価:★3.5
・映画おすすめ 物語
記者の安部とカメラマンのジェニーを含む、多くの記者が集められていたのは、アメリカ軍の施設だった。
そこでお披露目されるのは、追尾型魚雷の発射実験であった。
実験は潜水艦が無人の潜水艦へミサイルを発射する、というものだった。
実験が行われ、実験は成功したかに見えたのだが、無人の潜水艦が爆破されてしまう。
その直後、人影が映像に映りこみ、あれは潜水艦の乗組員なのではないか、と安部が聞くと、責任者のブラウン中佐は、無人であることを強調し、何らかの事故で海底に沈んだ水死体ではないか、と言い出す。
実験は打ち切られ、記者たちは散り散りになったのだが、安部とジェニーだけは納得できず、潜水艦が爆破されたところまで潜って、何らかの証拠を手に入れようとした。
しかし安部とジェニーは誘拐されてしまい、帰らない二人の捜索をブラウン中佐が行うことになる。
安部とジェニーが気づいた時、そこはどこかの施設だった。
窓の外は海底で、そこは巨大な海底基地だった。
しかもそこでは世界征服を狙うマッドサイエンティストが、世界中の科学者を集め、人を半魚人サイボーグへと変化させていた。
安部とジェニーもその実験の被験者となることになったのであった。
・映画おすすめ 感想
東映が日米合作で制作した海底SFである。
主演は千葉真一であるが、そこまでアクションが派手なわけではない。
海底大戦争というわりには、マッドサイエンティストの実験と、それを阻もうとする主人公たち。海軍の潜水艦も一隻しか登場しないので、大戦争というには、少し物足りない映画になっている。
演出面では、実写、特撮、水中撮影と三班に分かれての撮影になっており、力の入れ具合がすごい。
セット、水中の場面、特撮に申し分はないが、もう少し半魚人サイボーグは何とかならなかったものだろうか。
デザインに関しては、当時、円谷プロとまだ契約中だった東映が頼み、ウルトラマンをデザインした方が担当している。
もしかするとウルトラマンの時のように、不満のある出来栄えだったのかもしれない。
監督 佐藤肇脚本 大津皓一原案 福島正実出演者千葉真一ペギー・ニール室田日出男菅沼正フランツ・グルーバーアンドリュー・ヒューズ
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前々回のブログ 映画おすすめ バッファローダンス 1894年
前回のブログ 映画おすすめ ジャンクⅢ 死の瞬間
その技巧を観客に見せつけた
「カイセド」
・映画おすすめ 感想
一本に渡されたゴムの上を自在に飛び跳ねる男。
男は長いポールを持ち、バランスを取りながらうまくゴムの上で跳ねる。
客芸の一つだと思われる本作は、サーカスなどで見られるものを、一般的にも見られるように撮影された映画である。
これをイベントなどで上映し、その技を一般客にも見てもらったのだろう。
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前々回のブログ 映画おすすめ ミッドウェイ 2019年
前回のブログ 映画おすすめ バッファローダンス 1894年
文字通り死の瞬間を切り取った映画
「ジャンクⅢ 死の瞬間」
評価:★3,2
・映画おすすめ 物語
一作目、二作目と劇場公開された本シリーズ。
本作も劇場公開されたとされてはいるものの、内容は刺激を求める人々からしたら不満なものになっている。
死の瞬間を集める、あらゆる死の瞬間を観客に突き付けることがテーマの映画なのだが、本作に限っては、世界中から集められた、ニュースでは描かれない死の瞬間を、確かに映し出してはいる。
立てこもり犯を警官隊が銃撃するシーン。
爆弾解体するも失敗するシーン。
ゴミ箱に死体が遺棄されているシーン。
海で魚に襲われるシーン。
サメに片足を喰われるシーン。
ウサギ、鶏が殺害されるシーン。
などなど数多くの死のシーンが本作でも描かれている。
・映画おすすめ 感想
上記のように複数の死の瞬間が描かれてはいるものの、前作のドキュメンタリーのような、本物のシーンが果たしていくつあったのだろうか。
なにか前作から比べて、世界の限定された地域で行われている残忍な風習などはほとんどなく、アメリカの衝撃の瞬間的な映像がほとんどだ。
しかもそれが本物なのかは疑わしいところが多い。
