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こんにちは、こんばんは。
本日の映画は前号と酷似したホワイトハウスが戦場となるこちらの映画。
第131号「ホワイトハウスダウン」

《ホワイトハウスダウン 概要》
時は前号で書いたエンドオブホワイトハウスと同時期の2013年である。
当時、間を開けずに公開された2作品はテーマが同じであることから比較されている。
こちらの監督はインデペンデンス・デイで有名なローランド・エメリッヒ。
主演俳優はチャニング・テイタムとエンドオブホワイトハウスよりも若いキャストが揃って居る。
《ホワイトハウスダウン 概要》
下院議長の警護官を務めるジョン・ケイルは、離婚した妻との間にエミリーという娘がいた。娘は押さないながらホワイトハウスや大統領、歴史に詳しく、そんな娘を喜ばせる為、エミリーを預かる日、シークレットサービスの警護官の面接を受けることとなる。
しかしシークレットサービスの面接官は学生時代に親しかったフィナティという女性であり、彼の素行の悪さ、成績、経歴を知っていて、シークレットサービスには無理だと判断する。
待っていたエミリーから面接がどうであったかを聞かれ、思わず嘘をついてしまう。

帰る途中、エミリーはホワイトハウスの見学ツアーがしたいと言いだし、ジョンとエミリーは見学ツアーに参加することとなった。

そんな時、国会議事堂が爆破されるテロ事件が勃発、同時に歩ワウとハウスに民間人として潜入していたエミールなる男が武装集団を引き連れ、ホワイトハウスを占領してしまう。
この手引きをしたのは、シークレットサービスを引退するマーティン・ウォーカーであった。
ホワイトハウス全館を支配下に置き、ツアー客を人質にした武装集団は、副大統領、下院議長が率いる対策本部との交渉を開始する。
彼らは逮捕されたテロリストの開放を訴え、更にホワイトハウスに武装集団が溢れかえる。
娘のエミリーがツアーの最中にトイレへ行って戻ってないことを知ったジョンは、娘を探しにホワイトハウスのテロリストの隙を狙って、逃げ出すのだった。
しかしそこで出会ったのは、身を潜めていたジェームズ・ソイヤー大統領であった。

ーホワイトハウスダウン ネタバレー(ドラックして見てね)
大統領と行動を共にするジョンは、敵の武器を奪い、大統領と逃げだそうとする。
一方、娘のエミリーはスマホで動画を撮影、ホワイトハウス内部の様子をネットにアップする。これによりエミリーはエミールに捕まり、ツアー客と監禁されてしまう。
まずは大統領を外へ連れ出すべく、大統領専用車両で庭に出るも、敵が護衛車で追跡してきて、結局、ホワイトハウスからは出られず、テロリストたちを次々に倒していく。
そんな中、エミリーがジョンの娘だということがばれてしまい、エミールとマーティンはエミリーを人質に、ジョンへ大統領の身柄を渡すように要求する。
すると大統領は2人の前へ出ていく。
その頃、対策本部では副大統領の死をきっかけに下院議長が大統領へ就任、核兵器コードが伝えられる。
ホワイトハウス内部では、その核兵器の発射装置を大統領の指紋認証で起動する。しかしコードがなければ動かないはずの起爆装置に、マーティンは起爆コードを入力する。
エミールはジョンを探しだし、2人は殴り合いの末、エミールの体に手榴弾を縛り付け、爆発死させる。
この時、下院議長はホワイトハウスの空爆を命令し、ジョンはエミリーを救うべく、大統領執務室へ護衛車でつっこみ、マーティンを止めるのだった。
だが大統領はマーティンに撃たれ、エミリーを逃がして、ジョンは大統領を探す。
空爆を止めるべくエミリーは大統領執務室にあった旗を振り、空爆を阻止するのだった。
大統領も撃たれるも、妻から送られたリンカーンの時計が弾丸を止めて、生きていた。
そこへ下院議長がやってきて、ジョンの労をねぎらう。
これにジョンは核兵器コードをマーティンに教えたのが下院議長だと迫り、それを見ためた下院議長を大統領は国家反逆罪の名目で拘束させた。
そして迎えのヘリコプターに乗り込む際、ジョンを特別警護官として招き、娘のエミリーもまた大統領専用機に招かれて、親子は大統領と共に空へ飛び立っていくのだった。
《ホワイトハウスダウン 感想》
前号で書いたエンドオブホワイトハウスが外部からの敵がホワイトハウスを占領するのに対し、今回のホワイトハウスダウンは叛逆によってホワイトハウスが占拠されるシナリオとなっている。
しかし流れとしては両作品ともアメリカが得意とするフォーマットであり、エメリッヒ監督もハリソン・フォード主演のエアフォースワンなどを意識しな流れの作品にしたいと公言していた。
エメリッヒ監督お得意の爆発が多めの作品で、ユーモアも踏まえている。
エンドオブホワイトハウスよりは肩の力を抜いて見られる、エンターテイメント映画であった。
今のご時世、ホワイトハウスも安全ではないのですよ。

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毎度様です。
今のご時世、本当にこの映画のような事があってもおかしくない。むしろあり得ると筆者は思った映画。
第130号「エンドオブホワイトハウス」

《エンドオブホワイトハウス 概要》
時は2013年、イチロー選手がヤンキースで史上3人目の4000本安打を達成したこの年にエンドオブホワイトハウスは公開されました。
当時、ホワイトハウスがハイジャックされ、テロリストが大統領を人質にするというショッキングな内容は、アメリカで大きく成功を収め、続編の「エンドオブキングダム」が製作されたほどです。
《エンドオブホワイトハウス 物語》
ジェラルド・バトラー演じるシークレットサービスの警護官マイク・バニングは、アーロン・エッカート演じるベンジャミン・アッシャー大統領の警護責任者を務めていた。

ある時、大統領一家と共に別荘へ出向いたマイクは、大統領と地下でボクシングなどをしていた。
大統領が出かける時間となり、大統領車両を護衛するマイク。
その助手席にはマイクに懐く大統領の息子コナ―が乗っていた。コナ―はマイクが知るホワイトハウスの秘密通路をすべて把握していた。
マイクが問題を出してコナ―が答える。楽しい冬の一晩になるはずだった。
しかし大統領専用車両が事故で橋から落ちかけ、マイクは慌て大統領を救出へ向かう。だが大統領は負傷している妻のマーガレットを先に救ってくれとマイクに頼む。だが無情にも車は落ちてしまい、マイクの判断で大統領を救出、夫人は犠牲となってしまった。
それから1年、マイクは現場を離れ、財務省で事務をしていた。
そんな時、韓国の首相使節団がホワイトハウスを訪れす。
するとワシントンDC上空に謎のプロペラ機が飛来、迎撃機を破壊して町中に銃弾を振らせた。
同時にホワイトハウス前へ現れた一団はホワイトハウスの警護官たちを次々に銃殺、駆けつけた警察官をもけちらす。
地下のハンガーへ逃げ延びた大統領とイ・テウ韓国首相はテロリストから逃げ延びたと思えた。
だが、韓国首相の使節団に同行していたカン・ユンサクは次々と大統領警護官を射殺、ハンガーを選挙、仲間達と大統領と首相を人質に立て籠もる。
ホワイトハウス前に居合わせたマイクはホワイトハウス内部へ潜入、テロリストたちを次々と倒す。
マイクは1人、テロリストと戦い大統領救出を決意する。
ーエンドオブホワイトハウス ネタバレー(ドラックして見てね)
アメリカは瞬く間に混乱に陥り、大統領を救出すべくアラン・トランブル下院議長を中心に対策本部が立ち上がる。
そこへカンから通信が入り、韓国首相は射殺される。
カンの狙いは「ケルベロスシステム」。大統領を含めた副大統領、国防長官だけが知り得るコードを入力すると、すべての防衛システムが掌握できる。
カンは副大統領、国防長官のコードを聞き出す。そして大統領の口を割らせる為、息子のコナーを探す。ところがコナーはホワイトハウス内部で居なくなる。
マイクはテロリストの装備を奪うと、大統領執務室から直通で対策本部へ連絡をとり、状況を把握、大統領がまだ生きており、コナーが行方不明だと知らされる。
まずはコナ―を探すべくマイクは自らが教えた秘密の通路へ向かうと、コナ―はそこで身を潜めていた。
コナ―を救出し、テロリストを排除しながら、コナ―を排気口を抜けさせ外へ出すと、マイクはハンガーへ向かう。
カンはマイクの命を部下に狙わせ、自らは国防長官をホワイトハウス正面玄関へ連れて行き、外へ歩かせる。
そこを狙撃しようとしたところでマイクがカンの前に現れ、テロリストたちを打ち負かす。
カンは再びハンガーへ籠もると、残りの人質の頭に布をかぶせヘリコプターを要求、そこへ人質たちを乗せた。
その中にカンが隠れていると睨んだ対策本部は、狙撃を命ずるが大統領が含まれているリスクがあるため、ヘリコプターを見逃す。しかしヘリコプターは着陸直後に爆発、大統領が死亡したと誰もが思った。
しかしマイクはまだハンガーに大統領とカンが居ると考え、ハンガーへ向かい、出てきたところをマイクは襲撃する。
その際、大統領は撃たれて負傷、マイクとカンは最後の戦いの後、マイクがカンの頭へナイフを突き刺し、すべては終わる。
マイクは大統領を抱え、正面玄関からホワイトハウスを出て行く。
そして大統領は復帰の記者会見を行い、その横にはシークレットサービスへ復帰したマイクの姿があった。
《エンドオブホワイトハウス 感想》
当時、アメリカでヒットしたこのエンドオブホワイトハウス。本当にホワイトハウスが占領され、大統領が人質になる。こうした映画は今までありそうでなかったというのが第一印象だった。
世界でもっともテロリストに占領されてはならない場所が占領されたとしたら?
きっとここまで楽観的な展開にはならないと思うが、アメリカが得意とする、ダイハードでも行った1人の男がすべてを解決するフォーマットは、観ていてやはり面白い。
エアフォースワンなどの大統領とテロリストというフォーマットもまた、アメリカが得意とするところであり、とにかく他国の人間としては面白く見えた。
だがアメリカの現状を思うと、朝鮮人がアメリカの中心を占領するという話しは、2017年の今はリアルに思えた。
このご時世だからこそ、観ておきたい映画である。
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ようこそいらっしゃいませ。
本日の映画は、あの超大作「十戒」を現代版にアレンジしたこちら。
第129号「エクソダス〜神と王」
《エクソダス〜神と王〜概要》
時は2014年、ゴールデングローブ賞で「それでも夜は明ける」が話題をよんだこの年に、監督リドリー・スコット、主演クリスチャン・ベールで公開されたのが、近代では珍しい女時事的映画「エクソダス〜神と王〜」てある。
そもそも叙事詩的映画の全盛は1960年代であり、「ベン・ハー」や「クラオパトラ」、ソ連時代の「戦争と平和」が有名である。
「エクソダス〜神と王〜」は、全盛期の超大作「十戒」をリメイクしたという位置づけである。
《エクソダス〜神と王〜物語》
紀元前1300年、エジプト王国には2人の王子がいた。
王の嫡子であるラムセス。養子のモーゼ。
2人は互いを信じ、互いに兄弟と思っていた。
そんな矢先、ヒッタイト帝国ホテルとの戦争で、モーゼはラムセスの命を助ける。このとこで2人の間には亀裂が入った。
実はエジプトの預言者は、
「どちらかが死にひんしたとき救う方の王子が指導者となる」と予言していたのである。
そんな馬鹿な、とモーゼは自分の立場をわきまえ、ラムセスが王になると信じていたが、ラムセス自身は予言を信じていた。
モーゼはそれから奴隷たちを感得する役職につき、ユダヤ人たちと接触する機会が増えていた。
そんな折、ヌンという老人に出会い、自らがユダヤ人であり、奴隷を開放する指導者とだと聞かされる。
動揺したモーゼはこのことを秘密にしようとするが、父の死で玉座にあったラムセスの耳に入り、モーゼはエジプトをあとにした。
砂漠の中で知り合った女性と子供を持ち、モーゼは羊飼いとして暮らしていた。
ある日、山に出かけたモーゼは、嵐で足を負傷、さらに泥に埋もれて動けなくなっていた。
そこに少年の姿をした神の使者が現れ、ユダヤ人を開放しろ、とお告げを受ける。
妻子を残し、モーゼは再びエジプトへと帰るのだった。
ーエクソダス〜神と王〜ネタバレ(ドラックして見てね)
エジプトへ帰還したモーゼは、自らの命もかえりみず、王であるラムセスに神の意志を伝える。ところがラムセスはそれを拒否、ユダヤ人を次々と処刑し始めたのだ。
これに対抗すべく、モーゼはユダヤ人に戦い方を教え、エジプト兵士と戦えるようになる。
ところが神の使者はモーゼの行動を否定、神の力でエジプトにわからせる、と発言する。
そして災いがエジプトを襲い始めた。
第一の災い。水がすべて血に染まり、水辺の生き物は死に絶える。
第二の災い。カエルが街中に溢れ、宮殿にまで押し寄せる。
第三の災い。昆虫ブヨがエジプトを襲う。
第四の災い。昆虫のアブがエジプトを襲う。
この時点でモーゼはラムセスにユダヤ人開放を再び願い出るも、ラムセスは経済的破綻を恐れ、拒否した。
第五の災い。家畜が疫病で死ぬ。
第六の災い。エジプト人が腫れ物の病にかかる。
第七の災い。エジプトにひょうが降る。
第八の災い。イナゴが街を襲う。
第九の災い。世界が暗闇に襲われる。
そして第十の災い。エジプト人の最初の子供が死ぬ。
最後の災いになり、モーゼは絶望する。
さらにはラムセスに忠告したがそのかいもなく、ラムセスの子供も死んでしまう。
ここに来てラムセスはようやくユダヤ人の開放を決意、40万人をエジプトから追放した。
ところがラムセスは軍勢を差し向け、ユダヤ人を、殺害することを決意する。
追われるモーゼの前に海が待っていた。
どうするんだ、と口々に叫ぶユダヤ人たち。
すると海の水が引いていき、ユダヤ人たちは海を渡る。
それを追うラムセス軍。そして戻ってきた波にのみ込まれ、ラムセス軍は壊滅、ユダヤ人たちは対岸へ渡りきることができた。
そしてモーゼは神の使者から10の戒律を言い渡され、自らの手で石版に掘るのだった。
だがユダヤ人の旅に終わりはない。
年老いたモーゼを載せた幌馬車は、約束の地を目指して、ユダヤ人たちと旅を続けるのだった。
《エクソダス〜神と王〜感想》
どうしてもチャールトン・ヘストン主演の「十戒」と比べてします。
まあ比較されることを前提として制作されているのだろうが、それにしても、やはり前作が神の力や神という存在についての、描写しているところから、今回がリアル路線で物語が進むと、どうしても神の存在が感じられなかった気がする。
それでも現代技術で撮影された10の災いや海が割れるシーンなどは、観ていて圧倒される。
モーゼの描写もより人間臭く描かれていて、感情を入れることができた。
宗教映画としてだけでなく、スペクタクルとしても、素晴らしい。
叙事詩的映画が制作されない昨今、ぜひともこのジャンルの復活を願いたい。

