「アルゴ」
注意:ネタバレ、長文
2012年のアメリカ映画であり、実際に発生した1980年のイラン国アメリカ大使館人質事件を題材にしている。
物語はイランで反体制派が革命を起こす。これに危機感を抱いた国王は国外に逃亡し、それをアメリカが匿ったことから、イランのアメリカ大使館が選挙され、多くのアメリカ人が人質にされた。しかしこの時、大使館を離れていた6名のアメリカ人がカナダ大使公邸に避難していた。イラン人たちはこのことを知らず、この間にイラン国内から6名を救出することをCIAが画策する。
そこにトニー・メンデスという職員が奇抜なアイディアを提示した。「アルゴ」というSF映画のロケ地を探しているという名目でイラン国内に入り、6名をスタッフとして国外へ連れ出すというものだった。
この作戦に向け、トニーは本当の映画会社、映画企画、プロデューサーを雇い、作戦は決行されることになる。
本作は実際に起こったイラン国内でのイラン革命による人質事件を題材としており、長年、この人質事件の6名を助け出したのはカナダということにされていたが、近年になりCIAのトニー・メンデスが面白い作戦を実行していたことが明るみに出て、これをジョージ・クルーニー、ベン・アフレックらが映画化したのが本作である。
まずこの映画の面白い点は、トニーが作戦を考えつくところである。人質救出という迅速かつ精密さを要求される作戦を立案する際、スター・ウォーズのファンだった息子と電話で話したトニーが作戦を思いつく。これはSFファンからするとすごく嬉しいシーンでもあった。
そしてSF映画、架空とはいえスタッフを集めるシーンはコメディタッチで面白く、内容がシリアスだと思っていたら、前半はオーシャンズ11のようにテンポが良かった。
これとは対照的に後半は命のかかった作戦になる。冗談のような本当の作戦で6人の命を救出するのだから、最後は本当に緊迫した状況に、リアルを感じた。
本作はこの年のアカデミー賞、作品賞を受賞するなど評価がいい。
その反面、イラン国からは「革命の背景が描かれていない」という批判もあり、改めて別の映画でそうした背景を描くことが発表されている。
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