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命の時間は24時間
「ケイト」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
子供のころ、両親を失い殺し屋として育てられたケイト。数々の命を奪いながら、成長してきた。今は、日本のヤクザ組織壊滅のため、日本で仕事をしていた。大阪でヤクザの親分の弟を狙撃したケイトは、次の仕事で引退を考えていた。そして夜であった男と一夜を共にしたケイト。しかしその直後から体に異変が起こる。命を狙われ、逃げる途中で事故にあい、病院で目覚めた彼女は、自分に放射性物質がもられたことを知る。残り1日の命と宣告されたケイトは、放射性物質を飲ませた相手、その真意を確かめるべく、東京の街へ出ていくのであった。・映画おすすめ 感想
全編日本のアクション映画。これまで日本を舞台とした映画となると、何か違ったイメージの日本が描かれていた。本作も少し違和感はあるものの、しっかりと日本が描かれている。そして制限時間が一晩ともあり、夜の東京が描かれるのだが、サイバーパンクな日本という感じがする。どこかブレードランナーのような世界観。そして日本のマフィア、ヤクザ。お決まりのようにも思えるが、國村隼、浅野忠信など海外でも売れている日本の俳優がいい味を出している。この映画は日本人にこそ見てほしい映画である。監督 セドリック・ニコラス=トロイアン脚本 Umair Aleem製作デヴィッド・リーチKelly McCormickBryan UnkelessScott Morgan出演者メアリー・エリザベス・ウィンステッドウディ・ハレルソンミキール・ハースマン浅野忠信PR -
ヌーベルバーグの記念碑
「勝手にしやがれ」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
マルセイユで車強盗を行い警官を射殺したミシェルは、パリに戻りアメリカ人のガールフレンド、パトリシアと合流する。ベッドでの何気ない会話、まるで猫がじゃれ合うような幸せな時を過ごす2人。2人はともに逃げる算段をし、ミシェルは友達の助けを借りるため、奔走する。しかしパトリシアのところへも警察がやってきて、確実にミシェルは追い詰められていた。それでも2人は不思議と幸せな時間をすごすのだった。・映画おすすめ 感想
ヌーベルバーグを代表するゴダール、トリュフォー、シャブロルがかかわった、原点にして頂点の作品である。それまでの映画方式にとらわれることのない手法で映画撮影したその映像は、おしゃれと安易には言い表せないものになっている。同じアングルでシーンが飛んだような構成。即興の演出。ゲリラ撮影、盗撮。どれをとっても新鮮で鮮烈な映画になっている。ラストもまた様々な意味にとれる映画であり、名作といわれるのが始めて理解できた気がした。今回、ジャン=ポール・ベルモンド氏の死去により、初めてみることとなり、生きているうちに見なかったことを恥じることと個人としてはなった映画である。監督 ジャン=リュック・ゴダール脚本 ジャン=リュック・ゴダール原案 フランソワ・トリュフォー製作 ジョルジュ・ド・ボールガール出演者ジャン=ポール・ベルモンドジーン・セバーグ
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すべての物ごとには代償がつく
「ラトルスネーク」
評価:★3,5
・映画おすすめ 物語
シングルマザーのカトリーナ。娘と母親のいる実家まで長い時間、車で移動していた。すると荒野のど真ん中で車のタイヤがパンクしてしまい、交換を始める。その間、娘が荒野で1人遊んでいたら、毒蛇に噛まれてしまう。娘を抱え慌てふためいていると、そこにトレーラーハウスがあることに気付き、中に入っていく。そこには老婆は1人おり、手当をするから代金はあとでいい、というとカトリーナを車の修理に戻らせた。修理が終わりトレーラーハウスの中に戻ると、老婆の姿はなく、娘の足には噛まれた後がなくなっていた。不可思議に思いつつ、近くの小さい町の病院に連れていくと、疲労と脱水症状はあるものの、毒蛇に噛まれた痕跡は見当たらなかった。何が起こっているのか分からないままでいると、病室に1人の男が現れる。日暮れまでに命を捧げろ。それが代金になる。何を言っているのか分からないでいるカトリーナの前で、男は娘の病状を悪化させてみせると、消えてしまった。カトリーナは日暮れまでに娘のため、誰かを殺すことを決意するのだった。・映画おすすめ 感想
これまでに見たことのないホラー映画。ホラー映画とあって、主人公を追い詰めていくのは、幽霊なのは間違いないのだが、娘を救うために誰かを殺さなければならない。その心理が追い込まれていくのがホラー映画といえる作品である。もし自分が大切な人の命と交換に誰かを殺めなければならないとなると。そう考えると、ためらわずにできるものなのか、考えてしまう。そんな映画である。監督Julius Amedume脚本Julius Amedume出演者ジミー・ジャン=ルイジャック・コールマンKathleen McClellanジェイ・アコヴォーンクリスチャン・オリヴァーリア・キルステッドロビン・リー
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パージの原点
「パージ エクスペリメント」
評価:★3,8
・映画おすすめ 物語