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こんにちは、こんばんは。
本日は日本における妖気漂う、カルト映画の金字塔であり、マルチクリエーター寺山修司の最高の映画。
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128号「田園に死す」

《田園に死す 概要》
時は1974年、軍艦島で有名な端島の炭鉱が閉鎖された年に、映画版田園に死すは公開された。
歌集として寺山修司が1965年に出版したものを題材にした、寺山修司初監督作品である。
《田園に死す 物語》
※物語と言っても、ここに書くのは物語らしきものであり、映画自体に物語性はあまりない。
恐山の麓の村で母親と暮らす主人公は、父親がいなかった。
楽しみといえば恐山のイタコに父の魂を読んでもらうことばかり。
近くに住む若い人妻は、村の外からやってきた美しい人だった。
ある日、村にやってきた不気味なサーカス団の人から村の外の世界のことを聞く。

これに触発された主人公は、村を出ようとする。
しかし母親に止められる、渋々残ろうとするも、同じく村を離れようとする意中の人妻もまた、村を出ようとしていた。
2人はある日、家出を決行、線路を歩いていくのだった。

と、これは実は主人公が大人になって制作した映画であり、それを見ている主人公へと物語は移る。
東京で映画を制作した主人公は、試写会で自伝的この作品を褒められる。
その後、木村功演じる批評家とバーで酒を飲む。
主人公は、自分の過去を作品にした途端、自分の過去が厚化粧をした物になってしまうと悩みを言うと、批評家は彼に宿題を出す。
「もし君がタイムマシーンに乗って数百年を遡り、君の三代前のおばあさんを殺したとしたら、現在の君は居なくなると思うか」
この突拍子もない宿題に、主人公は取り組むことになる。

そこへ少年時代の自分が現れ、2人は脚色のない本当の自分と出合う。
狂気に彩られた村人たち。変人が集まったサーカス団。恋をした人妻は、愛人と心中をする。
本当の自分を見たとき、少年と今の自分は語り合う。
そして少年は東京へ向かうことを決意する。
田園に死す ネタバレ(ドラックして見てね)
東京へ行く準備をしていた矢先、心中で生き残った人妻が少年の前に現れる。そして少年の服を脱がせ、むりやり少年の童貞を奪うのだった。
ショックを受けた少年はそのまま汽車で東京へ。
村に残った現在の主人公は、20年前の母親を殺そうとする。
しかし殺すことができず、フィクションの中でも自分は母親を殺せないのか、と落胆する中、母に促されるまま向き合って食事をする。
すると家の壁が倒れ、1974年の新宿の町並みの中、ひたすらに食事をする親子がそこにはいた。
《田園に死す 感想》
上記の物語は、一瞥するとSFとホラーが入り混じったように思えるが、実際に影像を見ると、最初から最後まで常人には理解できない、芸術の世界が渦巻いている。
白塗りの人々。遺影を磨く不思議な家族。異常な連中が集まったサーカス団。
嫌悪に思う人はこの映画には向いていない。
カルト映画、アバンギャルドの極みとも言えるこの映画は、しかしながら当時の日本の芸術を紛れもなく表現した映画氏に残る映画なのだ。
見て損はないですよ。
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ようこそ、いらっしゃいませ。
本日は少し古い映画ですが、男の憤りを表したハードボイルド映画。
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第129号「エクスターミネーター」

《エクスターミネーター 概要》
時は1980年、ジョン・レノンが銃弾に倒れたこの年、問題とも言えるこの映画は公開された。
銃による制裁。ベトナム戦争で心に闇を抱えた主人公という設定が、当時の雰囲気と合致したのだろう、作品は低予算ながら大ヒット。
続編も製作されるほどの人気をはくしている。
監督のジェームズ・グリッケンハウスはこの映画で一流監督となり、特殊効果を担当したスタン・ウィンストンは後に多くの特殊効果を担当する、特殊メイク業界の大物となっていく。
そんな2人の原点がこの映画なのだ。

上記の写真はターミネーターの特殊メイクをするスタン。
《エクスターミネーター 物語》
ベトナム戦争の最中、ベトコンに捕虜として捕まったジョンは、目の前で戦友の首が跳ねられる場面を目撃する。そして次はジョンというところで戦友のマイケルに命を救われ、反撃の中、辛うじて命を拾った。
帰国後、ニューヨークで暮らすマイケルは、戦争での精神疾患を抱えたジョンの面倒を妻と一緒にみながら、同じ職場で働いていた。

ある日、地元のチンピラが貨物倉庫へ押し入り、大切な商品を盗もうとするところをマイケルは発見。止めようとするも反撃にあい、倒れてしまう。そこへやってきたジョンはチンピラを撃退する。
だがこれを根に持ったチンピラたちは、マイケルへの報復を行う。この事で脊髄損傷を受けたマイケルは、首から下が動かなくなり、ジョンは自らのせいだと思い込む。
ところが警察はいっこうに犯人の逮捕に到らず、憤ったジョンは自らの手でチンピラに鉄槌を下すのだった。
この時からジョンは闇の処刑人としてニューヨークの人々を悪党から守るのであった。

正義を下す物が正しいのか、法律を厳守する物が正しいのか、ジョンの出す答えとは?
エクスターミネーター ネタバレ(ドラックして見てね)
ジョンは精肉を牛耳るマフィアや、薬品会社の不正を過激なやり方で暴いてく。マフィアの大物を精肉機にかけてミンチにするなど、そのやり方は日に日にエスカレートしていった。
それを追う警察官ダルトンは、犯人の手がかりを掴めずにいた。そこへ大統領選挙を控えたニューヨークに処刑人の出現を良く思わないCIAが動き出す。
夜、マイケルの元へやってきたジョンは、マイケルの同意のもと、マイケルの延命装置のスイッチを切り、親友を亡くなってしまう。
ダルトンは肉体関係にあった女医との情事の最中、病院内で起こった事件に遭遇し、逃げていくジョンを目撃、処刑人だと気づく。
そして2人は停泊中の舟の上で待ち合わせる。
そこでジョンはダルトンへ自らのリボルバーを手渡し、自首する事としたのだった。
ところが向かいに位置するクレーンから狙うCIAの弾丸にダルトンは狙撃され、ジョンも狙われる。
ダルトンをつれて逃げようとするジョンだったが、ダルトンはジョンへ逃げるようにいい、1人その場で戦い息を引き取るのだった。
海へ飛び込んだジョンは朝日の登る浜辺に漂着すると、1人たたずむのだった。
《エクスターミネーター 感想》
正直にいって地味な映画である。B級と呼ばれてもしかたのない映画であるが、ハリウッドで活躍する日本人映画監督、北村龍平がお気に入りというように、銃の見せ方はうまいと思えた。
銃撃戦がけして多い映画ではないのだが、ジョンが処刑の為に弾丸を作るシーン。ダルトン捜査官がジョットガンを準備するシーンなど、思わず見入ってしまう格好良さがある。
そしてなによりもこの映画の雰囲気だ。戦争で精神的に殺戮者になった男がその悪夢に悩まされ、悪夢を払うかのようにニューヨークの悪を始末する。
そこに正義という凜然とした光があるのかは定かではない。だが救われる人がいるのは確かである。
日本の「デスノート」にも通じる、「正義の為に悪人に死をもたらす」それが正しいのか?
最後のシーンなどはこの時代の映画らしく、なにか空しさだけが残る、そんな映画であった。
古い、確かに古いのだが今にはないハードボイルドが確実にそこにはあった。

