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未来は変わったはずだった
「ターミネーター2 特別編」
評価:★4,6
・映画おすすめ 物語
1984年にターミネーターが送り込まれ、襲われたサラ・コナーは、同じく未来から来た戦士と恋をして、一晩の肉体関係を抱く。それにより生まれたジョン・コナーは、思春期を迎えていた。しかしサラはスカイネットを作るサイバーダイン社を爆破しようとして逮捕、精神病院に入れられてしまう。そんな中、ジョンの元に2人の男が現れる。1人はバイカー姿の大男で、サラを狙っていたターミネーターと同型。もうひとりは更に進化し、液体金属で構成されたターミネーターであった。旧型の、サラを狙っていたターミネーターは今度、味方となりジョンを守っていた。そしてサラを救いに精神病院に向かうが、人に擬態できるターミネーターが待ち構えている危険性があった。その中にジョンは突入する。・映画おすすめ 感想
前作の好評を受け制作されたシリーズ第二弾は、前作でサラを狙っていたシュワルツネッガー演じるターミネーターが味方となる、脚本になっており、最新型の液体金属ターミネーターが登場する。ターミネーター同士が機械を倒す未来のリーダーをかけて戦うという、皮肉も混じった映画になっている。本作は特別編とあって、ジェームズ・キャメロン監督が本来描きたかった、ターミネーターに近いかたちになっている。具体的には、サラが精神病院でカイル・リースの夢を見る場面、逃走中にターミネーターのチップを外す場面が追加されている。その他にも短いシーンが色々と混ざっていて、16分、劇場用より長くなっている。しかし本作には更に、未来の平和な場面が追加された拡張特別編というのがあるので、もしかするとジェームズキャメロンが描きたかったターミネーターとは、もっと長いものになっていたのかもしれない。それにこれで未来を確定していれば、後の残念な映画展開もなかったのかもしれない。【キャスト】ターミネーター:アーノルド・シュワルツェネッガー(★●玄田哲章)サラ・コナー:リンダ・ハミルトン(★吉田理保子 ●日野由利加)ジョン・コナー:エドワード・ファーロング(★浪川大輔 ●近藤玲子)T-1000:ロバート・パトリック(★江原正士 ●咲野俊介)【スタッフ】監督:ジェームズ・キャメロン/製作:ジェームズ・キャメロン/製作総指揮:ゲイル・アン・ハード、マリオ・カサール/脚本:ジェームズ・キャメロン、ウィリアム・ウィッシャー/音楽:ブラッド・フィーデルPR -
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2020/06/17 映画おすすめ 「山猫は眠らない2」2002年
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映画おすすめ 「山猫は眠らない7」2017年
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2020/07/08 映画おすすめ 「ブライト」2017年
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2020/07/14 映画おすすめ 「her/世界でひとつの彼女」2014年
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2020/07/16 映画おすすめ 「時の支配者」1982年
映画おすすめ 「マック」1988年
映画おすすめ 「ディアボリカル」2015年
映画おすすめ 「E.T.」1982年
2020/07/21 映画おすすめ 「オールド・ガード」2020年
映画おすすめ 「ヒッチャー」1985年
2020/07/22 映画おすすめ 「ガン シャイ」
映画おすすめ 「バトル・ライン」2008年
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「T34 ナチスが恐れた最強戦車」 2018年
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未来が殺しにやってくる
「ターミネーター」
評価:4,5
・映画おすすめ 物語
平凡に暮らすサラ・コナーは、喫茶店でアルバイトをするごくありふれた女性だった。ところがある日、サラ・コナーと名前の女性が次々と殺害される事件が発生する。そんなことも知らず、ディスコで遊んでいたサラのところへ、サングラスをかけた大男が現れ、銃で殺そうとした。そこをショットガンを持った青年に救われる。しかし警察に逮捕された青年とサラだった。が、そこにまたしても大男が現れ、大型銃器で次々と警察官を殺害するのであった。警察官が発泡しても男はびくともせず、警察官を皆殺にした。かろうじて逃げたサラと青年カイル・リース。逃げる最中、カイルは驚くべきことを口にする。数日中に米ソが核戦争を始めること。それがスカイネットというAIが仕掛けた人間への戦争だということ。未来は機械と人間の戦争をしており、自分は未来から送られてきたこと。そしてサラの子供が未来、人間軍団を率いて機械に勝利すること。それを阻止するため、スカイネットは人間にそっくりのターミネーターというロボットを、過去に送り込んだこと。これらすべてを信じろという方が無理だったが、信じるか信じないかを問わず、ターミネーターは確実にサラを追跡してくるのだった。・映画おすすめ 感想
