「散歩する侵略者」
2017年公開の日本映画。
日本映画としては珍しく、宇宙からの侵略者を題材にしたSF作品になっている。
原作は同名の舞台である。
ある家庭で凄惨な事件が起こる。女子高生の娘が母親を殺害し、内蔵を引きずり出すという、異常事件であった。
時を同じくしてある男は妻と共に病院へと通院していた。男は記憶喪失なのかうつ病なのか、まるで身の回りのことができなくなり、妻の記憶すら曖昧になっていた。そんな夫に妻は苛立ちを覚え、浮気をしているのをごまかすお芝居だと思いこんでいた。
一方、女子高生が母親を殺した殺人事件を追いかける雑誌記者は、事件現場で謎の青年と出会う。青年は自分を宇宙人だと言い張り、人間の概念を奪うため、人間の肉体を乗っ取り、概念を強く思い浮かべたところを、奪い取るという。そして他にも人間の肉体をした仲間が地球に来ており、合流して人間というものを理解した上で、侵略をするという。
最初は馬鹿げていると記者はまともに受け取らなかったが、青年と一緒に行動している内に、殺人犯の女子高生も異星人であり、もうひとりと合流することを目的に動き始めた。
そのもう1人である男は、妻とギクシャクしながらも、次第に心を通わせ始める。
だが日本政府は侵略に気づき、自衛隊、諜報組織を動かし、異星人抹殺を開始する。
日本映画で宇宙船が空に現れる。宇宙人と自衛隊の戦闘。そういったものが現実問題、難しい中で本作は本当によく考えられている。
間違いなく本作の中では宇宙人の侵略は迫りきているし、それが身近な人々を通して行われていることに、リアリティを感じた。一気に街上空に宇宙船でくる、ハリウッド式の侵略はもちろん迫力がある。だがリアルに侵略というものを考えたとき、この方法は実に効率がいいのではないだろうか?
新型コロナウィルスを経験した人間にとって、この侵略は余計にリアルに感じられると思う。
PR
映画ランキング
コメント