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前回のブログ 映画おすすめ パラレルバーの男
オペラ座には今も怪人が住んでいる
「オペラ座の怪人 2004年版」
評価:★3,5
・映画おすすめ 物語
オペラ座であるオークションが開催されていた。
そこには火事になったオペラ座の残された品々が出品されていた。
その中にサルのおもちゃがあり、ある車椅子の老人と年老いた婦人が争い、老人が競り勝つのだった。
直後、落ちたシャンデリアが引き上げられた時、二人の脳裏に昔のオペラ座がよみがえる。
当時、オペラ座は新しいオーナーとマネージャーを招き入れ、オペラ座の花である歌姫、カルロッタ主演で新しいオペラを進めていた。
しかしその稽古の最中、背景の絵が落ちてきて、カルロッタは不機嫌になり、その場を後にする。
困っているマネージャーに、バレーダンサーチームのリーダー、マダム・ジリーが一人の踊り子を紹介する。
彼女、クリスティーヌに試しに歌わせてみると、その歌声はみなを引き付け、そのまま舞台の主役となり、大盛況となるのだった。
クリスティーヌは両親を失い、オペラ座で育ったような女性であり、父を思いロウソクを付けた部屋で祈っていた。
するとどこからともなく声が聞こえてきて、彼女は鏡の向こうに仮面をかぶった男を見る。
鏡はドアになっており、彼女は男に誘われながら、地下にある空間へ導かれた。
そこにはベッドや日用品がおかれており、サルのおもちゃがあった。
その男こそ、オペラ座に住むと言われていた怪人、ファントムだった。
ちょうどその時、子爵のラウルがオペラ座を訪れていた。
クリスティーヌとは子供の事に知り合っており、彼女の舞台を見て思い出し、恋に落ちるのだった。
しかしそれを良く思わないファントムは、復帰したカルロッタの舞台の邪魔をしたり、裏方を殺害するなど、事件を起こすのであった。
だがクリスティーヌは、幼少期より歌やダンスを教えてくれた天使としてファントムを見ており、憎むことができなかった。
そしてある晩、ファントムの正体を知るマダム・ジリーは、ラウル子爵にだけ、彼の正体、なぜ地下に住むようになったのかを説明するのであった。
・映画おすすめ 感想
ミュージカルの王道の映画化である。
幾度も映画化されている中で本作は2004年版であり、2022年現在では最新のバージョンである。
ミュージカル映画というものを管理人はあまり見ないので、勉強がてらみたのだが、なんと豪華な映画であろうか。
ミュージカル映画とは、豪華絢爛なイメージがあるが、本作は細部にわたってその豪華さが際立っており、宝石も本物を使ったという。
オペラ座で働く人はオペラ座の怪人はいる、と断言するだけあり、何十年と愛されている作品の映画化である。
だが本作はあまり評判がよくない。
ミュージカル素人の個人としては、良し悪しが分からないのだが、とにかくすごい映画だったといえるのは確かである。
監督 ジョエル・シュマッカー脚本 ジョエル・シューマカーアンドリュー・ロイド・ウェバー原作 ガストン・ルルー製作 アンドルー・ロイド・ウェバー製作総指揮 ポール・ヒッチコックオースティン・ショウジェフ・アッバリージュリア・ブラックマンキース・カズンズルイーズ・グッドシルラルフ・カンプ出演者ジェラルド・バトラーエミー・ロッサム
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前回のブログ 映画おすすめ ドクタードリトル 2020年版
肉体美をフィルムに映す
「パラレルバーの男」
・映画おすすめ 感想
パラレルバーとは、オリンピックの体操で使われる、平行棒のことである。
そこで演技をする男性を映した映像である。
おそらく本物の体操選手を使った、記録映画である。
こういう記録こそ、この時代の映画のだいご味だ。
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動物と話せる心に傷を抱える医者
前回のブログ 映画おすすめ シェイクハンド
「ドクタードリトル 2020年版」
評価:★3,9
・映画おすすめ 物語
ドクタードリトルは世界で唯一、動物と会話できる医者として、大英帝国のビクトリア女王から庭園をもらい、獣医として働いていた。
そんな彼には愛する妻がいたのだが、冒険家だった妻は嵐に遭遇し、船と共に海に消えてしまった。
それから心を閉ざしたドリトルは庭園を閉め、引きこもってしまう。
トミーは叔父に狩りを教わっていた。
しかし動物を傷つけることを嫌うトミーには、どうしても狩りはできなかった。
そんな彼がリスを傷つけてしまい、ドリトルなら直せる、というオウムの言葉にいざなわれ、ドリトルの屋敷へ忍び込む。
そこで人を拒むドリトルと出会い、何とか動物たちの説得もあり、リスの手術は成功する。
同じく、ベルサイユ宮殿から使いの少女がやってきて、ビクトリア女王がひん死の状態だと聞き、動物たちに促され急ぎベルサイユ宮殿へ向かう。
そこではベッドに横たわる女王とライバルの医師マッドフライが待っていた。
女王の部屋のタコに話を聞くと、女王に毒を盛ったものがいるらしく、直すにはすべてを治癒させる木の実が必要となり、ドリトルは船出する。