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毎度様です。
本日は主演、星野源でお送りする、ほのぼの系恋愛映画。
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第128号「箱入り息子の恋」
《箱入り息子の恋 概要》
ボストンマラソンで爆発テロが発生したこの年、映画、箱入り息子の恋が公開されました。
髭男爵の元メンバーという経歴をもつ市井昌秀監督作品である。
主演、星野源の他、夏帆、黒木瞳、平泉成、森山良子など豪華なキャストで作品は彩られている。
《箱入り息子の恋 物語》
公務員として10年以上、遅刻もなく、欠勤もなく、人付き合いも、外食もしない面白みのない35歳の青年、天雫健太郎は実家暮らしで1人、部屋でゲームに熱中していた。
それを心配する両親(平泉成、森山良子)は、親が子供の代わりに見合いをするお見合いイベントへ参加する。
けれども彼の経歴を見た親たちも健太郎とのお見合いを避ける。
そんな中、夏帆演じる今井奈穂子の両親(大杉漣、黒木瞳)が健太郎の両親の前に来る。
だが奈穂子の両親は家に帰ると、健太郎はない、と判断する。
健太郎は何も知らないまま、いつもの仕事を淡々とこなして帰る道すがら、雨宿りをする女性に傘を渡して、濡れて帰った。
傘に名前を書いてあることで奈穂子に傘を貸したのが健太郎だと知った奈穂子の母は、見合いをすることにする。
一方の健太郎は嫌だと断るも、健太郎のやっているゲームをクリアしたら、見合いをすると父親と約束。しかし父親が寝ている間に母親がクリアしてしまう。
そして、2人は初めて見合いをすることに。
奈穂子は目が見えずだから結婚相手も見つからなかった。
健太郎の経歴を知る奈穂子の父親は、健太郎に娘をたくせないと一喝する。
帰宅した健太郎は感情を部屋で爆発させ、1人、暴れるのだった。
奈穂子が健太郎を気に入ったことを知った奈穂子の母親は、父親に内緒で健太郎と奈穂子を合わせる。
2人は惹かれあい、恋が始まった。
箱入り息子の恋人 ネタバレ(ドラックして見てね)
順調にデートを重ねていた2人は、肉体関係にまで発展していく。
ところがデートしているのを奈穂子の父親にバレ、なんとか交際を認めてもらおうとする健太郎だったが、その場で車にはねられてしまう。
そこから2人の交流は絶たれるのだが、奈穂子を忘れるなどできない健太郎は、奈穂子の家へ向かい、壁を登って奈穂子の部屋へと入る。
2人は愛し合い、笑いあっていた。
それを聞いた奈穂子の父親が部屋へと入ってきて、裸の健太郎を見つけ、追い詰める。
すると今度はベランダから健太郎は落ちてしまう。
それでも彼女への気持ちは消えず、病室で点字を作り、奈穂子に手紙を書き続けるのだった。
それを読んで奈穂子もまた、幸せに包まれ、微笑むのだった。
《箱入り息子の恋 感想》
夏帆がよかった。
すばらしく可愛くて、男の理想を体現したかのような女性だった。
男ならきっと、見れば夏帆の奈穂子に惚れるだろう。
また健太郎にも共感できる。今の男はきっと、こうなんだと思える。こんな男だからこそ、共感できるのだ。
ただ結末がいまいち曖昧になってしまい、これだったら何かしらの結末を見せていただきたかった。
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ようこそです。
本日は前号に続き、マイケル・ベイ製作の最先端技術でリブートしたミュータントタートルズ、待望の第二弾。
↓
第128号「ミュータントタートルズ シャドウ」

《ミュータントタートルズシャドウ 概要》
製作は2016年。
アメリカのオバマ大統領が88年ぶりにキューバを訪問した年に公開された。
前作が興行的に大成功に終わり、第2弾として本作が製作された。
前作でタートルズによって逮捕されたシュレッダーが復活し、さらには新たなる敵がタートルズの前に出現する。
《ミュータントタートルズシャドウ 物語》
フット軍団に怪しい動きがあることを察知したミーガン・フォックス演じるエイプリル・オニールは、有名な科学者バクスター・ストックマンに接触する。そしてバクスターがシュレッダーの脱獄を企てていることに気づく。

脱獄決行日、移送されるシュレッダーは、ロックステディとビーバップというシュレッダーのファンの犯罪者と共に護送されていた。
そこへフット軍団が強襲、タートルズも駆けつけ、戦いになるのだが、シュレッダーはバクスター博士が開発した転送装置で逃げてしまう。
しかしシュレッダーがやってきたのは別の次元。そこで不気味な生命体クランゲと遭遇、地球へ襲来する段取りをシュレッダーに命令するのだった。
シュレッダーたちの企みを察知したタートルズがフット軍団と戦っている中、シュレッダーの護送を担当していたケイシーは、自らの失態を拭うべく操作への参加を懇願する。しかし捜査担当のヴィンセント局長に拒まれ、自ら単独で捜査を開始、そしてエイプリルと出会い、フット軍団をタートルズたちと追いかける。
同じ頃、フット軍団はシュレッダー信奉者であるロックステディとビーバップをスカウト、ミュータントへと変化させ、イノシシとサイとなりタートルズへぶつけた。

この騒動で警察はタートルズが犯人だと思い込み、4人は警察へ追いかけるのだった。
果たして4人はシュレッダーの企みと、クランゲの襲来を止めることができるのか?
ミュータントタートルズシャドウ ネタバレ(ドラックして見てね)
前作でタートルズの偉業を自らの物にして有名人となったテレビ局のカメラマン、ヴァーンは警察官から絶大なる信頼を得ていた。その力を利用してタートルズの疑いを晴らすべく、ロックスステディとビーバップがミュータントに変貌した瞬間の監視カメラ映像を入手、警察はタートルズへの疑いとエイプリルとケイシーが虚偽の発言をしていと思い込み、逮捕していたのを釈放する。
その頃、タートルズは互いの意見の相違から対立し、特にリーダーとして自信をなくしていたレオナルドに、スプリンターは兄弟を信じることを説く。
そしてタートルズと警察の協力で、フット軍団を追い詰めていく。
しかしクランゲの襲来は止まらず、クランゲがニューヨークへ襲来、タートルズと対峙する。
転送装置の反転でクランゲを追い返し、シュレッダーを撃退した4人は、本当のヒーローとして警察に表彰される。
そしてヴィンセント局長から人々の前に姿を現さないか、と誘われるも忍者は人前に姿を現さない、と言い再びニューヨークの闇に消えて行くのだった。
《ミュータントタートルズシャドウ 感想》
前作から更にCGのクオリティが進化した。特に敵のクランゲは気持ち悪い。人の目はあまりリアルなCGだと気持ち悪く感じるのだと思った。
物語としては個人的にお気に入りのケイシー・ジョーンズが出てきたので、活躍を期待したのだが、ホッケーマスクは被るものの、1990年代版のように、敵と戦う部分は少なく、サポート役としての役割が強かったの残念。
タートルズは相変わらずティーンエイジャーで、割り切れない部分に苦悩するところは、思春期を思い出した。
あそこまで兄弟は多くないが兄弟でしか分からないこと、兄弟かから妥協できない部分があるのだろう。
個人的にはロックステディとビーバップの吹き替えが宮川大輔と藤森慎吾とあって、最初は大丈夫なのかと思ったが、ぶっ飛んだキャラクターだけに、2人の弾けた感じがぴったり合い、見ていて一番、興奮できるキャラクターにしてくれた気がした。
続編の話が無くなったと噂がながれているが、是非、続編を作っていただきた。
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ようこそ。
本日の映画はあのマイケル・ベイ監督がプロデュースしてリブートしたこちら。
↓
第127号「ミュータントタートルズ」

《ミュータントタートルズ概要》
子供時分、どんな映画が好きだったか?
どんな映画を観て興奮できたか?
この問をされたとき、真っ先に思い浮かべる映画の1つがミュータントタートルズだ。
まだ幼かった頃、キグルミのタートルズたちが、悪の組織と戦う姿に興奮した。まだビデオテープの時代、テレビの前で釘付けになっていた。
ちなみにこちらが1990年版

あのタートルズがフルCGで復活したと聞き、すぐに私は飛びついた。しかもエンターテイメント映画の巨匠、マイケル・ベイ監督が関わっているとなれば、面白いのは間違いない。
リブートされたのは2014年、ソチオリンピックが開催され、マイクロソフトのWindow XPのサポートが完全終了した年である。
《ミュータントタートルズ物語》
ミーガン・フォックス演じるしニュースレポーターのエイプリル・オニールは、犯罪組織の悪事を暴くべく取材をしていた。
するとそこに忍者のような動きをする4人が、瞬く間に組織の連中を倒す場面に遭遇する。

これをニュースにするべく局の人間たちに言うものの、誰も信じてはくれなかった。
そこでエイプリルは自分で取材を開始した。
そして出会うのである。人の背丈を超えた、筋肉に覆われた亀たちに。
彼ら4人は下水道をアジトに、ネズミの師匠であり父親であるスプリンターに鍛えられ、忍者として修練の日々を送っていた。

けれどもスプリンターは人間たちが自分たちを受け入れるとは考えておらず、姿を隠し、地上に出ることを禁じたのだ。
その誓を破り、彼らレオナルド、ラファエロ、ドナテロ、ミケランジェロは悪の組織、フット軍団と戦っていた。

