「パッドマン 5億人の女性を救った男」
2018年公開のインドの伝記映画である。
結婚している女性、あるいはパートナーといる女性に尋ねたい。
「もし自分の夫、彼氏がある日、生理用ナプキンの研究を始めたら?」
インドに住む男は女性と結婚して平凡な日常が訪れると思っていた。しかし妻が洗濯物を隠すのを見て、自分を避けるようになったことに疑問を抱く。それが女性の生理のせいだと知った男は、妻に女性用ナプキンをプレゼントする。ところが海外製の女性用ナプキンは高価で、妻は値段を見て返してくるように怒り出す。その矢先、務めていた工場で仲間が怪我をしてとっさに女性用ナプキンで傷口を抑え、近くに医者につれていく。仲間たちは、男が女性用ナプキンを持っていて変態か、とバカにするが医者はそれで傷口を抑えたことは、止血にも衛生的にも正しい判断だった、と主人公に言う。そこで主人公は女性の生理問題について医者と話をすると、実にインド人女性の12%しかナプキンを使っておらず、残りの女性たちは布を使いまわし衛生的に危険だ、と医者から聞く。
その日から妻のためにナプキンの研究に没頭する男だったが、妻にナプキンを渡しても、失敗ばかりで、妻はもうやめてほしい、と言う。しかし妻のために必死にナプキンの研究に没頭する彼だったが、とうとう妻に使ってもらえなくなった彼は、初めて女性の日を迎えた身内の娘に夜中、ナプキンを試してくれるように頼みに行く。そこを見つかってしまい、村で変態扱いされ、妻は家を出ていき、家族も彼のものを離れてしまった。
それでも村を出て各地でナプキンの材料や金を工面しながら、彼は研究を続けるのであった。
この物語は実話を元にしたフィクションでありアルナーチャラム・ムルガナンダムという実在の人物がモデルになっている。
日本も恋人同士や夫婦間で生理の問題を話すのは、ためらわれることもある中で、今はわからないが当時のインドでは男が女性の生理用品を作るなどあり得なかったときに、彼は妻のために研究して作った。
しかし全てを失ってしまったのだ。それでも彼が作り続けたのは、女性への尊敬、特に女性蔑視が根強い中央、中東アジア圏で、女性を尊ぶ心があったからこそ、続けられたのではないだろうか?
5億人の女性を救った男、とあるがインドだけではない。おそらく生理用品が高価で使えないアジア圏の貧困層の女性たちを彼は生理面でも雇用面でも救った。つまり10億単位で彼はきっと貢献した男なのだと思う。
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