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「真田十勇士 2016」

注意:ネタバレ、長文
2014年、これまであらゆるフォーマットで作品化された真田十勇士を原作に、現代風にアレンジし、ヒットした舞台の映画化である。
時は関ヶ原から幾年。ある村で食料を盗んでいた猿飛佐助は、それがバレて村娘を人質に寺に籠もっていた。そこを通りかかった1人の侍こそは、天下に名のしれた真田幸村であった。しかし真田幸村は運良く歴史に名を残しただけで、本当は何もできない男であった。そこで猿飛佐助は昔の仲間、霧隠才蔵などとりあえずで集めた真田十勇士を天下に知らしめ、真田幸村を本物にしようと画策する。
その折に大坂城より浪人招集が全国に配布され、真田幸村も入城する。これを聞いたことで、徳川家の世の中になることを望まない諸将が集結する。
真田幸村を本物にするべく、猿飛佐助、霧隠才蔵の奮闘が始まる。
映画監督が堤幸彦とあり、笑って泣ける映画なんだと思って観ていたら、いきなり驚きの演出で笑わされた。
また思った以上に本格戦国スペクタクルに仕上がっていたのには、驚いた。日本映画でここまで戦国物を本格的にやるのは、珍しい。
特に戦国最後にして最大の合戦、大坂夏の陣は素晴らしかった。
個人的には最近、司馬遼太郎の「風神の門」を読み、霧隠才蔵をもし映画化するならどの俳優かと思っていた。その私の頭の中で松坂桃李とかいいのかなぁって思っていたところでこの映画を観たら、まさかまさかの不満なし!
もちろん主人公の猿飛佐助も中村勘九郎がぴったりだった。
オープニング、エンディングの演出が好きでない人もいるだろう。評判も良くない。
しかしエンディングに関してはこういう説もあるので、個人的にはすごくよかった。
久しぶりに時代劇で興奮してしまった。

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「パージ 大統領令」The Purge: Election Year

注意:ネタバレ、長文
2016年公開のアメリカ映画である。パージシリーズ3作目である。
物語は資本主義が崩壊した未来のアメリカ。建国の父党の面々により制定されたパージは、年に12時間だけ午後19時から午前7時まですべての犯罪は合法化され、人を殺害しても許され、警察、救急機関、消防期機関が停止することで、福祉の問題などが解消されていた。
しかしパージによる犠牲者が復讐をする。そしてまたその復讐をする。さらには裕福な人々は見世物として人殺しを楽しむ、人殺しトラベラーが押し寄せるなど道徳的におかしくなってきていた。
そんな中、パージ反対を堂々と宣言し、支持をうける議員が現れた。だがこの議員の優勢に、危機感を抱いた建国の父たちは、政治家を守るべきパージ中の特権を排除してまでも、議員を殺そうと企む。
こうして今年のパージが始まるのだった。前作までにまして、グロテスク表現が直接的で、殺人に狂ったシーンが出でくる。
議員を守るというのが本作の主軸ではあるが、アメリカという国の抱える問題が本当に反映されている映画だと思う。
人種差別、貧富の格差、福祉の問題、銃社会の問題など。過度に表現されて入るが、アメリカの問題を凝縮した映画として本当に考えさせられる映画になっている。
もし日本が舞台で自分がパージの中に入ったならば。私はどちら側の立場に立つのだろうか?

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「007ノータイムトゥダイ」
007の新作予告編が解禁されましたね。来年公開の本作、黒人ボンドガールで色々と話題になっていたようですが、予告編では割れた能面が印象的でした。
また前作のスペクターからもボンドの宿敵ブロフェルドも登場するようだが、本作のメインの敵役はラミ・マレックのようで、予告編ではスカイフォールの時のように、ボンドと敵が表裏一体になるようだ。スペクターがダニエル・クレイグのボンドとして綺麗に終わっていることから、本作の脚本は難しかったと思う。
個人的には無理やり5作目を作らなくても、新しい俳優で新しい物語を始めればよかったような気がする。
また近年囁かれているのは、007というスパイ自体が古くなりつつあることだ。冷戦当時に活躍したであろうスパイを現代に頑張って最適化したところで、結局はどこかに古さが残ってしまう。それを逆手にとり、ダニエル版ではベテランスパイという設定でスカイフォールでも、これまでのスパイ、007シリーズを否定した形になっている。
原作ではボンドは現代になるに連れて年齢を重ねているらしく、この設定に無理がきたらしく、近年の小説では逆に舞台を60年代に戻して、若いボンドの活躍を書いているそうだ。
映画版も歴史物として作り変えていいようにも思える。21世紀に入り、SFが現代化してしまっている時代に、秘密兵器を想像するのはなかなか難しいところがあり、無理やりつくると嘘っぽくなってしまう。
シリーズがスカイフォールで復活したとは言え、まだまだこのシリーズは危機的状況にあり、制作会社の経営面も厳しいらしい。
好きなシリーズであるからこそ、なんとか続けてほしいのだが、無理がにじみ出てきている気がしてならないのだ。