言わずとしれた名作。管理人が書かなくても、ゴマンとターミネーターのレビューは世間にあふれている。しかし書かなくてはならない。SF好きとしては。今もシリーズ化されるターミネーターシリーズの原点がここに主役されている。様々な世代でターミネーターの好みはあると思うが、個人的には2の特別編を除けば初代が一番好きかもしれない。当時のジェームス・キャメロンは低予算でSFを作りたかったらしく、現代で機械が追いかけてくるこの物語を考案したという。低予算と言っても、日本の低予算とは桁が違い、百億を超えていたというから驚きだ。続編でCGを駆使するシーンがあるが、やはりこのカクカクとしてこまどり撮影のほうが、ロボット感が出ていて、個人的には好きである。そしてなんと言っても警察署での銃撃戦。これは映画史に残る銃撃戦だと思える出来栄えだ。1984年公開監督 : ジェームズ・キャメロン出演 : アーノルド・シュワルツェネッガー, マイケル・ビーン, リンダ・ハミルトン, ポール・ウィンフィールド, ランス・ヘンリクセン
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地球の6千倍の質量を持つ惑星が地球に接近
「妖星ゴラス」
評価:★4,0
・映画おすすめ 物語
土星調査船が土星へ向かう途中、地球から通信が入る。観測では地球の6千倍のある彗星が地球に接近しているので、調査してほしいとのことだった。日本の調査船は彗星に最も近く、土星調査を中断して彗星へと向かう。だが彗星のあまりの質量と重力により、調査船は調査結果だけを残し、彗星に衝突、爆発してしまった。残された日数の中で地球の6千倍もの質量を持つ彗星から地球を守る手段を画策する国連。核兵器での攻撃も視野に入れたが、放射能を吸い込む妖星ゴラスは、巨大化するばかりだった。そこで国連は地球そのものを動かす地球最大のプロジェクトを開始する。南極に海水をエネルギーとして噴射する巨大エンジンを取り付け、地球を影響のない宙域まで移動させるのだ。しかし南極に眠っていた巨大生物が暴れだすなど、計画はギリギリのところを推移していた。・映画おすすめ 感想
壮大だ。当時の日本特撮といえば、怪獣ばメインであり、SFといえば透明人間から始まる改造人間シリーズ、地球防衛軍など、地味な作品が多かった。そこにきてSF色を強く出したのがこの妖星ゴラスである。地球の6千倍の質量を持ち、核兵器でも破壊できない彗星が地球に接近したならば。設定は素晴らしいのだが、なんせ地球がエンジン点火で動き出した時、東京でテレビを見ているというシーンがあるほど、危機感があまりない。日本沈没や世界大戦争のような、黄昏を感じさせる描写がほしかったし、もっと言えば地球が動いた時、月が消滅した時の地球の環境がどのように変化するのかをしめしてほしかった。そのへんが当時の雰囲気の映画なのであろう。難しいことは考えず、とにかく楽しもう。監督: 本多猪四郎原案: 丘見丈二郎特技監督: 円谷英二出演: 池部良/白川由美/久保明/水野久美/太刀川寛 -
彼女が彼女と家族になるまでの物語
「彼女」
評価:3,9
・映画おすすめ 物語
高校時代からレイは年上の女性と性的関係にあった。だがレイはその女性を一番だとはあえて言わなかった。レイが恋していたのは陸上部の部員である七恵。レイは七恵への気持ちをなんとなく伝えていたが、七恵はそんな気はなかった。しかしある事件をきっかけに貧乏な七恵に、金持ちのレイは提案をする。「貴女が家族から離れられるまで、私が貴女を買う」それから2人の奇妙な関係が始まる。それから10年。別れたはずの七恵からレイに電話があり、久しぶりにあった七恵の体には青あざがあった。彼女は夫から暴力を毎日受けていた。七恵は「夫を殺してくれない」と軽くいう。数日後、レイは本当に七恵の夫を殺し、2人は夢のような逃亡を開始する。・映画おすすめ 感想
日本の映画でここまでできる。ここまでの雰囲気のある映画を日本は制作できる。個人的に感動した部分がある。本作では性的な描写があるので、日本で初めて制作陣と俳優の間に入って性的描写をストレスなく撮影できるコーディネーターが採用されている。その影響もあってか、悲しくも美しく、儚い性的描写が描かれている。ただ個人的に残念なのは、これがコミック原作だというところだ。これがオリジナルならば、両手を上げて日本映画はすごい、と叫ぶことができるのだが。やはりコミックに頼らなければならないのか、と少し残念な部分もあった。コミックを知らないので、映画だけのできならば、素晴らしい。監督廣木隆一脚本吉川菜美原作中村珍出演者水原希子、さとうほなみ(佐藤穂奈美)新納慎也、田中俊介、烏丸せつこ、南沙良、鈴木杏、田中哲司、真木よう子 -
現実とはなにか。このメッセージをあなたは受け取ることができるか
「トランプの国」
評価:★4,5
・映画おすすめ 物語
ある男が駅でトランプの国への生き方を聞いて回っていた。しかし誰もそんな国を知らないという。ある国の王子は、王子であることを放棄して旅に出た。その先にあったのがトランプの国という専制国家であった。顔を白く塗り、軍服に身をまとい、ライフルで武装した彼らは名前を与えられず、トランプのマークと数字で呼ばれていた。そんな国で囚われた王子は、女性兵士へ独裁以外の自由を教え込んだことにより、次第にトランプの国の独裁が崩れていく。男でも女でも同性愛者でも自由に愛し合い、軍服を脱ぎ捨てた。時代はいつのことなのか、ハートのエースというトランプの国の女王が密かに暮らすところで、トランプの国を探していた男はたどり着いた。・映画おすすめ 感想
難しいインド映画だ。物語は2つの物語から始まる。狂っているのか信じているのかトランプの国を探す男。そしてどこかの国の王子が何不自由ない世界かつに飽き、旅立つ。トランプの国を求める男は遺跡のような場所でトランプの国の元女王と出会う。王子はトランプの国に自由を与える。といった感じだろうか。これを個人的に深堀りしていくと、狂ったような男は伝統を重んじるインド人。自由を求める王子は現代のインドの若者。トランプの国はこれまでのインドの体制を象徴し、それを開放するのは若者である。最後は自由への道はまだまだ長いという意味のエンディングなのだろう。カルト映画にも見えながら、ある種のメッセージ映画でもあるのかもしれない。どんな見方もできる。流石にインド映画。娯楽からこういった映画まで幅が広い。監督 カーシク・マクハージー脚本 Q撮影 マニュ・ダコッセ出演ジョイラージ・バッタチャルジーリー・センサウミャック・カンティ・デ・ビスワスアヌブラタ・バスよかったらポチッと応援してください。
