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芸人は笑われるんじゃない、笑わせるんだ
「浅草キッド」
評価:★4,7
・映画おすすめ 物語
大学を中退して芸人を目指すことを決めた、たけしは浅草のストリップとお笑いの殿堂ともいえるフランス座で働き始める。そこにはコント55号、東八郎などを輩出した浅草の師匠、深見千三郎がいた。たけしはフランス座の切符売りのおばちゃんを通りして、深見に弟子入りを懇願する。しかし芸人になりたいなら芸を持っているのか、と聞かれたけしは言葉に詰まる。すると深見はその場でタップダンスを披露し、これが俺の芸だ、と言い放った。その日からたけしは深見のタップダンスをまねるようになり、次第に深見もたけしを気に入るようになる。やがて正式に弟子入りした、たけしはフランス座の仕切りも任されるようになる。しかしフランス座はテレビや漫才ブームのあおりを受け、下火になっていた。経営する深見も経営に頭を抱えながらも、芸人は舞台の上で芸をするものだ、とテレビ出演などの話を断り続けた。たけしはそのころ、きよしに漫才を一緒にやらないか、と誘われていた。フランス座ではストリップがメインとなり芸人は脇役。そんな居場所のないところを飛び出すべく、師匠にフランス座を辞めることを宣言、ツービートとしてこれまでにない新しい漫才をするのであった。その心にはいつも、深見の言葉があった。・映画おすすめ 感想
いつの時代も夢を追いかける人間には情熱がある。本作はビートたけしの自叙伝を映画化したものであり、深見千三郎も実在した伝説の芸人である。物語の中で、芸人は笑われるんじゃない、笑わせるんだ。芸人が芸を見せてるんだ、客は黙って見てろ。今の時代にはいない粋な男に描かれている。この深見の最後の弟子がビートたけしであり、きっと今も師匠を追いかけているのだろう。いつも芸人は芸のことを考えろ。すべての夢を目指す人に向けた言葉だろう。本当に素晴らしい映画であった。監督 劇団ひとり脚本 劇団ひとり原作 ビートたけし製作 Netflix出演者大泉洋柳楽優弥門脇麦土屋伸之中島歩古澤裕介小牧那凪大島蓉子尾上寛之風間杜夫鈴木保奈美主題歌 桑田佳祐「Soulコブラツイスト〜魂の悶絶」
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一つの任務
「1917 命がけの伝令」
評価:★4,6
・映画おすすめ 物語
1917年。第一次世界大戦のヨーロッパでは、イギリス軍とドイツ軍が激しい戦闘を繰り広げていた。ドイツ軍が後退をはじめ、イギリス軍は勝機とばかりに、攻撃を仕掛ける作戦を立てていた。ところがそれはドイツ軍の戦略的撤退であることが、哨戒機によって判明する。明朝、攻撃を開始する第二大隊へ連絡しようとするも、電話線は切られていた。そこでトムとウィルという二人の兵士に手紙が託され、明朝までに第二大隊へ伝令を伝える任務が言い渡された。塹壕を出た二人の前に確かに敵の姿はなく、順調に先に進むことができた。ところが空中で戦闘機同士の戦闘が始まり、ドイツ軍の飛行機が落とされてしまう。二人はパイロットを救出するも、トムが離れているうちにウィルがナイフで刺され、致命傷を受けてしまう。第二大隊には兄がいるから、会ってくれ、と言い残しウィルは命を落とすのであった。悲しんでいる暇さえも戦争は与えてくれず、トムは第二大隊の駐屯する森まで向かうのだった。・映画おすすめ 感想
すごい仕掛けの映画である。本作を監督したのは007シリーズを復活させたサム・メンデス監督であり、普通の戦争映画ではないと思われていたが、ここまで没入した戦争映画は初めてである。ワンカットのように見える編集を行い、映画はカットが変わることなく、トムとウィルを追い続け、最後までそのワンカットは変わらない。最初から最後までずっと、一人の主人公を追い続けている。これは没入感がこれまでにない映画になっている。また俳優陣の側面から見ると、イギリスの大物俳優が数分の役柄で登場しているので、それもまた見ごたえのある映画になっている。これは前代未聞の映画である。監督 サム・メンデス脚本 サム・メンデスクリスティ・ウィルソン=ケアンズ製作 サム・メンデスピッパ・ハリスカラム・マクドゥガルブライアン・オリヴァー製作総指揮 ジェブ・ブロディRicardo Marco Budéイグナシオ・サラザール=シンプソン出演者ジョージ・マッケイディーン=チャールズ・チャップマンマーク・ストロングアンドリュー・スコットリチャード・マッデンクレア・デュバークコリン・ファースベネディクト・カンバーバッチ
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平凡な生活がある日一変
「ジュディーを探して」
評価:★3,6
・映画おすすめ 物語
エディーは通販番組の観客、サクラとして仕事を引き受ける会社の一人として働いていた。日雇いのような仕事で、指示された通りに働いていた。彼にはひそかに恋心を抱く女性がいた。ガソリンスタンドで働くジュディーである。軽いデートをするなど、関係はちぐはぐながら、どこか自分たちが似ていることに気付き、次第に距離が縮まっていく。しかし事態は一変する。あるテレビ番組でエディーが取り上げられてしまったのである。同じ顔の人物が通販番組に複数出演しているとして、笑いの対象とされたのだ。しかも番組は彼を探し始める。幸い、ジュディーはテレビが壊れていて、見ていなかったのだが、彼女のところにはテレビクルーが突撃してしまい、彼が何かをしてしまったのでは、と勘違いした彼女。そしてガソリンスタンドはそれを迷惑ととらえ、ジュディーをクビにしてしまうのだった。どうすることもできないエディーは、ついに番組に出演、なんとジュディーを探すことにしたのであった。・映画おすすめ 感想
ロマンチックに見える映画。だけどこれはテレビの悪い部分が出ている映画である。一般人を表舞台に引きずり出し、笑いものにする。それで私生活を破壊して、さらに笑いにつなげる。それで責任をとらない。なんという悲劇だろうか。日本のテレビもそういうところがあるものの、きっとアメリカはさらに過激なのだろう。監督 ディート・モンティエル脚本 ディート・モンティエル原作 ディート・モンティエル『Eddie Krumble Is the Clapper』製作 マイク・ファルボエド・ヘルムズディート・モンティエルアレックス・ルボヴィッチスティーヴ・ポンスロビン・スコア製作総指揮 ジョン・M・ベネットマイケル・ビーンレイ・ブデローモーリス・フェディダミッキー・グーチ・Jrジェフリー・ポラック出演者エド・ヘルムズアマンダ・サイフリッドトレイシー・モーガンブレンダ・ヴァッカロ