だがフット軍団の首領シュレッダーは、自分たちの仕事を邪魔する忍者の存在に気づき、探させていた。

フット軍団の目的を探るエイプリルとタートルズはそこで、彼らの出生の秘密と、エイプリルの辛い過去に行き着くのだった。
タートルズはエイプリルの父親が薬品研究所で育てていた亀であり、その名前をつけたのは当時幼かったエイプリル本人だったのだ。
タートルズにはどんな科学的汚染にも対抗できるミュータジェンなる薬が投与され、その影響から知性を身に着けたのだ。
同じくミュータジェンの影響で知性をもったスプリンターは、捨てられた彼らを拾い、育てたのである。
そしてエイプリルの父親は亡くなり、その研究を継ぐサックスにエイプリルはこの事を質問する。
けれどもサックスはシュレッダー配下の1人であり、エイプリルの身に危険が迫っていた。
ミュータントタートルズ ネタバレ(ドラックしてみてね)
スプリンターはエイプリルを案じて自分たちのアジトへ招き、そこで匿うことをきめた。
矢先、エイプリルの携帯電話を辿ってフット軍団が地下のアジトへ殺到する。
奮闘するもスプリンターは重傷、レオナルド、ミケランジェロ、ドナテロは捕まってしまい、残ったラファエロとエイプルは3人を救うべくシュレッダーのもとへ向かう。
シュレッダーはこの時、猛毒をニューヨークにばら撒き、ミュータジェンを提供して、多額の金銭をアメリカ政府から取ろうと企んでいた。
3人を救い猛毒を止めようとするタートルズのまえにシュレッダーが現れ、4人は苦戦しながらもシュレッダーを倒し、猛毒を阻止する。
スプリンターも命をとりとめ、
最後はデート中のエイプリルを改造車でひやかして、物語はハッピーエンドで終わる。
《ミュータントタートルズ感想》
昔見たワクワクは今見ても変わらなかった。
あとの当時、キグルミを着て戦っているタートルズが妙にかっこよかったし、ピザもうまそうに見えた。
それは今回も変わらない。
亀たちのアクションはあのときよりもさらにパワーアップしていて、流石にマイケル・ベイが制作しただけのことはある。フルCGのタートルズは、妙にリアルで、一瞬、もしかすると気持ち悪く見えるかもしれない。
ただここまでの動きをするのであれば、たしかにこの亀たちの筋肉は必要だろう。
ただやはり低年齢層の作品ということもあるのだろう、ストーリーにひねりはなく、子供っぽすぎるかな?
それとミーガン・フォックスのセクシーさを必要以上に強調していた気がした。
だけど面白さはずば抜けていて、スッキリしたいときにみたい映画だった。
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毎度様です。
秋のホラー映画特集第六弾。
最終日となる本日は、ホラー映画が生み出した最強の怨念がぶつかり合う。
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第126号「貞子vs 伽耶子」

《貞子vs 伽耶子 概要》
そもそもこの企画の立ち上がりは、リングシリーズ、呪怨シリーズの量プロデューサーがシリーズの煮詰まりから誕生したとされている。
呪怨のプロデューサーである丸田さんと、角川の井上さんという2つのシリーズを制作してきた2人は、次の展開を模索していた。
そんな斎に角川の井上さんが発案した対決企画に、丸田さんが乗り、企画は動き出した。
エイプリルフールの企画として告知されたこの予告観た、本映画の監督、白土晃士監督が、本当に映画をやるときはぜひとも監督をやらせてくれ、と言ったことから、企画は本格始動した。
《貞子vs 伽耶子 物語》
山本美月演じる倉橋有里は、友達の佐津川愛美演じる夏美が両親の結婚式のビデオをDVDにしてほしいという願いをきき、リサイクルショップでビデオデッキを購入した。
しかしその中には古いビデオテープが入っており、それを観た店の店員が間もなく店内で死亡する。
それを知らずに有里の部屋でビデオを観てしまった夏美は、大学で講師をつとめる森繁が言っていた呪いのビデオテープのことを思い出した。

有里と夏美は森繁の元を訪れ、ビデオテープの事を相談する。
するとオカルトを研究する森繁は興奮、さっそくビデオテープを鑑賞するのだった。

一方、ある町に引っ越してきた玉城ティナ演じる高木鈴花は、入ると死を遂げる家の向かい側に引っ越してくる。
引っ越した日からその家が気になっていた鈴花は、ある日、その家で小学生のグループがいなくなったと聞く。

時を同じくして、森繁に率いられて除霊に向かった有里と夏美だったが、夏美が除霊の最中に霊に憑依され、除霊していた複数の人々を超能力で殺害してしまう。
その中には森繁も含まれていた。
途方に暮れる夏美を助けるべく、有里は自ら呪いのビデオを見ることを選択する。
と、そこへ現れた常盤経蔵とその助手の盲目の少女、玉緒は2人の呪いを解く方法があるという。
常盤は霊を払う力があり、玉緒は盲目でありながら霊の力を透視でした。
2人にすがるように有里と夏美は頼る。

常盤と玉緒は呪いの家で呪いのビデオを見ることで呪いと呪いをぶつけようとする。
下見に出かけた常盤と玉緒は、そこで家に入ってしまった鈴花をみつける。
だが夏美は有里の見ている目の前で呪いで死ぬ。
夏美はその前に自分だけが呪われた現実を理不尽に思い、ネットに呪いのビデオの動画をアップしてしまう。
呪われた2人の少女ははたして呪いから開放されるのか。
そしてどちらの呪いが勝利するのか?
※ネタバレ(ドラックしてみてね)
↓
常盤の計画はビデオテープの呪いを受けた有里を呪いの家へ入れて伽耶子を呼び出し、鈴花に呪いの家で呪いのビデオテープを見せて貞子を呼び出し、呪いを二重にして、呪いで獲物を取り合いにさせて、2つの呪いを一気にぶつけ合い、潰し合わせるという、危険なものだった。
そしてもしも成功しないときの事を考え、呪いの家の裏にある井戸へ結界をはり、どちらかの女性を井戸へ落として、それを追った貞子と伽耶子を井戸の中に封印するという計画だった。
そして決行日、有里と鈴花は呪いの家へ入り呪いのビデオテープを見た。
すると常磐の予想通り貞子と伽耶子が出現する。
恐怖におののく有里と鈴花を狙い、2つの呪いは互いを攻撃する。
だがしかし、その圧倒的な力は均衡して打ち消し合うことはない。
常盤は最終手段として井戸へ有里と鈴花を呼ぶ。
井戸へ向かうとそこには常盤と玉緒が2人を待っていた。
そして貞子と伽耶子も現れ、争いに巻き込まれ、常盤は下半身を吹き飛ばされておそらく死亡した。
玉緒には何もできず、呪いの勝利かと思われた時、有里は自らの井戸へ落ち、貞子と伽耶子を引き寄せた。
2つの呪いは空中で合体、おぞましい姿となり井戸の中へ吸い込まれていった。
そして玉緒と鈴花は井戸に蓋をして、呪いは断ち切ったかに見えた。
が、井戸の蓋は弾け、中から貞子の服装をした伽耶子の動きをする新たなる呪いの化身が現れ、物語は終焉を迎える。
そして最後に流れるよ呪いのビデオテープの映像には、貞子でも伽耶子でもない新たな女性の姿が映っていた。
《貞子vs 伽耶子 感想》
正直、ネタだと思っていた。
リングと呪怨がクロスオーバーするなんて、面白いはずがない。2つの世界をどうやってミックスするのか?
疑問に思っていた。
ところが鑑賞して、面白い、と思えた。
貞子3Dが面白くなかったので、ホラー映画の続編の限界を感じていた。
それを新しい世界をみせてもらった感覚である。
ホラー映画のコラボ、日本でもやれるじゃないか!
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毎度様です。
秋のホラー映画特集第第五弾。
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第125号「着信アリ ファイナル」
《着信アリ ファイナル概要》
人気シリーズ着信アリ。
ついにファイナルです。
前作で呪いの根源が台湾のある炭鉱町にあると突き止め、呪いは新たなる姿に変化した。
今回のファイナルでは呪いはまた新たなる変化を遂げている。
《着信アリ ファイナル 物語》
安城高校に通う堀北真希演じる松田明日香は、陰湿ないじめを受けていた。
ある夜、学校で鶏を眺めていた彼女は、校舎で首吊りをしている生徒を発見する。
時は過ぎ、黒木メイサ演じる草間えみり達のクラスは、船で韓国への修学旅行に出かける。
草間は同級生たちと船室で怪談話で盛り上がっていた。
と、そこへ1つの音楽が流れる。それは学校から支給されて携帯電話からの聴きなれない着信音だった。
草間の友達あずさが電話に出ると自分の声とともに悲鳴が聴こえてきた。
誰かのイタズラだと思い込むあずさ。
韓国へ到着すると生徒たちは韓国の街を散策する。
するとあずさは1人はぐれてしまい、次に発見されたときには、首吊り死体となっていた。
動揺する生徒たち。するとまた新たに着信音が流れ、同級生が死んでしまう。
この光景を見てたのは、不敵な笑みを浮かべる松田であった。彼女はパソコンで1人、同級生達の集合写真をパソコンでクリック、その生徒が亡くなるのだった。
誰かが死ぬたびに不敵に笑い、パムなる人物に話しかけては、喜んでいた。
一方、韓国の生徒たちはパニックに陥り、次の人物の着信後、自分への転送をしないようにと、呪われた生徒に迫る。
草間はこれを冷静になるように落ち着かせようとするも、次々と犠牲者が出ていく。
そして彼女は親友の明日香がこの呪いに関わっていることに気付き、明日香へ電話をするが。
《着信アリ ファイナル 感想》
今回の着信アリは、前回までの流れとは異なり、当時、人気が沸騰していた黒木メイサ、堀北真希が共演するというところで話題をよんだ「着信アリ ファイナル」
当時の世相も反映したのか、韓国が舞台となっている。ここで何故、韓国が舞台となるのか、必要性は疑問だが、まだ日本では無名だったチャン・グンソクが草間の恋人役として出ていたのは驚いた。
3作目にしてファイナルの着信アリなのだが、これは制作する意味があったのか、前作で完結でも良かったと思えた。
そしてこのシリーズに共通する、終わり方の謎。
はたしてこれはハッピーエンドかバットエンドかは、鑑賞した人の考えに委ねられるのだろう。

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毎度様です。
秋のホラー映画特集第四弾。
前号の続編で呪いの根幹へとたどり着く。
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第124号「着信アリ2」
《概要》
前作、水沼美々子という少女の怨念が呪いの現況であると発覚した。
ところがこの呪いの着信は、今回の着信アリ2で思わぬ展開へと発展していく。
監督が三池崇史監督から交代したこともあり、少し心配したが、ここで描かれる呪いの根幹は、恐ろしい。
《物語》
あの世間を戦慄させた予告電話による奇っ怪な事件から1年。ミムラ演じる保育士の奥寺杏子は、恋人、桜井尚人の働く中華料理店で友達の山内まどかと食事をしていた。

そこの店主の王健峰は娘の携帯に電話があったことから、電話の相手が娘の彼氏だと思い出る。ところが声は自分のものであり、着信履歴は数日後となっていた。
と、そこへ買い物に出ていた娘が帰宅。かけた覚えのない電話のことを父に問いただされ、怒ってしまう。
閉店後、店のテーブルで談話する杏子、まどか、店主の娘は店主が居ないことに気づき、桜井が厨房へ探しに行った。
するとそこで顔が半分焼けただれて死んでいる店主の遺体を発見する。
時を同じくして、まどがの携帯に知らない着信音が鳴り響く。
店主の死のショックから寝込む娘を杏子は介抱していた。その様子を心配したまどかとテレビ電話していた矢先、一人暮らしのまどかの背後から女性が這い寄ってきた。
杏子は逃げるように忠告するも、その姿はまどかには見えない。
そして悲鳴と同時にテレビ電話は切れてしまう。
急ぎ、杏子はまどかの部屋へ向かう。
同じ時、事件を調査していた事件に双子の妹が巻き込まれて亡くなった瀬戸朝香演じる記者の野添孝子は、桜井尚人に取材中だった。