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女はすべてを騙している
「女神の見えざる手」
評価:★4,5
・映画おすすめ 物語
ロビー活動を先導する会社に務める主人公は、人生のすべてを仕事にかけていた。一日、十数時間を仕事に費やし、医者から処方される睡眠薬さえも飲まずに、働き続けていた。そんな時、働いていた会社よりも小さい会社で、銃の規制法案の可決を目指すことを決意する。その時、これまで組んでいたチームの面々で自分についてこない者を切り捨て、新しい会社のチームでも、個人を利用して法案の票を獲得する非情な手段を講じていた。次第に彼女は誰からも信頼されなくなり、スカウトした社長ですら、彼女の仕事のやり方を非難した。対するライバル会社は次第に彼女への個人攻撃を開始するようになる。彼女の目指すもの、銃規制法案の行方はどうなるのか。・映画おすすめ 感想
日本で選挙といえば、政見放送や街頭演説など人の目を引く行為ではあるものの、どこか地味なところがある。しかしアメリカの法案や選挙戦というのは一大イベンドであり、その裏方には、本作のようにロビー活動を先導する凄腕の人物がいるのである。本作はそんな凄腕の人物に焦点を当てている。日本では狸議員というのが多いイメージだが、本作を見ると、アメリカの政治というのは、議員の周辺も狸が多いのではないかというイメージになった。ただ最後の結末はものすごく痛快で、彼女への嫌悪感が一気に吹っ飛ぶ爽快さがある。監督 ジョン・マッデン出演 ジェシカ・チャステイン, マーク・ストロング, サム・ウォーターストンよかったらポチッと応援してください。
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呪いを追いかければ、どこまで繋がっていくのだろう
「残穢 住んではいけない部屋」
評価:★3.9
・映画おすすめ 物語
主人公の小説家は、読者からの心霊体験を受け付けて、それを元に短編のホラー小説を書いていた。そんな彼女の元に、ある大学生から奇妙な現象が部屋で起こると手紙がやってくる。それは部屋の和室の畳をする音が聞こえるというのだ。さらに着物の帯が見えたといい、その部屋で首吊した和服の人物がいるのではないかと推測する。しかし大学生が不動産屋に確認しても、そういった事件も事故も起こってはいないときっぱり言われてしまい、何が原因なのかを小説家は確かめることにした。そこで心霊マニアの同業者に話を持ちかけると、部屋ではなく、土地に何かがあるのではないか、という助言を受け、マンションが建つ前の土地を調べ始めた。するとそこから次第に闇は深くなり始め、九州の事故へとたどり着くのだった。・映画おすすめ 感想
調べてはいけないこともある。これまで見てきたホラー映画では、部屋でなにかが起こっていた、あるいは地縛霊が存在するなどのことが多かったような気がするが、本作ではそれが通用しない。部屋を調べ、前に建っていた家を調べ、住人を調べ、更に昔にさかのぼり、事件が繋がっていくのが解ってくると、鳥肌がたってくる。更に事件は九州のある呪いの噂へとたどり着いていく。それを竹内結子が淡々と説明するのがまた恐怖でならない。そしてたどり着いた時、呪いはまだまだ奥深く、追っても追ってもきりがないことに気づくのだ。きりがないことを知った時、この映画の本当の恐ろしさをしることになる。調べてはならない、知ってはいけないこともある。監督 中村義洋出演 竹内 結子, 橋本 愛, 坂口 健太郎よかったらポチッと応援してください。
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魂は別の肉体に宿ることができるのか
「ザ・ソウル 繋がれた魂」
評価:★4,0
・映画おすすめ 物語
検察官の主人公は癌に蝕まれ、体はやせ細り、歩くのもやっとの状態だった。
刑事の妻は妊娠し、妻と生まれてくる子供のためにも、最後の瞬間まで仕事をしたい、と上司に申し出て、ある事件を受け持つことにした。
それは奇っ怪な時間だった。
大企業のCEOが全身タトゥだらけの息子に殴り殺されたという事件で、現場には被害者の遺体と、扉や床、壁に魔術的な紋章が刻まれていた。
息子を取り調べ、被害者の妻の証言などから、犯人は息子であると断定した。
しかし調べていくうちに、奇妙な点がいくつも出てきて、妻と名乗る女が本当に本人の人格なのか、魂が宿っているのか、主人公は疑いを持ち始めるのだった。
・映画おすすめ 感想
中国映画である。
中国映画の個人的なイメージとして、ファンタジーの派手なイメージが強く、コメディ要素も欠かせないのだが、本作は画面の構成から証明までトーンが暗く、主人公の余命がないこと、癌が次第に体を動けなくしていく様子も描かれている。
そんな中でも陰惨な事件を追いかけ、しかも過去を探れば探るほど、事件は奇っ怪さを巻いていき、そこには人間の脳をコピーするという技術がでてくるので、犯人が誰なのか、本当に加害者は本人なのかなど、ミステリー要素も強い映画である。
そして最後、逮捕された人物が誰であるかを知った時、涙が出てくる映画であった。
The Soul Trailer 原題:緝魂 原作:チアン・ボー
キャスト
チャン・チェン チャン・チュンニン クリストファー・リー チャン・シャオウェイ リン・フイミン サミュエル・クー チャン・ボージア ルー・シューフェン
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人は弄ばれただけなのか、それとも人の仕業なのか
「コクソン」
評価:★4,5
・映画おすすめ 物語