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プロとしての一般生活
「ザ・ファブル」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
伝説の殺し屋ファブル。6秒もあれは人を殺せる、裏世界では伝説となっている男。そんな彼とサポート役の女性にボスから新しい指示が下る。一年間、大阪で一般人として暮らすこと。もちろん殺しをすることは許さず、殺したら、ボスが殺すという条件を出される。承諾した二人は新しく佐藤明、佐藤洋子と名乗り兄妹として、大阪の真黒組の庇護の下、暮らすことになる。そんな真黒組では、組の暴れ馬、小島が八年間の刑期を終えて、帰ってきていた。兄貴分の海老原は、弟分の暴走を止めようとするも、明に良くしてくれている、広告デザイン会社の岬を、高級娼婦にしようとたくらんでいた。しかし組の乗っ取りを企てる砂川が集めた、ファブルを狙う殺し屋二人組に岬ともども拉致されてしまう。岬に恩がある明は、殺しをしないという近いを守りつつ、砂川が集めた連中の待つ、ゴミ処理場へ向かうのだった。・映画おすすめ 感想
岡田准一のアクション炸裂である。今や、日本を代表するアクション俳優となった岡田准一が、伝説の殺し屋を熱演。普通を知らない殺し屋が、プロとして一般人になろうとするコミカルな部分と、凄まじいアクション。この映画はそのバランスがうまく取れている。漫画原作を基本嫌う個人としては、そこが引っ掛かるところではあるものの。岡田准一のアクションは本物であり、そのすさまじさは見事というしかない。監督 江口カン脚本 渡辺雄介原作 南勝久『ザ・ファブル』製作 吉田繁暁(企画・プロデュース)藤村直人(企画・プロデュース)宇高武志佐藤満製作総指揮 高橋敏弘伊藤響出演者岡田准一木村文乃山本美月福士蒼汰柳楽優弥向井理木村了井之脇海藤森慎吾(オリエンタルラジオ)宮川大輔佐藤二朗光石研安田顕佐藤浩市
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狂犬は静かに狙われる
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」
評価:★4,4
・映画おすすめ 物語
1920年代、ある兄弟は大きな牧場を経営していた。兄のフィルはカリスマ性と威圧的な態度から、雇った荒くれもののカウボーイたちを仕切っていた。弟のジョージは対照的に大人しい性格で、物事をあまり口にする男ではなかった。そんなジョージがローズという未亡人と結婚する。近くの町のレストランで働く女性で、ピーターという男の子がいた。牧場で一緒に暮らすことになったローズは、義理の兄フィルの態度があまりに嫌味であり、次第に酒に逃げるようになる。ピーターもフィルに邪険にされていることは明白だった。ある日、ピーターは森を散策中、小さい小屋を見つけ、その中で男性の裸体の写真ばかりが詰まった箱を見つけてしまう。近くにはフィルがおり、彼は激しくピーターを叱責し、その場から追い出してしまう。フィルはゲイだったのだ。その頃から次第にフィルはピーターと距離を縮め、カウボーイの基礎をたたき込み始める。それを見ているローズは気がきでなく、ますます酒浸りの生活を送るのだった。しかしこの物語は意外な結末をむかえることになる。・映画おすすめ 感想
カウボーイを扱った西部劇の人間ドラマ。ベネディクトカンバーバッチが演じる厳しく、しかしカリスマ性のなる男は、見る人からするとものすごく嫌悪感を抱く人物かもしれない。そんな彼が選んだピーターは次第にフィルになる居ているように見える。個人的にもこのまま少年は叔父の意思を継ぎ、カウボーイの道を目指すのではないかと思った。しかしこの物語の細部にちりばめられたパズルを解いていくと、ピーターという人物がどういった人間なのかが見えてくる。その人間性が見えた時、この物語の本当の姿が垣間見えると思う。この映画の本当の主役は少年なのだ。監督 ジェーン・カンピオン脚本 ジェーン・カンピオン原作 トーマス・サヴェージ(英語版)製作 エミール・シャーマン(英語版)イアン・カニングロジェ・フラピエ(英語版)ジェーン・カンピオンタニヤ・セガッチアン(英語版)出演者ベネディクト・カンバーバッチキルスティン・ダンストジェシー・プレモンスコディ・スミット=マクフィー
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世界はそれを否定した
「ドント・ルック・アップ」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
大学で博士号を目指すケイトは、星雲の観測中に星雲から現れた彗星を発見する。急ぎ、師事するランダル教授に報告、研究陣を集めて彗星がどこからどこへ向かうのかを計算し始める。すると計算は次第に数字が少なくなっていき、そこでランダルとケイトは気づいてしまう。直径数キロの彗星が地球への衝突軌道で向かってきていることを。急ぎ、NASAの研究者や著名な科学者にデータを送り、彗星の計算が正しいのかを検証してもらう。答えはランダルとケイトの導き出した結果と同じだった。急ぎ、この状況をアメリカ合衆国大統領に伝えに向かうも、大統領は聞く耳を持たず、科学者たちはメディアへの情報流出を始める。しかしメディアはアイドルの破局、結婚報道にとらわれ、ネットでは騒ぎにすらならなかった。しかもランダルたちは国家機密を漏洩した罪でFBIに拘束されてしまうのだった。彗星が地球へ迫る中、支持率が下がり始めた大統領は、支持を上げるため今度はこの彗星の軌道を核兵器でそらす作戦を実行し、支持を上げる工作に走る。ところがネット界の大物が彗星にはレアメタルが含まれていることを大統領に報告、彗星を破壊して地球に落下させる方針へと作戦は変更されるのだった。この危機的状況かでの大統領の横暴にキレたケイトは、それを大声で市民に暴露するのであった。一方のランダルは危機的状況下にあるというのに、ニュースキャスターと浮気していた。世界の危機は本当に救われるのだろうか。・映画おすすめ 感想
