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人間を大小に撮る撮影マジック
「ガリバー旅行記」
・映画おすすめ 感想
商業映画の巨匠メリエス監督は、この年に精力的な活動をしている。
本作もそんな中の一本である。
ガリバー旅行記の小人の国と巨人の国を題材にした物語構成となっている。
最初、ガリバーは小人の街にやってきて、昼寝をしているうちに縛られてしまうも、もてなされるという物語。
後半は巨人の家につれてこられ、そこで巨人たちから笑い者にされるという、立場が逆になる物語になっている。
合成技術とたくみに生かした、見事な娯楽映画となっている。
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銀河系には未だ解明されていない未知の世界がある
「スタートレックⅤ 新たなる未知へ」
評価:★3.6
・映画おすすめ 物語
ある平和な惑星には、地球人、ロミュラン人、クリンゴン人の大使がおかれ、植民地として有望視されていたが、今では貧乏な惑星へとなり下がっていた。そんな惑星にバルカン人のサイボックという人物が現れ、彼は惑星の荒くれた人々をマインドコントロールした。狙いは三人の大使を人質にして、救出に来た宇宙船を盗むことだった。そんなこととも知らず、新造された最新型のエンタープライズ号は、カーク船長の下、いつものクルーを乗せ、惑星へと救出へやってくる。しかし救出へやってきたカークたちを待っていたのは、マインドコントロールされた人々だった。おりしもカークに恨みを持つクリンゴン人が攻撃をしかけてきて、サイボックを乗せたままの艦載機が着艦直前に攻撃を受けてしまう。カーク船長の強引な作戦でエンタープライズに戻ることのできた一行は、サイボックの指示に従い、銀河系の中心へむかうのだった。そこに神がいると信じるサイボックとマインドコントロールを受けた人々。だがカーク、スポック、マッコイの三人だけは、断固としてサイボックに屈することはなかった。そしてエンタープライズ号は銀河の中心部へとやってくるのだった。・映画おすすめ 感想
本作は「宇宙大作戦」のメンバーで作られた映画シリーズの最終作になるべくして、カーク船長役のウィリアム・シャトナーが監督を務めた。企画段階で本作の脚本に難色を示した会社側に対して、シャトナーは強引に企画を通し、大ヒットとなった前作と予算も同様のものとなった。ところが出演者の出演料は高騰し、シリーズ二作目から特殊効果を請け負っていたILM社を外すことになり、特撮面において、大きく後退してしまった。また脚本面でもキャラクターの内面を描く内容にしたいという意向で作られ、ファンからは不評であった。公開当時、テレビ放映していた「新スタートレック」との整合性を持たせるため、無理やりとってつけたように、クリンゴンとの和解を最後に付け足した作りになり、さすがに不自然さが出てしまった。このせいで本作は出だしは好評だったものの、アメリカでの興行の失敗、ラジー賞受賞など不名誉が続いた。そのことからファンの間で抗議集会が起こり、完結編となるはずだった本作とは別に次回作が制作されることとなった。監督 ウィリアム・シャトナー脚本 デイヴィッド・ローリー原作 ウィリアム・シャトナーハーヴ・ベネットデイヴィッド・ローリー製作 ハーヴ・ベネット製作総指揮 ジーン・ロッデンベリーラルフ・ウィンター出演者ウィリアム・シャトナーレナード・ニモイデフォレスト・ケリー
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メリエス監督の真骨頂
「踊る小人」
・映画おすすめ 感想
商業映画の父、さすがメリエス監督である。
物語としてはある老人と召使いが卵を取り出すところから始まる。
卵は召使いの頭を叩くと口から出てくる。
そこもフィルムの編集で本当に出てきているように見える。
さらに卵は帽子の中に入れられ、そこから大きな卵が現れ、美しい小人の踊り子が現れる。
踊り子は一つ踊ったあと、等身大となる。
手品をフィルム編集で実現させた感覚の映画になっている。
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世界で初めての映画化