アメリカの経済が破綻し、すべてがどん底に落ちた時、建国の父たち、と呼ばれる政府は、ある実験を提案する。アメリカのスタテン島限定で、一晩だけすべての法律が無効とそれる時間を作り、人々の不満や怒りを吐き出させるというものだった。実験には志願者を募集し、生き残ったら5000ドルを支払うという契約を交わし、録画用のコンタクトレンズを配布した。そして当日の夜がやってきた。島を基から牛耳るディミトリは、いつもより警備を強化して本拠地を守り、元恋人のナイアは教会で非参加者たちと避難し、その弟のイザヤは薬物中毒のスケルターとの因縁から、パージに参加していた。しかし政府の思惑とは逆に、スケルターの狂気じみた殺人以外、派手なことは起こらなかった。そこで責任者はあらかじめ用意していた傭兵部隊を島に送り込み、虐殺を始めるのだった。・映画おすすめ 感想
人気ホラーシリーズの原点を描いた本作。これまではアメリカ全土に広まったパージという無法時間で起こる殺戮と、それを耐え抜く人々を描いてきた。パージに慣れているアメリカ人たちが殺し合いをするという設定だったが、本作では初めての実験とあり、展開が地味である。人間の心理を考えればこれはリアルな動きだと感じた。いきなり無法時間を与えられ、何をしても罪には問わない、と言われたところで、人は感情を一気に発散できるはずがない。そうした感情面はリアルに描かれていると思える映画であった。しかしこれまでの緊張感のある作風とは異なるので、映画としては地味といえるだろう。監督 ジェラルド・マクムーリー脚本 ジェームズ・デモナコ製作 ジェイソン・ブラムマイケル・ベイブラッドレイ・フラー(英語版)アンドリュー・フォーム(英語版)セバスチャン・ルメルシエジェームズ・デモナコ出演者イラン・ノエルレックス・スコット・デイヴィス(英語版)ジョイバン・ウェイド(英語版)ローレン・ヴェレスマリサ・トメイ
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寝たら襲われる
「エルム街の悪夢 2010」
評価:★3,9
・映画おすすめ 物語
エルム街に住むナンシー、クリス、ジェシー、クエンティン、ディーンは高校で友達関係になっていた。ある日、ナンシーが勤務する喫茶店でディーンがクリスを呼んでいた話し込んでいた。夢の中に謎の男が現れ、夢で起こったことが現実になるという。それを言い残したディーンは、何かに操られるように、自分の首にナイフを突き立てるのだった。葬儀の後、クリスも悪夢を見はじめ、右手に鉄の爪をつけた男を目撃するようになる。ある晩、ジェシーに心細いから一緒に寝てくれと頼み、寝ていた最中、夢の中でクリスは殺されてしまう。一緒にいたジェシーが犯人として疑われるも、留置場の中でジェシーもまた命を落とすのだった。ナンシーとクエンティンは高校で知り合ったはずの自分たちが実は幼稚園で知り合っていたことに気付き、それを親たちが隠していることにショックを受ける。そして悪夢を終わらせるヒントは幼稚園にあるのではないかと、幼稚園へ向かうのだった。・映画おすすめ 感想
名作のリメイク版ジェイソンと戦う映画が作られるほど、ホラー映画に欠かせない殺人鬼フレディ。エルム街の悪夢のリメイク版である本作は、シリーズを見なくても意味が通じるので、これ一本だけみてもOKな作品になっている。夢が現実になり夢の中に住む殺人鬼。ある種、殺人鬼の中では無双とも思えるこの設定を最初に考えた人物はすごいと思う。スプラッターホラー映画として見た場合、ちょっと物足りないところもあるが、サスペンス要素も混じっており、面白く最後まで見られた。ジェイソン同様、フレディはきっとこれからも映画の中で何かしらの形で登場するのだろう。監督 サミュエル・ベイヤー脚本 ウェズリー・ストリックエリック・ハイセラーオリジナル脚本ウェス・クレイヴン製作 マイケル・ベイアンドリュー・フォームブラッド・フラー製作総指揮 ロバート・シェイマイケル・リンマイク・ドレイクリチャード・ブレナーウォルター・ハマダデイブ・ノイスタッター出演者ジャッキー・アール・ヘイリー
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死んだ母親は映画の中に
「ファイナルガールズ 惨劇のシナリオ」
評価:★3.6
・映画おすすめ 物語
女優の母親と一緒に暮らすマックスは、母親が何度もオーディションに落ちるところを見てきた。母親は昔出演したスプラッターホラーの影響で、役が付かなかったことを後悔していた。そんな母と車で帰る最中、事故にあい母親は死んでしまう。生き残ったマックスは3年後、叔母の家で暮らし学生として生活していた。ある日、母親の命日に母が出演していたスプラッター映画が上映されることになり、マックスも誘われる。乗りきにはなれなかったが、仕方なく劇場に向かい、映画を見ていた時、火事が発生。逃げ場を失ったマックスと友達は、スクリーンを切り裂き、スクリーンの中に逃げ込む。するとそこは映画の世界であり、母親も役柄ながら生きていた。マックスは母を救うため、殺人鬼と戦うことを決意する。・映画おすすめ 感想
ジェイソンをリスペクトしたメタフィクション映画。本作は仮面をかぶった殺人鬼に狙われるホラー映画の中に入ってしまった、現実の人間たちを描いている。あるようでなかった設定に思わず笑ってしまった。ホラー映画というよりもコメディ色が強いので、ホラー好きには笑える瞬間がいくつもある。特にラブシーンがあると、殺人鬼が現れるところをお決まりにしているのが、あるあると笑ってしまった。ありそうでなかったホラーコメディ。笑ってください。監督 トッド・ストラウス=シュルソン脚本 M・A・フォーティンジョシュア・ジョン・ミラー製作 マイケル・ロンドンジャニス・ウィリアムズ出演者タイッサ・ファーミガマリン・アッカーマンアダム・ディヴァイントーマス・ミドルディッチアリア・ショウカットアレクサンダー・ルドウィグニーナ・ドブレフ