本物があるのかもしれないがい、前作にくらべ、チープさが強くなっている。
監督が言っていた、数多くのシーンで特撮が使われている、というのは本作のことなのかもしれない。
監督:コナン・ル・シレール脚本:アラン・ブラック、ヴェロニカ・レイクウッド
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前々回のブログ 映画おすすめ バッキングブロンチョ 1894年
前回のブログ 映画おすすめ ミッドウェイ 2019年
ネイティブアメリカンのダンス
「バッファローダンス」
・映画おすすめ 感想
エジソンスタジオが撮影した、アメリカのネイティブアメリカンたちによるダンスの映像である。
これはネイティブアメリカンに注目した最初期の映画とされている。
この頃にはネイティブアメリカンも、ショーとしてこうした踊りを披露していたらしく、本作に登場する人々もショーに出ている人々である。
戦争の歴史から和解の歴史をたどり、こうしてフィルムに残されるようになった。
映画は歴史を映し出していた。
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前々回のブログ 映画おすすめ ビューティフル・マインド
前回のブログ 映画おすすめ バッキングブロンチョ 1894年
戦争とは多くの死の上に勝敗が成り立つ
「ミッドウェイ 2019」
評価:★3,9
・映画おすすめ 物語
日米開戦が噂される中、山本五十六は駐日武官レイトンに、日本はアメリカにエネルギー資源を依存している、あまり日本を追い詰めるな。
と警告する。
日本にも分別あるものはいる。
と戦争を回避したい旨をレイトンに伝えるのだった。
しかし数年後、日本軍はハワイ真珠湾を奇襲攻撃するのであった。
だがこの奇襲攻撃で燃料タンクを爆撃しなかったことによる、アメリカ軍の早期回復を山本五十六は懸念した。
多くの人命と艦船を失ったアメリカ軍は、部隊編成を立て直し反撃に出る。
マーシャル諸島の飛行場を攻撃し、飛行場を破壊したのち、ニミッツ司令官の命令で空母ホーネットからの飛行編隊が日本本土空襲に成功する。
これを受け、日本を本土を守れなかったことを悔やむ山本五十六司令長官は、陸軍との軋轢の中、アメリカ軍の太平洋艦隊を撃破すべく、新たなる作戦を立てる。
日本軍の暗号文を解読する情報部に移動していたレイトンは、次の日本の目的がミッドウェイにあると突き止め、ニミッツに報告、太平洋艦隊は残された全戦力でミッドウェイへ向かうのだった。
その中に天才パイロットディックの姿もあった。
運命の日、四隻の空母を保持する日本艦隊と突貫工事でようやく戦力を集めたアメリカ艦隊がミッドウェイで激突する。
日本艦隊の場所を突き止められないアメリカ艦隊は、駆逐艦を発見し、艦載機でそのあとを追跡、日本艦隊を発見すると、ディック率いる戦闘機部隊は、日本艦隊の空母破壊へと飛び立つのであった。
・映画おすすめ 感想
何度も映画化され、ドキュメンタリー映画まで制作されているミッドウェイ海戦を、「インデペンデンスデイ」「2012」の監督、ローランド・エメリッヒが制作した本作。
演出は戦争映画によくある、中立の立場から、両国の戦争の状況を描く方式をとっており、日本映画界からも複数の俳優陣が出演している。
管理人はこの映画で初めてミッドウェイ海戦の概要を知ったのだが、ミッドウェイが日米戦争の命運を分けたという話はあながち嘘ではないようだ。
真珠湾での攻撃で艦隊を失ったアメリカ海軍はあの時まで劣勢にあった。
しかしミッドウェイで勝利したことにより、日本海軍へ大打撃を与え、戦況をひっくり返したのである。
山本五十六のいうように、真珠湾で燃料タンクを破壊していたならば、ミッドウェイ海戦で日本海軍が航空機戦力にもっと力を注いでいたならば、あるいは歴史は変わっていたのかもしれない。
日本人だから日本側からの見方しかできなのだが、この映画で知ることが実に多かった。
海外での評価はというと、賛否が分かれており、戦争映画をハリウッド的にしてしまったのは、失敗だったのではないか、という意見もある。
戦争映画とはそれだけ難しい物なのかもしれない。
特に日米戦争に関しては。