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「シャイニング」

注意:ネタバレ、長文
スティーブン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督の名作ホラー映画である。
物語は作家でありながら書けず、臨時教師をしていたジャックは、妻と息子と3人で、山の上にある展望台ホテルの管理人として雇われ、冬の間、施設の管理を泊まり込みで行うことになる。
だが息子のダニーは霊感のような超能力のようなものがたり、ホテルでの恐怖の体験を察知する。
それでもホテルに移った親子。ジャックはそこで新作を書こうとし、妻は新作を望んでいた。しかしジャックはそんな妻に嫌気が差し喧嘩になる。
そんな中で次第に息子のダニーは変調をきたし、ジャックは誰もいないはずのバーでバーテンに酒を振る舞われ、消して近づくなと言われた237号室で、ジャックは裸体の女性とキスをするがそれは腐敗した女性に変貌してしまう。
やがてジャックは壊れていく。この映画、世間ではホラーと呼ばれているし、ホラー映画として制作されたのは確かなのだろうが、ものすごく芸術性が高い映画である。
映像はシンメトリーで統一され、ホテルもどこか美術館に見えるし、音楽も荘厳で、ホラー映画としての恐怖感もありつつ、どこかホテルが異次元に見えるような音楽でもある。
キューブリックの映像美が本当に現れていて、すべてのシーンが計算されているように見えた。
物語的には実はキングとキューブリックは喧嘩になっている。映画は原作とほとんど違うあらすじになっていらところがキングは気に入らず、完成した映画を酷評している。後にドラマを制作する際にキューブリックから批判しないことを条件に版権を受け取り、キングは自ら脚本を書いて、ミニドラマを作った。
2001年宇宙の旅でもクラークと喧嘩したキューブリック。それほど完璧主義であり、個人的には小説というフォーマットから、映画映えする物に作り変えたと思っている。
シャイニングはあらゆる映画監督に影響を及ぼし、それを羅列すると書ききれないほどだという。スターウォーズが間接的にいろんな文化に影響を与えたように、シャイニングもそういう偉大な映画の1つなのだろう。
物語の側面から私としての意見として、これは幽霊に憑依された、ホテルが殺人現場だった。ジャックが凍死した。そう見られるのが一般的なだが、どんなふうにも取れる映画だと思った。
ホテルが呪われた場所にも見えるが、それは主人公一家の勘違いにも見えるし、ジャックは憑依されたように見えるが、仕事で心が病んでいったようにも見える。ダニーは超能力者にも見えるが、統合失調症にもみえら。ジャックは凍死したようにも、狂って死んだようにもみえる。
見方を変えると本当にどんなふうにも見える。これはキューブリックがそうしかけた罠であり、最後の写真1つとっても、様々な解釈ができる。
それだけ偉大であり、見た目だけじゃない映画だと感じた。

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「スターウォーズ 最後のジェダイ」

注意:ネタバレ、長文
2017年公開のスターウォーズシリーズエピソード8であり、ディズニーに版権が移ってから2作目の正伝シリーズである。
本作は旧作シリーズまでの2時間という枠を大きく越えて152分とシリーズ最長になっている。
物語は前作フォースの覚醒で伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーを見つけ出した主人公レイ。しかしルークはレジスタンスに戻ることを拒む。
同じ頃、銀河に圧政をしくファーストオーダーは、レジスタンスを追い詰めていた。それを覆すため、もとファーストオーダーの兵士フィンが動き出すが、すべて失敗に終わってしまう。
レイはルークになんとか修行をしてもらうも、自分が何者なのかわからないまま、敵に堕ちたハンソロとレイアの息子、カイロレンをダークサイドから戻そうと、敵の中に入っていくのだった。
だが全ては希望を打ち砕いていく。本作の見どころとして公開前から、これまでのスターウォーズシリーズを壊す、といっていたこともあり、何が違うのか期待していたが、評判は非常に悪かった。
ファンの中には、監督に憤慨している人もいるだろう。
けれど私としては面白かったと思う。残念ながら圧政と言いつつも、ファーストオーダーとレジスタンスの追いかけっこだけに焦点を当て、銀河で何が起こっているのか、圧政されているところがないのが残念だった。
宇宙戦闘も規模が小さい。
フォースやジェダイ、ダークサイドという側面からは、よりこの作品で深まった気がして私としてはすごく面白かったし、フォースとは何かをしっかり説明してもらった気がした。
またこれまでのシリーズを否定するセリフがあったが、個人的には良かった気がする。それでこそ野心家のカイロレンだと思った。
ルークに関しては、見る方が期待しすぎたところはあったと思う。最後は確かにすごいことをやってのけたのだが、それまでは怖がるおっちゃんで、カイロレンに対する負い目、ダークサイドへの恐怖に怯えるところは、ルークも人間なんだなぁ。
最後に、個人的にはレイアがスーパーマンのように見えたシーンは、あのままファーストオーダーを1人で倒せるのではないか、と思える凄さがあった。あれは素晴らしかった。
色々あるがファンとしては、薬であろうと毒であろうと、スターウォーズはスターウォーズ。どこまでも肯定していくつもりです。
スターウォーズに関する記事はこちらから「1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・12・13」

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「ガタカ」Gattaca

注意:ネタバレ、長文
1997年のSF映画である。
世界中の子供が産まれてすぐに遺伝子検査で何歳まで生きられるか、発症する病気は何かまで知られてしまう未来。
心臓病で30歳までしか生きられないと言われて育った主人公ヴィンセントは、遺伝子操作で欠点のない弟と育つ。遺伝子操作で欠点を無くしたものを適合者、自然に産まれたものを不適合者と呼んで差別する時代、ヴィンセントは宇宙へ憧れ、世界中のエリートが集まるガタカという施設へ入社しようとするが、不適合者は入れない。
そこで適合者でありながら自ら車に飛び込み足が不自由な男ジェロームの尿や血液で身分を偽り、入社するのだった。
しかしようやく宇宙へ行けることになった矢先、上司が何者かに殺され、落ちていたまつげから自分の身元が判明してしまう。
それでも捜査の手を逃れながら、適合者として、犯人でないのに疑われつつ、宇宙へ旅立つ日を待つのだった。この映画、SFと言いながらそこまでSFではない。どちらかというと、人の優劣は遺伝子では決まらない。育ちや環境、自分の努力しだいなのではないか、と言うことだ。
偽りの人生を選んだはずの彼は、次第にその偽りの中で出会った人々と居場所を見つけていく。それがなんだか素晴らしいことだと思えた。
宇宙へ向かうはずなのに、彼が次第にその目標すらも違うと思い始めるのが見えてくるようだった。
地味な映画である。しかし染みる映画でりました。