「アリババと40人の盗賊」
・映画おすすめ 感想
アラビアンナイトの一つ、アリババと40人の盗賊。
その初映画化が本作である。
物語はロバを連れて岩山を移動していたアリババが、盗賊団が岩山を呪文で開き中に入っていく様子を目撃する。
その呪文で中に入るアリババは、そこで財宝を手に入れる。
大金持ちになるアリババを妬む金に汚い義兄弟が災難にあう。
という物語である。
当時の映画としては長尺な物語映画であり、きっと観客をワクワクさせたことだろう。
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母は狂気をはらんでいる
「沈黙のジェラシー」
評価:★3.5
・映画おすすめ 物語
ヘレンとジャクソンは愛し合う恋人同士だった。ジャクソンの実家は競走馬を育てる牧場を経営しており、母親マーサ一人で切り盛りしていた。ヘレンを連れていくと、マーサはヘレンを気に入り、娘のようにもてなしてくれるのだった。その後、ニューヨークへ帰宅したヘレンの妊娠が発覚する。直後、強盗にあい幸い子供にはなにもなかったが、ヘレンは怖がっていた。直度そこへマーサがやってきて、経営が傾いている牧場を売ろうと考えていると二人に告げる。ヘレンはジャクソンと一緒に牧場を立て直そうと提案し、二人は牧場へ移り住むのだった。しかしマーサと一緒に住むようになってから、息子をかわいがる度合いが行き過ぎているようにヘレンには見えていた。そしてヘレンの子供へもなにか執着するようになっていく。結婚式の時、知り合ったジャクソンの祖母からは、マーサに気をつけるように言われるのであった。マーサは次第にその本性をあらわにしていく。・映画おすすめ 感想
思っているほど、出来合いしているとは思えなかった。ジャクソンを愛しているのは分かるし、マーサが次第にヘレンのお腹の子供にも執着していくのも、怖さがあった。ただそこまで狂気に満ちた母親というわけでもなく、感情が爆発している感じがした。これで無表情だったり、もっと気味の悪い母親ならば、もっとおぞましく、恐怖する映画がつくれたと思う。中途半端な映画である。監督 ジョナサン・ダービー脚本 ジョナサン・ダービージェーン・ラスコーニ製作 ダグラス・ウィック音楽 クリストファー・ヤング
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都市伝説の真実を探ってはならない
「真・鮫島事件」
評価:★3,2
・映画おすすめ 物語
菜奈は学生時代の部活仲間と一年に一度、飲み会をする日がきていた。ご時世柄リモート飲み会になったその日の飲み会に、遅れて参加した菜奈。マンションに帰る途中、不思議な人影をみるなど、なにか嫌な感じがしていた。そしていざ飲み会に参加すると、一人遅れている女子がいた。寝ているのではないか、と噂話をしていた時、別の二人が三人である都市伝説の地に行ったことを告げる。鮫島事件。昔、インターネットではやった都市伝説の事件現場に行ってから、その女子はおかしくなったという。その時、急につながらなかったその女子のネットがつながり、口を縫い合わせた状態で寝ているところを、変な男が見ている様子が映し出された。直後、全員の部屋の電気が消える。菜奈はブレーカーを上げようとするも、ブレーカーは関係なく、本当に電気が点かず、スマホとパソコンだけが動いている状態だった。菜奈は鮫島事件をスマホで調べながら、事件現場に肝試しに向かった同級生にその時のことを聞き始める。しかし次々と同級生たちは、姿を消すのだった。・映画おすすめ 感想
ネットを少しかじっている人ならば、鮫島事件というワードを聞いたことがあるだろう。発端は2ちゃんねる、現5ちゃんねるに書かれたスレッドである。この事件、真相ははっきりとはしておらず、周辺がぼんやりとわかっているだけの事件であり、ネットでのジョークというのが、定説である。しかし中には本当という噂もあり、事件の概要は分からないままである。まだインターネットが普及し始めた頃、アングラ色が強かったころに起こった事件なので、本当にあっても不思議ではない。だが真相は今もって不明の事件である。本作はそれを脚色し、超常現象ホラーとしているので、鮫島事件の真相は描かれていない。監督 永江二朗脚本 永江二朗製作 伊藤修嗣上野境介木俣誠出演者武田玲奈小西桜子濱正悟林カラス鶴見萌山形啓将水島里菜佐藤仁しゅはまはるみ佐野岳