監督 ローランド・エメリッヒ脚本 ウェズ・トゥック製作 ローランド・エメリッヒハラルド・クローサー製作総指揮 マーク・ゴードンマルコ・シェパードウェズ・トゥックハン・サンピンドン・ユージェフリー・チャンブレント・オコナーカーステン・ロレンツウテ・エメリッヒアラステア・バーリンガムゲイリー・ラスキン出演者エド・スクラインパトリック・ウィルソンルーク・エヴァンズアーロン・エッカートニック・ジョナス豊川悦司浅野忠信國村隼マンディ・ムーアデニス・クエイドウディ・ハレルソン
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前々回のブログ 映画おすすめ ボクシングキャット 1894年
前回のブログ 映画おすすめ ビューティフル・マインド
映画芸術科学アカデミーが保存する映画
「バッキングブロンチョ」
・映画おすすめ 感想
当時のカウボーイショーを記録した映画である。
実在のカウボーイが暴れ馬に乗り、観客の前で乗りこなす。
横ではあおるように、リボルバー拳銃を撃つ人も記録されている。
これは記録映画であり、当時のアメリカの時代背景がしっかりと記録されている。
本作はエジソン社が35mmフレームで撮影した映画である。
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前々回のブログ 映画おすすめ ハートビープス/恋するロボットたち
前回のブログ 映画おすすめ ボクシングキャット 1894年
見える世界が人と違うからこそ
「ビューティフル・マインド」
評価:★4,5
・映画おすすめ 物語
ジョン・ナッシュはプリンストン大学院に入り、この世のすべてを表す理論を考え出したい、と授業は、これまでの人が考えた理論であり意味がない、と独自に部屋にこもり、論文を書き上げようと試みる。
しかしライバルのマーティンはいくつもの論文を発表し、自分の遅れを気にしていた。
そんな中、ルームメイトのチャールズは、彼に酒を進め、自分がどんな理論を作りたいのか、答えに導いてくれた。
その一方で人付き合いが苦手なジョンは、女性に声をかけるなり、セックスがしたい、体液の交換がしたい、と言いビンタを喰らうことなどがあった。
しかしこれまでの数学の理論をすべて否定するような論文を書いたことで、彼はいちやく数学者として注目を浴びるようになり、政府からの仕事も来るようになる。
時を同じくして、以前のルームメイト、チャールズが姪を引き取り育てると言って、女の子マーシーを紹介する。
さらに政府の裏の仕事を持ってきた謎の男ウィリアムの仕事も受けることになる。
その仕事とは、世間に溢れている広告や雑誌の中に暗号が隠されており、水爆のありかを示している。
アメリカは狙われている、というものだった。
腕に鉄の板を埋め込まれ、番号が書かれ、暗号を発見したらある屋敷に行き、そこのインターホンに番号を打ち込むと門が開き、すぐそばのポストに暗号を入れることが彼の任務となった。
仕事が順調だった頃、彼は講義をしなければならなくなり、そこで講義を受けに来ていたアリシアと少しずつ親密になり、相変わらずの人付き合いの苦手なジョンは、デートの最中にまたセックスがしたい、体液の交換がしたいというと、彼女はビンタすることなく、ジョンに口づけするのだった。
その後、ジョンとアリシアは結婚し、子供を授かるのであった。
だがジョンはある日、大学で精神科の医者に捕まり、精神病院に連れていかれる。
彼は統合失調症を患っており、それが長きにわたるもので、大学院の頃からだ、と言われる。
信じられないジョンとアリシアだが、大学院のルームメイトなど存在せず、政府の暗号を探す仕事もしていなかった。
毎回ポストに入れていた暗号文はそのままになっており、屋敷は誰も住んでおらず、すべてが彼が自分で作り出した幻覚だったのだ。
信じられないジョンは腕を切り裂き埋め込まれたプレートを探すが、存在しなかった。
それから薬を飲みながら、家に引きこもる生活が続いていたが、数学の論文を書くためには、頭をクリアにしなければならず、薬を飲むのをやめてしまう。
するとまた政府の仕事を依頼され、彼は人知れず、家から離れた小屋でまた広告や雑誌の切り抜きを集め始めるのであった。
それに気づいたアリシアは、逃げようとすると、ジョンはようやく気付くのであった。
幻覚の人物たちは年を取らないことを。
こうしてジョンはアリシアと子供の三人で病気と向き合うことを決意するのだった。
・映画おすすめ 感想