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「エンゼルハート」Angel Heart

注意:ネタバレ、長文
1987年のオカルト映画です。原作は悪魔のバイブルとまで言われ、その残忍な内容と性的描写の過激さ、宗教的すぎる内容から非売運動まで起こった「堕ちる天使」物語は1955年のニューヨーク。金に縁のない私立探偵ハリー・エンゼルは、見るからに金持ちの謎の男サイファーから、ジョニーという男の捜索を頼まれる。早速、記者の恋人にジョニーの資料を取り寄せてもらい、ある楽団に居たことを突き止める。更には占い師の女や愛人が居たことを突き止め、アリゾナへと向かう。しかしそこで待ち受けていたのは、ハリーが話を聞く人物が次々と惨殺される事態だった。それでもジョニーという男を追いかけるハリーは、最終的に衝撃的な結末を迎える。「エンド・オブ・デイズ」「エクソシスト」「コンスタンティン」など、悪魔を題材にした映画は数多くあるが、この映画が最もリアルに悪魔を描いているのではないかと思えた。当時、公開後、ミステリー業界に多大なる影響を与え、この映画の落ちに酷似した作品が増えたというが、それは観たら理解できる。俳優陣の側面からみると、主演のミッキー・ロークはこの映画が撮影された時期、最もセクシーな男として観られているほど、旬でありこの映画の最後などは凄まじい演技をしている。また謎の男サイファーはロバート・デ・ニーロが演じ、これもまたはまり役で、最後の笑みなどはすべてが自分の手中で回ったことに満足しているように見えた。

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「オーディション」ネタバレあり
三池崇史監督が2000年に公開した映画である。
まだ今のように世界的にも名前が知られる前の作品であるが、未だに三池崇史監督のナンバーワン作品だという人もおり、海外でも日本ホラーとして評価が高い映画だ。

物語は妻に先立たれた映像制作会社社長が、友達のプロデューサーと映画を作るという名目で嫁探しをする。そこで書類選考から気に入った女性を発見し、実際にオーディションで話してみると、余計に気に入ってしまう。
中年男は自分から彼女に電話をかけ食事をすると、彼女も好印象で相思相愛にみえた2人の関係性だったのだが、旅行へ出かけた先で彼女との性行為へ及ぼうとした矢先、彼女が忽然と姿をけしてしまった。
中年男は友達のプロデューサーから不気味な忠告を受ける。彼女を調べると彼女を知る人物が誰一人として見つからないというのだ。
それでも中年男は彼女を探し求めるのだが、それは地獄の入り口にほかならなかった。
リングなどの日本の幽霊、心霊ホラーとは違う方向で恐怖を示すことが得意に三池崇史監督である。この映画はまさしくその方向性の原点であると思った。
後にアメリカ資本、英語で制作された「ぼっけいきょうてい」ほどではないが、方向性、得体のしれない恐怖は描かれていた。
が、期待したほどの恐怖もなく、特別私としてはそんなに怖いとも不気味とも思わず見られた映画であった。
あるレビューサイトで本当に怖い、という言葉があったので、期待値が上がりすぎたのかもしれない。
でも怖いことに変わりはない。


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「DUNE 長尺版」
DUNEといえば、デヴィット・リンチ監督が映画化したSF映画としてしられている。
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SF小説界では名作中の名作であるこの壮大なシリーズを最初に映画化しようとしたのは、フランスで主に活躍するカルト映画の帝王アレハンドロ・ホドロフスキー監督だ。

彼はあらゆる方面でその当時、集められるだけの最高のスタッフ、キャストを集め、脚本、絵コンテまでも制作し、あとはハリウッドで資金調達するばかりとなった段階で、ホドロフスキー監督がカルト映画の監督であったことから、どこも映画化へ資金を出してくれる会社はなく、計画は消滅してしまった。
余談だがこの破綻した脚本をもとに、フランスでは漫画化、映画界では初代エイリアンを代表とする、あらゆる映画に影響を及ぼし、形になっている。
話を戻して今現在あるリンチ版だが、版権を手にした会社側が選んだ監督は、カルト映画で世界にセンセーショナルを巻き起こしたリンチ監督であった。
しかし当の監督本人は「DUNEは駄作だった」と公言している。だがマニアの中では今も人気がある作品になっている。
私個人の意見としてはホドロフスキー監督の構想を知っているからこそ、地味になってしまった気がしてならない。そして今ある劇場公開版は総集編にしか見えない。

それもそのはず、リンチ監督はこの映画を6時間として考えていた。ところが映画会社が2時間にフィルムを切り裂くなどざらにある話であり、この映画ももれなくその例に従い切り裂かれた。
結果、誰が見ても総集編にしか見えない映画が完成したというわけだ。
これ以降、リンチ監督は原作ありきの映画には手を出さなくなり、SF映画とも縁遠くなっている。
DUNEの話はだがこれでおわりではないのだ。実は、数年後にリンチ監督の許諾もなく残っていたフィルムをつなぎ合わせ、テレビ放送版を制作した。しかも劇場版よりも1時間長い3時間構成の、まったく印象の違う映画に仕上げたのだ。
これにリンチ監督は、自分の名前をクレジットしないでくれ。と激怒したとか。
この長尺版、まずオープニングから異なっている。絵で描かれた物語の舞台となる宇宙の過去の歴史を語り、登場人物たちを説明している。
また所々に必要だったはずのシーンが追加された事によって、主人公や周囲のキャラクターに厚みがでている。
これが6時間分あったなら、きっともっとすごい重厚な映画になったことだろう。
近い将来、再び映画化されるそうだが、今度はどういった形になるのか楽しみである一方、2回も失敗している企画だけに、成功できるのか心配である。
ファンとしてはホドロフスキー版がもし制作されていたならば、スター・ウォーズと並びSF映画を変えた映画になるはずだっただろう。
シリーズはこちらから「1・2・3」