そこへどうしてもついていきたいと、トミーも船に乗り込み、動物の言葉を覚え始めるのだった。
しかしマッドフライが乗る軍艦が邪魔をしにやってくる。
それをクジラの助けもあり交わし、ドリトルは妻の故郷で、海賊王の義理の父が住む島へとやってくる。
目的は木の実のある島の場所が唯一、書かれている妻の日記を手に入れるためであった。
だが、娘を奪われた義父はドリトルを激しく嫌っていた。
・映画おすすめ 感想
ロバート・ダウニー・ジュニアがアイアンマンの次に演じたのが本作のドリトルである。
相変わらずの変人スタイルに、おなじみな感じがして、個人的には好きだった。
本作の前にもエディー・マーフィー主演の、現代を舞台にしたドクタードリトルが制作されており、本作とはだいぶ違う雰囲気になっている。
本作の方が原作に近く、ビクトリア時代前期を舞台にした冒険ものになっている。
それにしても、どの映画、作品でもそうだが動物との会話をするシーンはやはり面白い。
本作では現代を意識したのか、精神を病んでいる動物が多めの気がする。
ドリトル自信も妻の死を克服できないでいるところがある。
続編があるのかどうかは分からないが、家族で見られる楽しい映画なのは間違いない。
監督 スティーヴン・ギャガン脚本 スティーヴン・ギャガンダン・グレゴールダグ・マンド原案 トーマス・シェパード原作 ヒュー・ロフティング『ドリトル先生』シリーズ製作 スーザン・ダウニージェフ・キルシェンバウム(英語版)ジョー・ロス製作総指揮 サラ・ブラッドショウロバート・ダウニー・Jrジョン・モーン出演者ロバート・ダウニー・Jrアントニオ・バンデラスマイケル・シーンジム・ブロードベントトム・ホランドセレーナ・ゴメスジョン・シナクメイル・ナンジアニラミ・マレッククレイグ・ロビンソンマリオン・コティヤールレイフ・ファインズオクタヴィア・スペンサーエマ・トンプソン
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平和の象徴
前回のブログ「ポーラー 狙われた暗殺者」
「シェイクハンド」
・映画おすすめ 感想
画像が荒い。
フィルムが劣化しているせいか、画像が非常に荒い映画である。
二人の男が握手する。
ただそれだけの映像なのだが、握手をする。
この行為は平和を意味していると個人的には感じている。
だからなのか、本作を個人的には平和の象徴を現した映画に見えた。
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引退する準備は万全だったのだが
「ポーラー 狙われた暗殺者」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
凄腕の暗殺者ダンカンは、二週間後に引退することが決まっていた。
彼の所属する組織は50歳を定年とし、多額の年金を払うことになっていたのである。
引退へ向け、ダンカンは様々な身辺整理をし始める。
ところが同じく引退したばかりの暗殺者が殺害されるという事件が発生した。
実は、組織は多額の負債を抱えており、引退者に払う年金をその負債にあてるため引退した暗殺者を殺害していたのだ。
年金を払うことを絶対にしない。
そのためにダンカンの居場所を探り始める組織の殺し屋たちだったが、ダンカンは巧に自らの居場所を隠していた。
本人は田舎の山小屋で静かな暮らしをしていたのだが、毎晩のように以前の仕事の夢を見てうなされていた。
そんな中、隣の山小屋で暮らすカミーユという若い女性と知り合いとなる。
カミーユに勧められ、学校で授業をするも暗殺のテクニックしか教えることのできないダンカン。
ナイフに興味を抱いたカミーユのために、ダンカンは護身用の拳銃をプレゼントする。
撃ち方を教えようとしたが、カミーユは撃つことができなかった。
そうしているうちに、ダンカンがチャリティーとして毎月、20万ドル支払っていた小切手から、居場所がばれてしまい、山小屋が襲撃される。
しかし殺し屋たちを皆殺しにしたダンカンは、元の仲間のところへ向かう。
だが仲間は裏切り、組織にダンカンを売り渡してしまう。
ダンカンは拷問され、さらにカミーユが誘拐されたことを知らされる。
三日間の拷問の末、彼はボロボロになりながら脱走に成功し、元の恋人のところへ転がり込む。
そこで武器を調達したダンカンは、カミーユ奪還のため、組織を標的にする。
・映画おすすめ 感想
淡々とした中にも、キレキレのアクションがる。
老年の殺し屋が主人公である本作は、引退した後の静かな生活と、エロ、グロの若い殺し屋たちの対比でまずは進む。
もちろんダンカンも激しいセックスをするシーンもあり、男として凄まじいく惹かれる男である。
物語的には、居場所を突き止められ、皆殺しにした後、仲間だと思っていた男に裏切られ、最後は誰かを助けるために皆殺しにする。
「用心棒」にアウトラインは似ている気がした。
そして最後に衝撃の真実が待っており、二人の見つめる先に何が待っているのか。
実によくできた映画である。
監督 ヨナス・アカーランド脚本 ジェイソン・ロスウェル原作 ヴィクター・サントス(英語版)『Polar』製作 ジェレミー・ボルト(英語版)ロバート・クルツァーハートリー・ゴーレンスタイン製作総指揮 マイク・リチャードソンキース・ゴールドバーグマルティン・モスコヴィッツマッツ・ミケルセン出演者マッツ・ミケルセンヴァネッサ・ハジェンズキャサリン・ウィニックマット・ルーカス
