"戦争映画"カテゴリーの記事一覧
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戦争とは多くの死の上に勝敗が成り立つ
「ミッドウェイ 2019」
評価:★3,9
・映画おすすめ 物語
日米開戦が噂される中、山本五十六は駐日武官レイトンに、日本はアメリカにエネルギー資源を依存している、あまり日本を追い詰めるな。
と警告する。
日本にも分別あるものはいる。
と戦争を回避したい旨をレイトンに伝えるのだった。
しかし数年後、日本軍はハワイ真珠湾を奇襲攻撃するのであった。
だがこの奇襲攻撃で燃料タンクを爆撃しなかったことによる、アメリカ軍の早期回復を山本五十六は懸念した。
多くの人命と艦船を失ったアメリカ軍は、部隊編成を立て直し反撃に出る。
マーシャル諸島の飛行場を攻撃し、飛行場を破壊したのち、ニミッツ司令官の命令で空母ホーネットからの飛行編隊が日本本土空襲に成功する。
これを受け、日本を本土を守れなかったことを悔やむ山本五十六司令長官は、陸軍との軋轢の中、アメリカ軍の太平洋艦隊を撃破すべく、新たなる作戦を立てる。
日本軍の暗号文を解読する情報部に移動していたレイトンは、次の日本の目的がミッドウェイにあると突き止め、ニミッツに報告、太平洋艦隊は残された全戦力でミッドウェイへ向かうのだった。
その中に天才パイロットディックの姿もあった。
運命の日、四隻の空母を保持する日本艦隊と突貫工事でようやく戦力を集めたアメリカ艦隊がミッドウェイで激突する。
日本艦隊の場所を突き止められないアメリカ艦隊は、駆逐艦を発見し、艦載機でそのあとを追跡、日本艦隊を発見すると、ディック率いる戦闘機部隊は、日本艦隊の空母破壊へと飛び立つのであった。
・映画おすすめ 感想
何度も映画化され、ドキュメンタリー映画まで制作されているミッドウェイ海戦を、「インデペンデンスデイ」「2012」の監督、ローランド・エメリッヒが制作した本作。
演出は戦争映画によくある、中立の立場から、両国の戦争の状況を描く方式をとっており、日本映画界からも複数の俳優陣が出演している。
管理人はこの映画で初めてミッドウェイ海戦の概要を知ったのだが、ミッドウェイが日米戦争の命運を分けたという話はあながち嘘ではないようだ。
真珠湾での攻撃で艦隊を失ったアメリカ海軍はあの時まで劣勢にあった。
しかしミッドウェイで勝利したことにより、日本海軍へ大打撃を与え、戦況をひっくり返したのである。
山本五十六のいうように、真珠湾で燃料タンクを破壊していたならば、ミッドウェイ海戦で日本海軍が航空機戦力にもっと力を注いでいたならば、あるいは歴史は変わっていたのかもしれない。
日本人だから日本側からの見方しかできなのだが、この映画で知ることが実に多かった。
海外での評価はというと、賛否が分かれており、戦争映画をハリウッド的にしてしまったのは、失敗だったのではないか、という意見もある。
戦争映画とはそれだけ難しい物なのかもしれない。
特に日米戦争に関しては。
監督 ローランド・エメリッヒ脚本 ウェズ・トゥック製作 ローランド・エメリッヒハラルド・クローサー製作総指揮 マーク・ゴードンマルコ・シェパードウェズ・トゥックハン・サンピンドン・ユージェフリー・チャンブレント・オコナーカーステン・ロレンツウテ・エメリッヒアラステア・バーリンガムゲイリー・ラスキン出演者エド・スクラインパトリック・ウィルソンルーク・エヴァンズアーロン・エッカートニック・ジョナス豊川悦司浅野忠信國村隼マンディ・ムーアデニス・クエイドウディ・ハレルソン
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一つの任務
「1917 命がけの伝令」
評価:★4,6
・映画おすすめ 物語