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実際の大災厄を映画化した
「プレー火山の噴火」
・映画おすすめ 感想
本作はミニチュアセットで火山が噴火し、その麓の街が災厄に見舞われる光景を描いている。
この年、プレー火山という西インド諸島の火山が噴火を起こし、多くの犠牲者を出した大惨事が起こった。
それを商業映画の父、メリエス監督がミニチュアで再現。
ニュース映画として知らない人たちに伝えたのである。
映画はこの当時、娯楽ではなく、ニュースの役割も果たしていたのである。
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失踪事件は最初、取り上げられもしなかった
「アメリカで最も嫌われた女性」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
クリスチャンの家で育ったマデリンはしかし神を信じることはなく、無神論者として育った。見知らぬ男と体の関係を持ち、二人の子供ができた。長男が通う学校では朝に神への言葉を言わされると知ったマデリンは、学校へ乗り込み、宗教の自由を訴えた。それはさらに法廷闘争へと発展し、いちやくマデリンはキリスト教が大半を占めるアメリカで最も嫌われる女性となった。また彼女の口の悪さはそれに拍車をかけ、無神論者協会なるものを立ち上げると、毎日のように脅迫がきて、命まで狙われるようになった。そんな状況から逃げ出したい長男は、マデリンに離れることを告げるも、マデリンはそれを許さなかった。結果、長男は離婚、孫娘はマデリンが育てるようになり、長男は酒浸りの生活になって、マデリンの元を去っていった。長男はその後、キリスト教の集まりに参加するようになり、私生活を立て直しておく。会計係の長男を失った協会へデイヴィットという男が入ってきた。彼は殺人や犯罪を犯しているが、その仕事ぶりから、マデリンは気に入っていたが、ある日、酒の勢いでマデリンの悪口を言っているところを見つかり、追い出されてしまう。その後、デイヴィットはマデリン、次男、孫娘の三人を誘拐し、隠し口座から金を引き出すのだった。しかし売名行為で行方不明になったこともあるマデリンの失踪を最初は誰も本気にせず、捜査すらしてくれなかった。だが新聞記者のジャックだけは、マデリンの失踪を疑問に思い、疎遠になった長男へ連絡をしたり、警察の代わりに捜査を始めるのだった。・映画おすすめ 感想
アメリカで最も嫌われた女性。この名称をマデリンは気に入っていたようだ。本作は実話をもとにした映画であり、マデリンは実在の人物である。キリスト教の国でキリスト教を真正面から否定し、神の存在を疑った。だがアメリカではそれは自殺行為も同じ。今はどうなのかは分からない。多様性が出ているかもしれない。しかしキリスト教の国で堂々とそれを否定したのだから、相当な度胸がなければできない。現に命を狙われたし、結末は小説よりも奇なりと言えるものになっている。監督 トミー・オヘイヴァー(英語版)脚本 トミー・オヘイヴァーアイリーン・ターナー製作 マックス・ハンドルマン(英語版)ローラ・リスターエリザベス・バンクス製作総指揮 イアン・ブリックトミー・オヘイヴァー出演者メリッサ・レオジョシュ・ルーカスマイケル・チャーナス(英語版)ロリー・コクレーン
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映画の中に映画を合成
「動画のジョシュおじさん」
・映画おすすめ 感想
合成とはもう少し先の技術だと思っていたが、この時代からすでに使われていたとは驚きである。
物語はジョシュというおじさんが、映画を観ていて、興奮して客席から飛び降りて、大騒ぎするものだが、その映画がしっかりしたものであり、映画の中に映画が映されている。
しかも合成である。
フィルムを重ねたのか、どうやってあの時代に合成したのか不思議な映画である。