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映画愛に溢れる映画
「カツベン」
評価:★4,6
・映画おすすめ 物語
活動写真の弁士にあこがれる少年俊太郎は、悪さばかりしていた。そんな時、梅子という女の子と出会い、2人でひそかに活動写真小屋に忍び込み、そこで活動弁士山岡と出会う。俊太郎と梅子は仲良くなるものの、梅子は引っ越してしまう。それから月日がたち、俊太郎は山岡のマネをして詐欺集団の片棒を担いでいた。しかし活動弁士への夢はあきらめきれない中、親分の逮捕により、自由の身となった彼は、今にもつぶれそうな小屋に雑用として雇ってもらう。そこにはかつてあこがれた山岡がいた。だが山岡は活動写真の進化に活動弁士は不要だと持論を展開し、酒浸りの生活を送っていた。そんな中で俊太郎にチャンスが巡ってきた。彼は瞬く間に人気活動弁士となっていく。そしてあの時わかれた梅子とも再開するのだったが、犯罪に一度手を染めた彼を、昔の親分は見逃してはくれなかった。・映画おすすめ 感想
映画大好きな人が作ったのがすぐにわかる映画。サイレント映画の時代、日本には活動弁士という人たちがいた。だから正式に日本ではサイレント映画というものはなかった。そんな時代を生きた活動弁士の物語を、これでもかと生き生きと描いた映画である。コメディ映画なので見やすく、最後のドタバタは見事な演出である。映画愛。この言葉に尽きる映画だ。監督 周防正行脚本 片島章三製作 天野和人土本貴生製作総指揮 佐々木基出演者成田凌黒島結菜永瀬正敏高良健吾音尾琢真徳井優田口浩正正名僕蔵成河森田甘路酒井美紀シャーロット・ケイト・フォックス上白石萌音城田優草刈民代山本耕史池松壮亮竹中直人渡辺えり井上真央小日向文世竹野内豊
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年の差夫婦の奮闘記
「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」
評価:★4,2
・映画おすすめ 物語
小説家のヒキタクニオは年の離れた妻と二人暮らし。夫婦の生活を満喫していた。そんなある日、妻が突然、子供が欲しいと言い出す。最初は戸惑ったクニオだったが、子供を作ることを決意し、排卵日を調べ、子作りを始める。しかし妊娠する予兆がまったくなく、夫婦それぞれで検査を行う。するとクニオの精子の運動量、通常は40%以上なければならないところが、20%と低いことが分かった。こうしてクニオの妊活が始まるのだった。・映画おすすめ 感想
これはヒキタクニオ氏のエッセイを基に作られた映画であるから、本当にあったことなのだろう。この映画を見ていると、子供は授かりもの、とはよく言ったものである。予期しない時に子供ができる人もいれば、欲しくてもできない人達もいる。不妊治療は長く、精神的に辛いものである。現実、不妊治療を続けて、諦めた夫婦もいる。子供が大好きでもできない夫婦もいる。その苦労がこの映画ではコミカルに描かれている。笑って泣けるいい映画だ。監督細川徹原作ヒキタクニオ脚本細川徹出演者松重豊 ヒキタクニオ北川景子 ヒキタサチ皆川猿時河野安郎原田千枝子山中崇 桑島医師濱田岳 杉浦俊一伊東四朗 田野辺和夫
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鋼鉄のプリンセスが帰ってくる
「ワンダーウーマン1984」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
第一次世界大戦で、恋人のスティーブを失ってから、孤独に暮らしていたダイアナ。昼はスミソニアン博物館で働き、ワンダーウーマンとして、悪者を捕まえる自警活動をひそかに続けていた。ある日、博物館に入ったばかりのバーバラに舞い込んだ鑑定の仕事。そこで握って願いを口にするだけで叶う、という石が出てくる。ダイアナもバーバラも石は偽物だと思い込んでいた。しかしダイアナは心でスティーブとの生活を願い、バーバラはダイアナのようになりたいと願った。そしてもう1人、石を探し求めていた男がいた。実業家で石油を採掘しながら、石油が全くでない場所を掘り続け、投資家から金を募っていたマックスである。彼はバーバラに近づき石を手に入れると、自らが石の力を手にするように願い、石は消えた。その後、ダイアナの前に顔は違うがスティーブの記憶を持った男が現れる。バーバラは地味な生活から脱却し、ダイアナのような超人的な力手に入れるのだった。石の危険性に感づいたダイアナは、スティーブと共に、マックスを追いかけるのであった。・映画おすすめ 感想
前作より好きな映画である。戦争が一つのテーマだった前作に比べ、本作では戦争のないポップな世界の中でのヒーロー。世界の危機を描いているので、すごく見やすくなっている。また視覚効果の面でも、これまでにない稲妻わたりが見られる。あのアイディアは監督の勝ちであろう。スティーブの復活もどのように行われるかと思ったら、納得のいく復活のしかたをしたので、疑問なく見られた。ただ上映時間が長いので、もう少しシーンをカットしてもよかった気もする。監督 パティ・ジェンキンス脚本 パティ・ジェンキンスジェフ・ジョーンズデヴィッド・キャラハム(英語版)原案 パティ・ジェンキンスジェフ・ジョーンズ原作 DCコミックス製作 チャールズ・ローヴェンデボラ・スナイダーザック・スナイダーパティ・ジェンキンススティーヴン・ジョーンズガル・ガドット製作総指揮 レベッカ・スティール・ローヴェンリチャード・サックルマリアンヌ・ジェンキンスジェフ・ジョーンズウォルター・ハマダシャンタル・ノン・ヴォウェスリー・カラー出演者ガル・ガドットクリス・パインクリステン・ウィグペドロ・パスカルロビン・ライトコニー・ニールセン