本作の主人公ジョン・ナッシュは実在の人物であり、ノーベル賞を受賞した天才数学者である。
それと同時に統合失調症に悩まされた過去も本当であり、病気と闘いながら、ノーベル賞を受賞する論文を発表する天才であった。
しかし映画と実際の出来事には相違点がいくつかあるらしく、まず大学院からジョンは統合失調症だったと映画では映画かれているが、実際は大学院時代は症状が現れておらず、数学者となってから症状が現れている。
また妻のアリシアとは一度、離婚しており、病気療養中は、元妻の家を間借りしていた状態だったらしい。
その後、再び結婚という。
この映画が公開された当時、ナッシュ夫妻は健在で、精力的に大学にジョンは通っていた。
ところが2015年、タクシーに夫妻が乗車していたところ、事故に遭遇し、二人はそのまま亡くなっている。
ある意味、幸せな最後だったのかもしれない。
二人でともに旅立てたのだから。
監督 ロン・ハワード脚本 アキヴァ・ゴールズマン原作 シルヴィア・ネイサー製作 ブライアン・グレイザーロン・ハワード製作総指揮 カレン・ケーラトッド・ハロウェル出演者ラッセル・クロウエド・ハリスジェニファー・コネリーポール・ベタニーアダム・ゴールドバーグジャド・ハーシュジョシュ・ルーカスアンソニー・ラップクリストファー・プラマー
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前回のブログ 映画おすすめ ハートビープス/恋するロボットたち
世界初のコメディ映画かもしれない
「キャットボクシング」
・映画おすすめ 感想
小さいリングの中に猫が二匹。
前足にはボクシンググローブをハメて、まるで殴り合っているかのような動き。
これは猫のサーカスの演目らしく、当時、サーカスを見に行けない人々にも、こうしてサーカスを35mmフィルムで撮影し、見せることができている。
映画とは記録であり娯楽になってきたのであろう。
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ロボットにだって心はある「ハートビープス/恋するロボットたち」
評価:★3,8
・映画おすすめ 物語
木製商品の販売係員型ロボット、ヴァルは故障し、修理工場で修理待ちの状態にあった。修理待ちのロボットが並ぶ場所に運ばれた彼は、そこでパーティー用コンパニオンロボット、アクアと出会う。二体のロボットは、外の光景を眺めながらいろいろと話しているうちに、次第に恋心が芽生えるのであった。そして逃げ脱ことを決意する。すると同じく修理待ちのジョーク専用ロボット、キャットキルも一緒に行くと言い出し、三体は工場を抜け出し、修理用のバンを盗み、逃避行するのであった。途中、バンを木にぶつけてしまう動けなくなったところで、バンの後ろに積んである部品を組み合わせ、小型のロボットを作る。言葉は喋れないが、ビープ音で会話するそのロボットをヴァルとアクアは子供として扱い、四体になった一行は、山の中を歩いて逃げるのだった。商品が逃げ出したことに気付いた工場では、修理職員二人が上司から連れ戻すように命令される。それを聞いていた銃器を搭載した警備用車両型ロボット、クライム・バスターが暴走し、工場を抜け出し逃避行するロボットたちを狙って、爆走を始めるのだった。逃避行するロボットたちにはバッテリーが内臓されており、どんどんそれは減っていくばかりだった。二人の恋は実のか?・映画おすすめ 感想
日本ではかなりマイナー作品ではあるものの、出演者や音楽は一流をそろえたラブコメディ映画である。主演を務めるのはアンディ・カウフマン。コメディアンであり俳優だった彼は、アメリカで絶大な人気を誇っていたが、35歳という若さで病死している。本作は長編映画最後の出演作となっている。相手役のアクアを演じたバーナデット・ピーターズはミュージカル界では有名な女優であり、幾度もミュージカル界最高の栄誉、トニー賞を受賞するなど、ミュージカルの世界では有名である。また映画、ドラマにも数多く出演しており、世界的に有名な女優である。音楽は「スターウォーズ」の音楽を手掛けた、巨匠ジョン・ウィリアムズであり、特殊メイクはターミネーターシリーズを代表作とし、いくつもの大作映画でメイクを担当したスタン・ウィンストンである。この年のアカデミー賞にメイクアップ部門でノミネートされるも、受賞にはいたらなかった。