1917年。第一次世界大戦のヨーロッパでは、イギリス軍とドイツ軍が激しい戦闘を繰り広げていた。ドイツ軍が後退をはじめ、イギリス軍は勝機とばかりに、攻撃を仕掛ける作戦を立てていた。ところがそれはドイツ軍の戦略的撤退であることが、哨戒機によって判明する。明朝、攻撃を開始する第二大隊へ連絡しようとするも、電話線は切られていた。そこでトムとウィルという二人の兵士に手紙が託され、明朝までに第二大隊へ伝令を伝える任務が言い渡された。塹壕を出た二人の前に確かに敵の姿はなく、順調に先に進むことができた。ところが空中で戦闘機同士の戦闘が始まり、ドイツ軍の飛行機が落とされてしまう。二人はパイロットを救出するも、トムが離れているうちにウィルがナイフで刺され、致命傷を受けてしまう。第二大隊には兄がいるから、会ってくれ、と言い残しウィルは命を落とすのであった。悲しんでいる暇さえも戦争は与えてくれず、トムは第二大隊の駐屯する森まで向かうのだった。・映画おすすめ 感想
すごい仕掛けの映画である。本作を監督したのは007シリーズを復活させたサム・メンデス監督であり、普通の戦争映画ではないと思われていたが、ここまで没入した戦争映画は初めてである。ワンカットのように見える編集を行い、映画はカットが変わることなく、トムとウィルを追い続け、最後までそのワンカットは変わらない。最初から最後までずっと、一人の主人公を追い続けている。これは没入感がこれまでにない映画になっている。また俳優陣の側面から見ると、イギリスの大物俳優が数分の役柄で登場しているので、それもまた見ごたえのある映画になっている。これは前代未聞の映画である。監督 サム・メンデス脚本 サム・メンデスクリスティ・ウィルソン=ケアンズ製作 サム・メンデスピッパ・ハリスカラム・マクドゥガルブライアン・オリヴァー製作総指揮 ジェブ・ブロディRicardo Marco Budéイグナシオ・サラザール=シンプソン出演者ジョージ・マッケイディーン=チャールズ・チャップマンマーク・ストロングアンドリュー・スコットリチャード・マッデンクレア・デュバークコリン・ファースベネディクト・カンバーバッチ
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戦場に取り残されたアイルランド軍の実話
「ジャドヴィル包囲戦 6日間の戦い」
評価:★4,8
・映画おすすめ 物語
コンゴで大統領が暗殺され、新しい人物が政権を掌握、自らの国を樹立した。これに対し、国連は交渉役として特使を送ると同時にアイルランドの部隊を前線に配置した。しかしコンゴにはウラン鉱脈があり、それを守る軍隊とにらみ合いになる。装備も食料も少ない中、アイルランド部隊は戦闘に入るのだった。援軍を求めても援軍は来ず、政治的解決が優先された。その間にも戦闘は激しさを増していくのであった。・映画おすすめ 感想
事実は小説より奇なり。事実に勝ものはない。この映画が事実であるならば、国連は前線に戦ったことのないアイルランド兵士たちを見捨てたことになる。作中で上層部がいかに無能化が描かれており、疲弊していくアイルランド兵士たちが描かれている。またこの事件の最中、国連事務総長の乗った飛行機が撃墜されており、大きく世界史に刻まれている。アイルランド兵士たちは奇跡のように、死人を出すことなく、降伏し、一か月後には政治的解決で国に帰ることができている。しかし事件は歴史の闇に葬られていた。そういったことを世界に知らせるのもまた、映画の役目なのだろう。出演者ジェイミー・ドーナンマーク・ストロングミカエル・パーシュブラントジェイソン・オマラDanny Sapaniマイケル・マケルハットンGuillaume Canet
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父親たちの星条旗
・感想
戦争は負けたものが悪者で、勝ったものが良きものと歴史では名付けられる。だが勝者は果たして勝者なのか?勝ったから必ずしも幸せになれるのか?イーストウッドは戦争で勝利した自分たちにも、苦悩や目論見があったことを、自分たちの父親は苦しんでいることを描いている。
・物語