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あの日、900番教室で何が行われたのか
「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」
評価:★4.6
・映画おすすめ 感想
本作はTBSが唯一保存していた、三島由紀夫と東大全共闘との討論会を基盤とした、ドキュメンタリー映画である。結論からいうと、管理人の頭の許容量を超えた討論で、話が見えなかったというのが、個人的な見解だ。60年安保からの流れを直接的に受けた全共闘。1968、1969年は世界中で革命の嵐が吹き荒れた。五月革命、公民権運動。日本でもベトナム戦争反対を掲げる革命。全共闘は各地で革命、つまり左翼運動を訴え、東大だけでいえば、安田講堂を占拠した事件が有名である。それは警察によって鎮圧された。しかし全共闘は敗北したわけではない。それがこの討論会へとつながるわけである。討論会の司会者が三島由紀夫に連絡をする。今ではきっとかんがえられないことであろう。保守派を高らかと掲げる三島由紀夫に革命を訴える全共闘が連絡をするのだから。しかも三島由紀夫はそれを承諾してしまうのだ。こうして保守と革命の対立構造にある両者が、東大900番教室で対峙することになる。教室の前には三島ゴリラ、飼育料100円などと小ばかにするポスターが貼られていた。それを見ながらも、三島由紀夫は敵地に乗り込み、伝説が始まったのである。討論は保守と革命という簡単なものではない。個人的に特に難しく、この映画で一番の見せ場でもある、三島由紀夫と芥正彦の議論であろう。この二人の議論は言葉の選び方、何かを話しながらも、しかし対立しながらどことなく理解しあえている。そんな感じに見えてしまう。三島由紀夫も全共闘も個人的にみていると、分かり合えているように見えてくる。対立にありながらどこか根底で何かが一緒なのだと。そう見えてしかたのない討論会であった。このころ、三島由紀夫は大学に招かれては、学生と討論をしていた。三島由紀夫は若者に自分の言霊を託したかったようにも見える。現にこの討論会でも暴力を否定はせず、捕まる前に自決する、と公言している。それが一年半後に本当に行われることになるのだ。50年目の真実。誤解され続けた男の言霊。是非、見ていただきたい映画だ。監督 豊島圭介ナレーター 東出昌大出演者三島由紀夫芥正彦(元東大全共闘)木村修(元東大全共闘)橋爪大三郎(元東大全共闘)篠原裕(元楯の会)宮澤章友(元楯の会)原昭弘(元楯の会)清水寛(討論会場にいた新潮社カメラマン)小川邦雄(討論会場にいたTBS記者)瀬戸内寂聴椎根和平野啓一郎内田樹小熊英二
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やられたらやり返す
「パーカー」
評価:★4.3
・映画おすすめ 物語
強盗を生業とするパーカーは、恋人の父親の口利きで、5人で仕事をすることになる。仕事はうまく成功し、現金を手に入れる。ところが4人が裏切り、パーカーは撃たれてしまうが、なんとか一命をとりとめる。そこから4人が新しく始める仕事を調べ上げ、復讐を始めるが、生きていることを知られ、殺し屋に命を狙われる。復讐に利用しようとしていた不動産会社の女性に正体を見抜かれた彼は、彼女にも協力してもらい、確実に4人を追い詰めていくのだった。最後に勝利するのは誰なのか。・映画おすすめ 感想
ジェイソンステイサムのアクションが光る一作。ジェイソンステイサムのアクション映画は、どれも見ごたえのあるものばかりだが、特に本作は、シナリオがシンプルなだけあって、アクションを堪能できる映画になっている。また恋人ではないものの、ジェニファーロペスの魅力も溢れ、2人の演技のぶつかり合いが良い化学反応を起こしている。何度見ても面白い映画である。終わり方もすっきりして素晴らしい。監督 テイラー・ハックフォード脚本 ジョン・J・マクラフリン原作 リチャード・スターク(『悪党パーカー/地獄の分け前』より)製作 レス・アレクサンダースティーヴ・チャスマンテイラー・ハックフォードシドニー・キンメルジョナサン・ミッチェル製作総指揮 ブラッド・ラフストラットン・レオポルド出演者ジェイソン・ステイサムジェニファー・ロペス
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そこは狂った生贄の森
「クラシック・ホラー・ストーリー」
評価:★3,5
・映画おすすめ 物語
偶然、ヒッチハイクで乗り合わせた5人の男女。それぞれの目的地に向かい旅をしていた。主人公は妊娠してしまい、下すために田舎にむかっていた。そんな一行を乗せた車は道端に死んでいるヤギをよけて木にぶつかってしまう。全員が気絶し、目を覚ますとそこは道路ではなく、森の中の草原であり、そこには一軒の家が建っていた。不思議に思いながら家に入ろうとするが入れない。そのまま夜を迎えると、家の扉が勝手に開いていた。けが人を車に残し4人が家に入っていき、屋根裏部屋に行くと、舌を切り落とされた子供が拘束されていた。さらにサイレンが鳴り響き、不気味なマスクをつけた人々に車の中のけが人が家の中に連れてこられ、目を抜かれるのだった。そこは生贄をあがめる人々のいる森だった。・映画おすすめ 感想