土砂降りの雨が降るある日の早朝、小さい町の警察官をやっている主人公のところへ電話が入る。1人の男が老夫婦を殺害したというのだ。妻と母親、小学生の娘がいる男は、朝食を食べながらその話をしたあと、仲間の待つ事件現場に急行する。するとそこには白目を剥いて正常とはとうてい思えない状態の男と、惨殺された遺体があった。男になにを聞いても答えず、薬をやっている気配もなく、毒キノコでも食べたのか、と警察官たちは憶測を言う。その直後からある噂が立ち始める。山に住み着いた日本人が呪いをかけたのではないかと。日本人は鬼のようになり、獣を生で食らう、という噂までたっていた。その噂が消えないうちに、次なる事件が起こる。今度は焼死体が発見されるのだった。後輩警察官の弟が神父見習いをやっており、日本語もできるというので、その日本人のところへ向かうが、日本人は居なかった。ただ村人の私物が置かれた祭壇やなにかの儀式を行う部屋がそこにはあった。・映画おすすめ 感想
これは田舎町で起こった、人外の物語。コクソンに明確な答えは示されていない。國村隼演じる日本人がなにものなのか、途中で登場する霊媒師の正体、謎のが登場するが明確な答えはない。この映画は前半はコメディ要素もあり、軽く見られる映画だ。しかし次第に雰囲気が重くなり、謎が濃厚になっていき、最後の結末は謎と悲劇で終わる。これは小さい町を舞台にした神と悪魔の物語、というレビューが多い。個人的にもそういう見方が濃厚なのだが、誰が神で誰が悪魔なのか。答えは見た人それぞれがきっと判断することになるのだろう。監督 : ナ・ホンジン
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細菌に抵抗力のない子供が行われる治療とは
「イーライ」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
外界の細菌に免疫力がない1人の少年イーライ。彼の両親はどんな医者に診せても息子の病気が治らないことに悩まされていた。だがある時、高額で確実にイーライみたいな子供を治してきた医者を発見し、その診療所を訪れる。そこは見た目が古い館で、内部は滅菌室なっており、防護服を着なくても住むことが出来た。そこでイーライは治療を受けるのだが、館に次々と見えるはずのない人影や、幽霊を見始める。医師は治療薬のせいで幻覚をみているというのだが、それは日に日に彼の周りに集まってきた。それと同時に医師がこれまで治療をしてきた子供たちが、屋敷から出ていった記録がないことを1人で調べ上げる。医師は何を隠しているのか。幽霊たちの目的はなんなのか?・映画おすすめ 感想
終わり方がとにかく好き。始まりはありふれた幽霊もの、悪霊ものだと思い、流れとしても医師がなにかの実験をしているように見えた。物語も予想通りに運んでいき、当たり前のホラーと思っていた。しかし物語中盤に登場する少女の正体を推測しながら見ていくのだが、終盤にかけて自分の思った方向とはことなく方向へ向かうのが、楽しい映画であった。そして個人的に好みの終わり方をしたのが、素晴らしかった。監督キアラン・フォイ脚本デイビット・チャーチリロイアン・ゴールドバーグリチャード・ナイン出演者 -
妻を殺した連中へ最後の怒りが爆発する
「96時間 レクイエム」
評価:★3,9
・映画おすすめ 物語
娘のキムが妊娠した。娘との関係が良好で、生活が安定していた元CIA工作員のブライアンは、離婚協議中の元妻の良き相談相手となっていた。仕事で留守の間、元妻に鍵を渡し、自分の部屋を自由に使っていいと伝え、仕事に出かける。戻ってくると、床にナイフが落ちておりベッドルームを開けると、元妻の死体がそこにあった。必死に呼びかけるブライアンだが、もう声が戻ってくることはなかった。そこへタイミングよく警察が現れ、ブライアンはしかし警察官を薙ぎ払い、逃げ出す。そしてキムへ電話をし、母親の死を告げるのだった。そこから妻の移動経路を探り、妻を殺した犯人を、警察に追われながら追跡する。
・映画おすすめ 感想トーンが少し落ちた気がする映画1作目は非情にわかりやすかった。娘が誘拐され凄腕の父親が手段を選ばず救い出す。2作目は逆に誘拐され、一緒に誘拐された元妻と1人にした娘の両方をまもりながら、犯人を追い詰めていく。しかし96時間レクイエムでは、どうしてだろう。脚本のリュック・ベッソンも飽きたのだろうか、脚本が当たり前というか、よくある展開になっている。犯人を追い詰めていくのはいつもながら、素晴らしいのだが、最後、真犯人と対峙した時、普通のこれまでの映画と変わりない。なんか観た気がするシーンに思えた。前作までが良作だっただけに、少し残念が気がした。続編の構想については、主演のリーアム・ニーソンが、皆が望めばあるかもしれない、と公言していたが、評論家からの酷評を受け、難しいだろう、と発言を撤回している。観たい気もするが、これが続くのであれば、ここで終わりにしていくのが良いだろう。製作・脚本:リュック・ベッソン監督 オリヴィエ・メガトン -
娘を思う父の怒りは、さらなる憎しみの連鎖を生み出していた
「96時間 リベンジ」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
娘が誘拐され、売春婦として売られそうになるのを、力まかせに解決してから、元妻と娘とは良好な関係になっていたブライアン。警備の仕事も順調にすすみ、人生を立て直していた。元妻は現在の夫とは別居状態にあり、ブライアンはそれを支えていた。そんな時、トルコで仕事が入り、気晴らしに2人をトルコへ呼んだブライアンは、久しぶりに家族で幸せな時間を過ごした。だが、元妻とでかけた先で誘拐される事件に巻き込まれる。娘だけは守るべく、自分たちが誘拐されること、アメリカ大使館に保護してもらえ、と娘に電話でメッセージを残した。そしてブライアンと元妻は誘拐される。誘拐したのは、娘を含む若い女の子たちを薬漬けにして売春婦として売っていた組織。そのリーダーの父親たちだった。ブライアンはこの復讐の連鎖から妻子を守ることができるのか?