若者たちはハワイの訓練施設で激しい訓練を受けていた。
その後、硫黄島への作戦に参加し多くの戦友が死んでいくのを目撃した。
やがて運命の6人がアメリカ国旗を掲げることになる。
この時、本当の国旗は別の兵士によって掲げられたが小さい、との理由から改めて大きいアメリカ国旗が掲げられ、それが新聞の一面に乗る。
帰国した彼らを待っていたのは、英雄としての明るい未来かと思われたが、政治家の資金集めに利用されたり、仲間の中でもめごとが起こるなど、次第に英雄たちの歯車が狂い始めていくのであった。
監督クリント・イーストウッド製作スティーブン・スピルバーグ ロバート・ロレンツ クリント・イーストウッド原作ジェームズ・ブラッドリー ロン・パワーズ
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終戦のエンペラー
日本は戦争に負けた。戦後処理としてマッカーサー元帥率いるGHQがやってきて、戦犯者を逮捕し始めた。しかしそこに天皇を含めるか否か。アメリカがもしあのとき、判断を間違えていたら、日本国の復興は別のものになったのかもしれない。
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ニュルンベルク裁判 人民の裁き
この記録映画は、見てほしい。ここで裁かれたナチスの上層部。これですべてが終わってはいない。この映画はそこを見つめている。ここで裁かれなかった戦犯者は次の戦争に関わっている噂もある。終戦は新たな開戦の始まり。
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「ホース・ソルジャー」2018年公開の実話に基づいた戦争映画。
クリス・ヘムズワース主演。注意:ネタバレ、長文。人類の歴史には忘れては行けない事実がある。2001年9月11日。世界は現実がどれだけ残酷なのかを目の当たりにした。あの日、旅客機が2つのタワーに突入した時、アメリカの軍部はバケツをひっくり返したような騒ぎになった。家族と過ごすため部隊を抜けたネルソン大尉は、この事件の数時間後には部隊復帰を志願するも、自ら現場を離れデスクワークを望んでいたことから、却下される。しかし信頼するスペンサー准将の口利きで部隊復帰がかない、アフガニスタンへ部隊は戻った。アフガニスタンではこの時すでに戦闘状態にあったアメリカは、アフガニスタン北部連合と連携をとり、タリバンが支配する重要ポイントとなる町を取り戻そうと作戦をたてていた。その最初の一撃として、空爆による現地勢力への攻撃。その爆撃地点示す現地誘導チームが必要となった。そこで5つあるチームの中から選ばれたのが、ネルソン率いる12人の部隊であった。CIA工作員と現地で合流し、現地の実力者であり北部同盟にいる3人の将軍の1人ドスタム将軍と合流し、タリバンを追い詰めてることになっていくが、ドスタム将軍は他の2人の将軍たちと対立していた。3人はそれぞれ他の将軍の勢力を見つけ出すと闘いになり、敵であるタリバンなど眼中になくなる。そんな中でも信用を得て、12人は馬に乗り、タリバンへの最初の攻撃を行う。世界最大の軍隊を持つ国の最初の反撃はこの12人から始まったのだ。どこまでが真実なのか、どこまでがアメリカが正義という映画なのかはわからない。ただこの映画は戦争映画として非常にすぐれた映画であり、そんなに難しく考えなくてもいいのかもしれない。しかし歴史に1つ大きく残っている事実は、現実がフィクションを超えたあの日は紛れもない真実であり、この12人から今も続くアフガニスタンでのテロとの戦いは始まったということだ。アフガニスタンとは複雑な国。中東自体があらゆる民族、あらゆる思想、宗教が混ざり合い、混沌とした状態にある。現地の将軍は最後に言った。「アメリカ人もいずれアフガニスタンでは1つの部族にすぎなくなる」これは実に正しい。今や中東に置いてアメリカ人は1つの部族になっている。戦争の主役なのかどうなのかもわからない、あの鍋の中に入って混ざってしまった。それでもこの映画に描かれていることは、現実にある。あの世界中が不安になった日に家族のもとを離れる父親たち。そして戻ってくる。家族は号泣で父親を、兄弟を、息子を抱きしめる。