王道のホラーと思いきや。最初の交通事故から次第に犠牲者が増えていく。主人公は何とかして逃げようとするがつかまってしまう。王道のホラー映画に見えるこの映画。しかしそこには大きな仕掛けがあり、ある意味では見ている人によっては、嫌う可能性がある。個人的には面白い仕掛けだったが、それを好まない人もいるだろう。とにかく最後まで見ないと、この仕掛けはわからない映画である。監督ロベルト・デ・フェオパオロ・ストリッポリ脚本ロベルト・デ・フェオパオロ・ストリッポリ出演者マチルダ・アンナ・イングリッド・ルッツフランチェスコ・ルッソペッピーノ・マツォッタウィル・メリックユリア・ソボル
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そこは黒魔術の村
「スペル」
評価:★3,6
・映画おすすめ 物語
黒魔術を信じる父親から虐待を受けた過去があるマーキスは、都会に出て成功していた。家族もでき幸せに暮らしていたある日、父親が死んだという電話を受ける。子供のころ、家を出てから会っていない父の葬儀にさんかすべく、一家はセスナ機で飛び立つ。しかし嵐にあってセスナ機は墜落、マーキスは気づくとどこかの屋根裏部屋に寝かされていた。家族の話をしても、その家の老夫婦はまったく取り合ってくれず、何とか脱走を試みる。その途中、納屋で黒魔術の儀式を村人を呼んで行っている現場を目撃する。夫婦は黒魔術を使い、マーキスを何かに利用するために、閉じ込めていることが判明するのだった。・映画おすすめ 感想
田舎という閉鎖された場所。田舎の町に向かうという設定の本作では、まさしく田舎の夫婦が登場する。一見すると世話焼きの老婦人に見えるが、その実は黒魔術を操る。そして村全部が彼女の言いなり、という絶望感。田舎への偏見や恐怖、どこかに本当にありそうな世界観。これは隣り合わせの恐怖である。監督 Mark Tonderai出演オマリ ハードウィックロレッタ ディヴァインジョン ビーズレイ
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海の怪物は本当にいたのか
「白鯨との闘い」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
作家のメルヴィルはトーマスという老人と訪ねていた。トーマスは白いクジラを見たエセックス号最後の生き残りながら、けして誰にもそれを語ることはなかった。しかしメルヴィルの説得で、ようやく重い口を開く。それはトーマスがまた若かった頃、血気盛んなオーウェンは、船長になる約束を受けていた。だがエセックス号の船長になったのはジョージという若い初めて船長を務める男であり、オーウェンは不服ながら一等航海士に甘んじていた。一行は小さいマッコウクジラの油しか入手できず、このままでは帰れないと考え、途中で寄った港で聞いた海域にマッコウクジラの群れを探して航海する。そこには確かにマッコウクジラの群れがいた。が、その群れを率いる巨大な白いクジラは、人間の考えを先読みし、船を破壊するのだった。ここから船員たちの地獄の遭難の日々が始まる。・映画おすすめ 感想
白鯨との闘いは意外とすぐない。個人的に白鯨は昔から大好きな物語の1つで、それを元にした映画であるから、もちろん白鯨との闘いが見られると思っていた。ところが映画の大半が、遭難の恐怖であり、鬱々とした時間が過ぎていく。爽快感を求めると、肩透かしを食らう映画である。監督 ロン・ハワード脚本 チャールズ・リーヴィット(英語版)原案 チャールズ・リーヴィットリック・ジャッファアマンダ・シルヴァー原作 ナサニエル・フィルブリック(英語版)『復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇(英語版)』製作 ジョー・ロスポーラ・ワインスタインウィル・ウォードブライアン・グレイザーロン・ハワード製作総指揮 ブルース・バーマンサラ・ブラッドショウパラク・パテルエリカ・ハギンズデヴィッド・バーグスタイン出演者クリス・ヘムズワースベンジャミン・ウォーカーキリアン・マーフィートム・ホランドベン・ウィショーブレンダン・グリーソン
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妻を亡くした男は闇に近づいていく
「スイートガール」
評価:★4,2
・映画おすすめ 物語
妻と娘が何よりも大事だったレイ。妻が癌となり娘と二人で看病の日々を送っていた。次第に疲弊していく妻を前に、レイは生きる希望をみつけようと必死になる。そんな中、新薬の認可が下りた、と喜ぶレイと娘のレイチェルだったが、認可が突然、取り下げられたのであった。これに憤慨したレイは、製薬会社の社長が登壇するテレビ番組に電話をして、憤慨するのであった。その後、妻は亡くなり虚無の世界を生きていたレイのところへ、製薬会社の資金の流れを調べているジャーナリストから連絡が入る。しかしジャーナリストはその場で刺されて死亡し、レイも刺されてしまう。レイはその後、製薬会社を独自に調べ、真実を暴こうとするのだった。・映画おすすめ 感想