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大人気ゲームがついに映画化
「真・三國無双」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
黄巾の乱で勝利した董卓は、漢王朝の実験を握り酒池肉林の生活を送っていた。
その戦場で活躍しながらも、未だ官職も名誉もない三人の義兄弟、劉備、関羽、張飛は流浪の旅を続けていた。
するとある森の中で一人の女と出会う。
女は呂布という猛将に武器を与え、呂布は董卓の将軍となる。
さらに女は天下を取る剣を曹操に与えたという。
曹操は董卓暗殺を企て、呂布の追撃から何とか逃れたものの、国中に指名手配されてしまっていた。
そんな中、董卓のあまりの横暴ぶりに各地に将軍が挙兵し、大将軍袁紹のもとに集い、連合軍を組んでいた。
その中には曹操の軍勢もあった。
ただ三人だけで連合軍に参加した劉備たちは、笑いものにされていたものの、関羽が敵軍の将軍を討ち取ったことから、軍勢を与えられた。
そして戦いは虎牢関へと向かう。
そこを抜け董卓が居を構える洛陽を目指す。
この作戦には虎牢関で天下無双の呂布を劉備軍が抑え、曹操軍が洛陽へ向かうことになっていた。
劉備、関羽、張飛は、呂布と対峙するのであった。
・映画おすすめ 感想
日本発祥で世界でも人気の真・三國無双の映画化である。
しかもこれまで三国志映画では描かれていなかった、黄巾の乱から虎牢関までが描かれている。
まだ曹操と劉備が盟友だった時代の物語だ。
ゲームのキャラクターに馴染みのある人は、本作に不満もあるだろう。
管理人も個人的には呂布や関羽、張飛が小柄すぎると思うところがあった。
しかし映像的にはゲームを元にした再現がなされており、満足のいく映画になっている。
続編が作られるのかは分からないが、三国志の物語の序章なので、これから先が三国志本編である。
続編に期待したい。
監督 ロイ・チョウ(周顯揚)脚本 トー・チーロン(杜緻朗)製作 周顯揚杜緻朗胡慶剛出演者ルイス・クーワン・カイトニー・ヤンハンギョンジャスティン・チャンカリーナ・ラウ
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記録映画なのか演出なのか
「ニューヨーク23番通りで何が起こったのか」
・映画おすすめ 感想
一見すると当時のニューヨーク23番通りを記録した映画に見える。
行きかう人、馬車など。
当時の世間が見えてくる。
しかしそこに二人のカップルが歩いてきて、女性のスカートが地下鉄の排気口からの空気でひらめく。
スカートの中が見えるわけではないが、当時としたら、かなりショッキングだったのではないだろうか。
これが演出したものなのか、偶然なのかは分からない。
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不仲な父の死が事件の始まりだった
「ブレイキング・イン」
評価:★4,2
・映画おすすめ 物語
都会を警戒に走る男性がひき逃げされる。その男性の娘ショーンは、娘と息子を連れて父の別荘へと遺品整理のために向かうのだった。父とは不仲なショーンにとって、その別荘は、良い思い出と悪い思い出が一緒にある場所だった。父は金持ちであり、別荘は最高のセキュリティシステムでおおわれていた。別荘を売るため、不動産会社の人と話をすべく別荘を訪れていたのだが、写真が倒れていたり、ガレージのドアが開いているなど、不自然なことに気付き始める。その時だった。ショーンが外にいた時、子供たちが男たちに捕まり、ショーンも男に襲われるのだった。ショーン一家は、父を殺害した強盗団とはちあわせしてしまったのだった。強盗団の狙いは金庫の大金。ショーンは家族を守ることができるのか。・映画おすすめ 感想
強盗団とはちあわせた母親が、捕まった娘と息子を救う、サバイバルアクションである。一般的な女性が武装した強盗団にここまで抵抗できるのか、という考えはあるものの、緊迫感とヒリヒリする雰囲気は一気に映画を見ることができる。強盗団も一枚岩ではないところも、鉄板の設定だが、面白い。最後は意外な結末が訪れる。監督 ジェームズ・マクティーグ脚本 ライアン・イングル原案 ジェイミー・プライマク・サリヴァン製作 ジェームズ・ロペスガブリエル・ユニオンクレイグ・ペリーウィル・パッカーシーラ・ハナハン・テイラー製作総指揮 ジェイミー・プライマク・サリヴァンジェフ・モローネヴァレリー・ブレス・シャープ出演者ガブリエル・ユニオンビリー・バークリチャード・カブラルエイジオナ・アレクサス