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2人のフェンサーと似ているが違う映画
「フェンシング 1892年」
・映画おすすめ 感想
「2人のフェンサー」というフェンシングと思われる映画が前年に公開されており、フェンシング映画としては、二つ目の映画となる。
構図は真横から二人のフェンシング選手を撮影したもので、ピントがすこしぼけてはいるものの、一人の選手が一気に間合いを詰める瞬間が切り取られた、迫力のあるシーンである。
まだフィルムが高価だった時代の映像のせいか、わずか数秒の映像だが、迫力は伝わってくる。
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謎のカプセルを届けよ
「ブラック・クラブ」
評価:★3,4
・映画おすすめ 物語
スウェーデンで内戦がおこった。
シングルマザーのエドは、娘と一緒に車での移動の最中、敵の部隊の攻撃を受け、娘は連れ去られてしまう。
それから内戦はさらに激化し、おりしもこれまでにない寒波がスウェーデンを襲う。
兵士となったエドはある日、一人の軍人に呼び出されある基地に向かう。
そこには寄せ集めのメンバーがおり、彼らと一緒にエドはあるカプセルを、別の基地に届けてほしいと任務を言い渡される。
その道とは氷の上だった。
陸路では敵軍に襲われるため、寒波で凍り付き、車では沈んでしまい、船では進めない氷の上をスケートで移動してもらうということだった。
任務に向かうか迷うエドに、司令官は娘の写真を見せる。
カプセルを届ける先の基地で娘が待っているというのだ。
任務に参加することにしたエド。
しかしそれは敵も味方も分からない極寒の氷の上での戦いを意味していた。
・映画おすすめ 感想
スウェーデンらしい映画である。
まず寒さ厳しい国の特色を生かした風景が続く映画である。
氷、雪、吹雪と見ているだけで凍えそうになる。
そしてスウェーデン映画である、重苦しい空気感。
この空気感がスウェーデン映画のいいところでもあり、見ているものを辛くする要因でもある。
さらに物語としては辛い。
とにかく辛い映画である。
それに説明不足の部分が多々あるので、馴染めない人も多いと思われる。
現に各レビューを見ると、説明不足とある。
なぜ、内戦になったのか。
敵はなにものなのか。
エドの経歴はなんなのか。
主要人物の謎の行動の意味するところはなんなのか。
途中で登場する老夫婦は何者なのか。
謎ばかりが残る映画であるが、物語はそうした謎を置いてきぼりにして、進んでいく。
ラストはスウェーデン映画らしい終わり方をする。
はまる人にははまるだろうが、人を選ぶ映画かもしれない。
監督 アダム・バーグ(英語版)脚本Adam BergPelle Rådström出演者ノオミ・ラパスアリエッテ・オフェイム(英語版)ダール・サリム(英語版)
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エドワード7世のドキュメンタリー
「ル・プリンス・ド・ガレス」
・映画おすすめ 感想
ビクトリア女王の息子であるエドワード7世は、大英帝国時代が未だ権力をもっていた時代の人物である。
そのエドワード7世が港に漁業視察に訪れた時の様子を記録した映画である。
大勢の民衆が見つめる中、魚が網に入っている様子を見る光景が記録されている。
記録映画がまだ全盛だった頃、貴重な歴史を記録した映画である。
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キワモノか芸術か
「ベガッテン」
評価:★4,5
・映画おすすめ 物語
血だらけで白い布を巻いた男が痙攣している。
自らの腹部を剃刀で切り取り絶命する。
そのそばの白い布から生まれいでた成人女性は顔を半分仮面で覆っている。
女は死んだ男の股間から精子を採取し、体に塗り付ける。
すると女は妊娠し、成人した奇形の人物が生まれる。
奇形の人物を置き去りにする女。
その場で這いずることしかできない奇形の人物。
そこに謎の人物たちがぞろぞろとやってきて、彼を連れていき岩に縛り付ける。
そして奇形の人物が吐き出す何かを採取するのであった。
奇形の人物はその後、火に放り投げられ燃やされる。
だが再び再生し地面を這いずっていたところに、自分を生んだ母親が現れる。
母は奇形の人物の首にロープを巻き、犬のように連れて森の中へ入る。
そこへまた謎の人物たちが現れ、奇形の人物は暴行され血まみれになり、その横では母親が頭を殴られレイプされる。
謎の人物たちがいなくなった後、また別の人物たちがやってきて、二人は連れ去られ、バラバラに刻まれるのであった。
・映画おすすめ 感想
物語を書くととんでもない映画だということがわかる。
あるユーチューバーのお勧め映画ということで見たのだが、セリフのないこの映画、そのユーチューバーの解説がなければ、何が起こっているのか分からないところである。
冒頭に出てくる言葉によれば、記録するものは愚かであり、そこで起こっていることこそが言語である、と書いてある。