・映画おすすめ 感想またしてもリーアム・ニーソンのアクションが爆発する。前作ではパリを中心に敵を追い詰めていった。本作では逆に追い詰められてから、どうやって挽回していくのかというところが見どころである。前半は、家族問題を話し合う、すこしスローペースな走り出しだが、後半は一気に物語が進行していき、ブライアンの怒りが止まらない。また今回は前作で誘拐された娘がたくましくブライアンの助けになるところも、見どころの一つである。この負の連鎖、次作で完結なので、楽しみに観たいと思う。<キャスト&スタッフ>ブライアン…リーアム・ニーソン(石塚運昇)レノーア…ファムケ・ヤンセン(深見梨加)キム…マギー・グレイス(明石香織)監督:オリヴィエ・メガトン製作:リュック・ベッソン -
父の愛が爆発する
「96時間」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
元CIA工作員のブライアンは、仕事ばかりで家庭を顧みず、離婚されていた。仕事といえば、元同僚がくれるボディーガードの仕事。そんな彼にも元の妻との間にいるキムという娘が世界で唯一の味方だった。キムはある日、友達とパリに行きたいと言い出し、親の承諾が必要だった。ブライアンは危険だ、と諭すが母親もキムも大丈夫だという。ブライアンは仕方なくサインをして、パリに友達と2人で旅行に行かせた。しかしそこで友達と一緒に誘拐されてしまい、ブライアンは独自の直感と洞察力で、電話の音から犯人組織を追いかける。人質が無事で居られる時間は96時間と言われている。ブライアンは必死に娘を探し、立ちはだかる者は容赦なく排除するのだった。・映画おすすめ 感想
リーアム・ニーソン本格アクションデビュー以外にも主演のリーアム・ニーソンは当時の年齢になるまで本格的なアクションをしてこなかったという。しかしながらその動き、プロとしての格闘術、銃撃戦は見事であり、目的を達成、娘を救うまでの暴走とも言える動きは、凄まじい。制作にリュック・ベッソンも参加しているだけのこともあり、この手の映画としては、かなりできが良い。娘を救う。ただそれだけのシンプルな映画だからこそ、観ている方はなにも感じず、ただ見入っていればいいだけの映画に仕上がっている。評判が良く、続編が作られたのもうなずける映画だ。<キャスト&スタッフ>ブライアン…リーアム・ニーソン(石塚運昇)レノーア…ファムケ・ヤンセン(深見梨加)キム…マギー・グレイス(明石香織)監督:ピエール・モレル製作・脚本:リュック・ベッソン -
人は愛する準備が出来ていない
「A.I.」
評価:★4,5
・映画おすすめ 物語
ロボットがあらゆる分野に参入し、セックスまでもロボットに頼るようになった未来。ある企業は愛することを学習し、愛することを喜びとする子ども用ロボットの開発を進めていた。しかしロボットがどれだけ愛しても人間の側がロボットを愛することができるのか。疑問に思った企業上層部は、社員の中から1人の男を選んだ。男は妻と息子の3人家庭ながら、息子は難病にかかり、冷凍睡眠で治療法を待つ身となっていた。そこで子ども用ロボットの試作品を彼へ提供した。家に子供の姿をしたロボットを連れてきた時、妻はロボットを愛することなどできない、と言い次の日に返す約束をする。しかし子供と触れ合っていなかった妻は母としての愛情を次第に取り戻し、ロボットを愛するようになる。だが実の子供の病気が治療に成功し、家へ帰ってくることになる。そこからロボットとのすれ違いが起こり始める。
・映画おすすめ 感想人間になりたいピノキオの物語。本作の着想はピノキオであり、作中でもピノキオが何度も登場する。物語自体もピノキオを意識した作りになっている。映画の原案はスタンリー・キューブリックである。もともとは原作をキューブリックが気に入り、70年代から映画化に向けて動いていた。そして90年代には実際に映画化への準備段階や長年に渡って執筆していた脚本も完成していたという。主人公の子供を本当のロボットにする案まであり、映画に長時間かけるキューブリックにとって、それは時間との戦いであり、結局、死去してしまい監督できなかった。もともとキューブリックは自分が制作でスピルバーグに監督を任せる予定だったそうだが、スピルバーグがキューブリックのA.I.が観たかったために、断ったという。しかしキューブリックの死によって、スピルバーグは忠実に映画化したという。この話しを読んでいると、たしかにロボットにセックスという性の部分を絡ませてくるところが、キューブリックらしいとも思えた。物語は感動的なものとなっているが、人間とペットの関係にも置き換えられる辛さもあり、何度か見ると、きっと印象が変わる映画だと思えた。監督スティーヴン・スピルバーグ脚本イアン・ワトソンスティーヴン・スピルバーグ出演者 -
永遠に増築を運命づけられた屋敷
「ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷」
評価:4,1
・映画おすすめ 物語
精神科医ブライスはアヘンにおぼれていた。それは妻が自殺をして、自らの傷を負ったトラウマからだった。そんな彼の元に銃器メーカーウィンチェスター社から依頼が舞い込む。筆頭株主であるサラ・ウィンチェスターの精神鑑定についてであった。彼女はウィンチェスター社の銃で亡くなった多くの亡霊を救うため、自らの屋敷を24時間、365日増築させていた。部屋数は500を超え、これを異常だと考えた重役たちが、異常性を精神科医の書面で認めさせ、株を奪いたがっていた。そこでブライスはウィンチェスターハウスへ宿泊することとなった。妻が自殺をし、自分も傷を受けたウィンチェスターライフルを作っている会社の創始者の屋敷に。そして彼はすぐに気づく。屋敷に自分家とそっくりのガーデニングルームがあることに。