そのほか、様々な賞レースでノミネートはされたものの、作品は評価されず、受賞には至らない。本作の評論家からの意見も厳しく、生前のカウフマンも本作の酷さにジョークで謝罪するなどしていたという。個人的には面白い映画だと思ったのだが、スターウォーズの熱が映画界を席巻していた時代に急遽制作された映画という感じなのかもしれない。監督 アラン・アーカッシュ脚本 ジョンヒル主演アンディ・カウフマンバーナデット・ピーターズランディ・クエイドケネス・マクミランクリストファーゲストメラニー・メイロンリチャード・B・シュルディック・ミラー音楽 ジョンウィリアムズ
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本物のボクシング
「ボクシング」
・映画おすすめ 感想
本作は本物のボクサーのスパーリングの様子を納めたフィルムである。
出演しているのは、ジャック・マコーリフという、当時、活躍していた本物のボクサーである。
そのスパーリング風景は、今とは比べ物にならないくらい、薄いグローブで殴り合っている。
映画を追いかける中で、この三年はボクシング映画が必ず登場する。
それだけアメリカではボクシングが人気だったということなのだろう。
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それは遥か昔、遠い宇宙での出来事
「アンドロメダ・ストーリーズ」
評価:★4,0
・映画おすすめ 物語
アンドロメダ星雲にあるとある惑星には文明が栄えていた。
その日、コスモラリア帝国の皇太子がアヨドーヤの姫と結婚することとなり、城下町は大いににぎわっていた。
帝国でも随一の剣闘士であるバルガは、酒を飲み酔っぱらっていた。
そこに見慣れぬ衣をまとった小柄な人物が通りかかる。
ひょんなことから二人は戦うことになってしまい、客人が衣を脱ぐと、女であった。
日本刀に見える剣でバルガをやっつけてしまった女剣士イルは、そのまま町の中へと消えていくのだった。
宮殿では皇太子イタカとリリア姫の婚姻の儀式が始まり、リリアの兄ミランも参列していた。
その夜の事、女剣士イルは宇宙から落下してきた隕石の落下地点へ向かう。
それは機械の塊であり、イルは自らの故郷の惑星を滅ぼした機械軍団の侵略であることを察し、爆弾で破壊しようとした。
だが機械のコウモリたちは飛び立ってしまい、帝国の宮殿へと向かうのだった。
そこでコウモリたちは人に取りつき、機械として操り始めるのだった。
瞬く間に機械は人々を機械化してしまい、宮殿のほとんどの人間が機械化してしまった。
ただ二人だけ、リリア姫と乳母のタラマだけが人間として生きていた。
それはリリア姫が身ごもった子供が放つ、不思議な力の影響だった。
不吉な赤い砂嵐が吹き荒れるある日、リリア姫は双子の子供出産する。
しかし双子は不吉の象徴。
乳母のタラマは赤髪の王子ジムサだけを姫に見せ、もう一人の子供をちょうど、城下町にいた剣闘士バルガに託すのであった。
それからジムサの力で機械化することなくリリア姫とタラマはジムサがある程度、成長するまでになった。
だが機械化したことに気付いてしまった姫を守るべく、イルが現れ、ジムサ、リリア、タラマを船に乗せて、逃がすのだった。
イルはもう一人の双子を探すべく、再び城下町へと消えていくのだった。
航海の途中、タラマは機械化した魚に食われてしまい、生き残ったジムサとリリアは荒野で生き続け、ジムサは立派な青年へと成長したのであった。
だがその命を狙い、機械たちは着実にジムサとリリアを狙うのだった。
そのころ、人知れず、もう一人の双子の妹アフルが、イルの保護下の元、成長していたのだった。
・映画おすすめ 感想
竹宮恵子作画、光瀬龍原作のSF神話のアニメ化である。
本作は24時間テレビ内で放送されたアニメであり、劇場公開などはされていない。
一応、テレビ映画として感想を書いていく。
本作は前年まで制作を委託していた虫プロが、前年に未完成のアニメを放送してしまったことから、制作会社を変えて制作されたのが本作である。
アニメ化に厳しい目を持つ少女漫画ファンを相手に作った本作は、案の定評判が悪く、翌年には再び虫プロがアニメ制作をすることとなる。
確かに時間の制約がある中で、漫画が全三巻とは言え、内容が濃い本作を、まとめるのは至難の業であったと思う。
