第46号「ブレードランナー」
SF映画ランキングを制作すると決まって、「2001年宇宙の旅」とトップ争いをするのがこの「ブレードランナー」である。
正直、ハリソン・フォードの映画と言えば「インディージョーンズ」だった私には、縁の無い映画だった。
しかし多くの作家がこの映画のパロディーを行っている。
敬愛する漫画家の原哲夫氏も、自身の作品内に同じカットの同じシーンを描いているし、押井守監督もアニメ「うる星やつら」のエピソードにブレードランナーと類似したシーンを制作している。
そこから興味をもってこの映画を観賞したのだ。
物語は酸性雨が降り続ける摩天楼並ぶロサンゼルス。レプリカントと呼ばれるアンドロイドが地球へ5体侵入し、一体は殺害され、一体は作成者の元におり、残りの逃亡した三体をハリソン・フォード演じるデッカードが追跡していく。
しかしレプリカントを製造するタイレル社に居た女性レプリカント、レイチェルはデッカードの家へと向かう。そこで二人は肉体関係となり・・・・・・。
リドリースコット監督がメガホンを取ったこの映画、ドキュメンタリーによれば、映画の内容通り、常に雨のシーンの撮影ばかりで、湿度がひどく、夜のシーンも多く、スタッフは全員、鬱々とした気分で撮影したとのことだ。
そのせいか、雰囲気は十二分に映画内ににじみ出ている。
またこの映画にはバージョンが複数存在する。
これは監督とプロデューサーとの不仲によるもので、初回の映画にプロデューサーが無断で違うシーンを入れ込んだことがきっかけで、複数、作られることとなり、ファイナルカット版で一応、今のところは終わりのようだ。
ちなみに余談だが、SF作家のウィリアム・ギブスンはこの映画を見た際、自分の次回作の世界観をそのまま再現していることに驚き、悔しくなり、映画館を涙しながら出て行ったそうだ。
この作家こそ後にサイバーパンクという作品世界を形成する作家である。
そしてこれらの世界観を構築したのは、世界的に有名なフランスの漫画家メビウスというのもまた、クリエーターの系図と言えるのかもしれない。
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