アルマゲドンやディープインパクトを彷彿とさせる凄まじい危機的プロット。それでありながら人間の愚かさを描いたブラックコメディーとなっている。とにかく出演者が豪華で、レオナルドディカプリオを主演に、ジェニファーローレンス、ケイトブランシェット、メリルストリープ、アリアナグランデまでも出演している。これらの豪華面々のほかにも見覚えのある俳優陣が続々と登場し、人間のバカバカしい世界を描いている。ここまできてもまだ、人は業に生きるものなのだろう。監督 アダム・マッケイ脚本 アダム・マッケイ製作アダム・マッケイKevin Messickスコット・ステューバーBetsy KochTodd Schulman出演者ジェニファー・ローレンスケイト・ブランシェットロブ・モーガンレオナルド・ディカプリオメリル・ストリープジョナ・ヒルティモシー・シャラメアリアナ・グランデタイラー・ペリーロン・パールマンマーク・ライランス
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影はいつもそばにいる
「アス」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
アデレードは幼い時、遊園地で親からはぐれ、ミラーハウスに入った。そこで自分と同じ姿をした同じ顔をした少女と出会う。そのショックから失語症に陥ってしまう。大人になり、失語症を克服したアデレードはガブリエルと結婚、ゾーラ、ジェイソンの子供の母親になっていた。休暇でアデレードの実家に帰った一家。両親はすでに亡くなり、一家の別荘となっていた。ガブリエルは海に行こうと言い出すが、アデレードは昔のトラウマがある海に行きたがらなかった。しかしガブリエルの言葉に負けて海に行くと、知り合いのタイラー一家と出くわす。その夜のこと、アデレードは昔あった、ありえないトラウマを夫に話す。ガブリエルは信じているのかどうなのか疑わしい様子だったが、その時、外に4人組の姿が見えた。4人は赤いツナギを着て、黙って家の前に立っていた。ガブリエルが帰るように怒鳴りつけるが、4人は強引に家へ入ってきた。そして顔が見えた時、アデレードは昔のトラウマを思い起こす。自分と同じ顔をした一家が目の前に現れたのだ。アデレードの家ばかりではない。タイラー家にも同じ顔をした一家が現れ、アメリカ全土で同じことが起こり始めていた。・映画おすすめ 感想
見えないところの弱者を考える。本作はドッペルゲンガーに襲われた一家のサバイバルを描いたホラーになっている。しかしながら監督は、弱者をドッペルゲンガーとして、オリジナルたちを、恵まれた人間たちになぞらえている。つまり貧富の差が起こす影響、恵まれている自分たちは、貧しい人々に目を向けなければならないというテーマが詰まっている。それを考えるとこの映画の深い部分が見えてくる気がする。しかし最後の終わり方には鳥肌がたった。この映画はホラー映画でもあり、社会派映画でもある、秀作である。監督 ジョーダン・ピール脚本 ジョーダン・ピール製作 ジョーダン・ピールイアン・クーパージェイソン・ブラムショーン・マッキトリック製作総指揮 ダニエル・ルピベアトリス・セケイラ出演者ルピタ・ニョンゴウィンストン・デュークエリザベス・モスティム・ハイデッカー
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再会した親友が化学反応を起こす
「サラブレッド」
評価:★3,5
・映画おすすめ 物語
豪邸に住み一流企業のインターンへも参加するリリー。長年会っていないアマンダの母親から頼まれ、家庭教師を務めることになる。アマンダは頭脳明晰ながら、感情を持たず、思ったことをすぐに口にする人物だった。最初はリリーもこわごわと話していたが、ずけずけとものをいうアマンダに誘われて、本心を言える中になる。二人の仲は次第に昔の親友に戻っていった。そこで明らかになったのは、リリーに抑圧的な態度をとる義父の存在だった。アマンダは直接的に殺したいと思ったことはあるか尋ねる。そんなこと思ったことはない、と答えるリリーだったが、潜在的にそう思っていたことに気付く。そこで二人殺人の計画を立てた。薬を売るチンピラに義父を殺させることにしたのだった。しかし事態はそううまくは運ばない。・映画おすすめ 感想
二人の掛け合いが面白い。ここに登場する二人の女性。映画の大半がこの二人の会話で成り立っている。殺人計画を企てるというとんでもない話なのに、なぜだか淡々とした二人の語り口が軽妙で、悪いことを企てているとは思えなくなってくる。結局、二人は親友であり、互いに大事に思っている。これは感情が見えないところでつながり合った二人の友情の物語。監督 コリー・フィンリー脚本 コリー・フィンリー製作 ケヴィン・J・ウォルシュナット・ファクソンジム・ラッシュアンドリュー・ダンカンアレックス・サックス製作総指揮 テッド・デイカーライアン・ストウェルデクラン・ボールドウィン出演者オリヴィア・クックアニャ・テイラー=ジョイアントン・イェルチンポール・スパークスフランシー・スウィフト
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サメに容赦はない
「海底47m」
評価:★3.9
・映画おすすめ 物語
彼氏にフラれ、そのことを言い出せないままケイトは妹のリサとメキシコへ旅行にきていた。そこで彼氏のことをリサにいうと、人生を楽しんでいるリサは、姉を楽しませようと、クラブに連れていく。クラブで知り合った男二人組と仲良くなった姉妹は、男たちに誘われ、サメケージを行うことになる。ケージの中に入り、サメを観察する。わずか推進5mでの楽しいアクティビティのはずだった。ところが姉妹がケージに入りサメを観察していると、機材トラブルでケージが落下、海底47mに落ちてしまった。残りの酸素を気にしながら、助けを呼ぼうとする二人。だがそこはサメが支配する海底だった。・映画おすすめ 感想
近年のサメ映画では優れた作品である。サメ映画の金字塔ジョーズから、サメ映画は数多く作られてきた。近年ではそのほとんどがB級映画であった。陸を歩く。頭が増える。竜巻に乗ってくる。など現実離れしたものばかりだったが、本作はしっかりとしたサメ映画である。人を食いちぎり、血の匂いに敏感で人を襲ってくる。しかも物語は思わぬ方向へ向かい、愕然とするラストが待っている。この映画はよくできたサメ映画である。監督 ヨハネス・ロバーツ脚本 ヨハネス・ロバーツアーネスト・リエラ製作 ジェームズ・ハリスマーク・レーン製作総指揮 ウェイン・マーク・ゴッドフリーロバート・ジョーンズウィル・クラークアンディ・メイソンマイク・ルナゴールボブ・ワインスタインハーヴェイ・ワインスタインイアン・エイブラハムズサイモン・ルイス出演者クレア・ホルト(英語版)マンディ・ムーア