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「スター・トレック ディスカバリー」

2009年よりながらく制作されてこなかったスター・トレックシリーズも、時間軸を変更して最初の宇宙大作戦をリブートするという形で映画版三部作を制作し、世界的に成功した。このことからNetflixでの配信という形で、ドラマシリーズが復活した。それが本作である。
物語の時間軸はテレビシリーズの繋がりにあるプライムタイムラインを採用し、宇宙大作戦の10年前を舞台としている。
だが正直、映像的には明らかに宇宙大作戦よりも未来的であり、映画よりもすごいシーンが登場したりもする。
本作はこれまでのスター・トレックの流れ、クルーがいがみ合いながらも、困難に立ち向かう姿とは違い、主人公が起こした大事件によって、主人公は疎外感。昔の仲間は主人公である彼女を嫌い、ディスがバリー号の艦長は企みを持っている。
そうしたところがこれまでのスター・トレックとはことなり、より現代的になっている。この辺はオールドファンからしたらどう映るのか、感想が聞きたいところである。
話は少しずれるが今回はクリンゴン人と和解する前の世界であり、クリンゴン人がシリーズを通してキーワードになっている。
問題は見た目である。本作はTVシリーズ、映画シリーズを含め、四度目の容姿変化を起こしている。
初代スター・トレックでは人間を黒く塗っただけの人間とほぼ変わらない容姿をしている。
新スタートレックからは頭皮が突起して大柄のクリンゴン人の容姿に変化している。
この矛盾は長らく語られて来なかった。
現実世界の話でいうならば、特殊メイク、予算の問題で初代スター・トレックではただの顔を黒く塗っただけの種族だったということになる。
物語の中では、人間の優秀な遺伝子を盗み出していたクリンゴン帝国は、それを利用してハイブリットした遺伝子操作されたクリンゴン人を作ることになった。が、産まれた種族は、容姿も考えも人間にそっくりになってしまい、100年間、その容姿が続いた、つまり初代スター・トレックの23世紀だけ、人間と変わらない容姿だったという説明になっている。
だがそれにしては今回も23世紀だというのに、これまでになく見た目が派手なクリンゴン人になっている。頭髪はなく、より爬虫類的になっていた。
リブート版の映画版にもクリンゴン人が一瞬だけ登場するが、それに近い見た目をしている。リブート版は時間軸が違うので、別の進化をしたと考えてもなっとくできるのだが、今回のクリンゴン人の見た目はどういった理由付けがされるか楽しみである。
それにしても本作はドラマという映像の劣化という概念をなくしている。映画と何ら変わらない、むしろ映画よりもこだわった映像が登場したりと、近年の配信ドラマはどれだけ映像に予算を費やしているのか、驚くばかりだ。
シーズン2もすでに配信されている。また新スター・トレックの続編であり、これまでのスター・トレックの集大成と思われる「ピカード」の制作も発表されている。
この世界観がますます広がることを期待したい。
個人的なのぞみとしては、そろそろ銀河系を抜け、近隣の銀河へも旅をしてほしい。
多元宇宙論はすでに「鏡像世界」として存在しているので、銀河系を抜け別の銀河、さらには宇宙全域に飛び立って、数億光年の旅をしてくれることを願いたい。
ディスがバリーはまさしく、それを可能にする重要な移動方法が鍵となっているので、できないことはないだろう。
これからますます広がる世界観が楽しみで仕方がない。

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「ドクター・フー」

何年も前になる。NHKで放送されたイギリスのSFドラマを観た時、アメリカの制作するSFドラマとは違う、イギリスらしいユーモアに溢れたSFに触れ、興奮したのをおぼえている。タイムトラベラーの見た目は異星人である「ドクター」は、あらゆる時代、場所にあらわれてはそこで起こる超常現象を解決していく物語。

Xファイルやアウターリミッツのような、宇宙から人体のミクロの世界、都市伝説などを扱い、そこにユーモアが加わる。このドラマが開始されたのは、スター・トレックシリーズよりも古く、最初は子供向けの30分ドラマだったが人気が出たことから1時間ドラマとなった。特徴的なのは主人公であるドクターが数シーズンで変わることだ。さすが007の国、主人公が変わってもシリーズは続く。しかもSFとあり、ドクターは定期的に体が変化するという設定で、俳優の交代に理由をつけている。

シリーズは一時、中止期間を挟んで、2000年代に復活、現在も続いており、昨年からは初の女性ドクターとなった。
ギネスブックにも世界一長いSFドラマシリーズとして掲載されている。まさしく007シリーズと並ぶ、イギリスの文化となっている。私も放送が日本で中止されてから、見る機会がなかったが、私の知っているドクターの次のドクターに変化してからのシリーズがソフト化されているので、現在視聴している。映像は近年のNetflixなどと比べると、安っぽい。しかしそこがこのドラマのらしさというか、レトロなところが面白いのだ。しかもタイムトラベルしているので、宇宙の終わりを映像で初めて描いたSF作品でもある。なんでもありのSF。SF好きだったらきっと満足するドラマである。