2人も着信のことに気づき、まどかの元へ向かう。
しかしまどかは風呂場で人間の力では到底できないような力で体がネジめげられ、浴槽に詰め込まれていた。
この事件を調査する石橋蓮司演じる本宮勇作は、一年前の事件の際に調査していた刑事の山下から事件の真相を聞いており、飴玉が口の中に入っていなかったか調べていた。
しかし遺体からは飴玉は発見されず、代わりに胃の中から台湾産の石炭が発見された。
この事件のルーツが台湾にあると考えた孝子は台湾に向かうことにする。
これに杏子と尚人も同行することとなり、3人はある炭鉱で起こった事件へとたどり着く。
着信の呪いはすでに携帯電話が普及する以前から始まっていたのだ。
《感想》
前作は主人公の暗い過去から呪いの始まりを作った少女の怨念とが重なった、悲しい物語であり、衝撃のラストが待っていた。
そしてそれが今作への伏線となっていたわけだが、前作の主人公たちのその後は口答だけだが語られ、事件の真相が国境をまたいで台湾まで向かうのは、壮大で観ていて面白かった。
ただどうして台湾の呪いが日本へ波及したのか。その辺の説明がうまくできていない気がした。
また途中で主要人物が亡くなるのだが、その辺は少し混乱する部分がある。
誰がこのときには死んでいて、電話の時には生きていたのか死んでいたのか、という混乱の部分があり、そしてここでもまた衝撃的な幕引きが行われる。
そこはこのシリーズの見せ場なのかもしれない。
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毎度様です。
秋のホラー映画特集第三弾。
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第124号「着信アリ」

《概要》
時は2003年、スペースシャトルコロンビア号が大気圏突入時に空中分解という悲劇が起こった時代に、着信アリは公開された。
原作は秋元康。角川書店がメディアミックスとして展開した一連のシリーズの映画版である。
呪いのビデオなどが話題になったホラー映画はあったが、本作品はより現代的に、携帯電話から呪いが伝播していくという、現代的な呪いが題材だ。
《物語》
柴咲コウ演じる大学生、中村由美の友人、岡﨑陽子の携帯電話に聞き慣れない着信メロディが流れる。送信者は自分の携帯であり、しかも数日後の履歴となっていた。

不審に思った陽子が電話に出ると、自分の声で断末魔の叫び声が聴こえてきた。
誰かの悪戯だと思い陽子は気にしなかった。
しかし着信履歴があった日の同時刻、岡﨑陽子は陸橋から転落、電車にひかれ、死亡した。
その後、陽子と合コンで知り合った河合ケンジの元へ向かった由美は、そこであの着信メロディを聴き、エレベーターの中に引き釣りこまれて死ぬケンジの姿を見てしまう。
ケンジの口からは赤い飴玉がこぼれ落ちた。
そして次の着信は吹石一恵演じる小西なつみの携帯だった。
親友を救うべく着信電話の謎に迫っていく由美。
そこで妹も同じ予告電話で亡くした堤真一演じる刑事、山下弘と協力して、事件を追いかける。
この一連の事件を嗅ぎつけたテレビ局は、小西なつみを死の予告時間に生放送で除霊するという企画をたちあげ、小西菜摘もまた、除霊に自らの運命を委ねるのだった。
そして予告の時間が訪れ、小西まなみは生放送のスタジオで凄惨な死を遂げる。

取り乱す由美をなだめつつ、山下も由美は、次第に呪いの現況へと迫っていく。
《感想》
当時としては、携帯電話のメールというのが新鮮だったのだろうし、新しかったのだろう。
けれど現代にはスマホがありLINEがある。そのせいか、懐かしい携帯電話を古く感じてしまった。
物語としてはやはり原作が秋元康であるから、よくできている。
映像も三池崇史監督が作っただけあって、暴力的な死の表現は、他のホラー映画とは違い、壮絶である。
ただ意図的な演出なのかは分からないが、全体的に映像が暗く、何が起こっているのか分からない部分があった。
そして結末である。次作への伏線を残しているのだろう、柴咲コウの笑顔の意味を考えさせられる終わりであった。

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毎度様です。
秋のホラー映画特集第二弾。
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第123号「らせん」

《概要》
映画リングと同時製作、同時公開という特殊な形で製作されたリングの続編である。
物語はリングで衝撃的な最後を迎え真田広之演じる高山龍司の遺体が検視されるところから始まる。
ホラー様子がありながらも、どことなくこの映画はホラーというよりも、SFに近いだろう。
《物語》
佐藤浩市演じる安藤満男は海難事故で息子を失い、妻と離婚して空しい日々を過ごしていた。

毎朝、自らの手首にメスを近づけ自殺をはかるも死ぬことができずにいた。
その日、いつも通りに検死官として大学へ向かおうと支度していた朝、同僚の宮下から電話があり、大学時代の同級生、高山龍司が死亡したことを告げられ、今日、その遺体の検死官を安藤が務めることを知る。
大学へ向かうと高山龍司の死体があった。
昔のことを思い出しながら、安藤は高山の体を解剖していく。そして解剖後、胃の内容物に新聞の切れ端を発見する。

同じ日、高山の死体を発見した第一発見者の中谷美紀演じる高野舞が警察に追求され意識を失う現場に居合わせる。そこから安藤と高野は知り合いとなった。

高山龍司の事件を知り、テレビ局の男が安藤へ接触してきた。男は高山が前妻の浅川玲子と「呪いのビデオ」について調べていたことを告げる。
その直後、浅川玲子が子供と共に交通事故で亡くなったことをしる。その事故現場には壊れたビデオデッキがあった。
そしてテレビ関係者の男から安藤は呪いのビデオを受け取り、観てしまう。
安藤は呪いのビデオと高山が残した新聞記事の関係性を調べていく内に、自らが大きな物語に関わっていることに気づき始め、やがて貞子が安藤の前に姿を現す。

そして彼の元に息子は戻ってくるのだった・・・・・・。
《感想》
今も当時もこの映画を観た感想は、難解で難しいということだ。
同時上映とは言え、リングの続編として創られた「らせん」は、上記にもあるように高山が呪いによって死んだ直後から物語が始まっている。主人公が高山の同級生という設定、そしてヒロインが高山の恋人だった高野舞というのも、ラストの伏線になっているのが、観ていて唸ってしまう。
この映画、ホラー映画として上映されながらも、ホラー要素はほとんどない。原作が呪いを科学で分析するのをコンセプトにしているところから、制作者がその意図をうまくくみ上げ映画化している作品であるから、こうした内容になったのだろう。
しかしながらこの「らせん」実は完結ではない。映画の人気を受け、ドラマ化、原作にはないオリジナルの続編などが製作されたがどれも、本当の完結ではないのだ。
今回調べて初めて筆者も知ったのだが、原作の「ループ」ここへすべての謎が集約され、生命の進化と誕生へ向かっているらしいのだ。
これはホラー映画として全面的に押したい映画会社が映像化しなかったこともあって、「らせん」で本来は伏線であるはずの部分が省かれていたせいもあり、難解な説明不足の映画となってしまったのかもしれない。
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毎度様です。
秋のホラー映画特集第一弾。
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第122号「リング」
《概要》
時は1998年。
サッカーフランスワールドカップが開幕したこの年、1つのホラー映画が公開されるや、瞬く間に日本はホラー映画に伝染した。
当時、貞子という怨念が筆者を恐怖に陥れた。
そしてビデオテープが呪いの道具というのが新鮮だった。
また映画も面白い作りになっており、続編になる「らせん」が同時に制作され、同時上映された。こちらは次号で書きますのでよろしくです。
《物語》
テレビ局のディレクターをしている松嶋菜々子演じる浅川玲子
は、夫と離婚後、ひとりで冬息子を育てていた。
ある日、姪の智子が不審な死に方をしたことから、死の真相を探り始める。
すると智子が同級生4人で行った山荘で不思議なビデオを見たことを突き止める。
そこで4人が撮った写真は全員の顔が歪んでいた。そして同級生たちも次々と不審な死をとげていく。
山荘へやってきた浅川は、そこでビデオテープを発見、見てしまう。
その後、呪いが事実だと知った浅川は、真田広之演じる元の夫であり大学教授、超能力者の高山龍司へ助けを求めた。
そんな時、浅川の息子はビデオテープを観てしまい、呪いにかかってしまう。
元の妻と実の子供を救うべく、高山は早速ビデオテープを確認、
浅川からダビングしてもらうと、ビデオテープに写り込んでいた新聞記事から、ある1人の超能力者とその子供の存在を知る。
山村志津子は当時、千里眼で伊豆大島の噴火を予見して、世間から注目されていた。ところがそれをインチキだと認めない者たちを、その娘、貞子が超能力で殺してしまう。
そして貞子の行方を追う浅川と高山は、ある井戸へとたどり着くのだった。
《感想》
筆者のトラウマ映画と言えるリング。この夏にテレビで放映されているのを、10年ぶりになるだろうか、再鑑賞した。
当時と違い、ホラー映画への意識が変化したのだろう、あれだけ恐怖しながら観た映画なのに、今回は冷静に観ることができ、真田広之演じる高山龍司の設定が超能力者であることや、過去でなにが起こったのかを主人公たちが知る場面に超常的な能力が絡んでくるなど、意外とオカルト要素の強い映画だったのが印象的だった。
そして当時にも強く覚えていた、サスペンスタッチなのは、今観ても同じ印象を抱く。これはホラー映画でありながら、山村貞子は何者なのか? 過去に何が起こったのかを追求していく、刑事が犯人の過去を探るような作りになっていることから、ホラー要素が激しい近年の映画よりは、観やすく、興味を引かれるだろう。
そして今や誰もが知っている貞子の登場シーン。あれは日本映画史上に残るメイシーンであり、ホラーの象徴たる貞子を、まさしくホラー女王にのし上げた場面だったと思えた。
サスペンスとしてもホラーとしても観られる映画であることは、凄いことだ。

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毎度様です。
本日はB級映画までとは言わないが、限りなくB級に近い映画のご紹介。
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第121号「サウンド・オブ・サンダー」