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目まぐるしく変わる壮絶な戦いと特撮
「常識はずれの新たなる戦い」
・映画おすすめ 感想
本作はメリエス監督の映画の中でも、管理人の知る限り、凄まじい流れの映画である。
プロレスを題材にさております、女性も男性も戦い合っている。
そして踏みつけると手足がちぎれる。
そこからは人形なのだが、それが集まりまた人間に戻る。
この映像の展開がメリエスの真骨頂だろう。
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見たものを狂わせる怪物
「荒れ野」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
世間から離れ荒れ野に住む一家。父は無口で幼い息子に一人でも生きていけるよう、ウサギのしめ方、銃の撃ち方などを教えようとする。しかし母はまだ幼い息子にはそんなことはできない、と野菜の育て方や歌を教えるなど、子供らいしく育てようとしていた。寡黙な父の様子に、いつも何かを抱えているような感じを覚えた息子。ある日、父はその理由を話した。家の周りには案山子が建てられており、その外にはいくなと息子は言われていた。外には首が長く大きな怪物が住んでいるという。怪物は父の姉には見えた。しかし父は信じなかった。そのせいで姉は窓から飛び降り自殺したという。その話を聞いた数日後、川に一艘の船が流れ着く。男が血まみれで倒れており、銃には弾が入っていなかったことから、父はあの怪物を目撃した人物だとすぐに理解する。治療を施すも、間もなくその男は自ら銃で命を絶つのだった。母は船に乗せて川に流せばいい、というが父は遺留品から家族がいたと思われる男の遺体を、家族のもとへ届けてやりたい、と馬で出て行ってしまう。数日中には帰るといった父は、その後二度と帰ることはなかった。やがて母の様子もおかしくなってくる。息子には見えない何かにおびえ、銃で威嚇し、来るなと叫んでいた。母にも見えたのである、首の長い怪物が。そして息子にもそれは見え始めるのだった。・映画おすすめ 感想
落ち着いた雰囲気の映画。状況は荒れ野に住む家族、ということ以外まったく情報がなく、外の世界も描かれないので、見た人が想像することのできる余白が残されている。また怪物にも言及するところはあるものの、結局、それがなんであるのか、ただ恐怖する者をおかしくさせる、ということしかわかっていない。ラスト、息子の姿に大人への階段を上ったともとれるが、呪縛に取りつかれた背中にも見えたのが印象的であった。監督ダビド・カサデムント脚本ダビド・カサデムントフラン・メンチョンマルティ・ルーカス出演者インマ・クエスタアシエル・フローレスロベルト・アラモビクトル・ベンフメアアレハンドラ・ハワード
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商業映画の父が作った特撮映画
「さなぎと黄金の蝶」
・映画おすすめ 感想
映画はジャングルが舞台となっている。
一人の男が笛を吹きジャングルの奥から巨大な芋虫を呼び寄せる。
仕掛けたかごに芋虫を入れ、確保したかに思えた芋虫は、蝶の翼が生えた女性となってしまう。
それを捕まえようとする男。
ようやくケープで蝶を包み込むと、原住民らしき人々がやってきてケープを取ると、蝶はきれいな女性となっていた。
男は女性を追いかけるが自分が芋虫に変化してしまい、映画の幕は下りる。
メリエスがこれでもかというほど特撮技術を駆使し、芋虫も巨大なぬいぐるみを使い、当時の最新技術を使った幻想的な映画になっている。
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愛の部屋は永遠となる
「ローマ 愛の部屋」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
