「ムーンライト」
注意:ネタバレ、長文
2016年公開のアメリカ映画である。当年のアカデミー賞において8部門にノミネートされ、作品賞を含む3部門で受賞している。
人はなぜ生きるのか。生きている意味はあるのか。
自分とは何者で、なぜ自分はこうなってしまったのか。
黒人少年はいじめられていた。オカマとバカにされ、追いかけ回され、悲痛な毎日を送っていた。それを救ってくれたのは、薬物の売人をしている男だった。母親が薬物に溺れ、男をとっかえひっかえする中で、信じられる大人は彼だけしか居なかったのだ。
しかし母親が薬物におぼれているのは、実はその男が売っている薬物だったのだ。
やがて少年は思春期を迎え、それでもいじめられる日々は続いていた。しかし唯一の友達だけは彼をいじめずに、月明かりの中、2人はキスをする。だが翌日、いじめの中心的青年が主人公を殴るように友達に命令する。友達は自分を守る意味を込めて主人公を殴る。これに怒りを爆発させた主人公はいじめの主犯格を椅子で滅多打ちにして逮捕されるのだった。
やがて青年から大人になり、主人公は母を蝕んでいた薬物を売りさばく売人になっていた。そしてあの唯一の友達だった男から電話がかかってくるのであった。
個人的に最近、性別というもの、男や女というものを考える機会が多く、同性愛という言葉が当たり前になりつつ今、性別というものが曖昧になってきている。
だからこそこの映画に意味があるような気がする。
自分が何者なのか。自分はただ本当の自分でありたいと願うのに、周りは許してくれない。
そして薬物の連鎖。自分を救ってくれた男は売人だった。しかも母に薬物を売っていた。それでも恩人である彼。やがて自分もそうなっていく。
きっと現実でも同じように循環していくのであろう。
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