「シャイニング」
注意:ネタバレ、長文
スティーブン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督の名作ホラー映画である。
物語は作家でありながら書けず、臨時教師をしていたジャックは、妻と息子と3人で、山の上にある展望台ホテルの管理人として雇われ、冬の間、施設の管理を泊まり込みで行うことになる。
だが息子のダニーは霊感のような超能力のようなものがたり、ホテルでの恐怖の体験を察知する。
それでもホテルに移った親子。ジャックはそこで新作を書こうとし、妻は新作を望んでいた。しかしジャックはそんな妻に嫌気が差し喧嘩になる。
そんな中で次第に息子のダニーは変調をきたし、ジャックは誰もいないはずのバーでバーテンに酒を振る舞われ、消して近づくなと言われた237号室で、ジャックは裸体の女性とキスをするがそれは腐敗した女性に変貌してしまう。
やがてジャックは壊れていく。
この映画、世間ではホラーと呼ばれているし、ホラー映画として制作されたのは確かなのだろうが、ものすごく芸術性が高い映画である。
映像はシンメトリーで統一され、ホテルもどこか美術館に見えるし、音楽も荘厳で、ホラー映画としての恐怖感もありつつ、どこかホテルが異次元に見えるような音楽でもある。
キューブリックの映像美が本当に現れていて、すべてのシーンが計算されているように見えた。
物語的には実はキングとキューブリックは喧嘩になっている。映画は原作とほとんど違うあらすじになっていらところがキングは気に入らず、完成した映画を酷評している。後にドラマを制作する際にキューブリックから批判しないことを条件に版権を受け取り、キングは自ら脚本を書いて、ミニドラマを作った。
2001年宇宙の旅でもクラークと喧嘩したキューブリック。それほど完璧主義であり、個人的には小説というフォーマットから、映画映えする物に作り変えたと思っている。
シャイニングはあらゆる映画監督に影響を及ぼし、それを羅列すると書ききれないほどだという。スターウォーズが間接的にいろんな文化に影響を与えたように、シャイニングもそういう偉大な映画の1つなのだろう。
物語の側面から私としての意見として、これは幽霊に憑依された、ホテルが殺人現場だった。ジャックが凍死した。そう見られるのが一般的なだが、どんなふうにも取れる映画だと思った。
ホテルが呪われた場所にも見えるが、それは主人公一家の勘違いにも見えるし、ジャックは憑依されたように見えるが、仕事で心が病んでいったようにも見える。ダニーは超能力者にも見えるが、統合失調症にもみえら。ジャックは凍死したようにも、狂って死んだようにもみえる。
見方を変えると本当にどんなふうにも見える。これはキューブリックがそうしかけた罠であり、最後の写真1つとっても、様々な解釈ができる。
それだけ偉大であり、見た目だけじゃない映画だと感じた。
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