「エベレスト」
注意:ネタバレ、長文
2015年公開のヒューマン映画である。実際に起こった1996年のエベレスト史上類を見ない遭難事故を題材にしている。 日本の難波康子さんも、世界で7人目の七大陸最高峰登頂を成し遂げるも、直後にこの事故で亡くなっている。 民間登山会社のロブは、登山家からお金を募ってパーティを組み、登頂する商業登頂を行うコーディネーターだった。この年もロブは複数の人物から資金を集め、登頂へ挑もうと高原で体をならしながら準備をしていた。ところがエベレスト登頂の際に複数のパーティが1つのロープに集まってしまい、混雑するという事態が起こった。少しのミスが命の境目となるエベレストでこれは大きな問題となり、ロブは同業者のスコットのパーティと一緒に登山を開始することを話し合う。 こうして登山は開始された。途中で脱落者もなじながらなんとか登頂に成功する面々だったのだが、エベレストに嵐がやってくる。さらに酸素ボンベの残量不足という最悪の事態となり、次々とパーティの面々は倒れていくのだった。 2016年にもエベレストでは雪崩で複数人の犠牲者を出しており、それまではこの事故がエベレスト史上最大の遭難事故とされていた。 様々な批判があることもあるが、人はなぜ山に登るのか。毎年、多くの人物がエベレストへ挑む。そして複数の命が失われている。 エベレストではゴミも人の遺体も回収することはできない。あまりの高度で遺体回収もゴミの回収も不可能だというのだ。 自然というものの前で、人はあまりにも無力だ。それでも人はエベレストに登り続ける。 山は登って降りるまでが登山。愛する者のところへ帰る。それができてこそ本当の登山ではないかと私は個人的には思うのだが、この映画を観ていると、その先に、命をかけてまで登らなければならない何かがあるような気がしてならないのだ。 3Dで上映され、映像ばかりが話題となった本作だが、多くの俳優が出演している。そのことからも、この事故は絶対に風化させてはならないという想いが詰まった映画である。
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