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「アラモ」
1960年公開の「アラモ砦の戦い」を題材にしたアメリカの歴史映画である。主演のジョン・ウェインが監督もつとめている。注意:ネタバレ、長文物語の前提として本作はアメリカの歴史。テキサス州がメキシコから独立する戦争とその後、メキシコ領土であるアメリカ大陸西側を領土とし、アメリカ合衆国となったことが歴史的背景にある。なおこの映画の時点で西側の13州はイギリスから独立しアメリカ合衆国となり、中部はフランスの植民地であったがナポレオンより買い上げてアメリカとなっている。テキサスはメキシコの領土であったが、ヒューストン将軍率いる独立軍がテキサス共和国へ向けて戦闘を開始した。しかし軍備も人員もメキシコ軍の方が圧倒的に巨大で、独立軍には軍備と人員を整える時間が必要になっていた。そんな中、元は教会であったアラモ砦をメキシコ軍から手にした独立軍は、砦部隊としてウィリアム大佐をアラモ砦へ向かわせる。そこへ軍の規約に反抗的なボウイ大佐、地元では英雄で武勇伝をいくつも持ち、元は議員だったクロケット大佐が加わる。多勢のメキシコ軍を相手に、夜襲などをかけて戦況はアラモ砦守備隊に優位に見えた。しかし援軍として加わるはずだった部隊がメキシコ軍の奇襲を受けて到着できず。ヒューストン将軍の本隊が整うまでアラモ砦守備隊は時間稼ぎをしなければならなくなる。義勇軍であるクロケット、ボウイの両名部隊をウィリアム大佐は立ち去ってもいい、と命令を下すのだが誰一人として立ち去る者はなく、決戦の朝を迎えるのであった。映画で学ぶアメリカ史、ということで「パトリオット」で独立戦争を行い、イギリスから独立したアメリカは、中部をフランスから買取、領土拡大を目指す。そんな中で西側は未だメキシコ領土であり、その最前線がテキサス共和国を目指すテキサスであるわけだが、正確にはこの映画の後にテキサス共和国は誕生し、アメリカ合衆国へ統合されていくことになる。イギリスからの独立戦争の後、アメリカでは外から入植してきた者とネイティブ、つまりインディアンとの戦闘が繰り返されている。それもまたアメリカの真実だが、対外戦として見た時に、独立戦争の次はメキシコとの戦争かな、と思い本作を観た。この映画は本当にすごい。アメリカ映画がまだ力を持っていた時代だけあって、大規模な人員の動員。ダイナミックなシーンの連続が続く。西部劇の1つに数えられることも多いこの映画は、3度映画化されていて、本作しか観ていないが、本作に限った感想としては西部劇ではなく戦争映画である。誰が英雄でも、誰が悪人でもない。自由のために戦い、全滅を覚悟で砦で戦った戦士たちの物語。ジョン・ウェイン映画は実は初めてで、西部劇はイーストウッドばかり観てきたのだが、ウェインの風格はなんとも言えない雰囲気があってすごい、としか言いようがない。
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「パトリオット」
2000年公開、ローランド・エメリッヒ監督、メル・ギブソン、ヒース・レジャー主演のアメリカの歴史映画である。注意:ネタバレ、長文『アメリカはここから始まった』歴史は続いているものであり、史実は区切りなく過去から現代に続くもので、物語を語る上で前提として知って置かなければならない情報がある。『7年戦争』という歴史的戦争があった。これは当時の世界列強国、植民地を抱えるイギリス、フランス、スペインとロシアなどが参戦した世界規模の戦争であった。その戦争はこうした列強同士の戦いにとどまらず、世界各地の植民地にも影響を及ぼし、アメリカでも戦闘が行われた。主人公ベンジャミンは。この『7年戦争』でアメリカを戦場とした戦闘の英雄であった。