・映画おすすめ 感想観光名所だと思っていたが勘違いだった。このウィンチェスターハウスは、テレビのバラエティ番組などで、特集されることが多く、入り組んだ廊下、行き止まりの階段などは有名である。しかしこの映画はそうした観光名所としてのウィンチェスターハウスの見方を一変させられる。そもそも多くの怨念を慰めるために作られた屋敷なのだから、心霊スポットであり、本来ならば安易に立ち寄ってはいけない場所なのだ。本作を見ればよく分かる。ウィンチェスターは西部を制した銃とまで言われるほど、性能がよく多くの命を奪ってきた。それほどの怨念が集まる場所なのだから、本来、人が近づいてはいけないものだと個人的には考える。映画の出来も素晴らしく、多くの怨念に屋敷は渦巻いているのがわかる。この屋敷が実在するのだから、本当にこの映画はフィクションとしては観られない部分もあるように思えた。出演者:ヘレン・ミレン 、 ジェイソン・クラーク 、 サラ・スヌーク 、 エイモン・ファーレン 、 フィン・シクルーナ=オプレイ監督: ピーター・スピエリッグ 、 ピーター・スピエリッグ/マイケル・スピエリッグ 、 マイケル・スピエリッグ製作総指揮:ベネディクト・カーヴァー 、 ダニエル・ダイアモンド 、 トビン・アームブラスト 、 マイケル・バートン[製作]脚本:トム・ヴォーン 、 ピーター・スピエリッグ 、 マイケル・スピエリッグ -
古代からの贈り物は世界を一変させる
「ジュラシック・ワールド 炎の王国」
評価:4,3
・映画おすすめ 物語
ジュラシック・ワールドで人が結合させた遺伝子から誕生した恐竜が暴れ、パーク内で多大なる犠牲を払ってから数年。パークのある島の火山活動が活発になり、恐竜たちの処遇を巡って、アメリカは二分されていた。恐竜をこのまま自然の中で死なせてやるべきという意見と、人間が作り出した恐竜を人間の手ですくうべきという意見である。アメリカ政府は国として、恐竜の放置を決定した。しかしパークの責任者だったクレアは、自ら恐竜救出をすすめる団体を立ち上げ、国に訴えかけていた。そんな中、ジュラシックパーク構想時代から恐竜の権利をもる一族から呼び出しを受け、一族が所有する別の島へ恐竜たちを移動させる計画があると提案される。それにはラプトルを唯一手懐けた男、元恋人のオーウェンが必要だと言われる。オーウェンのところへ向かったクレアに対し、彼は自然の中で死なせるべきだ、という意見を持っていた。だが子供の頃から育ててきたラプトルのことを考え、島へ向かうのだった。火山が噴火して時間がない中、最後のラプトルを探すオーウェンとプロジェクトチーム。最後のラプトルを見つけ、オーウェンがおとなしくさせようとした時、チームは麻酔銃を撃ち、それでも襲いかかってくるラプトルを銃で撃つ。「商品に傷をつけるな」とチームのリーダーから声が聞こえ、この避難プロジェクトが避難目的でないことを知るオーウェンだったが、麻酔銃で撃たれ、意識を失うのだった。
・映画おすすめ 感想前作の圧巻が薄れている。本作では前作の混乱後、恐竜をどうするかというところから出発するので、きれいに見せていた前作とは違い、朽ちたパークの中で恐竜たちが捕獲されるシーンから始まる。なので、草原を優雅に移動する恐竜のシーンはなく、檻の中に閉じ込められている恐竜のシーンがかなりの時間をしめている。また、人間のサスペンスシーンや謎解きに重きを置いているので、恐竜第一という感じでもなくなっていた。しかしながら最後でジュラシックパークに登場したイアン博士の言葉によって、この作品が真のジュラシック・ワールドの完成を描いた映画なのだと納得した。これから続編を作るのであれば、真のジュラシック・ワールドとなった世界で人間と恐竜がどうなっていくのか、期待したい。監督フアン・アントニオ・バヨナ(J・A・バヨナ)脚本デレック・コノリーコリン・トレボロウ出演者 -
冬山に現れた死の光点
「赤い光点」
評価:4,1
・映画おすすめ 物語
結婚1年目のスウェーデンの夫婦は、喧嘩が絶えなくなっていた。そんな時、夫は2人の関係を修復しようと、山でのキャンプを提案した。2人が向かう場所は北部の雪山。途中、北部の若者に妻が黒人であることを馬鹿にされたり、車にイタズラされたりと、嫌なことがあったが、なんとか山のホテルに到着する。ホテルでも黒人を嫌う奥さんに嫌な思いを居ながらも、チェックインして次の日に雪山へと出発する。2人の関係は間違いなくこのキャンプで近づいていた。そして夜。外は吹雪の中、愛犬と2人はテントの中で宿泊していた。話しの中で妻は赤ん坊ができたことを夫に伝え、2人は幸せになろうと誓う。しかしそこに赤い光点がテントの中を照らしてくる。きっとガソリンスタンドでバカにしてきた若者たちのイタズラだと思い、テントの外へ大声で叫ぶ。その時、愛犬が吹雪の中に走り出すと、銃声が鳴り響いた。それは死を与える赤い光点だった。何が起こったのかわからない2人のサバイバルが始まった。・映画おすすめ 感想
地味である。
スウェーデン映画独特の重苦しい空気感、静かな物語の運びなど、退屈に思う人がいるかもしれない。しかしこのリアルな寒さを演出する雪山でのシーンは、寒さが伝わってくる。さらにただの殺人キラーが無差別に殺しているように見せて、狙われる理由が明かされた時、なぜ夫婦が不仲なのか、不明なシーンがすべてつながってくる。最後の瞬間、この映画は脳裏に刻まれる映画になるはずだ。監督アラン・ダルボルグ脚本アラン・ダルボルグペル・ディクソン出演者ヨハネス・バー・クンケ、ナンナ・ブロンデル、アナスタシオス・ソウリス、カレド・ムストネン、トーマス・ハンソンよかったらポチッと応援してください。
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ヒーローを望む男のただの妄想なのか
「アンブレイカブル」
評価:★4,2
・映画おすすめ 物語
ある雨の日、黒人女性から子供が生まれた。すぐに医者がやってくるが、医者は怪訝な顔をする。赤ちゃんを落としたか、ときかれるが誰も赤ちゃんを落とすことなどしていない。医師はいう。「赤ん坊はお腹の中で骨折したんだ。両手両足が折れている」時は現代。交通事故で怪我をして、フットボール選手を諦めた男は、警備員として働き、新しい働き口として、ニューヨークへ探しに行った帰りの列車の中、なにかを感じた瞬間、意識がなくなる。気がつくとそこは病院で、彼はかすり一つない体でベッドの上で目覚めていた。医師の言葉では生存者は2人。もうひとりはまもなく死ぬ。生存者は彼だけだという。壮絶な列車事故にも関わらず、生きていた自分に恐怖を覚え、逃げるように病院から帰った彼は、翌日、出金先の事務に病欠の日数を聞く。すると5年間で病欠は一日もなかったという。思い返せば、子供の頃から病気一つしたことがなかった。それになにか危険があれば直感で解ってしまう。自分が何者なのかわからなくなったところに、ある男から連絡がくる。黒人男性は先天性の体の異常で、すぐに骨折や怪我をしてしまうという。あの赤ん坊であった。そんな彼はコミック原画のコレクターであり、芸術だと公言していた。Mr.ガラスとも呼ばれる彼が生き残った男を読んだ理由。それはヒーローは存在するのか、という問いかけをするためだった。そこから男たちの奇妙な体験が始まる。