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「スペースキャンプ」ネタバレあり
1986年公開の、ジュブナイル映画である。
物語はNASAで行われるスペースキャンプへ参加するため、夏休みを利用して集まった子どもたち。
主人公たちは、問題ばかりを起こすチームとなってしまったものの、その教官は本物の女性宇宙飛行士だった。
そんな中、最年少の少年が気に入ってしまったNASAのロボットを無断で寄宿舎へ持ってきたことから、ロボットはいたずらでスペースシャトルに本物の燃料を注入、実習で参加した主人公たちは、本当に打ち上げられ、本当のスペースキャンプが始まる。
この映画、インディージョンズのヒロイン、バック・トゥ・ザ・フューチャーのヒロインなど、どこかで見たことのある俳優たちが登場し、アメリカ特有の生意気な子供たちを中心に、人夏の成長を描いたSF物となっている。
宇宙、異星人などは出てこないものの、子供と一緒に見るには最適な映画ではないだろうか。私も宇宙に惹かれ、生きているうちに宇宙に行きたいと願うロマン派の一人だがおそらく無理であろうから、せめてお骨は宇宙へ打ち上げてほしいものである。

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マッドマックス2とスターウォーズを意識して制作されたと思われる映画である。物語は砂漠の惑星レムリア。そこでは片目のない種族が巨大なクリスタルへ人を悪夢を集めていた。
惑星の警備者であるジャックは、クリスタルの発掘をする親子と遭遇するが、父親は片目族に悪夢の中で殺され、娘のダイアナを救出する。
しかしジャックも悪夢の中に落ちてしまい、苦しむも、目覚めるとダイアナが看病していた。2人はまたたく間に恋に落ちる。
そのダイアナを片目族の長シンが誘拐され、ジャックはダイアナを救うべく、シンを倒すべく片目族のところへ向かい、ダイアナは無事に救出するも、片目族の悪の権化たるシンは空中を走るバイクで別次元へと逃げてしまう。
2人はシンを倒すことを近い、旅立つのだった。感想から言うと、マッドマックスの世界そのままである。
しかも劣化版。主人公ジャックは全身、革で覆われているものの、どこか安っぽい。
車も鉄板で覆われた世紀末的なデザインながらもっさりとしている。
唯一、この映画で素晴らしいと思えたのは、特殊メイクではないだろうか?
中にはロボット化された人物も登場するがなかなか素晴らしい特殊メイクだった。
SF好きなら観てもよいだろうが、期待はできない映画である。それにしても主人公とヒロインが始まって10分でキスは早すぎる。

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日蓮映画 ネタバレあり
あらかじめ書いておきますが私は日蓮宗でも、仏教徒でも宗教に思うことがあるとかもありません。無宗教の映画が好きな男の感想だと思って読んでください。
「日蓮と蒙古大襲来」
日本映画黄金期。大映の永田雅一社長は日蓮宗として知られており、日蓮の一生を映画にしたいということで、当時、大映の大スターだった長谷川一夫を日蓮に、日蓮が日本の柱となる、と決意してから武家との対立、当時の主流だった天台宗から異教徒と言われて、当時の鎌倉幕府から島流しにされたりと、波乱万丈な人生の中でも、自分の信仰を捨てず、道に立ち、教えを説きながら、幕府への進言書などを書く。
やがて蒙古が襲来し、日本は苦戦するも日蓮の願いが届き、神風が蒙古を撃退する話になっている。
日蓮というとどうしても伝説が多く、どこまでが事実なのか信じられないが、物語としては面白かった。
また永田社長の力の入れようが分かるスケールの大きな映画になっていた。
セットの巨大さ、エキストラの多さ、特撮。まさしす大スペクタクルに仕上がっている。
「日蓮」
蒙古大襲来から時代が経ち、日本映画界を取り巻く環境が悪化する中で、永田社長はもう一度、日蓮を映画化した。
今度はキャストを一新して、萬屋錦之介が日蓮を熱演している。
物語の大筋は蒙古大襲来と変わりないが、日蓮の子供の頃の回想や、宗教家としてのリアルをを追求しながらも、伝説の部分はしっかりと入れている。
そして特徴的なのは日蓮の最後までを描いている。
蒙古の襲来も台風の影響であり、日蓮は関わっていないことになっている。
こちらの映画のほうが、人間、日蓮を描いている気がする。
宗教映画というのは、必ず批判する人たちがいる。宗教の自由だから、特別それを批判波しない。
信じるもののために講義するのはけっこう。
表現の自由も素晴らしい。
だから宗教映画は面白い。議論が起こることは素晴らしいことだ。

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バットマン ナイトクローラー
バットマンと言えば、潤沢な資金に物を言わせ、バットモービル、バットウィングなど陸海空、宇宙までも移動できる驚異的なメカを所持しているのが魅力である。
あるアニメではベルトが四次元ポケットになっていて、剣を出すという設定があるが、そこは省いて。
映像化したバットマンは基本、モービル、ウィング、ボートなどを乗り継いでは壊していく。ダークナイトではバットポッドというごついバイクも登場する。ほぼ後半はそれがメインメカになるが。
Mr.フリーズでは表情を移動するメカも登場した。
しかしなんと言ってもベン・アフレックのバットマンが一番、ゴージャスだったと個人的には思う。
バットモービル、バットウィングは基本として、バットモービルを収納できる輸送機、そしてナイトクローラーだろう。
マザーボックスのありかを知る人間たちをステッペン・ウルフが地下に誘拐したとき、5人で乗り込むため使用したのがこの映像化されたバットマンの中で最大のナイトクローラーだ。
ただしすぐに破壊され、めだった活躍はしなかったがベン・アフレック版バットマンがどれだけ金持ちで、どれだけメカを所持しているのかを象徴するメカになっている。
次のバットマン映画でもぜひ、なにかしら独特のメカが登場してほしい。ダークナイトシリーズはモービルとウィング、ポッドとリアルを追求したので、突拍子もないメカは出なかったが、次は出してほしい。
余談だがレゴの方ではこれでもか、というほどバットマンはメカを所持して、ほぼ軍隊レベルだが、そこは省いておく。

