「鬼火」
1963年製作のモノクロ、フランス映画。
監督はルイ・マル。
ヌーベルバーグを調べていると、もちろんゴダール、トリュフォーの名前が一番最初に登場するのだが、SNSでヌーベル・バーグ監督を訪ねたところ、ルイ・マルの名前が出てきたので、調べてみた。
ヌーベルバーグに広義の意味、つまり1960年代、70年代に新しい映画運動を造った人物の1人としては確かにルイ・マルの名前は挙げられる。しかし狭い意味、つまりゴダールやトリュフォーのように、特定の雑誌との関わりがあったという意味では、彼はまったく関係なく、個人で作家活動を続けていた、映画監督といえよう。
本作はあるアルコール依存症のある男が、拳銃をその手に持ち、自殺する日を決めてからの48時間を描く。昔なじみの友達と食事をして、旧友と語らい、酒を飲んで意識を失う。そんな2日間。彼はしかし決意を帰ることはできなかった。
ヌーベルバーグという言葉で難しい、というイメージがある人もいるだろうが、若者の行き場をなくした想い。それが個人的なヌーベルバーグのイメージであり、本作はまさしくその真髄である。
日本で言えば「狂った果実」「太陽の季節」などがその部類にはいるが、本作は実に淡々と描かれる中に、主人公のどこか達観した様子が観えてきて、最後の結末もなんだか受け入れてしまう自分がいるのに気づく。
モノクロで当時の60年代のパリを映し出した美しい映画である。
価格:2,269円 |
映画観るなら<U-NEXT>
PR
映画ランキング
コメント