・映画おすすめ 感想Mナイト・シャマランが制作した、ヒーロー映画である。シャマランといえばシックスセンスなどのホラー映画で有名な人物だが、近年では多方面の映画を制作しており、ここからはじまる三部作は彼のライフワークと言っても過言ではない。この頃はまだ、暗い画面、暗い世界観を意識した映像になっており、ヒーローものというよりも、どこかホラーである。しかし後になって制作されたスプリット、ミスターガラスなどは、映像表現がまた違ってきている。本作はけして派手な映画ではない。だがヒーローの誕生、悪人の暗躍といったヒーロー物にはかかせない要素は詰まっているので、なにかワクワクしながらみることができた。監督 : M・ナイト・シャマラン出演 : ブルース・ウィリス, サミュエル・L・ジャクソン, ロビン・ライト・ペン, スペンサー・トリート・クラーク, ジャーレーン・ウッダードよかったらポチッと応援してください。
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後ろ盾をなくしたはぐれものたちの戦い
「ルーザーズ」
評価:★3.9
・映画おすすめ 物語
ボリビアのジャングルに隠れ住む、武器密売人の屋敷を突き止めた、クレイ率いる部隊は、航空爆撃の標的をレーザーで知らせる任務が目的だった。
攻撃のためレーザー照準を屋敷に向けた時、屋敷に多くの子供が連れてこられたのを発見。無線で作戦中止をクレイが申し入れると、マックスと名乗る謎の男に拒否されてしまう。
爆撃機が到達するまで余裕がない。彼らは任務を無視して屋敷内へ突入するのであった。
子供たちを発見し逃し、バスに乗り込むチームと子供たちは、なんとか爆発にまきこまれずにすんだ。
撤退ヘリが降りてきたが、クレイたちは乗らず、子供たちだけを乗せる。飛び立つのを見上げ、安心した彼らの目の前で、ヘリはミサイルで攻撃されてしまう。
それが自分たちを消す目的で行われたことを察知し、死を偽装して隠れていた。
そこへ謎の女が現れ、マックスへの復讐戦がはじまるのだった。
女は何者なのか、マックスとはだれなのか。謎のままチームは動き出すのであった。
・映画おすすめ 感想
DCコミックス原作のアクション映画である。
近年、ヒーロー映画に力を入れているが、いまいちマーベルに追いつけないDCだが、この路線もありだと感じた。
ヒーローにこだわることなく、アクションを主体にとしたコミックの映画化。これならばマーベルもあまりやってこなかったジャンルなので、戦えるのではないかと思えた。
原作がしっかりしているせいもあり、映画もしっかりとした世界観が作り上げられ、最後まで疑問なく、スッキリみることができた。
今後、こういった映画が作られることを期待しつつ、ルーザーズの続編が作られることも期待したい。
監督シルヴァン・ホワイト脚本ピーター・バーグジェームズ・ヴァンダービルト出演者ゾーイ・サルダナ、ジェフリー・ディーン・モーガン、クリス・エヴァンス、イドリス・エルバ、コロンバス・ショート、オスカル・ハエナダ、ジェイソン・パトリック、ホルト・マッキャラニー、ピーター・マクディッシ、ピーター・フランシス・ジェームズ
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伝説はここからはじまる
「フッド ビギニング」
評価:★4,2
・映画おすすめ 物語
若き領主であるロビンは、ある日、自分の馬小屋に馬を盗みに入り込んだマリアンとであう。一目惚れし、互いに惹かれ合った2人は、身分の差など気にせず、幸せな日々を送っていた。ところが長官の命令で十字軍への参加を要請されたロビンは、必ず変えるとマリアンに誓い、戦場へむかった。しかし戦場では厳しい現実がまっていた。原住民との戦い、捕らえた捕虜の容赦ない処刑。これに耐えきれなくなったロビンは捕虜を逃がす。すると情感にその場で矢で射られ、治療ののりイングランドへ送り返されることとなった。荒海を超え、イングランドに帰ると、彼は2年前に死亡したことにされており、領地は没収され、マリアンは別の男と結婚していた。どん底に落とされたロビンだったが、それを助けたのは、他ならぬ十字軍と戦った敵の男だった。名前が長くジョンと名乗るその男は、戦争のあとに起こる混乱や独裁者の出現を許してはならない言い、なにか象徴になる者の出現を目的に密航までしてきたという。そこで捕虜を逃したロビンに気骨を見出し、鍛えるためにやってきたのだった。ジョンに鍛えられたロビンはフードを被り、長官の金を盗んでは領民にばらまく義賊となった。こうして彼の戦いは始まる。
・映画おすすめ 感想これは新しいロビンフッドの物語。これまで幾度となくロビンフッドは映画化されてきた。一時期は人類で知らないものは居ない、というほど有名なキャラクターである。今回のロビンフッドの世界観は中世イングランドが主な舞台ではあるものの、中世という感覚ではない、ファンタジーに近い世界観である。十字軍として遠征した、というのはこれまでも幾度も設定に入れられてきたが、鉱山の描写などは、パイレーツ・オブ・カリビアンのようで、ファンタジーである。またマリアンが領主の花嫁というのは聞いたことがあるが、ロビンが領主というのも、珍しい設定だと思う。たいていロビンはその日暮らしの盗賊か旅人であることが多いからだ。興行的に成功したかは不明だが、続編を作るつもりでエンディングもそういった終わり方になっているので、きっと続編を作る予定なのだろう。期待して続編を待っていたい。監督オット・バサースト脚本ジョビー・ハロルド出演者 -
今、最後の戦いが始まる
「オーメン 最後の闘争」
評価:4,0
・映画おすすめ 物語
ソーン財閥の後継者がダミアン1人となった状態で、彼は着実に大人になり、立派な青年へと成長した。その権力は大統領に意見できるほどに大きくなり、父と同じイギリス大使に自ら就任する。イギリスで待っていたのは、美しい新聞記者であり、彼は彼女に惹かれていく。そんな中、二千年に一度、3つの星が重なる日が訪れ、その日に生まれた子供がキリストの生まれ変わりだとダミアンの命を狙う人々は騒ぎ、ダミアン自身もそれに気づいていた。彼は自らの力で掌握した信徒たちにナザレの生まれ変わりを殺せ、と命じる。するとイギリス各地で同じ誕生日の乳飲み子たちが事故死、あるいは殺害される事件が多発した。ダミアンは自らの部下の子供までも殺させ、悪魔の子供として生まれた自らの宿命を果たそうとしていた。しかしダミアンの命を狙う者たちは、次々に聖なる短剣で彼の暗殺を計るのだった。こうして最後の戦いは激しさを増していく。