そして、命とは骨についた痙攣したに肉である、という言葉から物語は始まる。
一切のセリフがなく、音だけの世界で続かれる物語。
ユーチューバーはこれを神話ととらえた。
確かにエンディングで配役のところに神や女神、生命の象徴などという言葉が並ぶ。
そうみるとこれは言われるように神話なのかもしれない。
しかし神話を模した、人類へのアンチテーゼである可能性もあると思えた。
神々である登場人物たちを、惨殺する集団こそが人類、人間であり、残虐性しかもたず、奪うことしか知らない。
その意味では神をも殺した人間という意味の映画にも見える。
人はどこまで行っても救いようのない残虐性しかもたない生物だ、ともとらえられる。
ちなみにこの映画はものすごく見にくく作られている。
1989年の作品とはいえ、自主制作の映画でも映像をもっとクリアにできたはずである。
それをあえて、一コマずつ加工し、すべてを加工し、この世界観を構築している。
監督は予算がなくて制作期間が延びたのではなく、加工に時間をついやした、と言っているほど映像に実はこだわっている映画なのだ。
そのおかげもあり、マリリン・マンソンが監督を気に入り、自らの代表曲でもある「アンチクライスト・スーパースター」のPV監督に使うなどしている。
そこで起こることが言語。
見る人によって解釈は千変万化である。
監督E・エリアス・マーヒッジ
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フェンシングを題材にした映画
「2人のフェンサー」
・映画おすすめ 感想
本作はフェンシングをする2人の男子を映し出している。
エジソン社で制作したボクシングの映画では、従業員が起用された。
本作に登場しているフェンシング選手が本物かどうかは定かではない。
ただ片方の男がアラブ人らしく見える。
もしかしたら本物の選手を使った初めてのスポーツ映画なのかもしれない。
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モキュメンタリーとされているが、現実の裏側を見せる映画
「ジャンク 死と惨劇」
評価:★3,8
・映画おすすめ 映画の流れ
まずこの映画は手術のシーンから始まる。
動いている心臓が鼓動を止め、あらゆる映像が開始される。
この映画は世界中から、ニュースでは流れない映像、人が当たり前に口にしている肉がどうやって作られているか、ある地方の風習、戦争、大事故などの惨劇をつなぎ合わせた映画になる。
ある地方ではアザラシを撲殺し、その皮をはいで、脂肪の塊であるアザラシの大量の死骸が草原に横たわる。
また人が普段から食べている肉。
これがどうやって作られているのか。
肉になる前の動物の息の根を止める映像が流れる。
その後、食卓のステーキの映像が現れる。
さらいこれは特撮を使ったと思われるシーンなのだが、サルをテーブルの真ん中に固定、お客が撲殺して脳みそを食べるシーンがある。
さらに真偽は定かではないが、人の検死解剖の映像が流れもする。
最後は赤ん坊が生まれるシーンで映画は幕を閉じる。
・映画おすすめ 感想
普段、当たり前に生活していれば、けして目にすることのない映像。
それらを集めたのが本シリーズの目的であり、ある種の人の傲慢な生活へのアンチテーゼにもなっている。
ただ日本のイルカ漁が偏見で見られたように、各地の風習が映し出されることは、偏見を生みかねないことでもある。
それだけは避けねばならない。
人は命の上に立っている。
そして死ぬ。
この映画は死を堂々と見せている。
人の形を成していない遺体が転がる事故現場が映し出されもする。
それは人は死ぬ生き物であり、死んだら躯であると個人的にはとらえた。
けして人に勧められる映画ではないが、世界は必ずこういう現場があるからこそ成り立っていると知ることのできる映画である。
監督:コナン・ル・シレール脚本:アラン・ブラック
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未だフィルムは実験段階
「漠然とした」
・映画おすすめ 感想
フィルムがまだ貴重で、映画製作も始まったばかりの時代である。
エジソンが映画製作に力を入れ、フランスではアメリカよりも先に映画という文化が走り始めていた頃、本作は撮影された。
岩が立ち並ぶ海岸線に波が打ち付ける。
記録映画である。
後の数年は記録映画が多くなるが、本作もその中の一つである。
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どう生きるのか
映画おすすめ ジョン・ウィック
映画おすすめ ジョンウィック チャプター2
「ジョン・ウィック パラベラム」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
殺し屋にサービスを提供するコンチネンタルの中は聖域であり、コンチネンタルを世界各地に配置する主席連合が定めたルールに従わなければ、殺し屋として命はなくなるのである。
ジョン・ウィックはそのルールを破った。
コンチネンタル内で、しかも主席の一人を殺害したのである。
ジョンの友でもあり、コンチネンタルのオーナー、ウィンストンはせめてもの贈り物として、彼に一時間の猶予とコンチネンタルからの脱出を提供した。