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「もののけ姫のエボシ」
久しぶりに「もののけ姫」を鑑賞する。宮崎駿が黒澤明との対談でいつか時代劇をやりたい、と言っていたのが形になったのがこの本作だと私は思う。
ただ時代物としては、歴史の位置づけが定かでなく、アイヌ人らしき主人公と紀伊半島らしき森の国。浅野という大名がいるということくらいしか情報がないため、冒頭の大和王朝に追われて逃げた主人公の村の先祖の話から数えると、おそらく室町時代の紀州付近が舞台だとなるそうだ。
さて、この映画は色々と謎が多い。宮崎駿はよく神やもののけを作品に登場させる。一応、「風の谷のナウシカ」の設定でも、映画には登場しないが、旧人類、という今の人類を創造した神が登場するし、ラビュタでもラビュタ人という神的な民族が居たという設定になっている。
そこからトトロやもののけ姫、千と千尋の神隠しといった、人の形をした神から自然、物体を神とするようになった。
もののけ姫も動物を神としており、シシ神という大きな神がおり、その下に狼、イノシシといった神が登場する。
エボシはタタラバにありながら、天頂様の命令でシシ神を殺す役割を担っている。ということはエボシはそもそもタタラバに来た目的は、上からの命令で神を殺すためであったとなる。そこを浅野が狙い、更にはエボシが発展させたタタラバを師匠連という謎の組織が狙っていることになる。
ある考察では、エボシは元々、とある大名あるいは公家に輿入れしたものの、夫を殺害して天頂様、つまり朝廷の周囲に近づき、公家などと親密になったものと思われるそうだ。そこで師匠連から石火矢の技術を受け、朝廷から神殺しを依頼され、石火矢衆を引き連れ、タタラバに向かったと思われる。
もののけ姫。日本の評論家が好まない、弁論大会のような主張の嵐。私は今回見てそう思った。特にアシタカの矛盾でありながら、両方を救いたいという思想めいたもの。その主張がすごかった。
当時、日本の評論家たちはこの、評論家が嫌う弁論大会映画をどう見たのだろうか?
ただやはり私は好きだ。何度見ても発見があり、何度見ても、宮崎駿の力を感じる。
これまでナウシカが一番すきな宮崎映画だったのだが、もしかするともののけ姫が一番なのかもしれない。
久しぶりに面白かったと言える映画を見た気がする。

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「ダンケルク」
戦争が始まった時点で、人類の敗北は決まっている。
勝利者がいるとすれば、兵器屋の銀行口座だけだろう。

ダンケルク。
第二次世界大戦、イギリスを中心とするヨーロッパの諸国連合は、ドイツ軍にダンケルクという浜辺まで追いやられていた。
やむなく連合軍は撤退を命令する。しかし船の数が足りず、民間船に救助要請をする。
これが史上空前の撤退作戦の始まりだった。
物語は様々な兵士、民間人の目線から様々な時間軸が行き来して物語は進行する。
クリストファー・ノーラン監督が自らの映画やドラマに出演した馴染みの俳優たちを集め、史実を陸海空と再現している。
監督はCGに頼らない撮影で有名だが、本作もリアルを追求しているのが伝わってくる。
ただ淡々と戦争を描き、他の戦争映画のようにグロテスクなシーンはあまりなく、ドキュメンタリー的な側面もある。
私が何より感じたのは、ノーラン監督はトム・ハーディが本当に好きで、どの監督よりもかっこよく撮る方法を心得ている。
ダークナイトライジングのベイン同様、ほとんど顔が見えないのだが、それでも決めるときは決める。最後は彼がこの映画を閉めている。
傑作だ。間違いなく傑作だ。
ただインセプションのときのように、観客を混乱させる映画になっているのが、ちょっと残念だった。