・映画おすすめ 感想ダミアンシリーズの完結となる本作は、これまでの2作以上に宗教色が強く、ダミアンは反キリストとして大いにその力を振るう。本作は無宗教の日本人にとって、ダミアンを動見るかによって、感想が違ってくると思われる。ダミアンを作品の主人公として勝利を望むのか、悪魔の子供として敵視するのかで見方が違う。個人的には本作が公開された時、劇場で堂々と反キリストをうたうダミアンに対して、キリスト団体は抗議しなかったのかというのが気になっている。映像的には、印象的なラストを迎えるので、シリーズ通しての完結としては見事だと思った。オーメンを意識した作品が後に多く制作されるが、やはり原点を超えることは難しいと思われる。監督グラハム・ベイカー脚本アンドリュー・バーキン出演者 -
悪魔の子は自らのさだめを受け入れる
「オーメン2 ダミアン」
評価:3,4
・映画おすすめ 物語
ダミアン・ソーンは実の父に短剣で刺されるところを、警察官に助けられた。しかし両親を失ったダミアンは叔父のソーン財閥会長の家に引き取られ、育てられ、思春期を向かえた。一緒に育った従兄弟とともに軍の宿舎に入り、厳しいと名高い教官の下で学ぶことになる。だが教官は、ダミアンに自分のさだめを知るように促すのであった。そんな中、ダミアンの危険性を最初から感じていた叔母がなくなり、ソーン家の周りで次々と死がまとわりついてくるようになる。やがて自らのさだめを知ったダミアン。そしてダミアンが悪魔の子であると否定していた叔父も、ついにはダミアンが悪魔の子である証拠を発見するのであった。・映画おすすめ 感想
前作の衝撃的な幕引きから続編が制作されたのが本作である。本作では経済関係の話しや軍学校の話しなど、前作では観られなかった方向に物語が進む。さらに思春期になったダミアンの苦悩も描かれる。しかし悪魔の子であることを受け入れ悲劇の結末へと向かっていく。本作は前作同様、宗教色が強いので、日本人には好みが分かれる作品になっているが、面白いのは間違いない。監督ドン・テイラー脚本スタンリー・マンマイク・ホッジス出演者ウィリアム・ホールデン、リー・グラント、ジョナサン・スコット・テイラー、ロバート・フォックスワース、レオ・マッカーンニコラス・プライアー、ランス・ヘンリクセン、エリザベス・シェパード -
神父から授かった子供は何者なのか
「オーメン」
評価:4,3
・映画おすすめ 物語
子供が生まれたと連絡をもらい急ぎカトリック病院へ向かった主人公は、そこで子供の死を知らされる。そこへ神父がやってきて、同じ日に生まれた孤児がいるので、引き取って育ててはどうか、と進められる。最初は断ったが、結局引取、妻は内緒で実子だと偽った。ダミアンと名付けられたその子は、イギリス大使となった父と母のもとで健やかに育った。しかしある日の誕生会、メイドがダミアンのためだ、といい屋敷の屋根から飛び降り、首吊り自殺をしてしまう。そこから何かが変わり始めていく。主人公のところには謎の神父が現れ、ダミアンは悪魔の子供だと言い始める。その言葉通りに、ダミアンの周囲では奇っ怪な事件ばかり起こり始めていた。そんな時、1人のメイドが現れダミアンの世話係となる。それにあわせ、メイドたちは全員屋敷から出ていってしまうという出来事が起こる。メイドは犬を飼い、まるでダミアンの護衛のようにしていた。そしてある記者から持ちかけられた話しから、ダミアンの出生の秘密へとつながっていく。・映画おすすめ 感想
悪魔を題材にした映画はあるが、おそらくオーメンがそのはしりではないかと思う。エクソシスト、エンゼルハート、コンスタンティンなど数えたらきりがない悪魔系映画。その中でも子供が悪魔の子供というショッキングな設定と、父親がそれに苦悩する姿、周囲で起こる残忍な事件。こうした要素が、ヒットへ繋がり、続編が作られる人気作になったのだろう。本作は音楽といい、子供の視線の描きからといい、見事だと思った。ホラー映画でありながら、見えない悪魔を感じさせる。そこが素晴らしい映画である。監督リチャード・ドナー脚本デヴィッド・セルツァー出演者グレゴリー・ペック、リー・レミック、デヴィッド・ワーナー、ハーヴェイ・スティーヴンス -
アメリカの闇に消えた未解決事件
「ゾディアック」
評価:4,4
・映画おすすめ 物語
ある晩、青年と浮気をしている女性がひと目のない車の中で、話し込んでいた。そこに警察官らしき男が現れ、男の足を撃ち、女性を殺害した。これが事件の始まりだった。後日、各新聞社、警察に犯行声明が送られてきて、暗号文までも付属されていた。犯人はゾディアックと名乗り、スクールバスの襲撃や、爆弾の設計図などを送りつけてきた。更にテレビに指名した弁護士を呼びつけ、電話すると予告してくるほどの大胆さで、世間はぞデジアックの恐怖に震撼していた。そんな中、新聞に風刺漫画を掲載する漫画家の主人公は、ゾディアック事件の最初からこれはただの事件ではない、と感じて記者でもないのに、事件を追いかけ始める。一緒に追いかけていた記者は、年月がたつに連れて、ゾディアックという迷宮に入り込み、酒と薬に溺れていく。だが彼はたった1人でも事件を追いかけ、本を書こうと、事件の奥深くまで潜っていく。※これは実際の取材を元にして作られた映画である。・映画おすすめ 感想
ゾディアック事件というのを知ったのは、管理人が子供の頃で、未解決事件というところが恐ろしかった。この事件は模倣犯やイタズラによって多くの誤報や憶測がながされた事件でもある。そうした様子も映画では描かれている。たった1人の見えない男を探すため、新聞記者は潰れ、警察官は追い詰められ、1人の漫画家を盲目にしてしまった。映画で描かれていることがどこまで本当かは定かではない。だが確実に人をくらい闇に引きこむ事件だったのは間違いない。未だ未解決だが、映画では一応、容疑者らしき人物たちが出てくる。だがそれも証拠がないので逮捕できない。だから今もこの事件はアメリカの闇であり続けるのだ。監督デヴィッド・フィンチャー脚本ジェームズ・ヴァンダービルト出演者ジェイク・ギレンホール、マーク・ラファロ、ロバート・ダウニー・Jr、アンソニー・エドワーズ、ブライアン・コックス、イライアス・コティーズ、クロエ・セヴィニー