ジョンはその足で、医者に行き治療するも時間切れが来てしまい、自分で傷口を縫い、その足である組織へと向かう。
バレー団を取り取り仕切るディレクターの女性はジョンは殺し屋として育てた人物であり、彼女にチケット、十字架を差し出し、無理やり協力させ、カサブランカへと向かうのだった。
そこにはモロッココンチネンタルがあり、オーナーをしているソフィアには借りを作っていた。
血の刻印で借りは返さなければならないのだが、ソフィアは追放された彼に協力することを渋る。
しかし渋々彼への協力を受け、モロッココンチネンタルの元のオーナーのところへ向かう。
そこでジョンが求めたのは、主席連合のさらに上の存在、王と呼ぶべき人物への取次であった。
砂漠をひたすら歩き、倒れた時に彼が見つけてくれる。
そのヒントを受けた後、元オーナーの屋敷で銃撃戦となり、ソフィアと砂漠へ向かう。
そしてジョン一人が砂漠を歩き出すのだった。
そのころ、主席連合はジョンに手を貸した人々に制裁を加えていた。
砂漠で行き倒れた彼は、見事、王に会うことができたが、そこでなぜ生きたいのかを問われ、妻の思い出を残すため、と答えるのだった。
そして彼は追放を解かれ、代わりにウィンストンの暗殺を依頼されるのだった。
・映画おすすめ 感想
人気シリーズ三作目にして、最大の敵である殺し屋業界を敵に回したジョン・ウィック。
よくできた設定の映画である。
コンチネンタル、いわゆる殺し屋が使うホテルにはサービスがあり、殺し屋の仕事の手助けをする。
そのほかにも殺し屋には様々なサービスを行う施設があり、それらを統括するのが主席連合である。
今回の敵はその主席連合であり、殺し屋業界の頂点までたどっていくという、壮大なものとなっている。
そのため、アクションもずば抜けており、前二作以上のアクションシーンが見られる。
そして衝撃のラストである。
このラストは次回への布石なのか、あるいは生きることを意味して終わるのか。
続編は見たい映画である。
監督 チャド・スタエルスキ脚本 デレク・コルスタット(英語版)シェイ・ハッテン(英語版)クリス・コリンズ(英語版)マーク・エイブラムス原案 デレク・コルスタッド原作 キャラクター創造デレク・コルスタッド製作 ベイジル・イヴァニク(英語版)エリカ・リー製作総指揮 チャド・スタエルスキデヴィッド・リーチジョビー・ハロルド出演者キアヌ・リーヴスハル・ベリーローレンス・フィッシュバーンマーク・ダカスコスエイジア・ケイト・ディロン(英語版)ランス・レディックアンジェリカ・ヒューストンイアン・マクシェーン
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最初のミディアムショット映画
「Je vous aime」
・映画おすすめ 感想
本作はフランスで作られた映画であり、ミディアムショット、いわゆる胸から上を映す映画の始めとされている映画である。
映画と言っても、写真をつなぎ合わせた感が強い映像であり、活動写真という言葉がまさしくあっている映画である。
映画の内容としては、Je vous aimeと発音しているだけの映画であり、唇の動きで伝えている。
ある盲学校では、本作を使い、唇の動きを読む訓練をしているという。
映画が教育の場にも浸透している良い例である。
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描き続けることを選んだ男
「ギニーピッグ マンホールの中の人魚」
評価:★3,6
・映画おすすめ 物語
画家の男は奥さんに逃げられ、一人部屋にこもって絵を描いていた。
しかし毎日、ある時間になるとスケッチブックをもって出かけていた。
男はマンホールを開き、中に入り昔の原風景を思い浮かべていたのだった。
昔、川だった場所は埋め立てられ、魚やあの頃遊んだ友達もみんないなくなってしまった。
そんなことを思っていた時、いなくなった猫が下水の中で死んで、虫がわいているのを発見する。
画家は悲しくなるも、自分は画家だ、描かなければならない、と描き始めた時、下水道の奥の方から物音が聞こえてくる。
奥の方に向かうとそこには人魚がいた。
人魚は画家にテレパシーで話しかけてきた。
画家は昔、川で君と出会った気がする、と言い出す。
すると人魚の腹部には複数の腫瘍ができており、ここにおいてはいけない、自分の家へ行こう。
人魚を連れ帰った画家は、浴槽を部屋に運び込み、人魚をそこへ横たえ、絵を描き始めるのだった。
しかし主要はどんどん人魚の体に広がり始め、そこから色とりどりの体液が漏れ出し始める。
さらに主要からはミミズのような虫が出てきて、それを必死に画家は取り払いながら、醜くなっていく人魚の絵を描き続けるのだった。
死んだらいけないよ、と声をかけながら。
・映画おすすめ 感想
ギニーピッグの5作目となる本作も、またグロテスクで残酷である。
人にけしておすすめできるものではない。
本作はマンガ家の日野日出志原作、監督を務めている。
日野日出志はギニーピッグに深くかかわる人物で、複数作で原作を担当している。
本作は特に特撮を使った腫瘍の見せ方が凄まじく、虫の多用もシリーズ通してのことながら本作もすごい。
