「アビス 完全版」
1989公開、ジェームズ・キャメロン監督作品である。
後に完全版が制作され、現在では完全版が主流となり、公開版の入手は困難になっている。
注意:ネタバレ、長文
油田開発をするチームが水中基地で作業をする近くの海域で原子力潜水艦が挫傷する事故がおこる。採掘作業をするバッドたちの元に、事故処理ためにやってきたのは、コフィ率いる軍人たちと、バッドの妻で今は別居中の海洋学者リンジーだった。原子力潜水艦を調査するチームとして派遣されたリンジーたちだったが、コフィはソ連が潜水艦を破壊したと思い込み、報復を企み、搭載されていた核弾頭を持ち帰ろうとする。それを知ったバッドたちは阻止しようとするが、精神に異常をきたしたコフィは爆発させようとする。それを阻止したバッドとリンジーだったが、海中基地に戻れなくなってしまう。
ジェームズ・キャメロン監督を語る上では欠かせないこのアビス。監督は海洋冒険家としても知られており、アバター撮影後、自ら世界最深部の海溝に潜水艇で潜ったときのドキュメンタリー映画も制作している。
監督は子供の頃から宇宙と深海に興味があったそうだ。
その1つの集大成がこのアビスなのだろう。
映像的に新しいことを開発しなければ、映画を撮影しない監督だけあり、本作でも水の表現にVFXを使うなど、映像の表現を追求している。
また宇宙生物の表現も素晴らしい。
そしてなによりこの映画のすごいところは、水中呼吸ができる液体が登場することである。
人は水中で呼吸はできない。それは酸素が人間に必要なぶんだけ水の中にないからだ。もし液体の中に人が呼吸できるだけの酸素料があれば、人は気体であれ液体であれ呼吸できるそうだ。
それをこの映画は実際にやっている。
しかしこの映画、個人的にすごく好きな詰め込みすぎ映画に数えられる。
前半は原子力潜水艦探索の海底サスペンス物なのだが、後半は狂乱した兵士のサイコスリラー、海底のラブストーリー、原爆阻止のための自己犠牲、宇宙生物とのコンタクトと反戦メッセージと詰め込めるだけ詰め込んだ映画になっている。
だからなのかあまりこの映画、思い出せないのだ、何度見ても覚えられない。それだけ濃縮されている。
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