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「七人の侍というジャンル」
1954年公開した本作について、語ることはおそらくないであろうし、他の人々が多いに語り尽くしていると思う。
本作は戦国時代、信長が本能寺で亡くなった数年後、世は乱れ野武士が溢れていた。
野武士は農村を襲い、米、女を奪っては、村を焼き払っていた。
ある農村で野武士の標的となったことを知った村人たちは、街に出て侍を雇い村を守ることにする。白い米を食べさせる。それだけで村を守る物づきの侍たちがいるものか、と疑問に思いながらも街で侍たち七人と出会い、村へ戻ってくる。
そして野武士たちとの戦が始まる。
物語は200分を超える超大作となり、東宝は途中で制作中止を決定し、撮影しているところまででいいから完成させろ、と黒澤明監督に言った。
しかたなく撮影しているところまでを編集、会社側に見せたところ、続きはないのか、と聞かれたので、だからこれから撮影するんです。と答えたところ内容の面白さから会社は社運をかけた映画とすることを決意。普通の映画の約7倍もの制作費をつぎ込んで映画は完成した。
「なにかに取り憑かれたように作った」
と監督が言っていた通り、この映画には何らかの強い魂が入っているかのように、世界中に連鎖していった。アメリカではスピルバーグ、ルーカス、コッポラがロシアではタルコフスキーが、イタリアではレオーネ。きっとまだまだ居るはずである、映画を志した人ならばこの映画に影響を受けないはずがない。それだけこの映画の持つ力は凄まじい物がある。
私はこの映画見る度に、引き込まれていく感覚になる。200分もあるのに、すべてのシーンを覚えているし、すべてのセリフが言えるわけではないが、覚えている。
だが意外なことに公開された1954年の年間興行収入で七人の侍は3位であった。上には「君の名は第三部」「忠臣蔵」が入っている。下には「ゴジラ」が控えていた。
「君の名は」はアニメの例もあるように、ブームというものを引き起こす映画であるからこれはこれで当時、ブームになったのだからすごいことだし、忠臣蔵は今も昔も日本人の心であるから仕方がない。ゴジラはあの当時、最先端の特撮技術を駆使して作った映像は、世界最先端であろう。
こうした中で名作と呼ばれ、後に数多くの亜種映画を生み出した七人の侍。
私は個人的にこう思う。黒澤明監督は「七人の侍」という映画のジャンルをつくってしまったのではないだろうか。と。
もちろん映画自体は時代劇に区分されるれっきとした時代劇だ。だがこれだけ人を引きつけ物語の枠組みを引用される映画が他にあるだろうか?
スターウォーズが公開された時、世界中の人々がスターウォーズの亜種映画を見た頃だろう。SFというジャンルを大きく世界に広めた映画である。その中にも確実に七人の侍の血は流れている。「隠し砦の三悪人」を元にしたのは有名な話だが、ルーカスが七人の侍を意識しているのは間違いない事実だ。
現にスターウォーズのアニメクローン・ウォーズには、七人の侍と同じストーリーの話がある。
またSFブームになった時「宇宙の七人」という映画も公開されている。荒野の七人、黄金の七人など7人でなにかを行うというフォーマットを作った映画だと個人的には感じる。
これは映画に関したことだけではない。関連性は誰も述べていないが、戦後、エログロ路線の時代劇を書き、忍者ブームを牽引した山田風太郎の忍法帖シリーズでは、敵味方決まって7人というのがお決まりのようになっている。これは偶然ではないと私は考える。
7人は確かに人間が一見して決まりのいい数字であるし、キャラクターを創造するにあたって、7人が並ぶのは光景として決まりがいい。
だが七人の侍はそれをフォーマット化した。つまり七人の侍というジャンル、七人組の物語の基盤を作った、ジャンルを超越した映画だと思うのだ。
世界には名作と呼ばれる、映画、本、漫画、アニメ、演劇。あらゆるジャンルのエンターテイメントがあるだろう。その根底に、創作者の中に何かしらの形で七人の侍は影響を与えていると思う。
直接的ではなくても、影響を受けた人物が作ったなにかを見て、それに影響を受けている。
人類はきっとこの映画を遺伝子レベルで刻み込んでいるのだ。

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「地獄 1999」
またとんでもない映画を見てしまったものである。
この映画は日本の映画界の鬼才と呼ばれる石井輝男監督が制作した、一種の日本の犯罪者に対する憤り映画である。
物語は地獄の閻魔大王が1人の女性に目をつけ、彼女ならば地獄を理解してくれる、と地獄に招き入れ、地獄に堕ちた極悪人たちがどのような罰を受けるかを見せるというものだ。
だがこの映画、大半がオウム真理教を批判する映画となっており、オウム真理教がどのようなことを行ったのかなどを描いている。
特撮、特殊メイクなどで安っぽさはどうしてもいなめないところもあるものの、人間の法律、人間の掟を超えたところで、極悪人が罰を受けているとするならば、これが信じるであってほしいと願いたくなる映画だ。
今、この時も地獄では極悪人たちが終わりのない苦しみを与えられ続けている。そう考えるだけでも、気持ちは軽くなる。
私の宗教観ではここまで古典的な地獄はまずないとは思う。ただ可視できないなんらかの、魂の苦しみを与える地獄と呼称される場所は存在するであろうと個人的には思っている。だからこの映画で表現されている現実の犯罪者たちはきっと、人間の法律ではさばけない罰を与えられ続けていることだろう。
そう願いたい映画でありました。

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「スターファイター」
スターウォーズが公開されてから実に多くのSF映画、特に宇宙物が世の中に誕生しました。この映画もおそらくはそうした、SF映画を求める会社側の要望に答えて企画された映画なのでしょう。
舞台は当時の現代地球。スターファイターというアーケードゲームで最高得点を更新した主人公アレックスは、ゲームの開発者と名乗る男の車に乗り込むと、なんと宇宙へ連れて行かれてしまう。
そこでは悪に苦しめられる宇宙人たちがおり、そのスカウトのためにスターファイターは開発されたという。アレックスは宇宙人連合のパイロットとして選ばれたのだった。
今となってはありきたりな物語だが、この映画の凄いところはなんと言っても、世界初のCGを使った戦闘シーンだろう。
世界初のCGを使った映画と言えば「トロン」が有名だが、あれはほとんどがアニメーションであり、CGらしいCGだったが、本作ではより実写に近づけたCGを使った初めての映画ということで、話題となった。
またスターウォーズバブルがまだ続いていた時期もあって、特殊メイクの宇宙人、宇宙船の中の巨大なセットの数々。SF映画として、SFファンとして素晴らしいの一言だ。
最後も青少年の憧れる終わり方をするので、若い世代にこそ進めたい映画である。

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「ゴジラキングオブモンスターズ」

今月末に公開されるレジェンド版ゴジラ第二弾。
実はゴジラユニバースというシリーズで、キングコング髑髏島もシリーズに入っていて、第三弾の映画になるのだ。
次のゴジラvsキングコングまで計画されています。その後、続くかどうかは不明だが、今回のゴジラは17体も登場すれば、地球、終わるんじゃないですかね?それにしてもハリウッド黄金期に誕生したキングコングと日本映画黄金期のゴジラ。その2体が対決した、日本ゴジラ最大のヒット作、ゴジラ対キングコング。これをハリウッドでやる。特撮は繋がっていく。この魂、まだまだ後の世代にもつないでいってほしい。ただハリウッドで怪獣王道やっちゃ、日本でこれからどうするの?
シンゴジラ路線?大魔神復活?