ラストは幻想的というか、幻覚だったのか、妻の意思だったのかは定かではないが、余韻が残るラストになっている。
ちなみに若き日の久本雅美が出演しているのも、見どころの一つである。
監督日野日出志出演者斉木しげる利重剛久本雅美染井真理
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エジソン研究所で制作されたアスリートの姿
「ニューアークアスリート」
・映画おすすめ 感想
本作はわずか10秒足らずの映像ながら、エジソン研究所で開発されたキネトスコープで視聴するように撮影された映画である。
本物のアスリートを使い、インドのクラブを投げる場面が撮影されている。
フィルムに劣化が見られるが、これもまた映画の歴史の一ページであり、エジソンが映画に力を入れていた証拠でもある。
映画黄金期はまだ先のことだが、このわずか10秒の映像から、始まっていったのである。
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その子は神の生まれ変わりなのか、反キリストなのか
「I'm Not Jesus Mommy」
評価:★3,2
・映画おすすめ 物語
高名な科学者キンバリーは、恋人と暮らしていた。
しかし子供を望むキンバリーには子供ができなかった。
そこである実験に参加することにする。
その実験とは神の再臨、生まれ変わりを作ることだった。
研究リーダーのギブソン博士は信仰深いキリスト教の信者で、この実験が成功することを信じてやまなかった。
実験に参加したキンバリーは、道徳的に間違っていると分かっていながらも、実験に参加し続けていた。
そしてあることを思いつく。
被験者に与えられる細胞を自分の中に注入したのである。
恋人にそのことを話すと、恋人はそこまでする彼女のことを信じられなくなり飛び出して行ってしまう。
説明したい彼女が携帯電話で彼に連絡すると、運転中の彼はそのまま車と衝突してしまい、亡くなるのだった。
一人で子供を産むことを決意したキンバリーはそのまま、実験に参加し続けていたある日、産気づき一人の男の子を産み落とす。
デビットと名付けられた彼が7歳になるころ、地球に異変が起こる。
異常気象、飢餓、戦争。
まるで世界は聖書にある黙示録の世界に入ったかのようだった。
しかも人は死ぬと肉体が消えてしまうという不思議な現象まで起こり始める。
そうした過酷な環境でキンバリーとデビットは生きていた。
ある日、ネズミが罠にかかって死んでいたのを、デビットは手の平に乗せ生き返らせたのだった。
実はキンバリーが参加していた実験で使われていた細胞は、キリストの聖骸布から採取されたものだったのだ。
それを知らぬまま、キンバリーは病気にむしばまれる中、過酷な世界でデイビットを育てるのだった。
・映画おすすめ 感想
「オーメン」的な映画かと思ったらB級映画だった。
遺伝子操作でキリストの再臨を試みる実験という、マットサイエンティストの実験に参加した主人公が、子供を授かるというところまでは、面白かったが。
黙示録の訪れがいきなりであったし、テレビでの説明だけで、世界で何が起こっているのか、あまり分からない黙示録である。
しかも規模が小さく町が荒れているだけ、というところもいまいち。
産まれた子供デビットの力がネズミのシーンだけであるのは、いささか物足りない。
最後の場面の解釈はいろいろとあるだろうが、この手の映画は多くある中で、あえて選んでみる映画でもないような気もする。
主演ブリジットマクグラスチャールズハベルロッコヘイルジョセフシュナイダー
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世界初のボクシング映画
「男のボクシング」
・映画おすすめ 感想
本作は非常に短い映像である。
ボクシンググローブを付けた男二人が殴り合いを始める寸前である。
本作はエジソン社で撮影された映画であり、登場しているグローブを付けた二人は、エジソン社の従業員とのこと。
本作は実験用のキネトグラフカメラを採用しており、カメラのレンズの丸みがスクリーンに出ているのが特徴である。
未だ実験ながら、しっかりと被写体をとらえ、動きも滑らかに撮られているので、これから進化していく映画事業の先駆けとなるフィルムだ。
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映画と呼べるのかは分からない
「ダンカンスモーキング」
・映画おすすめ 感想
本作は映像化されていたのかは分からない。
ただ現存するのが写真だけであるのはたしかである。
これを映画と言ってよいのかは定かではないが、一応、動画として現存はしているので、ここに記録として記載しておく。
まだまだ映画黎明期。
フィルムが残っていないのかもしれない。
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アフリカ戦線にナチスが投入していたのは
「ドラゴン・オブ・ナチス」
評価:★3,2
・映画おすすめ 物語
第二次大戦中、アフリカでナチスの考古学部隊がある一つの卵を発掘する。
それこそはヒトラーが探し求めていた、ドラゴンの卵たった。
ナチスの部隊は卵の孵化に成功し、繁殖させることができた。