《概要》
映画業界では企画段階から頓挫する映画というのは珍しくない。また続編という前作の好評を受けて製作された映画が失敗するのもまた珍しいことではない。
この「サウンド・オブ・サンダー」もまた、トラブルに見舞われた映画の1つであろう。
原作は「火星年代記」などで有名なSF作家レイ、ブラットベリの短編小説「雷のような音」である。
もちろんレイ・ブラットベリほどの作家が創作した短編小説であるから、原作に間違いは無い。
またこの映画を監督したのは、あの「2001年宇宙の旅」の続編である「2010」を監督したピーター・ハイアムズ監督であるから、失敗要素はないも同然であった。
「2001年宇宙の旅」と言えば、誰もが知っているSF映画の名作であり金字塔だ。今でもSF映画のランキングが発表される度に1位に選ばれるほどの名作である。
しかしながら原作者のアーサー・C・クラークはスタンリー・キューブリック監督の芸術性が全面に出た作りにひどく不満を抱いたという。
そして続編を製作する際に監督となったピーター・ハイアムズ監督とディスカッションをする内に、監督を任せても大丈夫だと感じたという。
観た方なら分かると思うが「2010」は難解な前作の伏線をすべて拾い上げ、大衆に分かりやすい映画として製作されている。これほど見事に伏線を回収できる監督の手腕は素晴らしいと感じた。
その監督が製作するのだから、面白いに決まっている。トラブルさえなければ。
残念な事にこの監督は映画に恵まれていないらしく、監督を務める作品はトラブルに見舞われ「サウンド・オブ・サンダー」もまた、例外ではなかった。
製作途中、製作会社が倒産。トルコの会社へと製作が移動した。そのせいもあり、制作費が100億円とされているところの、何%が映画に使用されたか分からないほど、低予算にまで制作費は落ち込んだ。
それでも監督はやはり名監督でありトラブルを乗り切り、完成させたのだ。
その手腕を買われて後にトラブルが続く「エンド・オブ・デイズ」の監督も務め、完成させている。
《物語》
時は2055年。
科学の発展は時間を逆行することを可能にした。トラヴィス博士が勤める旅行会社は、過去へのタイムトラベルを推奨しては、白亜紀の同じ時刻、同じ場所へ向かい、必ずそこへ出現する恐竜を、圧縮した空気で氷を発射、殺傷するライフルで恐竜ハントを行い、多額の利益を得ていた。
これに政府が急ぎ制度を確立、国とのトラブルへと発展していた。
ある日、客が恐竜ハントを終えて社内でパーティーを行っていたところへ、1人の女性が駆け込んできて、お客に赤い液体を掛ける。そして
「タイムトラベルが世界を崩壊させる」
と騒ぎ、警備員に取り押さえられたのだった。
数日後、ある2人の男が過去での狩りへ申し込みをしてきた。
トラヴィス博士と仲間たちは白亜紀の同じ時間、同じ時刻で起こる同じ出来事に遭遇するとは言え、万が一にも間違いがあれば、歴史を大きく変える恐れがあることを知っているからこそ、万全の準備で過去へと飛んだ。
そして客人2人を連れ、白亜紀でいつもの恐竜を狩ろうとした時に事件が起こる。空気圧で発射するはずの氷の弾丸が出ないのだ。トラヴィス博士は客を避難させ、仲間達と急流の注意を引きつけ、ライフルの修理の時間を稼ぎなんとか、恐竜を殺害、急ぎ現代へと帰還することに成功する。
客たちは怒り心頭で社長のハットンに詰めよる。
だがハットンは
「本当の危険を味わった、タイムトラベルの開拓者になりましたね」
と言葉巧みに客達を丸め込む。
翌朝から世界に異変が起こり始める。11月だというのに気温は真夏日を観測。各地で植物が巨大化し始めた。
不思議に思っていたトラヴィス博士は、パーティーで客に赤い液体を掛けた女性、ソニア博士を思い出し家を訪ねる。
そこでソニア博士がなんとタイムマシンの制作者でありハットンに権利を奪われたことを告白する。
その時だった。巨大な空間の歪みが街を襲い、植物は更に巨大化、街は荒廃してしまう。
これが白亜紀での干渉が原因だと考えたトラヴィス博士とソニア博士は会社へと向かう。
そこでは国の役人がタイムマシンの使用を禁止していた。
それでも過去へ戻り、原因を探ろうとするトラヴィス博士は、あの時、トラブルに巻き込まれた2人の男性客のどちらかが、白亜紀から「1,3グラムの何か」を持ち帰ったことを突き止める。
ところが街は時間の波を受ける度に、変貌、猿と恐竜を合わせたような生き物、人を食料とする植物などで溢れ始める。
2人は仲間を失いながらも男性客たちの捜索と過去へ飛ぶ方法を模索し始める。
《感想》
物語はやはり小説が原作にあることもあって、優れている。時間の矛盾や、時間の波によって世界が変貌していくアイディアは観ていて唸る。
しかし上記にもあるように製作会社の倒産で製作が困難になったことは、映画の始まりからすぐに分かる。
どこかチープなCGと未来世界。と思ったら突然、観ていて違和感のない合成などがあり、予算をかけたところとかけなかったところの差がすぐに見える。
ストーリーが面白いだけに、製作困難に陥ったのが残念に思えてしかたがない。
この映画がしっかりとした体制下で制作されていたならば、間違いなく面白く、極上のエンターテイメントになっていただろう。
B級映画すれすれだがオススメできるパニック映画である。
期待は禁物で鑑賞をお願いします。
制作:2005年
上映時間102分
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
映画観るなら<U-NEXT>

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毎度様です。
本日は日本ではあまりヒットしなかった、ゴーストアクション。
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第120号「ゴーストエージェントR.I.P.D」
《概要》
前号で紹介した[デッドプール]で好演したライアン・レイノルズ主演のコメディ要素が強いファンタジーアクションである。
アメリカでよくあるバディアクション。
ライアン・レイノルズが主演と言うことで、コメディが強くなっている。
原作はアメコミであるから、世界観はしっかりしている。
《物語》
敏腕警察官ニックは、恋人のジュリアと幸せに暮らしていた。けれども大きな隠し事があった。相棒のボビーと押収した金塊を届けずに、懐へ入れようとしていたのだ。
自責の念にかられ、やはり金塊を届け出るべきだとニックはボビーに提案、それをボビーも受け入れた。
直後、2人は犯罪組織のアジトへ突入、組織のボスを追うニックはしかしそこで驚きの光景を見た。ボビーがアサルトライフルで自分を撃ち殺したのである。
ニックが気づくと、世界の時間は停止。空に大きく空いた縦穴に彼は吸い込まれる。
そこには大勢の同じように吸い込まれた人達がいた。
彼は気づく。自分は死んだのだと。
が、トンネルを抜けたとき、そこには警察署の取調室があり、1人の女性が座っていた。
そして彼女は彼に対して悪霊を取り締まる警察官になるか、金塊を横領した罪で地獄に行くかの選択を迫り、彼は「R.I.P.D」なる様々な時代で亡くなった警察官たちが所属する悪霊取締組織へ所属した。
そこで彼を待っていたのは、1人を好む西部時代の保安官ロイだった。
いがみ合いながらも、2人は現世で悪霊の陰謀を阻止すべく銃を抜く。
「感想」
アメリカ人が好む世界観とでも言うのだろうか?
アメコミがやはり原作とあって、世界観は少しの漫画チックになっている。
ニックたちが所持するリボルバーも、漫画チックにシルバーで大きい。
この辺は好みが別れるかもしれない。
物語としてはまさに王道。合わないコンビがトラブルを起こして、管理官にどやされながらも、大きな事件を解決するという、アメリカの映画が得意とするフォーマットだ。
つまらない訳でもないし、退屈な映画でもない。
主演のライアン・レイノルズ、ジェフ、ブリッジスは、流石に演技はとあって、映画を引っ張っている。
2人の上司役のメアリー=ルイーズ・パーカーは「RED」の時と同じく、少し変わった女性を好演。
ケヴィン・ベーコンはさすがと唸る演技をしている。
なのにチープな感じは拭えないのが残念である。
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毎度様です、ジンでございます。
本日の映画は、ヒーロー映画をぶち破り、映画すらもぶち壊す、アメコミ映画。
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第119号「デッドプール」
《概要》
アメリカンコミック映画化がブームとなってもう何年も経過した。記憶ではトビー・マグワイア主演の「スパイダーマン」シリーズが資本ラインに乗り、世界的にヒットしたことが、今日のアメコミジャンルを構築したと考えている。
アメコミヒーロー映画は、原作、3つのシリーズに大別できる。
[マーベルシネマティックユニバース]
これはMARVELがコミックを発売する会社が企画した「アイアンマン」から始まる一連の世界観を共有した映画シリーズ。
[DCエクステンデッドユニバース]
アメリカの二大コミック会社のもう一つ、DCコミックスが制作している「マンオブスティール」から始まる共有世界である。
[Xメンシリーズ]
原作はMARVELなのだが、映画の制作版権の会社が上記のマーベルシネマティックユニバースと異なるため、Xメンだけでシリーズ化されている。
多くの記録をもつ原作の映画化だけに、ヒット作を連発し、これからもシリーズ化がアナウンスされている。
そして今回紹介する「デッドプール」はこのXメンシリーズのスピンオフであり、最大のヒット作でもある。
一度、映画には実は登場している。「ウルヴァリン:XメンZERO」に登場しているのだが、原作とあまりに違うこともあって、今回は本物を制作したのである。
《物語》
殺しをなりわいにしていたライアン・レイノルズ演じるウェイド・ウィルソンは、1人の女に恋をする。ストリッパーのヴァネッサ。
彼と彼女は瞬く間に自分たちが運命の人だと気付き、同棲を始める。
ところがウェイドは末期の癌におかされていた。
手の施しようがなく、それでもヴァネッサは、希望を捨てず、治療法を探した。
そんなヴァネッサを不幸にするわけには行かないと別れを決意するウェイド。
するとそこへ不思議な男が現れた。男はウェイドの癌を治すことができるといい、ウェイドはそれにかけることにする。
だがそこはミュータントの実験施設だったのだ。
実験されながらも、独特の最低ジョークを口にするウェイドだったが、実験は彼に力を与える代わりに、癌が全身に現れ、醜く変えてしまう。
その代償に彼は不死身へと変貌した。
施設を破壊して脱出したウェイドはその姿を隠しながら、ヴァネッサの元へは戻れず、ただ自分をこんな姿に変えたフランシスを追いかけ、元の姿を取り戻すことだった。
ヒーローではない。デッドプールはただ、自己中心的にやりたいことをするだけ。
《感想》
アメコミはスーパーヒーローと決まっているようなものだ。現にデッドプールもヒーロー物として認識はされている。
私は声を大にして言いたい。
「これをヒーロー物としてくくってくれるなら!」
そして
「映画としてくくってくれるな!」
デッドプールはお喋りだ。しかも下品だし、平気で人を撃ち殺す。
人間という味が濃い。
そして、何よりも原作でもそうであるように、彼はお客さんに話しかける。
原作者、制作会社、俳優をネタにする。
私は本当にこのデッドプールを映画を超えた映画。そして最高のエンターテイメントだと思う。
R指定映画、史上最高の売上は伊達ではないのです!
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毎度様です、ジンでございます。
本日の映画は、キアヌ・リーブスがマトリックス以来の衝撃を世界に与えたアクション大作!
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第118号「ジョン・ウィック」
《概要》
キアヌ・リーブスがアクションで世界に名を知らしめたのが「スピード」であった。
バスのハイジャック犯との攻防戦は、観ていて汗を握るほどだった。
そして何よりも世界に衝撃と興奮を与えたキアヌ・リーブスの主演作といえば「マトリックス」ではないだろうか。
サイバー空間で産まれ、生きて、死ぬ。機械に囚われた人間たち。それを救う救世主。
当時は私も凄まじく興奮した記憶がある。
それ以来、キアヌ・リーブスのアクション映画でこれぞというものはなかった気がしたが、今回ばかりは完全にやられた。
《物語》
妻との幸せな時間は長く続かなかった。
殺し屋をなりわいとしていた男、ジョン・ウィック。
組織を妻のために辞めてそれからは表の世界で幸せに暮らしていた。ところが妻は病に倒れて亡くなり、虚しい人生を過ごしていた。
しかしそんな世界に光がさす。妻が最後に残した贈り物が家に届く。それは犬であった。
妻の残した犬を最初は戸惑いながら育て始めるジョンだったが次第に犬との信頼が出来上がり、かけがえのない存在となっていく。
ある日、愛車でガソリンスタンドへ立ち寄ったジョンは、車を売ってくれという若い男と出会う。その若者を一蹴したジョンはその夜、襲撃を受け、犬は絶命してしまう。
そして愛車は盗まれ、ジョンの知り合いの車屋へと運ばれていった。
車屋へ出向いたジョンは、そこで所属していた組織のボスの息子が犯人だと知らされ、伝説の殺し屋が覚醒する。
《感想》
主人公ジョンは元伝説の殺し屋である。しかし妻のために組織を抜け、また犬の復讐のために殺し屋へ復帰する。
こうして書くと単純な感覚だが、観てみると引き込まれる。アクションはこの映画のために開発された銃撃戦と格闘を組み合わせた新時代のアクションであり、かなり硬派な仕上がりになっている。
全盛期の姿を彷彿とさせる、動きは観ていてワクワクした。
単純なストーリーだからこそ、アクションが目立つ仕上がりになっていた。
だがペットを飼っている人にはおすすめできない映画だ。
私自身、犬ではないが動物をペットとして久しいが、ジョンの愛犬の最期は、観て辛かった。
だからカップルでこのジョン・ウィックを鑑賞する時は、彼女が動物好きでないことを確認したほうがいいだろう。
シリーズ「1・2」
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毎度様です、ジンでございます。
本日の映画は復活した人気シリーズ5作目。
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第117号「ジェイソン・ボーン」