スペイン出身のアルバはローマへ観光に来ていた。そこでロシア出身のナターシャと出会う。バーで二人は意気投合し、アルバの部屋へ行くことに。そこでアルバは同性愛者であることを堂々と宣言する。ナターシャは自分は男性が好きだと言いながらも、裸が見たい、とドレスをアルバに脱がせるよう促す。二人は裸になりベッドに横たわると、愛し合った。話をしているうちに、二人は互いの過去について話始める。ナターシャは自分が父から性的虐待を受けていたと最初はカミングアウトするも、実は虐待を受けていたのは姉であり、妹の自分は見ていただけだったという。一方のアルバは十代で妊娠したが子供は死んでしまい、その後、付き合った彼女の子供が事故で死んでしまったことを告白する。一つ、過去を告白する度に二人は愛し合い、次第にこれが永遠のものであることを確信し始める。・映画おすすめ 感想
映画が始まってからほとんど、主演の二人は裸である。だからと言って、消費的なエロというよりは、芸術的な映画を見ている気分になってくる。そして二人の愛が次第に深まっていくのがわかり、それを応援したくなってくる。夜明けが近づくにつれて、二人の別れは現実のものとなってくる。それにアルバは耐えられなくなっていくのが本当に辛く感じる。しかし最後はほほえましい演出で終わる、美しい恋愛映画であった。監督フリオ・メデム脚本フリオ・メデム出演者エレナ・アナヤナターシャ・ヤロヴェンコエンリコ・ロー・ヴェルソナイワ・ニムリ
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犯罪から処刑までの物語
「ある犯罪の物語」
・映画おすすめ 感想
この時代にしては五分というのは長編と言える映画だ。
強盗がある家に入り、家主を殺害して金庫の金を盗む。
豪遊していたところを強盗は逮捕され、裁判を受け死刑を宣告される。
自分が殺害した家主を見て強盗は後悔するがギロチンは待ってくれなかった。
起承転結のある面白い映画であった。
最後は衝撃的である。
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現実を変えるためにロマンスの世界へ
「ロマンティックじゃない?」
評価:★3.4
・映画おすすめ 物語
プリティウーマンが好きだったナタリーは、子供の頃からこんな世界はない、と言い聞かされて育った。大人になったナタリーは建築事務所に入社し、仕事を押し付けられてばかり。アシスタントはロマンティックコメディ映画ばかりみて、仕事をしない。それでも同僚のジョシュだけは、自信を持てと励ましてくれた。仕事帰り、彼女はひったくりにあい、何とか撃退するも、鉄柱に頭を強打して病院で目覚めた。そこにはイケメンの意思がおり、病院を出るとニューヨークの街並みは花であふれ、家の周りにはウェディングドレスの店が現れ、見向きもしなかった男たちが、彼女に夢中になっていた。あれだけ嫌っていたロマンティックコメディの世界に彼女は入り込んでいた。家は豪華になり、イケメン社長と恋仲になり、会社にはライバル。隣人は理解あるゲイの友達。ドジなことをしても誰かが助けてくれて、自分だけが現実から入り込んだようだった。この世界からナタリーは逃げ出そうともがき始める。・映画おすすめ 感想
お決まりを逆にコメディにする。本作はロマンティックコメディという形になっているものの、実際は、現実世界からロマンティックコメディの世界に入り込んだ。そんな主人公がお決まりのシーンを演じるという、二重構造になっている。アイスショップに忍び込んでアイスを食べる。良いアドバイスをくれるゲイの親友がいる。イケメン社長と友達との間で揺れ動く恋心。お決まりが次々出てくるので、頷いてしまう映画になっている。監督 トッド・シュトラウス=シュルソン脚本 エリン・カルディロデイナ・フォックスケイティ・シルバーマン原案 エリン・カルディロ製作 レベル・ウィルソンジーナ・マシューズトッド・ガーナーグラント・シャーボ製作総指揮 マーティ・P・ユーイング出演者レベル・ウィルソンリアム・ヘムズワースアダム・ディヴァインプリヤンカー・チョープラー