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90年に一度のお祭り
「ミッドサマー ディレクターズカット」
評価:★4.9
・映画おすすめ 物語
ダニーは双極性障害の妹に悩まされていた。相談相手になっていたが疲れていた。そんな時、妹は両親も巻き込んで一酸化炭素中毒で自殺してしまう。家族を失ったダニーは心がどん底に落ちてしまう。彼氏のクリスチャンはそんなダニーを支えながらも、男たち4人でスウェーデンへ旅をする計画をたてていた。スウェーデン出身のペレが自分の故郷ホルガ村で90年に一度のミッドサマーがあるから見に行こうと誘っていた。その話をしていたところにダニーがやってきて、流れから彼女を誘うことになり、5人はスウェーデンへ旅立つのだった。村に到着した一行を待っていたのは、楽しそうに暮らし、同じ衣服を着て、作業をする村の人々だった。一行はそれに違和感しかいだけなかった。村では時折、奇行が始まったりと、明らかにカルト集団の村に見えたのである。それでも村の祭典に参加した一行は、ペレから人生は4つの季節に分かれている、と説明を受ける。その季節が72歳で終わることを、ダニーは気になり質問するが、ペレはごまかすように笑った。儀式が始まった初日、二人の老人が崖から飛び降りて、自ら命を絶った。村人はそれを喜んでいたが、外から来たダニーたちは、おかしい、と声を上げるも、村の人たちは誰一人、ダニーたちの声に耳を傾けなかった。ダニーたちはそれから少しずつミッドサマーの中に沈み込んでいくのだった。・映画おすすめ 感想
監督は前年にヘレディタリーで長編監督デビューを果たし、賞賛を浴びていた。そこにきて、この映画である。閉鎖的で儀式的。幻想的でありながら、狂気に満ちている映画。本作は劇場公開されたものを再編集したディレクターズカット版であり、本編に追加シーンが含まれている。追加されたシーンは過激なものではなく、各シーンが少し伸びたり、儀式が一つ増えている程度である。ただモザイクが全面的になくなっているので、R指定が上がっている。本作はホラー映画と位置付けられているが、他の人が指摘しているように、ウィッカーマンなどのカルト映画、あざみの色のようなシュールレアリスム映画の映画を受けた、カルト映画だと思ってみていた。近年では優れたカルト映画であり、見事な作品だと賛美したい。監督 アリ・アスター脚本 アリ・アスター製作 ラース・クヌーセン(英語版)パトリック・アンデション(英語版)製作総指揮 フレドリク・ハイニヒ[1]ペレ・ニルソン[2]ベン・リマー[3]フィリップ・ウェストグレン[4]出演者フローレンス・ピュージャック・レイナーウィリアム・ジャクソン・ハーパー(英語版)ヴィルヘルム・ブロングレン(スウェーデン語版)ウィル・ポールター
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死霊は再び帰ってくる
「死霊のはらわた 2013」
評価:★3,7
・映画おすすめ 物語
薬物依存症のミアは、兄のデイビット、その彼女ナタリー、兄の友達オリビア、エリックと共に、薬物から脱するため、兄妹が受け継いだ山小屋へやってくる。ミアは何度も薬物をやめようとしていたが、失敗していた。それを近くで見てきたオリビアとエリックは、心臓発作を起こしたことも知っており、次に発作を起こしたら、どうなるか分からない、とデイビットに告げる。だから今回だけは絶対に成功させるつもりだった。そんな中、ミアが何か山小屋が臭いと言い出し、連れてきた犬が床下を臭い始める。カーペットを寄せるとそこには地下へ降りる階段があり、大量の猫の死骸がぶら下げられていた。そして鉄線で巻かれた本が一冊おかれていた。デイビットは猫の死骸を掃除することに専念する中、エリックは本の封印を時、そこに記されている言葉を口にしてしまう。その直後、ミアに女の幻影が見え始め、誰もが薬の禁断症状だ、というが恐ろしくなったミアは逃げ出す。しかし森の中で車が沼に落ちてしまい、何とかはい出た彼女に、女の幻影は何かを乗り移したのだった。そこからミアの様子がおかしくなっていく。・映画おすすめ 感想
オリジナル版を超えるのは難しい挑戦だった。本作は八十年代にサム・ライミ監督が大学の同級生たちと制作した低予算映画のリブート作品である。当時、無名だったサム・ライミ監督をいちやくトップ監督へ押し上げた映画のリブートであり、人気シリーズでもあるので、期待値が高かったのだろう。世間では公開当時、賛否が分かれていた。個人的にはグロテスクな描写を入れればいい、というわけでもないのだから、もう少しグロテスクに頼らない演出もほしかった。とにかく後半は血みどろの演出が多く、最後は原作へのオマージュも入っている。監督 フェデ・アルバレス脚本 フェデ・アルバレスロド・サヤゲスサム・ライミディアブロ・コーディ製作 サム・ライミブルース・キャンベルロバート・G・タパート製作総指揮 ジョセフ・ドレイクマヤ・フクザワネイサン・カヘイン
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司法に偏見があってはならない
「黒い司法0%からの奇跡」
評価:★4.7
・映画おすすめ 物語
ハーバード大学を出たブライアンは、弁護士となるも普通の弁護士にはならず、人権保護を目的とする弁護士を目指した。そのため偏見の多いアラバマへと引っ越す。そこで人権活動家の女性の手を借りて、弁護士として、冤罪をはらす活動を始める。出会ったのがウォルターだった。林業を生業とする彼は、ある日の帰り道、突然逮捕され、若い白人女性殺しの罪で死刑囚となる。ブライアンが調べてみると、証拠となるものは何一つなく、脅されてウォルターに手を貸した、という白人男性の証言だけだった。しかしブライアンが何度もその白人囚人へ話を聞くと、検察側に脅されて証言したと自白する。ブライアンはすべての潔白の証拠を法廷へ提示し、再審請求をするも、それは認められなかった。だったらとブライアンは最高裁判所へと証拠を提出するのであった。・映画おすすめ 感想