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「ザック・スナイダー5部作だった!」

ジャスティスリーグで娘の死の心労から監督を降板したザック・スナイダー監督なのだが、実はマンオブスティールから5部作の予定で制作していたそうです。
ジャスティスリーグの最後で、DCコミック最大の強敵、ダークサイドが一瞬だけ登場して、ジャスティスリーグは宇宙へ。そこでグリーンランタンたちと合流するのですが、地球は壊滅する。そこでバットマンvsスーパーマンのバットマンの夢のシーンと繋がるそうです。フラッシュのロイスが鍵だ、というセリフも第2部で繋がるのだとか。そして最後はヒーローが大集合して完結する予定だったそうです。きっと間には他のヒーロー作品の映画も入ったと思うので、きっとアベンジャーズエンドゲームほどにヒーローが登場したのではないでしょうか?きっと1作が3時間を超えていくと思うし、最終作は4時間の二部作とかにザック・スナイダー監督ならするだろうから、世界一長いシリーズ映画になった可能性もある。つくづく惜しいことです。もしかするとスーサイドスクワッドとの合流もあったかもしれないのに。

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「スタークラッシュ」

スターウォーズあとに出てきたのでスペースオペラの1作。
女海賊の主人公が銀河皇帝に雇われ、悪の首領の秘密基地を探す。
なんと言えばいいのか。合成も宇宙船も微妙。
相棒ロボットはキグルミ感満載。
見どころは主人公の露出度と前半に登場するアマゾン軍団だけ? のようなきがする。
当時を知らないのでなんとも言えないが、これは当時からB級だったのか、それとも真面目な映画だったのか?
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「生きものの記録」

黒澤明監督があの「七人の侍」で大成功したあとに取り組んだ映画である。
黒澤明監督がこれまでコンビとして音楽を担当してきた早坂が、当時のビキニ環礁実験、第五福竜丸の被爆事件が起こり、これを受けて「こう命が脅かされちゃ、仕事はできないね」との一言から、映画のテーマが決まったという。
物語は70をこえた老人が米ソ核兵器競争、ビキニ環礁水爆実験などで秋田県に地下施設を作ろうとするも、日本では放射能を防げないと知り、サンパウロへ親族、妾やその子どもたちまでも移住しようとするが、家庭裁判所に息子たちは訴えを起こす。家庭裁判所参事の原田は、その調停に呼ばれる。
老人の危機感にもかかわらず、誰もサンパウロへの話を本気にせず、それでも老人は強引に話を進めるのだった。
今だ! この映画は東日本大震災を経験し、原子力発電事故を経験した今の日本人だからわかる。
この映画の当時、あれだけ核兵器の驚異があっても、まだ日本人は他人事だった。だから黒澤明監督映画で唯一の赤字映画となった。
でも今の日本人ならば、きっと理解できる。移住を試みる老人の気持が理解できる。いつ、地震が起こるかもしれない。また原子力発電事故が起こるかもしれない。某国からミサイルが飛んでくるかもしれない。日本はあの当時より確実にこの映画をリアルに受け止められる現実がある。
この映画の題名を見たとき、なんと大げさな題名なのかと思った。が、映画の中で志村喬演じる原田が死の灰という本を読みながら息子に言う。「この本を読んだら他の動物は逃げ出すよ」
そう、人間は考えやしがらみに生きる生き物だ。しかし本能で生きる動物がもし放射能やその知識を理解できたなら、きっと逃げ出す。それは私も同感だ。
そしてこの映画はあの当時の人々はもちろんのこと、あの頃から見た未来の私達、さらに今より未来の人類。
何百年、何万年、何億年先、もしかしたら人類ではない別の文明、別の知的生命体、地球が滅んだあとに、別の惑星にいるかもしれない宇宙のどこかの文明人たちへ、地球にはこんな生き物たちが生きていた。
そう伝える映画なのかもしれない。
自分が400年、映画を作り続けられたら、きっと世界平和にしてみせる。
黒澤明監督はそう言っていたそうだ。だからこの映画は未来永劫、核兵器の驚異があったという現実を伝える映画。
だから「生きものの記録」あの当時の、人類という生物の記録なのだ。
この映画は例えば50億年後、地球が太陽の爆発で消滅したとしても、宇宙が消え去るまで永遠に残し、まさしく記録として残してほしい映画だ。

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「砂の女」

安部公房原作の第一弾映画であり、世界的にも評価が高い作品である。
砂にすむ昆虫を研究する教師は、ある日、一晩の宿を求めて研究先の村人に宿を尋ねる。
すると一軒の砂の穴の中に立つ家を進められ、縄梯子で降りていく。そこには若い女が1人住んでおり、砂まみれの家の中で、男は皮肉を言いながら、一泊だけすることを強調するも、女はまるで何日も住むような口ぶりで男の話を相手にしない。
そして翌朝、縄梯子を登って帰ろうとするが縄梯子はなく、砂の中を登ろうとづるも、崩れて登ることができなかった。
村の人々はこの砂に埋れた集落の砂堀り要員として、外から来た人々を、砂の穴の家へ割当、上にいる人達は、配給だといって食料、水などを砂かきの対価として与えていた。
男は何度も脱出しようとするが、次第に女と情を通じるようになり、一週間が三ヶ月、三ヶ月が半年と延びていくのだった。
感想は一言。不思議な世界だ。まるで男は別の惑星にでもきたかのような生活風景。配給というものに頼る以外、生きるすべはない。
そして男女2人くらしからくる自然な感情。
この生活はきっと続く。この2人が老人になっても。すでに主人公はこの砂の家になれていっている。そして女を愛しているのだから。
他人の顔といい安部公房の映画はどうも不思議な、それでいて心地の良いテンポで観られるので、肩の力を抜いて観られる。私にはあっているのかもしれない。

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