ジェイソン・モモアが娘を愛する父親を熱演する。きっと今もどこかで亡くなっている癌患者。製薬会社のせいで延命ができないとわかった時、怒りは製薬会社に向かうだろう。最愛の娘とともに真実にボロボロになりながら向かう男の姿が凄まじい。最後にはとんでもない真実にたどり着く。これはさすがに予想できなかった。監督 Brian Andrew Mendoza脚本Philip EisnerGregg HurwitzWill Staples製作Brian Andrew Mendozaジェイソン・モモアBrad Peyton出演者ジェイソン・モモアイザベラ・メルセードマヌエル・ガルシア=ルルフォアドリア・アルホナラザ・ジェフリージャスティン・バーサレックス・スコット・デイヴィス(英語版)マイケル・レイモンド=ジェームズエイミー・ブレネマン -
裏切り者の末路
「ロックンローラ」
評価:★3,2
・映画おすすめ 物語
ロンドンの不動産を牛耳るレニーは、ロシアから入ってきた富豪に頭が上がらなかった。ロシア人はなぜかレニーにお気に入りの絵画を貸し出す。一方、チンピラのワンツーはレニーに借金をしてしまう。それを返す手段が見つからないでいた時、なじみの女性弁護士から、レニーとロシア人が金の取引をする情報を入手する。弁護士と取引し、金を盗み借金を返したワンツーは、味を占め、取引の度に金を盗む。そのころ、レニーのジャンキーの息子がロシア人の絵画を盗む事件が発生する。レニーは金を盗んでいる奴と息子を探すのに頭を抱えるのだった。その中でワンツーの仲間が密告者によって刑務所に入る話が持ち上がる。ワンツーの周りでは謎の密告者によって何人も刑務所に入っていた。果たしてレニーは息子を見つけられるのか。ワンツーはバレずに金を盗み続けられるのか。密告者は誰なのか。・映画おすすめ 感想
裏社会の群像劇。主人公は一応、ワンツーということになっているが、様々なことが起こる群像劇になっている。題名のロックンローラ、つまり誰が一番、裏社会でロックなのか。これがポイントとなってくる映画になっている。事件が複数起こるので、どれを追いかければよいかわからなくなる映画。だが裏社会を生きる人間たちの刹那的な生き方を見る面白い映画である。監督 ガイ・リッチー脚本 ガイ・リッチー製作 ジョエル・シルバースーザン・ダウニースティーヴ・クラーク=ホールガイ・リッチー製作総指揮 スティーヴ・リチャーズナヴィド・マッキルハージー出演者ジェラルド・バトラートム・ウィルキンソンタンディ・ニュートンマーク・ストロングイドリス・エルバトム・ハーディトビー・ケベルジェレミー・ピヴェンクリス・ブリッジス
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これはただのテロではない
「SAS:反逆のブラックスワン」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
SASのトムは恋人のソフィに結婚を申し込むため、パリ旅行を計画していた。その直前、ある村で虐殺を行った傭兵部隊ブラックスワンのアジトへ突入し、実行犯の拘束をはかったが、主防犯の1人に逃げられてしまう。主防犯グレースの居場所がわからないまま、トムはパリ旅行へ向かう。しかしパリ行きの列車にグレースが乗り込んでいるのを見かけたトムは、本部に連絡しつつ、グレースを追いかける。だが列車はグレース率いるテロ集団にハイジャックされてしまい、ソフィと離れてしまうのだった。・映画おすすめ 感想
物語としては単独でテロリストを倒すダイハードと同じ様式の映画になっている。列車テロ。あり得るかもしれないこの状況下で、やはり演技が光るのは、敵のグレース役、ルビー・ローズだろう。アクションのできる若手女優の中で今、一番の注目俳優ではないだろうか。冷酷なテロリスト役、彼女にピッタリである。アクション満載のスタイリッシュアクション映画。監督 Magnus Martens原作 アンディ・マクナブ『SAS: Red Notice』製作Joe SimpsonKwesi Dicksonアンディ・マクナブLaurence Malkin出演者サム・ヒューアンルビー・ローズアンディ・サーキスハナ・ジョン=カーメントム・ホッパーノエル・クラークオウェイン・イオマンRay Panthakiアン・リードトム・ウィルキンソン
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キングギドラに勝てるのか
「モスラ3 キングギドラ来襲」
評価:★3,7
・映画おすすめ 物語
フェアリー三姉妹の長女ベルベラは、エリアスの宝物庫から愛をつかさどる盾を盗んでいく。これまで対立してきたエリアス姉妹は、ベルベラが何を考えているのか分からなかった。しかし気付いた時には遅かった。地球の恐竜を滅ぼしたキングギドラが地球に襲来、数万人の子供たちを一気に捕食すべく、富士の樹海に作ったドームにさらっていく。モスラを呼び、キングギドラと戦わせるも、モスラは敗れてしまう。モスラは最後の手段として、恐竜時代へのタイムスリップを提案した。恐竜時代のまだ恐竜の力を吸い取る前のキングギドラを倒すことがねらいであった。だがそれは戻ってこられない作戦でもあったのだ。・映画おすすめ 感想
平成モスラシリーズ最終作。これまでの2作はファミリー向けという側面が大きかったが、今作は男の子に向けた映画である。ファミリー向けでは確かにあるものの、主人公の男の子とエリアスとの関係。男の子がお姉さんに勇気をもらう映画である。特撮面ではやはりキングギドラの登場はラスボス感があふれている。しかも今回は恐竜時代までさかのぼる壮大なストーリーも見どころ。1人の少年の成長物語。監督米田興弘(本編)鈴木健二(特撮)脚本 末谷真澄製作 富山省吾ナレーター 山口紗弥加出演者小林恵建みさと羽野晶紀吉澤拓真篠崎杏兵鈴木彩野松田美由紀大仁田厚並樹史朗上田耕一