近年でも黒人が警察官に射殺される、逮捕時に圧迫されて死亡するなどの事件で、黒人社会が暴動を起こすなど今現在でも偏見、差別の時代は終わっていない。この映画も実在の事件を元にした映画であり、ここに描かれている不当な出来事が本当にあったのだ。きっと今、この瞬間も黒人差別は続き、言われない事柄で不当な扱いをされている人たちがいるのだろう。この映画のように不当に立ち向かう弁護士がいてくれるなら、世界も捨てたものではない。監督 デスティン・ダニエル・クレットン脚本 デスティン・ダニエル・クレットンアンドリュー・ラナム原作 ブライアン・スティーヴンソン(英語版)『黒い司法 黒人死刑大国アメリカの冤罪と闘う』(亜紀書房)製作 ギル・ネッターアッシャー・ゴールドスタイン製作総指揮 マイケル・B・ジョーダンマイク・ドレイクダニエル・ハモンドガブリエル・ハモンドチャールズ・K・キングニーヤ・クイケンドールブライアン・スティーヴンソン出演者マイケル・B・ジョーダンジェイミー・フォックスロブ・モーガン(英語版)ティム・ブレイク・ネルソンレイフ・スポールブリー・ラーソン
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悪夢は終わっていなかった
前作:「ザ・ベビーシッター」「ザ・ベビーシッター ~キラークイーン~」
評価:★3,6
・映画おすすめ 物語
悪魔崇拝者のベビーシッターとその仲間たちに命を狙われてから2年。コールはあの悪夢から解放されず、遺体がなかったことから精神異常者とからかわれ、学校ではいじめられていた。そんな中でも幼馴染であの日、殺人鬼に一緒に命を狙われたメラニーだけは信じてくれていた。ある日、クラスにフィービーという女の子が転向してきた。変わった子だったが何かの闇を抱えているようだった。コールのことを案じた両親はいよいよ精神病院にコールを入れようとしていたのを、メラニーは湖に誘い、メラニーの彼氏や取り巻きたちも一緒に行くことに。湖につくとそこにはフィービーの姿もあった。夜、船で仲間たちとゲームをしていた時、メラニーは突然、仲間の一人の首を切り落とす。すると二年前の晩に死んだはずの連中が復活して船に乗り込んでいた。メラニーも悪魔崇拝者の書に魅入られていたのだった。と、そこに偶然、水上バイクの燃料が切れて乗り込んできたフィービーと会い、コールは一緒に逃げることになるのだった。・映画おすすめ 感想
かなり今作は気合が入っている。演出面で文字が多用されたり、コミック的な演出、ゲーム的な演出がなされている。さらに前作で死んだはずの連中が悪魔という設定で何度も蘇るなど、前作の評判が良かったのか、気合の入った作品になっている。ただ個人的に残念なのは、前作でヒロインとなっていたメラニーが今作では逆に命を狙う側になってしまったことだろうか。あのまま主人公と幸せになってほしかった気もする。監督 マックG脚本Dan Laganaブラッド・モリスジーミー・ウォーデンマックG原案 キャラクター創造:ブライアン・ダッフィールド製作マックGZack SchillerMary Viola出演者ジュダ・ルイスハナ・メイ・リーロビー・アメルベラ・ソーンAndrew Bachelorレスリー・ビブケン・マリーノサマラ・ウィーヴィング
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これは狂気か純愛か
「追悼のざわめき」
評価:★4.8
・映画おすすめ 物語
女性を襲っては女性の性器と子宮を奪う誠は、廃墟ビルの上に住み、名前を付けたマネキンに奪った生殖器を埋め込んでいた。そしていつか自分たちの子供ができると信じていた。誠は小人症の兄弟が経営する下水掃除会社に就職し、下水処理を行う。そんな兄妹には、年に一度、妹を思って親が遺言を残していた。誕生日に兄が妹を性的になぐさめてあげる。誠はそれを目撃するも、その家で飼っていた文鳥を放つのだった。誠の住む廃墟は謎の力を持ち、そこには変な連中がよってくるようになる。時空がゆがんだのか、敗北した兵士が道端で楽器を演奏していた。そんな廃墟に若い兄妹がやってくる。妹は亡き母の面影をマネキンに重ねていた。そんな妹を見て兄は性的興奮にかられ幼い妹を犯すのだった。妹は出血多量で亡くなってしまい、兄はきれいな妹の体を土の中に埋葬するのだった。その直後、小人症の妹は兄を殺し、大人のおもちゃをもって、町をさまよい始める。すべてが狂い、何が真実なのか分からなくなっていく。・映画おすすめ 感想
アングラ映画の頂点ともいわれている映画である。本作の監督は寺山修司監督の「田園に死す」に感銘を受け、映画監督になり、寺山修司を師事していたほどの人物である。本作を見ていると、アングラを詰め込んだ、という感じがすごく伝わってくる。禁忌を犯している様子が多分に描かれ、人を愛せない主人公の一人、誠はその時代の若者の象徴だったのかもしれない。また廃墟ビルの屋上を本当に燃やしたことによる、消防の現場検証の様子や、小人症の女性が女子高に押し入るシーンなどは、きっと打ち合わせはないのだろう。打ち合わせ無しで現場のハプニング感をフィルムに収める。ヌーベルバーグの手法も取り入れた、凄まじい映画になっている。本作は世界各国の映画賞に出品するはずが、検閲に引っ掛かり、技師が嘔吐するなどのエピソードのある凄まじい映画である。これは歴史に残る映画である。監督 松井良彦脚本 松井良彦製作 安岡卓治出演者 佐野和宏音楽 菅沼重雄撮影 手塚義治村川聡井川義之編集 高島健一緒方達也鐘門律知佐々木宏製作会社 欲望プロダクション
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仲のいいベビーシッターの正体は
「ザ・ベビーシッター」
評価:★3,5
・映画おすすめ 物語
12歳のコールは近所の悪ガキたちにいじめられ、その度にベビーシッターのビーに助けてもらっていた。ビーはセクシーで、コールとの話に合わせてくれる理想のシッターだった。両親が旅行で出かける日、泊りがけでビーはコールの面倒を見ることに。すると恋心を抱く近所の女の子から、シッターは夜に彼氏を連れ込む、と聞きそれを見たくて起きていた。言われた通り、夜中に複数人の若い男女があるまり、真実か告白か、のゲームをやりだす。そしてビーは純朴そうな男にキスをする。が、次の瞬間、ビーはナイフで男の頭を刺し、その血を仲間たちに救い取らせた。ビーは悪魔の経典を持った、悪魔崇拝者だったのだ。・映画おすすめ 感想