《概要》
ボーンシリーズが最初に公開されたのがユーロが導入された2002年のことである。
「ボーンアイデンティティ」は、その独特のスパイの世界観が世界を魅了して、世界的なヒット作となる。
そして今日に至るまで多くの作品が制作さらるようになったのだ。
《前作までのあらすじ》
「ボーン・アイデンティティ」
銃撃され海で溺れ意識を失った男がマルセイユ沖で漁船に救出される。
男は意識を取り戻すも記憶を失い、手がかりはスイスの銀行口座の情報が入った、皮ふのしたに埋められていたカプセルだけであった。
自分の記憶を求め、スイスへ向かう男はしかし、途中、職務質問に現れた警察官2人を反射的に倒し、さらにはドイツ語を自然と喋っていた。
愕然とする男はその場から逃げ、手がかりの銀行へと到着、貸金庫で自らのパスポートを発見、そこにはジェイソン・ボーンと記載されていた。
パリ在住とある彼は、自らの部屋へ向かうのだが、警察官に暴力をふったことにより指名手配され、慌ててアメリカ領事館に入るも、そこでも彼は格闘戦を繰り広げてしまう。
辛うじて逃げた彼だったが、偶然居合わせた女性、マリーに助けを求め、2人の逃亡が始まる。
同じ頃、アメリカCIAでは、トレッドストーンと呼ばれる計画で育成された工作員が任務に失敗、行方不明となっていた。
こうしてボーンとCIAの長い戦いが始まった。
「ボーン・スプレマシー」
前作で共に行動したことで恋心を抱いたのはボーンとマリーは、人目を離れ、インドで2人、生活をしていた。
しかしボーンの記憶は戻らず、自分が一体何者なのか? 自分の居場所はどこなのか? 悩みの日々が続いていた。
そんなある日、ボーンは自らを狙う刺客に気付き、マリーを連れて逃亡を計る。
が、運転中、刺客か放った弾丸はマリーの後頭部を貫き、彼女は息絶えるのだった。
ボーンはマリーを殺した刺客を追い、CIAを追い詰めていく。そしてトレッドストーン計画の真実へと近づいておくのだ。
「ボーン・アルティメイタム」
CIAのトレッドストーン作戦が人間兵器を作ることにあったと知ったボーンは、それを暴露しようとするイギリスとジャーナリストロスへと接触する。けれどもロスはボーンの目の前で狙撃され、それを監視、暗殺作戦を実行していたCIAがボーンの存在に気づく。
そんな時、前作でボーンを追っていたトレッドストーン作戦で訓練を受けたニッキーから、トレッドストーンをもととしたブラックブライヤー作戦が進行中だと知らされる。
CIAの追跡をかわし、ボーンは自らの記憶と対峙することとなる。
と、ここまでがマット・デイモン主演のボーンシリーズのあらすじとなる。
自らを兵器へと変貌させてトレッドストーンとCIAの非人道的人体実験。それを発案した者たちとの対峙。
ボーンは記憶を取り戻して再び、姿を消したのだった。
《物語》
自らを兵器に変えたトレッドストーン作戦の発展、ブラックブライヤー作戦を破綻へ追い込んだボーンは賭け格闘技で生活していた。
そこへある日、昔の仲間で今はCIAを抜けたニッキーがやってきて、CIAの新たな情報を伝えようとする。
しかしそこを再びCIAか放った凶弾がニッキーを死へと追い込む。
再びCIAと接触したボーンを復帰させたいと思うCIA側の思惑とは裏腹に、ボーンは父親がトレッドストーン作戦に関わっていた事実を知り、再び自らの過去と向きあうこととなる。

《感想》
前作から9年の歳月がたったことは、やはり隠しきれない。
マット・デイモンが最初に出てきた時、年齢を重ねた感じが出ていた。
ニッキー役のジュリア・スタイルズは最初、誰だか分からなかったほど、大人になっている。
そこにテコ入れとしてだろうか若手の女優、アリシア・ヴィキャンデルが鋭くCIA上層部に切り込む情報員を演じているのは、新鮮だった。
また大ベテラン、トミー・リー・ジョーンズがCIAの司令官、つまり今回の悪役である。その迫力は流石の一言だ。
監督はスプレマシーから監督を務める多多才なポール・グリーングラス監督なだけに、マット・デイモンの見せ方をよく心得ている。
そしてアクションに臨場感を与えるのは、お得意だ。
いささか5作目を作る必要性には疑問があったが、面白く楽しめるアクション映画である。
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毎度様です、ジンでございます。
本日の映画は、生きる伝説チャック・ノリス主演のアクションエンターテイメント!
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第116号「テキサスSWAT」
《概要》
伝説のご紹介。
まだ世の中にVHSが普及していた時代、数多くアメリカ映画が日本に上陸した。
そこ中にはとてもではないが、劇場公開できないレベルの物もあり、現在でも劇場公開、スルーでDVDだけという形がある。
その中にあって多くのスターが発掘された。
ドルフ・ラングレンなどがその代表だが、その中にあって無敵伝説を構築したのは、「チャック・ノリス」であろう。
時は1983年、あの「風の谷のナウシカ」制作が発表された年である。
《物語》
テキサスの警備隊で1人、単独行動をしながら悪党を退治する凄腕の警備隊員チャック・ノリス演じるマックエード。
その管轄区域で軍が輸送していた大量の武器が奪われる。しかもそれを目撃した娘は瀕死の上体で搬送され、マックエードは怒りにかられて捜査へ乗り出す。
昔の相棒、新人などの力を借りながら、ついにメキシコの密輸組織のアジトを突き止める。
すると密輸組織はマックエードの周囲に牙を向ける。
昔の相棒を殺し、さらには恋人と暮らす家へと銃弾の雨を降らせるのだった。
マックエードはCIAの強力を得て、少人数で敵のアジトへ乗り込むのだったが逆に返り討ちにされ、車ごと地面に埋められるのだった。
《感想》
チャック・ノリスファクト。インターネットで世界的にブームを巻き起こした、「チャック・ノリスならなになに」の元となるチャック・ノリス映画は数多い。この「テキサスSWAT」もそうだ。
土に埋められたマックエードの脱出、そして一度負けた男の更なる怒り。
この映画においてそれまでのチャック・ノリス映画と少し違うところは、無意味な爆発はなく、空手の達人たるチャック・ノリスの肉弾戦がメインになっている。
もちろんデカイ銃を乱射するチャック・ノリスらしさは損なわれてはいない。
「エクスペンダブルズ2」で突如現れ、敵を1人で一掃する男。その原点はここにある。
男ならばきっと熱くなる映画だ!
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毎度様です、ジンでございます。
本日の映画は、三谷幸喜 氏原作の密室コメディ映画。
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第115号「12人の優しい日本人」感想