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待ちきれない客が起こすとんでもないこと
「ビッグスワロー」
・映画おすすめ 感想
本作はサイレントの一分程度の映画である。
写真を撮りに来た男。
しかし写真技師が手間取っているのに耐えかねて、大きくなった顔で写真技師を食べてしまうという喜劇である。
喜劇として描かれているが、ある種、世界で初めてカニバリズムを描いたと言っても過言ではないのかもしれない。
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運命の彼女のために何度も過去へ戻る
「理想の男になる方法」
評価:★3,5
・映画おすすめ 物語
ハロウィンの夜、ノアはエイヴリーという理想の彼女と出会う。ジャズバーで働くノアは彼女を誘い、そこで自分の得意な音楽を奏でる。二人は次第に惹かれ合っていく。しかし数年後にエイヴリーと婚約したのはイーサンというノアと出会った翌日に出会った男だった。泥酔して思い出のジャズバーに戻ったノアは、あの夜に二人で写真を撮ったフォトボックスに入り、再び写真を撮るのだった。すると目覚めた時、ノアはあのハロウィンの日に戻っていたのだった。これはチャンスとばかりにエイヴリーの理想の男になることを決め、必死に努力するも空回り。その度にタイムスリップを繰り返し、ある時はセフレになり、ある時はキューピットになってしまう。そしてようやくエイヴリーと結ばれる未来を見つけた時、彼女の運命の人は自分ではないことに気付いてしまうのだった。・映画おすすめ 感想
絶対に運命の人だと確信しながらも、最初は躊躇してしまい、うまくいかなかった。しかしタイムスリップを繰り返すうちに、いろんな形で彼女とかかわることになる。それが良い形であれ、悪い形であれ。次第に運命は自分が感じているだけで、彼女にとっては違うのだと気付き始める。これは本当に辛いことだと思う。しかし最後には希望が持てる、本当の運命を見つけ出すことができるのだから、この映画はきっと今、絶望している人に勇気を与えてくれるだろう。監督 アリ・サンデル脚本 ジョン・ウィッティントン製作 メイソン・ノヴィックメアリー・ヴィオラアダム・ソーンダーズマックGミシェル・クヌードセン出演者アダム・ディヴァインアレクサンドラ・ダダリオシェリー・ヘニッヒアンドリュー・バチェラー
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世界で最初期の風刺映画
「Terrible Teddy, the Grizzly King」
・映画おすすめ 感想
物語は一人の男が斜面を走りながら降りてきて転ぶシーンから始まる。
そのあとを追って二人の男が走ってくるが、二人の首からはプラカードが下がっている。
男はライフルで真上を撃ち、リスらしき動物をゲットする。
それを写真家らしき男が撮影する。
場面は転換して馬に乗った男を追いかける二人の男。
その首からはまたプラカードが下がっている。
本作は新聞の風刺漫画をヒントに監督が当時の政府を風刺した内容となっている。
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その事件を目撃したのは、盲目の元警察官だった
「見えない目撃者」
評価:★4.5
・映画おすすめ 物語
警察学校を主席で卒業した、なつめは弟と運転中に軽い口論になる。
そして弟からプレゼントされたアクセサリーが落ちてしまい、運転中にそれを拾おうとした、なつめは、運転を誤りそのまま車は横転してしまう。
頭を強く打ったことから目が見えなくなった、なつめは弟を車から助け出そうとするも、車は爆発してしまうのだった。
それから彼女は警察を依願退職し、音声の文字起こしを仕事として、引きこもりがちの生活を送っていた。
そんなある日、夜道を歩いていた彼女の前をスケートボードを乗った男が通り過ぎていく。その後、車とぶつかりそうになり、その場に居合わせた彼女は車から女性の声で助けを求められる。
レイサと名乗った彼女を助けようとするも、車の運転手は彼女を押しのけ、車を発進させてしまうのだった。