グロテスクだけど、笑える映画。本作は一応、ホラーというジャンルに属してはいるが、コメディである。あくの強いキャラクターたちが次々とコールを襲いにかかってくる。それを何とかかいくぐり、孤独なサバイバルが始まる。殺人鬼がセクシーで、しかも少し優しいから見ていて胸糞ということはない。脚本 ブライアン・ダフィールド製作 マックGメアリー・ヴィオラザック・シラー製作総指揮 ブライアン・ダフィールド出演者サマラ・ウィーヴィングジュダ・ルイスハナ・メイ・リーロビー・アメル
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型破りなママ友との出会い
「シンプル・フェイバー」
評価:★4,2
・映画おすすめ 物語
シングルマザーのステファニーは、周りの人が驚くほど、子供の行事や料理に熱心な忙しい母親だった。そんな彼女の前にキャリアウーマンの母親、エミリーが現れる。夫は書けない小説家で、豪邸に住みながらマティーニを愛し、子供の前でも平気で汚い言葉を使う、型破りな母親だった。相容れぬ二人かと思いきや、お互いを気に入り、友達になっていく。しかしある日、エミリーは突然、姿を消す。エミリーの夫、ショーンも行方が分からなく、二人は警察に通報し、探し続けた。そして湖で水死体となって発見された彼女は、ヘロイン中毒であることが分かった。ヘロインなどやっているそぶりも見せていなかったエミリーの死に疑問を抱いたステファニーは、単独で彼女の死を捜査し始める。そのころからショーンと肉体関係を持つようになる。さらにエミリーの息子が母親を見たと言い出す。エミリーとはなにものなのか?・映画おすすめ 感想
真逆の女性が出会うことで、面白いシナリオになっている。しかも子育てに熱心なシングルマザーのステファニーの過去も結構、暗い。そして物語は型破りなエミリーの死の真相を探っていくうちに、自分もクレイジーになっていっているということだ。次第に自分の抑えていた好奇心や熱情が解放されていく。これは母親も一人の人間であるということを示唆しているように見えた。入りとは違い、意外としっかしとしたサスペンス映画であった。監督 ポール・フェイグ脚本 ジェシカ・シャーザー(英語版)原作 ダーシー・ベル『ささやかな頼み(英語版)』(早川書房)製作 ポール・フェイグジェシー・ヘンダーソン製作総指揮 マイク・ドレイクジェイソン・クロース出演者アナ・ケンドリックブレイク・ライヴリーヘンリー・ゴールディングアンドルー・レイノルズ -
物語は現実となる
「スケアリーストーリーズ 怖い本」
評価:★3.7
・映画おすすめ 物語
ベトナム戦争が激化し、大統領選挙がせまる時代。学生のステラ、オーガスト、チャックの三人は、いじめっ子のトミーにハロウィンの日にいたずらをしかける。起こったトミーとその取り巻きたちは三人を追いかけていく。逃げる三人は浮浪者ラモンの車に偶然乗り込み、ラモンがトミーたちをあしらい、難を逃れた。その後四人は近くのお化け屋敷と呼ばれている廃墟に向かう。そこでは地下に閉じ込められ、首つりした少女の噂があり、誰も近づかなかった。するとラモンとステラは本当に地下室を発見、そこで少女が自分の血で書いた物語をつづった本を見つけ、持ち帰る。ステラは物語を書くことが好きで、本に興味を抱いていた。読み進めていると、さっきまでなかった物語が書かれていることに気付き、読むとトミーが失踪することが書かれていた。翌日、トミーは本当に失踪していた。物語は次第に周囲の人を襲い始めるのだった。・映画おすすめ 感想
呪いの家、呪われた本。この辺は一般的なホラー映画の要素なのだが、この物語の優れているところは、モンスターの造形である。ギルモレ・デル・トロ監督がかかわっていることもあり、モンスター造形にはこだわりがあるのだろう。特に色白の太った女性はこの映画の代名詞となっており、画像だけならみたことがある人も多いはずだ。子供向け映画と侮ってはならない。なかなか奥深い映画になっている。監督 アンドレ・ウーヴレダル脚本 ダン・ヘイグマンケヴィン・ヘイグマンギレルモ・デル・トロ原案 マーカス・ダンスタンパトリック・メルトン原作 アルヴィン・シュワルツ『誰かが墓地からやってくる』(ポプラ社)製作 ギレルモ・デル・トロジェイソン・F・ブラウンJ・マイルズ・デイルショーン・ダニエルエリザベス・グレイヴ製作総指揮 ロベルト・グランデジョシュア・ロング出演者ゾーイ・マーガレット・コレッティマイケル・ガーザガブリエル・ラッシュオースティン・ザジュール -
この世はストリップ劇場
「ハスラーズ」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
祖母の面倒を見るためにストリッパーとなったデスティニーは、いまいち人気がでなかった。同じ劇場に一日で大金を稼ぐストリッパーラモーナがおり、彼女に憧れたデスティニーは、ラモーナに話しかける。そしてラモーナと友達になった彼女は、テクニックを教わりストリッパーとして一人前になっていった。しかし2008年のリーマンショックですべてが変わった。客は劇場から遠のき、アメリカ人よりもロシア人ストリッパーが増えた。そのころデスティニーはろくでなし男との間に子供が生まれ、引退していた。だが旦那を追い出し、祖母と娘の二人を養うため、もう一度、ショーに出ることに。だが客のいない劇場では稼げなかった。そんな中、ラモーナと再会したデスティニーは、ある仕事のやり方を考え付く。金を持っている男に薬入りの酒を飲ませ、酩酊状態にさせて、カードを使わせる。店側からその一部を受け取る。これが見事に成功し、二人は再び大金持ちへと返り咲く。商売はどんどん大きくなり、二人の間が絶対に思えた。・映画おすすめ 感想
本作は実際に起こった事件を題材にして作られた映画である。映画はリーマンショックから回復した頃に新聞記者が当時の事件関係者に取材する形をとっており、実際にその新聞記事が原作となっている。ストリップを見に行ったことがないので、個人的にはなんとも言えないが、金を稼ぐために男を手玉に取る。男もそれを知っていて金を出す。薬を使うという手口はやりすぎだと思うが、どちらが踊らされているのか。まさしく世界はストリップ劇場。男も女も踊らされているのだ。監督 ローリーン・スカファリア脚本 ローリーン・スカファリア原作 ジェシカ・プレスラー(英語版)「The Hustlers at Scores」製作 ジェシカ・エルバウムウィル・フェレルエレイン・ゴールドスミス=トーマスアダム・マッケイジェニファー・ロペスベニー・メディナ(英語版)製作総指揮 アレックス・ブラウンミーガン・エリソンアダム・フォーゲルソンロバート・シモンズパメラ・サー出演者コンスタンス・ウージェニファー・ロペスカーディ・Bキキ・パーマー
