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年間500本を観た映画ファンの映画おすすめ  映画レビュー天と地と 感想


第52号「天と地と」

日本で最もお金をかけた映画。

制作費50億円。角川春樹氏が監督した歴史スペクタクル映画である。

渡辺謙さんが主演する予定だったが、白血病におかされ降板してしまい、角川春樹氏は次の候補として松田優作さんをキャスティングするも、スケジュールが合わず、結局はオーディションで俳優選びを開始した。

この時からこの映画にはなにかの不可思議な力が働いていたのかもしれない。

物語は上杉謙信を主軸に、第四次川中島の合戦を題材にしている。

お金をかけただけのことはあり、合戦シーンには大規模な人員を配置して、本当の合戦を見ているような気分にさせられるほどに、大迫力のシーンが続々と登場する。

とにかく人、人、人。黒い甲冑の軍勢と赤い甲冑の軍勢が入り乱れ、本当の人間で陣形を形成しているのだから、圧巻である。

ただこういってはなんだが、この映画にストーリーらしいものはない。撮影したいシーンをつなぎ合わせただけの印象が強い。

興行的にも成功とは言いがたいものとなってしまった。

けれども合戦シーンだけでもこの映画は観る価値がある。日本映画の底力を感じられる映画だ。

ただ渡辺謙さん、松田優作さんのバージョンも見たかった。



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