しかし妻と出会い子どもたちができて、農夫になることを決めた。それから妻は亡くなり、子どもたちを自由黒人たちと一緒に、畑を耕して生活していた。その頃、イギリスの植民地であった13州で独立の機運が高まり、フランス、スペインの支援を受け、各州は独立戦争を開始した。ベンジャミンの住む州でも独立戦争へ参加するべきだ、という意見が高まる中、戦争の恐ろしさを知っているベンジャミンは反対するが、戦争は行われることとなる。戦争へ参加することを嫌がったベンジャミンだったが、長男のガブリエルは志願兵として戦争へ参加する。次第にベンジャミンの家の近くまで戦渦が近づき、ガブリエルは負傷しながら家へ逃げ帰ってくる。それど同じく家の目の前で戦闘が起こり、ベンジャミンは中立の立場から、アメリカ、イギリス両軍の負傷兵を手当した。ところはそこへやってきたイギリスの騎馬隊隊長ウィリアム大佐は、イギリスの負傷兵を収容後、アメリカ軍の負傷兵を皆殺しにし、ベンジャミンの家に火を放ち、ガブリエルがアメリカ軍の伝令だとしると捕虜にしようとした。それを止めようとした次男をウィリアム大佐は撃ち殺し、ガブリエルは連れて行かれた。怒りと絶望からベンジャミンは武器を息子たちに持たせ、森の中へ向かい、イギリスの兵士たちを皆殺しにして、ガブリエルを助けた。そして子どもたちを亡くなった妻の姉へ預け、自らの戦場へ向かい、息子ガブリエルと民兵を集め、イギリス軍相手にゲリラ戦をしかけるのだった。ここ数日、アメリカの歴史を学び、映画でもっと深く映画の方でもアメリカ史を順番に観ていこうと思い、最初に選んだのがやはりアメリカが始まった瞬間、イギリスの植民地からアメリカ合衆国へ変わった戦争の物語であろう。わずか250年でアメリカは世界の中心国家となった。その中心国家にどうやって成り上がったのか、そこを知るべく、アメリカの始まり独立戦争からまず観たわけだが、アメリカという国は、民衆が自らイギリスから勝ち取った国である。だから愛国心が強く、独立戦争で多くの者を失った。それでも戦うことを諦めなかった。そこに今につながるものがあるように思えた。本映画はどこまでが史実でどこまでがフィクションか分からない。あるいはイギリスをここまで卑劣に描く必要はなかったのかもしれない。ただボロボロになった星条旗を掲げ、民兵がイギリス軍を倒す。アメリカは常に星条旗を掲げ戦い続けている。その歴史的始まりを観たような気がする。
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「ダンケルク」
戦争が始まった時点で、人類の敗北は決まっている。
勝利者がいるとすれば、兵器屋の銀行口座だけだろう。
ダンケルク。
第二次世界大戦、イギリスを中心とするヨーロッパの諸国連合は、ドイツ軍にダンケルクという浜辺まで追いやられていた。
やむなく連合軍は撤退を命令する。しかし船の数が足りず、民間船に救助要請をする。
これが史上空前の撤退作戦の始まりだった。
物語は様々な兵士、民間人の目線から様々な時間軸が行き来して物語は進行する。
クリストファー・ノーラン監督が自らの映画やドラマに出演した馴染みの俳優たちを集め、史実を陸海空と再現している。
監督はCGに頼らない撮影で有名だが、本作もリアルを追求しているのが伝わってくる。
ただ淡々と戦争を描き、他の戦争映画のようにグロテスクなシーンはあまりなく、ドキュメンタリー的な側面もある。
私が何より感じたのは、ノーラン監督はトム・ハーディが本当に好きで、どの監督よりもかっこよく撮る方法を心得ている。
ダークナイトライジングのベイン同様、ほとんど顔が見えないのだが、それでも決めるときは決める。最後は彼がこの映画を閉めている。
傑作だ。間違いなく傑作だ。
ただインセプションのときのように、観客を混乱させる映画になっているのが、ちょっと残念だった。
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