映画観るなら<U-NEXT>
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悲壮感の感じられない暖かい映画
「静かな雨」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
先天性の麻痺で片足が不自由な行助。大学院で研究助手をしていた。そんな彼の楽しみはプレハブで売られているタイヤキを食べること。そこの店主の女性、こよみに静かな恋をしていた。次第に二人は会話をするようになり、気になる客を二人で尾行したりしていた。ある夜、二人で帰って別れる間際、行助はこよみに電話番号を書いて渡すのだった。しかし電話がかかってきたのは、病院からで、彼女が交通事故にあったという。急ぎ、こよみの母に連絡するも、こよみをよろしく、と言って母親は立ち去ってしまう。しばらく昏睡状態が続いたのち、目覚めたこよみだったが、短期記憶、つまり短い間しか記憶を蓄積できず、古い記憶のまま、朝を迎える後遺症が残ってしまっていた。行助は彼女との同棲を決意し、こよみもそれを受け入れ、二人は同棲を始めた。しかし朝が来る度に、記憶はリセットされ、行助は毎朝、彼女に経緯を話すことになるのだった。・映画おすすめ 感想
距離感の近い映画。どこかこの映画には、リアル感があるというか、感情の起伏を極限まで抑えた、リアル感がある。どうしても演技となると感情の起伏をオーバーに描きがちながら、この映画はその起伏をリアルに描いている。どこまでもやさしく、どもまでも愛情のある映画。二人の世界観が合致した。きっとこの二人なら大丈夫、そういいたくなる映画である。監督 中川龍太郎脚本 梅原英司中川龍太郎原作 宮下奈都「静かな雨」出演者仲野太賀衛藤美彩三浦透子坂東龍汰古舘寛治川瀬陽太河瀨直美萩原聖人村上淳でんでん
映画観るなら<U-NEXT>
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三日に一度それはやってくる
「シライサン」
評価:★3.9
・映画おすすめ 物語
瑞紀は親友と食事中、突然、目の前で親友が死ぬのを目撃する。同じころ、春男の弟も部屋で死体となって発見される。いずれも目玉が破裂して心不全で亡くなっていた。偶然知り合った瑞紀と春男は、死の真相を探るべく調べていると、ある旅館にたどり着く。グループで泊まった旅館。その場にいた全員が同じ死に方をしていたのだ。唯一生き残った旅館の従業員は、酒屋の配達人が全員に話した怖い話が原因ではないのかと言う。それはシライサンという大きな目をした女の人の話であった。連続しての不審な死に興味を抱いた記者の幸太もその旅館に来ていた。そこでシライサンの話を聞き、話を聞くだけで人が死ぬはずがない、と半信半疑でいた。しかし瑞紀と春男の前にシライサンは現れた。・映画おすすめ 感想
恐怖が伝染していく、というホラー映画は今や定番であり、その媒体は多岐にわたっている。本作ではシライサンという名前を聞いただけでシライサンに殺されるという、単純明快である。それでありながら、容易に話が拡散されることも考えられる。現に話を拡散して助かろう、という案も劇中で出てくる。サスペンスも混じった本作、欲をいうならばシライサンがなにものだったのかまで追求してほしかった。監督 安達寛高脚本 安達寛高製作 藤井宏美石井稔久武内健(企画・プロデュース)製作総指揮 高橋敏弘森口和則出演者飯豊まりえ稲葉友忍成修吾谷村美月江野沢愛美染谷将太
映画観るなら<U-NEXT>
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世界は今も回っている
「ドラッグ・チェイサー」
評価:★3,8
・映画おすすめ 物語
ドラッグディーラーのボスから島を任せられているコック。ある時からドラッグに混ぜ物が混入しており、その原因を突き止めろと指示され、コックは南米に飛ぶ。そこでは山奥でドラッグの原料を生産し、ドラッグを生成する家族が住んでおり、夫が毎日、町までドラッグを運んでいた。そこからさまざまな人の手を渡り、検問所では金で買収された人々がドラッグを通していた。さらに空輸されたドラッグはスカイダイビングで運ばれ、人の足で最後は山を越えてドラッグディーラーのもとへ到着するのだった。ドラッグ捜査官はその根源を断つべく、捜査を開始するも、家族をドラッグで亡くし、おとり捜査につかった男は殺され、しっぽをつかめずにいた。一方のコックは仲間が混ぜ物をしていることを突き止めるも、山中で滑落しかけたところを仲間に裏切られ、そのまま滑落してしまうのだった。何人もの命と金が行きかい、捜査官が必死に追いかけても、世界は予定通りに回り続けるのだった。・映画おすすめ 感想
ニコラス・ケイジが主人公の一人を演じる本作。ニコラス・ケイジには珍しく、怪演は鳴りを潜め、抑えた演技が続く。このぐらいの方が個人的には好きである。本作はドラッグに混ぜ物が混入している、ということで、ニコラス・ケイジ演じるコックがドラッグの運ばれるルートを探っていく。その過程を細かく描くことで、いかにしてドラッグが運ばれているのかを、映画で克明に描いている。けしてドラッグを認めてはいないし、認められるものではない。しかし世界の裏ではこれを黙認し、経済を動かしている人々がいるのも、きっと事実なのだろう。監督ジェイソン・カベル出演者コール・ハウザーニコラス・ケイジレスリー・ビブクリフトン・コリンズ・Jrローレンス・フィッシュバーンバリー・ペッパーピーター・ファシネリアダム・ゴールドバーグナタリー・レヴェスタイット・フレッチャー
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彼女は誰の味方なのか
「ANNA/アナ」
評価:★4.8
・映画おすすめ 物語
パリのモデルスタジオの男は、モスクワでモデル候補の女性を探していた。そこで出会ったのがアナだった。彼女をすぐにパリへ招き、すぐに仕事を与えると、彼女は結果を出していく。あるパーティーで知り合った男と二か月、恋仲を続けたアナは、その男を銃で撃ち殺したのだった。実は彼女はKGBの工作員であり、監視下でターゲットを次々と暗殺していた。見返りは五年後の自由。そんな時、CIAが彼女に接触してきた。殺すか、CIAに情報を流すか。選択を迫られたアナは、CIAへ情報を売ることに決めた。見返りは自由。KGBに入る前、彼女はホームレスだった。その後、薬と酒におぼれるチンピラに拾われ、最低な生活を送っていた。だから彼女には何よりも自由が必要だったのだ。・映画おすすめ 感想