しかもアーリア人の魔女の力を使い、ドラゴンを操ることができ、制空権はナチスの物となっていた。
アメリカの偵察戦車は、ある日、ナチスの基地を発見するも、高熱で焼き払われてしまう。
さらに上空では戦闘機部隊が何らかの生物に襲われ、消えてしまう。
この調査を任せられたロビンソン中尉は、アメリカが極秘裏に入手したフィルムで、相手がドラゴンであることを知る。
そしてロビンソン中尉には連合国から集められた精鋭のパイロットたちが与えられ、ドラゴンとの戦いに挑むのであった。
・映画おすすめ 感想
B級映画でよくある、ジャケット詐欺、誇大広告は内容とはかみ合わない。
まずジャケットに出てくるようなドラゴンは出てきません。
ラストにそれらしいドラゴンが登場するも、翼にハーケンクロイツが刻まれてはいるものの、ジャケットのようなしっかりとしたものではないく、塗られた感じ。
さらに映画の宣伝文句に、空を埋め尽くす大量のドラゴン、とあるが登場するドラゴンの数は5匹もいるか分からない程度。
しかもはっきりと姿を見せるのは最後の一匹くらいで、あとは空を飛んでいるのではっきりドラゴンとわかるシーンはない。
色々と突っ込みたくなるところもあり、小規模すぎるドラゴン部隊にもいろいろ言いたい。
だがB級と割り切ってみると、楽しめる映画である。
監督マーク・アトキンス脚本マーク・アトキンス出演者スコット・マーティンステファニー・バーンカルロス・ブルックスオスマン・ソイカットロバート・パイク・ダニエル
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恋に形なんてない
「恋するAI」
評価:★3,8
・映画おすすめ 物語
ビルにAIが導入され、人の生活にAIが欠かせなくなったバンコク。
ビルには巨大なアームと目が付き、まるでロボットのように、すべてのシステムを管理していた。
ラナは仕事にも恋にも行き詰っていた。
そんな彼女をいつも見て励ましてくれるビルのAIドブ。
ある日、ボブといういけすかない男とのデートをしたラナは、ドブにそのことを打ち明け、ドブはいつものように励ますのだった。
しかしドブのエラーに気付いた管理者は、AIを直すべく、プログラマーを呼ぶ。
なんとそれがボブだった。
ボブはドブのエラーを直そうとするも、ドブはそれを断り、仕方なく全システムを初期化しようとした時、ドブはボブの人格を乗っ取ってしまったのだった。
初めて人間として生きるドブは、ラナと再会するもラナは以前のボブしか知らず、二度と会いたくないという。
それでも必死の愛が伝わり、二人は付き合い始める。
しかしドブの異変に気付いた管理者は、ビルのオーナーに人格乗っ取りの真実を告げ、あらっぱい方法でドブを消去することを決めるのだった。
・映画おすすめ 感想
ビルがスマート化した世界。
AI映画はたくさん見てきたが、まさかビルがAI化され、しかも見た目が完全にロボットとなった世界観は面白く思えた。
またAIと人間の恋というのは、悲劇的な結末が多い気がする。
ところが本作は疑問符はつくところではあるものの、ハッピーエンドで終わるので、見た後、考えさせられることはあまりない。
楽しく見られる映画である。
監督:デヴィッド・アサヴァノンド出演:マリオ・マウラー | ピムチャノック・ルーウィセートパイブーン | デヴィッド・アサヴァノンド
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この年、映画にとっては大きな変革の年となる
「ディクソンの挨拶」
・映画おすすめ 感想
本作は数秒たらずの映画ながら、キネスコープを使っている。
この年、エジソンがキネスコープを開発したことにより、映画は大きく前進した。
前年はまだ実験段階だったフィルムを使った撮影が、この年には映画として大きく飛躍し、作品数も伸びている。
これは人々が動く映像というものに感心を抱き、驚きをもって迎えた結果ではないだろうか。
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家庭用AIの突然の反乱
「ビッグバグ」
評価:★3,4
・映画おすすめ 物語
AIに依存しロボットがすべてを行ってくれる未来。
人々は気楽に暮らしていた。
ある家でもそうだった。
夫と秘書が浮気をし、娘と共に出ていった家に取り残された妻は、知り合った男と激しい恋に落ちる。
その男にも男の子がおり、一同に妻の家に集まることになる。
妻と妻の男は今すぐにでも肉体関係を持ちたいと思っていたが、そこに常に家庭用ロボットたちの邪魔が入る。
その家には4体のロボットがおり、人型の家事ロボット。タイヤ付きの掃除ロボット。癒しとなる小型のロボット。知識を教えるアインシュタインと呼ばれる頭部だけのロボット。
これらロボットは突然、住人たちを家の中に閉じ込めてしまう。
隣に住むおせっかいな百歳を超える老婆を加わり、なぜ閉じ込められたのか、脱出を試みるのだった。
そのころ、外の世界では新型のロボットが反乱を起こし、人間の世界を終わらせようとしていた。
そんなことよりも、住民たちは脱出を試みることで精いっぱい。
やがてそれぞれに愛情が芽生え始めるのであった。
・映画おすすめ 感想
映画には好き嫌いがあるが、この映画もそれが顕著に出る映画ではないだろうか。