後日、この一連の出来事を警察に伝えるも、盲目であることから事件として取り扱わない警察。そこでスケートボードに乗った男を探し出し、一緒に証言させようと彼女は持ち前の行動力ですぐにそのスケボー青年を発見するのだった。
青年、春馬と警察に行った彼女の証言はしかしやはり春馬の見ていない、という証言で否定されてしまう。
そこで彼女は一人で行動を開始するのだった。
・映画おすすめ 感想
韓国映画が原作で中国でもリメイクされている、人気作の日本版である。
見えないながら、鋭い動作力、見えないながらも他の五感を使って事件を追いかける力。
見ていて爽快な映画である。
韓国映画、中国映画は見ていないので何とも言えないが、日本映画でないからこそ作れた映画なのではないだろうか。
日本オリジナルで果たしてここまでのクオリティが保てるものだろうか。
それと主演の吉岡里帆はなかなか作品に恵まれない女優だが、これは代表作と言っても過言ではないだろう。
監督 森淳一脚本 藤井清美森淳一原案 映画『ブラインド』製作 小出真佐樹製作総指揮 紀伊宗之Andy YOON出演者吉岡里帆高杉真宙大倉孝二浅香航大酒向芳松大航也國村隼渡辺大知栁俊太郎松田美由紀
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人の心理かも知れない
「覗き見トム」
・映画おすすめ 感想
アパート、あるいはホテルの清掃員であるトムは、鍵穴から各部屋をのぞいている。
最初に覗いた部屋では女性が着替えていた。
それに味を占めたトムは次々に鍵穴を覗いていく。
しかしそこにいいものばかりが見えるものではない。
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恋は憧れの世界に
「オースティンランド 恋するテーマパーク」
評価:★3,4
・映画おすすめ 物語
ジェーン・オースティン、高慢と偏見の作者で有名なこの作家の世界につかりきった女性ジェーン。彼氏がいたが彼女があまりにも自分の世界に入ってしまうので、別れられてしまう。年齢的にも彼氏がいないことをからかわれるようになった彼女は、あるテレビCMに注目する。ジェーン・オースティンの世界観を体現したオースティンランドがイギリスにあるというのだ。友達の静止も聞かず、ジェーンは全財産を旅行代金につぎ込み、オースティンランドへ向かうのだった。そこでは中世の格好をしたキャストが客を迎え、その当時の遊びや文化を体験し、キャストと恋に落ちることもできた。最初はウキウキしていたジェーンだったが、高慢な侯爵のキャストやこの世界を楽しみつくす女性客などに引け目を覚えてしまう。そんな中、使用人のキャストと仲良くなったジェーンは、彼に恋するようになってしまった。本当はいけないことだ、と言われながらも現実の恋にジェーンはときめいていた。しかし高慢な伯爵のキャストとも次第に距離を縮めていくジェーン。果たして彼女の恋はどちらに傾くのか。・映画おすすめ 感想
「プライドと偏見」でジェーン・オースティンのことは知っていた。そんな中でこの映画に出会い、彼女の書いた世界観がこういう世界観だったのかと客観的にみることができる。世界中にファンがいるであろう彼女の世界観に浸りたい人々はきっと多いはずだ。またこの映画は彼女が描いてきた世界観を現代風にアレンジした形になっている。主人公はお金持ちではないが、恋に揺れる女性の描き方はジェーン・オースティンの世界観だと思えた。古典をこうして現代に翻訳する映画というのもなかなか面白い。監督ジェルーシャ・ヘス出演者ケリー・ラッセルJJ・フィールドブレット・マッケンジージェニファー・クーリッジジェームズ・キャリスジョージア・キング
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夢は美しい願望
「夢と現実」
・映画おすすめ 感想
本作は男が美女とレストランで二人きりの場面から始まる。
美女に酔いしれ、お酒を一杯、二杯と飲んでいくうちに、男は酔っていく。
そして美女にキスをする。
そこで目が覚めて、横で寝ている古女房にキスをしている現実に引き戻されるのだった。
映画史でも初期の夢オチというやつであろう。
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