映画おすすめ 『ゴルゴ13』1973年|映画レビューズ
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映画おすすめ 『ゴルゴ13』1973年

「ゴルゴ13」

 
注意:ネタバレ、長文
 
1973年公開の高倉健主演、佐藤純彌監督によるゴルゴ13では初の映像化作品である。
 
物語は国際的犯罪組織のボスであるボアをテヘランで追っていた某国の秘密警察は、次々に姿を消していた。いつまでもこうした状況では部下を失い、さらにテヘランで逮捕したとしても、国籍を持たないボアを連行することはできないことから、秘密警察はボア殺害を計画し、世界一の殺し屋ゴルゴ13に依頼したのだった。
ゴルゴはイランに入国、早速、ボアの居所を探り始める。そのころ街では20名もの女性が無差別に誘拐される事件が発生しており、ゴルゴはこの事件がボアにつながるのではないか、と追いかけ始めるが、同時に現地警察も動きはじめ、謎の東洋人が殺人事件を起こした、とゴルゴを追い始めるのだった。
 
本作は原作者の、さいとうたかをへ東映が話を持ちかけたところ、さいとう本人はあまり映画化の話に乗り気ではなく、無理な条件を出せば諦めるだろう、と「主演は高倉健。オール海外ロケ、高倉健以外は全員外国人俳優」という無茶苦茶な条件をつけた。これを東映はなんと実現してしまい、さいとうたかをはだったらと脚本と演出まで指定した。
 
こうして撮影開始された本作はイランとの合作映画となり、イランでオールロケ、現地の俳優を使い本当に高倉健以外外国人俳優で作られた。
 
しかし演出面ではさいとうの意図と監督の意図がまったく違い、完成した本作にさいとうは不満を抱いていた。
 
これに監督は「漫画は長期間かけて物語を作って面白くできるが映画は2時間の枠に収めなければならない。それなりにドラマがなければ面白くない」と主張していた。
 
原作を知っている個人としては、たしかに映画のゴルゴはどこか原作のゴルゴと違う。それに途中で原作のゴルゴならば標的を殺害していただろう。
 
まあこれは映画と漫画というフォーマットの違いであるから、どうしようもできないことではある。
 
基本的に漫画、アニメの実写化に関して否定派の私。この映画は意外と面白く観られたかな。

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