監督は「アメリ」を制作したフランスの巨匠であり、本作も全編フランス語で制作されている。
世界観は監督独特の原色を使った、漫画のような世界であり、どこかレトロフューチャーな未来世界でもある。
またフランスの国柄なのか、やたらとセックスをしたがるし、恋愛になるとセックスに流れ込んでいく。
本作でAIの反乱とあるが、「ターミネーター」「マトリックス」などを連想してはならない。
あくまでシットコムをSFというまな板の上に乗せただけのことであって、SFを題材としなくても成立するシナリオではある。
監督ジャン=ピエール・ジュネ脚本ジャン=ピエール・ジュネギョーム・ローラン出演者ドミニク・ピノンエルザ・ジルベルスタインアンドレ・デュソリエアルバン・ルノワールイザベル・ナンティクロード・ペロンクレア・チュストステファン・ドゥ・グルートユーセフ・ハイディ
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貴重な現存するフィルム
「Traffic in King's Road」
・映画おすすめ 感想
この年に撮影されたフィルムがどれだけの本数あったのかは不明である。
しかし現存する数本のフィルムの中で記録映画として貴重な映画だ。
ある通りを映しているのだが、そこを通るのは馬車であり、当時の人々の姿を映し出されている。
戦争フィルムなどは後世にまで残されるべき映像ではある。
しかしこういった一般的な、日常を切り取った映像もまた、後世に残すべき映画の役割だと個人的には思う。
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ある日、ある場所で起こった事故
「チェンジング・レーン」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
やりて弁護士のギャレスは義理の父と共同経営する弁護士事務所で、その敏腕ぶりを発揮していたが、傲慢なところがあった。
ドイルは保険のセールスマンをしている一般的な男だが、アルコール依存症であった過去があり、妻とはそれで離婚し、親権を争っていた。
二人は同じ日に大事な日を迎え、裁判所に向かっていた。
しかし二人の車は軽い接触事故を起こしてしまい、幸いケガはなかったものの、ドイルの車は動かなくなってしまう。
慌てていたギャレスは、ドイルに小切手を渡し、その場を離れてしまう。
法廷についた時、ギャレスは大事なファイルをドイルに小切手と一緒に手渡したことに気付く。
ドイルは親権を争う法廷に遅れて到着してしまい、親権は妻の下へ渡ってしまう。
うなだれて裁判所の前を歩くドイルに、ギャレスはファイルの場所を聞くが、ドイルはゴミ箱に捨ててしまっていた。
絶望するギャレスは事務所へ帰り、共同経営者の義父に嘘の報告をする。
ドイルはファイルをゴミ箱から拾い出し、ギャレスへ連絡を入れるのだった。
ギャレスは脅されているものだと思い込み、ドイルの口座を凍結し、破産までさせてしまう。
ファイルを返そうとしていたドイルだったが、それを知り激しい怒りにかられる。
ファイルを返す変わりに口座を戻せ、とドイルはギャレスに迫り、ギャレスもなんてことをしてしまったと反省をし、裏に手を回して行った行為を改めることにする。
しかしドイルが決めた時間までに口座は元に戻らず、ドイルはギャレスの車のタイヤのねじを外し、事故を故意に起こすのだった。
だがドイルもまた自分が犯してしまった過ちに気付き、ファイルを改めて返そうとするも、今度はギャレスが子供たちの学校に嘘を吹き込み、ドイルに子供たちが事故にあったという連絡を入れる。
慌ててドイルは学校へ向かうも、ギャレスの忠告を本気にした学校側は警察を呼び、ドイルは逮捕され、妻からは子供には二度と会わせないと宣告されるのだった。
ギャレスは子供たちと母親の姿を見て、自分が本当に生きたかった人生を歩んでいるのか見つめなおすのだった。
ドイルもまた友達に人生を見つめなおすように叱咤されるのであった。
・映画おすすめ 感想
地味だけどすごい映画。
物語の大まかな流れとしては事故を起こしたエリート弁護士とサラリーマン。
二人はそれぞれに問題を抱えており、一つのファイルをめぐって、それぞれにトラブルを引き起こす。
ただそれだけの映画にみえるかもしれない。
だがそこには、人としての葛藤が描かれている。
一時の怒りに任せて相手に絶望的な状況を作り出してしまうが、やってしまってから自分がとんでもないことをしてしまったことに気付いてしまう。
そこから修正しようとするのだが、相手の憎悪に火をつけてしまう。
この繰り返しである。
途中、教会に入るシーンがあるのだが、もしかするとこの映画はキリスト教の教訓を現代風にアレンジして、かみ砕いた映画なのかもしれないと思った。
後半は特にその印象が強くなる。
先が気になってしかたがない映画である。
監督 ロジャー・ミッシェル脚本 チャップ・テイラーマイケル・トルキン(英語版)原案 チャップ・テイラー製作 スコット・ルーディン製作総指揮 ロン・ボズマンアダム・シュローダー出演者ベン・アフレックサミュエル・L・ジャクソン
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