映画観るなら<U-NEXT>
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ニライカナイの伝説が復活する
「モスラ2 海底の大決戦」
評価:★4,1
・映画おすすめ 物語
石垣島に住む少女は、不思議な生物を発見して保護する。それこそが伝説の文明ニライカナイの生物ゴーゴだった。ゴーゴを狙うベルベラの出現する一方で、日本各地に謎の生物が海に繁殖し始める。それはニライカナイを破壊した伝説の怪獣ダガーラが現れる前触れだった。ベルベラは本土からやってきたダイバーたちをそそのかし、少女を追いかけさせる。少女とその友達たちは地球の危機を知ったエリアス姉妹とともに海底のニライカナイの遺跡へと向かうのだった。・映画おすすめ 感想
前作同様、自然破壊がテーマになっており、ファンタジー要素が強い。また前作以上にコミカルな場面が多く、見ごたえとしては、シリーズの中で一番な気がする。前半の石垣の自然の美しさを楽しみつつ、中盤の追いかけっこ。後半の怪獣同士の空と海をまたにかけた戦いは、特撮として素晴らしい出来栄えだ。今回のモスラはこれまでのモスラと違う。監督三好邦夫(本編)川北紘一(特撮)脚本 末谷真澄原案 田中友幸製作富山省吾北山裕章出演者小林恵山口紗弥加羽野晶紀満島ひかり島田正直大竹雅樹奥野敦士おかやまはじめ紺野美沙子細川ふみえ佐藤正宏野波麻帆
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「モスラ 1996」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
企業で森林伐採を担当する後藤とは、森の奥の遺跡で小さなメダルを拾う。それを家に持ち帰り娘にプレゼントする。しかしそこの妖精ベルベラが洗荒れ、家をめちゃくちゃにしながら、メダルを探すのだった。そこへインファント島からやってきたエリアス姉妹が小さいモスラに乗り、助けてくれる。だがメダルは奪われるのだった。そこで後藤の息子大樹は、メダルがエリアスの盾と呼ばれ、太古に地球の恐竜を滅ぼしたデスギドラを封印する鍵であることを知らされる。もちろん鍵が消えた森ではデスギドラが大暴れしていた。そこでエリアスはモスラをインファント島から呼び寄せるが、産卵直後のモスラにはもう寿命がなかった。それでデスギドラに対抗できるのか。・映画おすすめ 感想
ゴジラシリーズの後継シリーズ。平成ゴジラシリーズが完結した直後、次のシリーズ企画として誕生したのがこのモスラシリーズである。主要スタッフがヤマトタケルに行ってしまったため、新しいスタッフで制作された本作は、SF色や町の破壊を極力なくしている。テーマは自然破壊と人間のエゴであり、子供を主人公にしたファミリー映画として作られている。話もゴジラより低年齢に設定されており、分かりやすくなっている。家族で楽しめる一作である。監督米田興弘(本編)川北紘一(特撮)脚本 末谷真澄原案 田中友幸製作富山省吾北山裕章出演者小林恵山口紗弥加羽野晶紀二見一樹藤沢麻弥萩原流行田中ひろ子荒川強啓寺尾聰大寶智子須藤真里子高橋ひとみ梨本謙次郎 -
すべてを失った少女の復讐
「ミスミソウ」
評価:★3,8
・映画おすすめ 物語
東京から田舎の学校に引っ越してきた春花。当初は仲の良い友達もいたのだが、ある日を境に壮絶ないじめが始まる。家族にバレないように過ごす彼女。しかし家族はいじめのことを知り、学校側に抗議するのだったが、担任はことなかれ主義を主張する。家族は春花を守るため、登校拒否をさせることにする。そんな彼女が出かけたある日、いじめっ子たちは春花の家に来ると、灯油をまき火をつけるのだった。妹は命は取り留めたものの、全身を焼けどしてしまう。両親は逃げ遅れ、亡くなってしまった。すべてを失った春花の中で何かが終わった瞬間だった。彼女はいじめっ子たちへの復讐を開始する。・映画おすすめ 感想
きれいな題名、きれいな風景。その中で行われる復讐劇のすごさ。前半は恋愛話もあり、希望を抱ける内容になっている。しかしある地点から、すべてが崩壊し、惨劇へと向かう。この落差は本当にすごい。復讐劇もただの復讐ではないところもまた、この映画の見どころであろう。壮絶極まる。監督 内藤瑛亮脚本 唯野未歩子原作 押切蓮介「ミスミソウ完全版」出演者山田杏奈清水尋也大谷凜香森田亜紀大塚れな -
そのサークルは鬼を操るサークルだった
「鴨川ホルモー」
評価:★3,3
・映画おすすめ 物語
苦労して京都大学に入学した安部は、葵祭のバイトで知り合った高村と一緒に帰ることに。そこで三回生のスガと知り合い、サークルに誘われる。サークルの新歓コンパに誘われる。そこには大勢の男女があつまり、安部はその場だけのつもりであった。しかし美しい新入生京子と出会ったことで、サークルに入会することにする。だがそのサークルはレクリエーションをただ楽しむサークルではなかった。鬼を操り、争うホルモーという競技をする、古くからのサークルだったのだ。半信半疑の安部だったが、ある神事を受けた時から、小さい鬼が見えるようになるのだった。・映画おすすめ 感想
コメディでありながら、意外と深い映画である。基本はコメディであり、ホルモーに負けると罰則としてちょんまげになるなど、笑えるところが豊富である。しかし京都という古い歴史のなる町のことをしっかりと盛り込んでいる。鬼の設定も京都に寝ずいたものになっていることから、見ていると意外と歴史や呪術に深いことに気付く。笑って勉強になる青春映画というところだろうか。監督 本木克英脚本 経塚丸雄原作 万城目学出演者山田孝之栗山千明濱田岳石田卓也芦名星斉藤祥太斉藤慶太佐藤めぐみ和田正人渡部豪太藤間宇宙梅林亮太笑福亭鶴光荒川良々石橋蓮司