《概要》
1954年製作のアメリカドラマを1957年にリメイクした映画版が好評だった「12人の怒れる男」

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感想(1件)
これが元として、ストーリーテラーの敏腕ぶりを発揮した三谷幸喜が脚本で舞台かされたのがこの「12人の優しい日本人」である。
時に1991年、12月にソビエト連邦が崩壊したこの年に公開されたのが映画版である。
原作の「12人の怒れる男」が陪審員であることに着目を置き、日本に万が一、陪審員制度があったなら、という設定下で繰り広げられる、密室劇である。
《物語》
発端は夫を殺したある妻の殺人事件。陪審員に選ばれた12人の男女が、審議の為に会議室へ集められるところから物語は始まる。
判決は全員一致の有罪か無罪か。誰か1人でも意見が違ってしまえば、評決に到らず会議室から出ることはできない。
1号から12号まで番号をふられた、見ず知らずの、素性すら分からない男女が妻の殺人が有罪か無罪かを審議するのだ。
そして審議は始めに有罪、無罪の決をとることとなり、なんの障害もなくすんなり全員が「無罪」として、始まってすぐに審議は終わるかに思われた。
しかしである。陪審員2号が「議論をしましょう」と言いだして、「有罪」へ意見を変えたことから、帰れると思っていた人々は会議室へ足止めされてしまう。
仕事で会社へ帰らなければならない者、他者の意見に惑わされる者、進行役を無視してその場を仕切りたがる者、人を見下した態度をする者、無関心な者。
個性があり日本人らしい12人が出す結論は果たして「有罪」なのか「無罪」なのか・・・・・・。
《感想》
先にも述べた通り、この「12人の優しい日本人」は「12人の怒れる男」へのオマージュ作品として、三谷幸喜が脚本を執筆した物語であり、作品内の所々に「12人の怒れる男」へのリスペクト、パロディが使用されている。
また現代においても三谷幸喜が得意とする「当て書き」がこの「12人の優しい日本人」でも行われている。
「当て書き」とは役者本人に併せて登場人物を創作する手法であり、三谷幸喜の得意とする手法である。だからこそ役柄と俳優のギャップが少なく、観賞していると違和感がない。本当にこの俳優はこういう性格なのではないか、と思えるほどにリアルで、観客、あるいはその周囲に必ず類似する人間が1人、2人はいるであろうと思える。それだけリアルなのだ。
また現代において、陪審員制度は裁判員制度として日本にも定着しているが1991年にそれを言ったところで、リアリティに欠けていた。
しかし今の時代、陪審員という設定は虚像ではなく、事実として現実にある。だからこそこの映画は妙に親近感があり、リアルを突きつけてくるのだ。
少し不満をいうならば、やはり舞台が原案ということもあってだろうか、俳優さんたちの演技が大げさで、早口である。そこは一般人として考えると、あまりに弁が立ち覚めてしまうところもある。
三谷幸喜脚本というだけあって、笑える喜劇となっている。そこは観ていて飽きのこないところであった。
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毎度様です、ジンでございます。
本日の映画は、前作に引き続き、44マグナムが炸裂!
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第115号「ダーティーハリー2」
前作の大ヒットに続いてシリーズ化した第二弾。
時は1973年、ベトナム戦争が和平へ動き、アメリカ軍が南ベトナムから撤退した激動の時代に公開された。
主演は前作から続投のクリント・イーストウッドである。
物語はロサンゼルス市警の、組織や規律に反抗する刑事ハリー・キャラハンは、マフィアのボスの殺害事件を追っていた。
当初は酒浸りの相棒を疑ったのだが、相棒も殺されてしまう。
そんな折、ロサンゼルス市警に来たばかりの交通課の白バイ隊員4人を疑い初める。
そしてハリーが優勝を続けている射撃大会で、4人組の1人、デイヴィスの拳銃を借りて試射し、その弾丸を採取、事件との関係を探った。
すると4人は組織に属することをよく思わないハリーを自らの組織へ勧誘する。
ハリーはだが犯罪者に法を無視して制裁をくだすやり方を批判する。
「法を良くする奴が現れるまで法を守るのがおれの仕事だ」
そういい放つ。
そこからハリーは彼らに命を狙われるようになる。
そして彼らに指示を出す人物とは?
感想として、まず私が抱いたのは、ハリーという人物は、組織や規律に犯行はするが法律というものへ絶望はするが、けして無視してはならないと分かっており、刑事ということなのだ。
当たり前だが敵対する若者たちのいい分もわかる。
法律は正義になるとは必ずしもかぎらない。それをこの映画はよく表していると思った。
映画のラスト前作に引き続き、実に震える終わり方となっている。
けれど個人的な感想としては、前作のほうが好きだ。
これは警察内部でのゴタゴタに収まってしまっている感じがあり、シリーズ中、最長の上映時間ともあって、間延びしている気がした。
しかし面白いのは間違いない。
公開:1973年
上映時間124分
キャスト
クリント・イーストウッド
ハル・ホルブルック
フェルトン・ペリー
デヴィット・ソウル
ロバート・ユーリック
監督:テッド・ポスト
脚本:ジョン・ミリアス
マイケル・チミノ
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毎度様です、ジンでございます。
本日の映画は、ハードボイルド映画の金字塔。
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第114号「ダーティーハリー」
時は1971年。長期化するベトナム戦争。アメリカの疲弊を振り払うかのように公開されたのがこの映画ダーティーハリーである。
主演は当時ドル箱スターとなっていたクリント・イーストウッドである。
物語の舞台はサンフランシスコ。組織や規律など眼中になく、犯人逮捕のためなら暴力も辞さないサンフランシスコ市警のハリー・キャラハンは、「ダーティーハリー」と呼ばれていた。
そんなある日、ホテルの屋上プールで一人の女性が狙撃される事件が発生する。
捜査へ乗り出したハリーは、狙撃現場でメモを発見。犯人はスコルピオンと名乗り、市警に10万ドルを要求。支払いのない場合は、次の犯行を行うと予告してきた。
しかし市警は10万ドルの支払いを拒否。このことによって黒人の少年が殺害され、さらに少女まで誘拐されてしまうのだった。
少女の身代金10万ドルを払うこととなり、その引き渡しにハリーが選抜される。
スコルピオンの指示通り走らされるハリーは、最終的に銃を捨てさせられ、撲殺される寸前まで追いやられる。しかし隠し持っていたナイフで犯人の腿を突き刺し、撃退する。
そして犯人の隠れ家を発見したハリーは、そこで犯人に暴力をふるい少女の居場所をはかせる。
しかし少女はすでに息絶えていた。
しかも犯人であるスコルピオンは、警告もなくなぐられ、自白を強要させられたと訴え、警察は渋々、スコルピオを釈放する。
ハリーが激怒する中、上司は加害者の人権を訴え、ハリーは被害者の人権は誰が守る、と反抗した。
スコルピオンはその後、自ら金を払い自分を殴らせ、それをハリーがやったと世間へ訴える。
このことでハリーは停職処分となる。
これをいいことにスコルピオンは次の犯行へと進むのだった。
犯人がベトナム戦争帰りという設定と、アメリカで実際に起きた未解決事件の犯人を重ねたスコルピオン。
それを追い詰めるアウトローのハリー。
この構図はまさしく1971年のアメリカを象徴し、アメリカの負の象徴スコルピオンを追い詰めるハリーは、まさしくアメリカの英雄の象徴なのだと感想を抱いた。
またこの映画で有名となった世界一強力な銃44マグナムを放つ、ハリーの姿はカッコイイの言葉に尽きる。
そしてラストの犯人と組織、規律へのハリーの答えがまたたまらなくこの映画を魅力的にしていると思えた。
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毎度様です、ジンでございます。
本日の映画は、名曲の題材となったこちら。
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第113号「切られ与三郎」
死んだはずだよお富さん〜♪
この歌詞を知っている若い人はまず居ないとは思う。
昭和29年に春日八郎が歌って大ヒットした「お富さん」の歌詞である。
そして世は1960年。ジョン・Fケネディが大統領選に出馬を表明したこの年に公開されたのが、この「切られ与三郎」なのである。
原作は歌舞伎の演目「与話情名横しごく」である。
物語は江戸の大店伊豆屋の若旦那、与三郎は養子であった。
義理の思うとの縁談の話がもちあがり、自らが伊豆屋にとって邪魔な存在だと思った与三郎は、家を出て行く。
そんな旅の中で与三郎はお富という女と出会い、お互いにひとめで惹かれ合った。
ところがお富は地元の親分、赤間源左衛門の妾であった。
二人の仲を知った源左衛門は二人を捕らえ、与三郎を拷問する。そして与三郎とお富を殺せと子分たちに命令する。
与三郎は辛うじて逃げたのだが、全身三十四箇所に刀傷が残ってしまった。
与三郎はそこから任侠の世界へと足を踏み入れる。
それから三年。弟分とゆすりに行った家で、なんと死んだと思われたお富と再会するのだった。
そこから与三郎の人生は二転三転していく。
主演、市川雷蔵の時代の映画によくある、映画の中にすべてを詰め込んだ、映画がエンターテイメントの王様だった時代という感じだ。
市川雷蔵というと、若い世代はきっと知らないだろうが、彼の時代劇はまさしくエンターテイメント。すでに観客にこれでもかと物語を見せつけ、圧倒してくる。
面白い。古いと言わず、本当に面白い!
公開:1960年
上映時間:90分
キャスト
市川雷蔵
淡路恵子
中村玉緒
冨士眞奈美
小沢栄太郎
監督:伊藤大輔
脚本:伊藤大輔
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毎度様です、ジンでございます。
本日の映画は、今は低迷している時代劇の超大作。
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第112号「江戸城大乱」
公開されたのは、前号で書いた「波の数だけ抱きしめて」と同じ、1991年である。
バブルの終焉が見え始めた時代をこの映画も捉えているのか、全体的に暗めな雰囲気である。
物語は徳川四代将軍が病身のため、政が行えなくなり、松方弘樹演じる酒井忠清が政を取り仕切っていた延宝八年。
次の将軍を決めるべく酒井は動き出していた。
ところが初代徳川家康以来、長子が世継ぎとなるならわしの徳川家にあって、四代将軍家綱には子供がいなかった。
そこで酒井は御三家より、光友、光貞、光圀らの当主を江戸城に招き老中たちと次期将軍を選定する定評が行われた。
ここで酒井は先の将軍、三代家光の三男、綱重を将軍にすべく強く押した。
しかし自らの家系から将軍を出したい御三家当主たちは渋い顔をした。
そんな中、酒井に反感をもつ若い旗本たちは、三代将軍家光の三男、坂上忍演じる綱吉を担ぎ上げ謀反を起こそうとする。
だがそこへ計画を知った三浦友和演じる若年寄、堀田政俊がかけつけ、無理矢理、綱吉を含めた若者たちを牢へと放り込むのだった。
これを高く評価した酒井は堀田に自ら江戸城へ招いた次期将軍候補、綱重の護衛をまかせた。
しかし護衛の最中、大勢の刺客によって綱重は暗殺され、堀田は辛うじて生き延びた。
そして刺客が柳生新陰流の使い手だったことを酒井に伝える。
そしてまた次の将軍候補を選ぶの定評の場で酒井は、綱重の嫡男、虎松と謀反を起こそうとした綱吉の名前が上がる。
しかし綱吉は傀儡になることを断り、思惑は酒井の意図通りに動き始める。
さらに酒井は焼け落ちた天守閣の再興も政に加え、野望をさらに膨らませていく。
それに待ったをかけたのは、綱吉の母、桂昌院であった。
家光の側室である桂昌院は、堀田に酒井への反抗を願い出る。
しかし堀田はそれを断るのだったが、そこへ酒井が放った刺客が押し寄せ、辛うじて逃げ延びた堀田は、綱吉を担ぎ上げ、将軍にすることを決意するのだった。
こうしてあらすじを書くだけでも、歴史好きでない限りは混乱してしまう内容だが、まだバブルの色気が残っていた1991年だけあり、出演者の名前は豪華そのもの。
さらにアクションで言えば、近年の日本映画ではなくなった斬り合いなどがあり、実にエンターテイメントととし見ごたえのある。
また今では辛口コメンテーターの坂上忍の若い演技も見どころの1つである。
さらには亡くなられた松方弘樹さんの妖気のある演技も見どころです。
見たことのない方はぜひ一度、見てみてください。
きっとこのエネルギーと重厚感に圧倒されることでしょう。
公開:1991年12月
上映時間:114分
キャスト
松方弘樹
三浦友和
坂上忍
十朱幸代
西岡徳馬
神田正輝
加藤武
丹波哲郎
スタッフ
監督:舛田利雄
脚本:高田宏治
テーマ曲:崎谷健次郎
「涙が君を忘れない」
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