人は宇宙に不安をいだき、癒やしを求める
「アニアーラ」
評価:★4,5
映画おすすめ 物語
地球の環境が悪化し人類は宇宙へ移民することになり、巨大移民船アニアーラの出港の日が来た。
主人公はアニアラータでMRを使った地球を連想させ、不安感を取り除く装置の管理人、インストラクターとして、
移民船に乗り込んだ。
その初日に航海士の女性が気になり始める。
航行は順調かに見えた矢先、宇宙ゴミ、デブリが移民船に激突、燃料の放出で爆発だけは免れたが、
完全に航路を逸脱してしまい、宇宙の迷子になってしまう。
その頃から宇宙への不安感を抱く人々が主人公のところへお仕掛け始める。
年月は過ぎ去り、人々が巨大安定装置で心を癒やしていた矢先、感情を吸い取っていた装置が、
突然喋りだし爆発する事故が発生する。これにより彼女は禁固刑をかせられた。
彼女をかばおうとした航海士も同じく禁固刑になり、奇しくもそこで2人に愛が芽生えたのであった。
更に年月が流れ、2人は仮釈放的に作業に戻るようになっていたが、船の中はあれはじめ、
不思議な宗教団体までできはじめていた。
そこに参加した2人は見知らぬ男たちと体を重ね、航海士が妊娠してしまう。
年月がたち航海士は出産し、3人での新しい暮らしが始まっていた。
主人公は人々を癒やすため、別の形で地球を思い起こさせる装置を船長に内緒で独断で開発し、
ついに完成たその矢先、航海士は子供を道連れに自殺していたのだった。
・映画おすすめ 感想
最初は移民船の中で起こる人間模様、パニック映画の類かと思い観始めたが、
次第に物語は主人公の半生、人生に及んでいく壮大なドラマであることに気付かされる。
また主人公の職業がカウンセラー的な立場でありながら、宇宙に不安を抱き、女性に恋をする女性。
そこが現代社会を映し出しているようで入り込んでみていた。
人は目的地、目標を見失うと自堕落になる。どこか人生の落とし穴に落ちた気分になる。
それを見事に宇宙で迷子になるということで表している。
映画構成も見事だ。短期間を区切って、数年後の物語に入る。こうすることで長期に渡って、
移民船の環境がいかに劣悪なものになるかが見てわかる。
さらにカルト宗教の出現。これは見事であった。こういう閉鎖された空間で、頼るものがなくなった時、
人は神にすがる。それが見事に描かれていて素晴らしかった。
ハリウッドではまず見ることのできないスウェーデンの映画。本当におすすめです。
監督
ペラ・コーゲルマンヒューゴ・リリャ
出演者
エメリー・ヨンソン、ビアンカ・クルゼイロ、アルヴィン・カナニアン
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