「ウォッチメン アルティメットカット」
ここで何度となく本作にかんしては書いている。それはあくまで日本公開、日本発売のソフトを元にしたものであり、2009年公開直後、本国アメリカではディレクターズカット、アルティメットカットが発売されていたが、日本では発売されることはなかった。
しかし10年の歳月を経た2019年の年末、ようやく日本でソフト化されて、日本人にも映画版ウォッチメンの真の姿を表した。
物語はヒーローが実在するアメリカ。最初は警察官たちが法律外で活動するために、覆面をして自警団活動を開始したところから始まり、犯罪者たちも仮装を始めたことから、ヒーローが世界を守るようになった。
中には実験の最中に素粒子分解したものの、再構築された肉体は、過去、現在、未来を見通し、素粒子を自在に操ることのできる超人になったものも居た。
このことで、世界の歴史は大きく変わっていく。アメリカはヒーローによって世界を動かし、ベトナム戦争にも勝利した。
しかしヒーローたちにも闇があり、次第にそれが表に出てくると、ヒーロー不要論が国内では論議され、ヒーロー禁止法までも制定されていた。
そんな中で東西冷戦の真っ只中、核兵器使用が迫っていた。
そして1人の男が殺される。コメディアンというヒーロー活動をしていた男で、デモの鎮圧、ベトナム戦争従軍など、ヒーローとして表向きは華々しく見える活動をしていたが、行動は粗暴で、ベトナムで妊娠させた女を銃殺。でも鎮圧では市民に銃撃。ヒーロー仲間の女性をレイプ未遂するなど、何が正義か分からない人物だった。
彼の死をきっかけにロールシャッハという覆面のヒーローがヒーロー狩りが始まったと捜査を開始する。
それは各ヒーローの心の闇をえぐることになっていく。
アルティメットカット。3時間30分。もはや別の作品になっている。
もともと作品の原作はアメコミ史上最高傑作とまで言われる名作で、昨年までスーパーマンなどの世界とつなげる大型イベントを漫画で行っていたほど、今も語られ続けるコミックだ。
それを映画化したということもあり、かなり複雑なプロット。ヒーロー映画とは言い難い、生々しく描かれる人間たち。
過激な暴力表現。本作はそれを更に追加したような感じになっている。
途中にアニメが入り込むのだが、もはやグロテスクアニメである。
しかしザック・スナイダーという監督はここまで複雑で映像的に入り組んだ作品を作っていたとは思わなかった。
近年のジャスティス・リーグ議論で注目を集めている監督のいわばヒーロー映画の1つの形がここにある。
それにしてもこの映画、ぜったいアルティメットカットを見るべきだ。
というよりもなぜ会社側はいつもスナイダー監督の映画をカットするのか?
バットマンvsスーパーマンも後にアルティメットカットが発売されたが、絶対、アルティメットカットの方が話が伝わってくる。
ジャスティス・リーグなどは、スナイダー監督版は1時間30分も長いそうだ。本作よりも更に4分長いというのだから、ヒーロー映画でおそらく最長の映画になるはずだ。
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