「アラモ」
1960年公開の「アラモ砦の戦い」を題材にしたアメリカの歴史映画である。
主演のジョン・ウェインが監督もつとめている。
注意:ネタバレ、長文
物語の前提として本作はアメリカの歴史。テキサス州がメキシコから独立する戦争とその後、メキシコ領土であるアメリカ大陸西側を領土とし、アメリカ合衆国となったことが歴史的背景にある。
なおこの映画の時点で西側の13州はイギリスから独立しアメリカ合衆国となり、中部はフランスの植民地であったがナポレオンより買い上げてアメリカとなっている。
テキサスはメキシコの領土であったが、ヒューストン将軍率いる独立軍がテキサス共和国へ向けて戦闘を開始した。しかし軍備も人員もメキシコ軍の方が圧倒的に巨大で、独立軍には軍備と人員を整える時間が必要になっていた。
そんな中、元は教会であったアラモ砦をメキシコ軍から手にした独立軍は、砦部隊としてウィリアム大佐をアラモ砦へ向かわせる。そこへ軍の規約に反抗的なボウイ大佐、地元では英雄で武勇伝をいくつも持ち、元は議員だったクロケット大佐が加わる。
多勢のメキシコ軍を相手に、夜襲などをかけて戦況はアラモ砦守備隊に優位に見えた。しかし援軍として加わるはずだった部隊がメキシコ軍の奇襲を受けて到着できず。ヒューストン将軍の本隊が整うまでアラモ砦守備隊は時間稼ぎをしなければならなくなる。
義勇軍であるクロケット、ボウイの両名部隊をウィリアム大佐は立ち去ってもいい、と命令を下すのだが誰一人として立ち去る者はなく、決戦の朝を迎えるのであった。
映画で学ぶアメリカ史、ということで「パトリオット」で独立戦争を行い、イギリスから独立したアメリカは、中部をフランスから買取、領土拡大を目指す。そんな中で西側は未だメキシコ領土であり、その最前線がテキサス共和国を目指すテキサスであるわけだが、正確にはこの映画の後にテキサス共和国は誕生し、アメリカ合衆国へ統合されていくことになる。
イギリスからの独立戦争の後、アメリカでは外から入植してきた者とネイティブ、つまりインディアンとの戦闘が繰り返されている。それもまたアメリカの真実だが、対外戦として見た時に、独立戦争の次はメキシコとの戦争かな、と思い本作を観た。
この映画は本当にすごい。アメリカ映画がまだ力を持っていた時代だけあって、大規模な人員の動員。ダイナミックなシーンの連続が続く。
西部劇の1つに数えられることも多いこの映画は、3度映画化されていて、本作しか観ていないが、本作に限った感想としては西部劇ではなく戦争映画である。
誰が英雄でも、誰が悪人でもない。自由のために戦い、全滅を覚悟で砦で戦った戦士たちの物語。
ジョン・ウェイン映画は実は初めてで、西部劇はイーストウッドばかり観てきたのだが、ウェインの風格はなんとも言えない雰囲気があってすごい、としか言いようがない。
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