狂武蔵
映画にちゃんとしているか、ちゃんとしていないか、という定義があるとすれば、おそらく本作はちゃんとしているとは言えない映画狂武蔵に属するだろう。
そもそも本作は、主演の坂口拓が一時期、俳優を引退する時に、引退興行ということで、一部の人に対して制作したのが「狂武蔵」であり、その当時、行き詰った自分の生き方と同じく苦境にたった武蔵を重ね合わせて、さらにワンカットで映画が紡がれるという今ではまずありえない作り方をした映画であった。
その後、映画狂武蔵は公開できる形ではなかったため、興行には乗らず眠っていたのだが、坂口拓が改めて俳優業を再開した際に、改めて向き合える状態になったことから、新にいろいろな人々の力によって、こうして公開されたのが本作である。
内容は宮本武蔵と吉岡一門の斬り合いを、前後に新撮影を加え、77分ワンカットシーンを見せている。
荒い。荒い映画狂武蔵だが今の映画、今の俳優にはできない演技がそこにはあり、本気の殺し合いがある映画である。
昔の時代劇にはこうした長回しの斬り合いがあった。しかしここまで本気の斬り合いは前代未聞であり、きっとこれからも作られることはないだろう狂武蔵。
最後に、本作はヌーベルバーグ全盛期ならば、大島渚などが作っていたかもしれない、リアルを追求した斬り合いである。狂武蔵
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