第49号「デューン」
SF小説界の金字塔シリーズ「デューン」を原作とした映画である。
この映画、昔からハリウッドでは幾つもの企画が浮上しては映像化不可能となっては消えている。
特に有名なのがホドロフスキー監督が企画していたデューンであろう。
アレハンドロ・ホドロフスキー監督は、それまでにカルト映画のカリスマとして、形容しがたい映画を幾つも撮影してきていた。その監督が企画したのが、ハリウッド史上最大の失敗、と言われ現在までも語り継がれるデューンの企画である。
スタッフを各ジャンルのカリスマと呼ばれる人々を集め、出演者も俳優ではなくミックジャガーや画家のダリなどをキャスティングし、12時間を越える映画とする予定となっていた。
現在もいくつかのデザイン画が残っている。それらはスターウォーズを企画していたジョージ・ルーカスの目にとまって、世界観の元になった、とも言われているが真相は定かではない。
またスタッフの一部は後に「エイリアン」を制作している。
実現していれば、スターウォーズの前に映画業界を変え、SFの概念をきっと変えていた作品になったであろうが、企画段階でボツになってしまい、それから幾度と映像化が浮上しては消えていった。
そしてついに1984年、デヴィット・リンチ監督によって映画化された。
ところが映画ファンなら知っての通り、この監督の映画は正直悪趣味的要素が強く、SFファン、原作ファン、原作者自身からも不評を受けてしまい、さらには4時間を越える超大作のはずが、編集で多くの部分がカットされてしまう運命をたどってしまう。
悪趣味が幸いしたというか、根強いファンが今もいるし、私も嫌いではない。だが一般受けしないのは、見るとすぐに理解してもらえると思う。
物語は帝国が支配する宇宙。香料と呼ばれる特殊なものを吸収し続けると、超能力が発現する世界で、その香料が採掘される砂漠の惑星デューン。
そこを手中にしたいハルコネン男爵。そして主人公ポールはその陰謀に巻き込まれて行くのだが、やがて救世主として目覚めていく。
ミック・ジャガーが演じる予定だったフェイドを歌手のスティングが演じるなど、ホドロフスキーの案も一部に取り入れられてはいるが、強引に編集されたせいもあって、非常に分かりづらいというのが感想である。
シリーズはこちらから「1・2・3」
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