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戦国最大の合戦
「関ケ原」
評価:4,5
・映画おすすめ 物語
すでに戦いは豊臣秀吉生前から始まっていた。大名の中でも筆頭となる徳川家康は、石田三成に反感を持つ福島正則らを、言葉巧みに反三成徒党を成立させていく。石田三成は豊臣秀吉亡きあとのことを心配し、忍びを使い各大名の動きを探っていた。そして豊臣秀吉亡きあと、徳川家康は次第にその知略で各大名を味方としていく。対する三成も徳川に対抗する大名を集めつつあった。やがてそれが天下分け目の関ケ原へと、それぞれの想いを乗せて、歴史の波は動いていく。・映画おすすめ 感想
歴史好きには大満足の、近年まれにみる戦国絵巻であった。日本映画の戦国絵巻は、黒澤明監督の時代で衰退したと思っていた。しかし本作は合戦をリアルに描き、黒澤明監督すら描けなかった、泥臭さをダイナミックに取り入れている。また人間ドラマ、それぞれの大名の駆け引きも描かれ、歴史好きにはたまらない一作となっている。だが歴史好きが楽しめる一方で、歴史を知らない、歴史に興味のない人は楽しめたのだろうか。歴史好きでなくても楽しめるドラマは用意されているものの、間口は狭い映画のような気がする。監督 原田眞人脚本 原田眞人原作 司馬遼太郎「関ヶ原」製作 市川南佐野真之製作総指揮 上田太地豊島雅郎ナレーター 木場勝己出演者岡田准一有村架純平岳大東出昌大北村有起哉伊藤歩中嶋しゅう音尾琢真松角洋平和田正人キムラ緑子滝藤賢一大場泰正中越典子壇蜜西岡徳馬松山ケンイチ役所広司
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悪魔が見える
「古の儀式」
評価:★3,8
・映画おすすめ 物語
アメリカに住むジャーナリストは、故郷の風習を取材すべく、メキシコに帰る。彼女が生れた村はジャングルの中にあり、部族と呼ばれる人々だった。彼女は妹に教えられた禁忌の洞窟へ入ってしまい、気づくと足に鎖がつながれ、部屋に閉じ込められていた。そこに住む老婆と初老の男は彼女に悪魔が憑いていると言い出す。そんなはずはない。何かの間違いだ、という彼女だったが、昔母親が悪魔祓いされていた記憶がよみがえる。そして次第に彼女の体、周囲にも異変が起こり始めるのだった。・映画おすすめ 感想
部族に伝わる儀式。きっと世界のありとあらゆる部族に伝わる儀式というものはあるはずである。日本にも儀式はあるものだから、この映画がまったくのフィクションであるか、というとそうでもない。儀式によって悪魔祓いをする。成功しているものはきっと表には出てこないだろうが、こうしてどこかで悪魔祓いは行われているのかもしれない。禁忌の場所というのは理由があるから禁忌なのだ。Brigitte Kali Canales as Cristina[3]Andrea Cortés as Miranda, Cristina's cousin[3]Julia Vera as LuzSal Lopez as JaviAJ Bowen as CarsonWeston Meredith as PostehkiJulian Lerma as the BoyElizabeth Phoenix Caro as Young CristinaMichelle Jubilee Gonzalez as Cristina's Mother
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家族を失った彼女の復讐が始まる
「リズム・セクション」
評価:★3,8
・映画おすすめ 物語
3年前、飛行機事故で家族を失ったステファニー。それまでの生活がすべて崩れ去り、愛する人々を失った彼女。ドラッグ、売春を行い、何とか生きている生活を続けていた。しかしある日、そこに飛行機事故が事故ではなく、テロであると言い出すジャーナリストが現れた。彼女は半信半疑でその男の家に行くと、大量の資料の山があり、そこで爆弾を組み立てた男を見つける。殺すため銃を手にしていざ、男の前にやってきたが何もできず、荷物を奪われ、逆にジャーナリストが殺害されてしまった。彼女はジャーナリストに情報提供をしていたBという男の元を訪れる。Bは彼女を女としては扱わず、彼女の復讐のために鍛え始めるのだった。そしてテロリスト組織壊滅をステファニーは誓う。・映画おすすめ 感想
最初主演がブレイク・ライヴリーとわからなかった。長いブロンドで明るい役柄が多いイメージの彼女。最初のやつれっぷり、後半は何とか顔がいつもの彼女に見えてきたが、前半はほとんどわからない。それだけすごい役作りをしてきたことに、まず驚きである。物語としては、テロというものを題材にしており、現実の裏で本当にありそうな映画に思えた。途中、シナリオ的にこんがらがるところもあるものの、復讐劇映画としては、しっかりした出来栄えの映画である。監督 リード・モラーノ脚本 マーク・バーネル原作 マーク・バーネル『堕天使の報復』(二見書房)製作 バーバラ・ブロッコリマイケル・G・ウィルソン製作総指揮 マーク・バーネルスチュアート・フォードクリステル・コナンヴァイシャリ・ミストリーゲイリー・ラスキングレッグ・ウィルソングレッグ・シャピロ出演者ブレイク・ライヴリージュード・ロウスターリング・K・ブラウン
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