SF神話とも呼べる本作は、人間と機械の戦争の中に、様々な人間模様が折り重なり、古代神話をベースにした部分もあることから、一般の視聴者は置いてきぼりだったことと推察できる。
さらに原作もだいぶ端折られているらしく、登場しない人物もいるらしい。
アニメ版はまだ連載中だった原作よりも先に結末を描いていることから、漫画版では少し違うエンディングになっているらしい。
アニメとしては本当に詰め込んだ感があり、SF好きならまだしも、そうでない人が見れば分からない点が多く出てくることと思われる。
個人的には大好きな映画の一つになったのだが。
キャストジムサ - 古谷徹アフル - 小山茉美イル - 藤田淑子イタカ - 井上真樹夫リリア - 上田みゆきミラン- 野沢那智ベス - 杉山佳寿子アーク - 塩沢兼人バルガ - 野田圭一クフ(老師)- 柴田秀勝ジムサ(幼年時代)- 川島千代子ゴダイ(バルガの父)- 岸野一彦タラマ(ジムサの乳母)- 麻生美代子頭領- 北川米彦大法官- 矢田耕司ゴデム- 佐藤正治商人- 寺田誠、戸谷公次侍女- 高木ゆう子、津島瑞、飯塚はる美マザーマシン - 増山江威子女性ナレーター - 中野聖子ナレーション - 金内吉男スタッフ製作 - 今田智憲企画 - 吉川斌、都築忠彦、足立和プロデューサー - 堀越徹、田宮武製作担当 - 大野清演出 - 佐々木正光脚本 - 辻真先作画監督 - 清山滋崇美術 - 田中資幸音楽 - 大野雄二
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曲芸師の神業
「ベルトルディ」
・映画おすすめ 感想
女性曲芸師が犬と一緒にいる。
曲芸師は体が柔らかく、体を軽々と曲げる。
その上を犬がわたっていく。
最後は曲芸師と犬でポーズを決める。
映画はこの時代、何かを記録することや、人を驚かせることに特化していた時代、この曲芸を見た観客はきっと驚いたことだろう。
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世界は地下で動いていた
「地球の地下での戦い」
評価:★3,5
・映画おすすめ 物語
科学者のアーノルドは、街中で突如地面に耳をつけ、地下で物音がすると言い出す。
周囲の人は好奇心で集まってくるも、通報を受けた警察が彼を拘束、精神科病棟へ隔離されてしまう。
海軍のジョナサンはアーノルドと知り合いだったこともあり、一度、彼のところへ面会に向かうと、アーノルドはベッドの下から紙を出し、アメリカの主要都市の地下にトンネルが掘られている、と言い出すのだった。
最初は信じられなかったジョナサンだったが、街の地下に謎の掘削後を発見したジョナサンは、司令官に申し出て、アーノルドを解放してもらい、地下の音を漏らさず聞くために、あらゆる手段を画策する。
しかし世間は騒音に満ちていた。
掘削の音が聞こえないことから、アメリカ中を一時的に機能停止にすることで分かったことは、アーノルドの言った通り、アメリカの地下にはトンネルが掘られていた。
しかもそのトンネルはアジアからハワイを通って、アメリカまで伸びていたのである。
中国共産党のチャンルー将軍が、アメリカの地下に核爆弾を運び込んでいたのであった。
アメリカ本土の地下の爆弾は何とか解除したものの、広大な地下トンネルのどこかに、将軍は基地を作り、爆弾を製造していることが判明するのであった。
・映画おすすめ 感想
突拍子もない物語ではある。
だがありえないかと言ったら、そうとも言い切れないところが、この映画の怖いところである。
2022年の世界情勢を見ると、4月現在、ロシアがウクライナへ戦争を仕掛けているが、アメリカと中国の冷戦状態は断続していることもあり、万が一にもばかげたこういった作戦を、狂信的な軍人が発案した場合、中国は実行しないと本気で言い切れるだろうか。
確かに太平洋に地下トンネルを作るというのは、現実離れだが、それに近いことならばもしかすると、現代の科学技術では可能なのではないだろうか。
悪意は世界のどこにでもある。
監督 モンゴメリータリー主演カーウィン・マシューズロバートエアーズピーター・アルネアル・ミューロック
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