集中してみないと置いてきぼりにされる危険性のある映画。本作は裏切りにつぎ裏切りの連鎖で、その種明かしとして時系列が何度も過去へ戻る。それを鑑賞している方は頭の中で整理しながら見なければならない。これは面白い反面、観客を置いてきぼりにする危険性がある。リュックベッソンが仕掛けた女性を主人公にしただまし合いの世界。整理できるのであれば、素晴らしく面白い映画になるだろう。監督 リュック・ベッソン脚本 リュック・ベッソン製作 リュック・ベッソンマーク・シュミューガー(英語版)出演者サッシャ・ルス(英語版)ヘレン・ミレンルーク・エヴァンスキリアン・マーフィー
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アウトローが帰ってくる
「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」
評価:★3,8
・映画おすすめ 物語
軍人狙撃事件を解決した凄腕の元米軍捜査官ジャック・リーチャーは、放浪の旅を続けていた。しかし昔の同僚であるスーザンとは連絡を取り合い、ワシントンDCで食事をする約束をした。そしてスーザンに会いに行くと、別の軍人が彼女の椅子に座り、彼女が逮捕されたと聞かされる。アフガンに派兵した兵士が殺されたことに関する容疑がかけられていたのだ。しかも彼女はジャックに会いに来るなと伝言を残していた。それにもかかわらず、ジャックはあえて自ら捕まり、刑務所へ入り込むとスーザンをみつけ、一緒に逃げることになる。彼女を陥れた本当の犯人を捜すため、ジャックは捜査を開始する。だがその道中で自分に娘がいることがわかる。娘かどうか疑わしいものの、真偽を問わず相手は娘まで狙ってきた。ジャックは娘を保護し、三人で逃走するのだった。・映画おすすめ 感想
大人気ミステリー小説の映画化第二弾。前作アウトローでは五人の軍人を狙撃した犯人の無実を探るべく呼び戻された彼だったが、今回は自ら事件に入り込んでいく。その事件の真相に近づくにつれ、命を狙われるジャック、スーザン。しかも今回は放浪ばかりしている彼に身に覚えのない娘まで現れる。本作は現在も続く人気原作の映画化でありながら、トム・クルーズ主演としてはヒット作とは呼べず。シリーズも今作で終了となる。原作のジャック・リーチャーは大男として描かれているが、トムは少し身長が足りなかったなどと言われている。ドラマ化でシリーズが復活するという話もあるので、トム・クルーズなしでもこのシリーズはぜひ続けてほしい。監督 エドワード・ズウィック脚本 リチャード・ウェンクエドワード・ズウィックマーシャル・ハースコビッツ原作 リー・チャイルド『ネバー・ゴー・バック』製作 トム・クルーズドン・グレンジャー(英語版)クリストファー・マッカリー製作総指揮 ポーラ・ワグナーハーバート・W・ゲインズデヴィッド・エリソンデイナ・ゴールドバーグ出演者トム・クルーズコビー・スマルダーズ
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戦わなければ世界は滅ぶ
「アース・フォール JIU JITSU」
評価:★3.2
・映画おすすめ 物語
漁師が海を漂う白人男性を救出する。背中には無数の傷があり、それを治療して漁師は近くの米軍駐屯地まで運んでいく。誰なのか、何をしにこの国に入国したのか。尋問を始めた米軍兵士。しかし彼は記憶をすべて失っていた。そんな時、駐屯地に僧侶に紛れて一人の男が侵入する。男は素手で米軍兵士を倒し、男を救出するのだった。何も分からないまま男についていくと、そこには黒ずくめの衣服を身にまとった男女がいた。どうやら彼は黒ずくめの集団の仲間らしく、寺院に連れていかれる。そこで彼は説明を受けた。六年に一度、地球に接近する彗星と共に、宇宙人が扉をくぐって寺院にやってくる。それを宇宙人から古来より伝えられた柔術で倒さなければ、地球は滅ぼされる。彼はその戦いから逃げ、宇宙人に追われて海に落ちたのであった。そして9人の戦士と宇宙人との壮絶な肉弾戦が始まる。・映画おすすめ 感想
アクション満載でアクション俳優たちを起用しているのは素晴らしいし、アクションシーンも、面白いカメラアングルもいい。だがB級映画には変わりない。最近、ニコラス・ケイジはなんにでも出演するのだが、この映画にも顔を出している。これだけのアクション俳優を集められたならば、プレデターをまねした映画でなくてもよかったような気がする。どうしてこうなった、と言いたくなる映画である。監督 ディミトリ・ロゴセティス脚本 ディミトリ・ロゴセティスジェームズ・マクグラス原作 ディミトリ・ロゴセティスジム・マクグラス製作 マーティン・バラブクリス・エコノミデスディミトリ・ロゴセティス製作総指揮 アリアンヌ・フレイザーデルフィーヌ・ペリエゲイリー・ウッド出演者アラン・ムーシ(英語版)フランク・グリロジュージュー・チャン(英語版)トニー・ジャーニコラス・ケイジ
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突然家族になることに
「かぞくはじめました」
評価:★4,7
・映画おすすめ 物語
共通の友人から勧められ、初めてのデートに出かけようとしたホリーとエリック。しかしその場で喧嘩になる。それからも共通の友人の結婚式で幾度も再開するも、二人は息が合わない。そんな時だった。二人を引き合わせた夫婦が交通事故にあい夫婦は亡くなってしまう。残された子供の親権は遺言状から二人が持つことになる。恋人でも夫婦でもない二人が、子育てに奮闘する毎日が始まった。・映画おすすめ 感想
面白かった。夫婦や恋人というのは、他人同士から始まるものである。そこに子供が入る。夫婦でも恋人でもない二人の子育ては、不思議に見える。そこから惹かれ合っていく二人。何度もぶつかり合いながら、二人の距離は縮まっていく。これが家族というものなのかもしれない。監督 グレッグ・バーランティ脚本 デヴィッド・ダイアモンドデヴィッド・ウェイスマン製作 バリー・ジョセフソンポール・ブルックス製作総指揮 デニース・ディ・ノービジョー・ハートウィック・Jr.キャサリン・ハイグルナンシー・ハイグルスコット・ニーマイヤー出演者キャサリン・ハイグルジョシュ・デュアメル
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