人は愛する準備が出来ていない
「A.I.」
評価:★4,5
・映画おすすめ 物語
ロボットがあらゆる分野に参入し、セックスまでもロボットに頼るようになった未来。
ある企業は愛することを学習し、愛することを喜びとする子ども用ロボットの開発を進めていた。
しかしロボットがどれだけ愛しても人間の側がロボットを愛することができるのか。
疑問に思った企業上層部は、社員の中から1人の男を選んだ。
男は妻と息子の3人家庭ながら、息子は難病にかかり、冷凍睡眠で治療法を待つ身となっていた。
そこで子ども用ロボットの試作品を彼へ提供した。
家に子供の姿をしたロボットを連れてきた時、妻はロボットを愛することなどできない、と言い次の日に返す約束をする。
しかし子供と触れ合っていなかった妻は母としての愛情を次第に取り戻し、ロボットを愛するようになる。
だが実の子供の病気が治療に成功し、家へ帰ってくることになる。
そこからロボットとのすれ違いが起こり始める。
・映画おすすめ 感想
人間になりたいピノキオの物語。
本作の着想はピノキオであり、作中でもピノキオが何度も登場する。物語自体もピノキオを意識した作りになっている。
映画の原案はスタンリー・キューブリックである。もともとは原作をキューブリックが気に入り、70年代から映画化に向けて動いていた。
そして90年代には実際に映画化への準備段階や長年に渡って執筆していた脚本も完成していたという。
主人公の子供を本当のロボットにする案まであり、映画に長時間かけるキューブリックにとって、それは時間との戦いであり、結局、死去してしまい監督できなかった。
もともとキューブリックは自分が制作でスピルバーグに監督を任せる予定だったそうだが、スピルバーグがキューブリックのA.I.が観たかったために、断ったという。
しかしキューブリックの死によって、スピルバーグは忠実に映画化したという。
この話しを読んでいると、たしかにロボットにセックスという性の部分を絡ませてくるところが、キューブリックらしいとも思えた。
物語は感動的なものとなっているが、人間とペットの関係にも置き換えられる辛さもあり、何度か見ると、きっと印象が変わる映画だと思えた。
監督
スティーヴン・スピルバーグ
脚本
イアン・ワトソンスティーヴン・スピルバーグ
出演者
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