「ダンケルク」
戦争が始まった時点で、人類の敗北は決まっている。
勝利者がいるとすれば、兵器屋の銀行口座だけだろう。
ダンケルク。
第二次世界大戦、イギリスを中心とするヨーロッパの諸国連合は、ドイツ軍にダンケルクという浜辺まで追いやられていた。
やむなく連合軍は撤退を命令する。しかし船の数が足りず、民間船に救助要請をする。
これが史上空前の撤退作戦の始まりだった。
物語は様々な兵士、民間人の目線から様々な時間軸が行き来して物語は進行する。
クリストファー・ノーラン監督が自らの映画やドラマに出演した馴染みの俳優たちを集め、史実を陸海空と再現している。
監督はCGに頼らない撮影で有名だが、本作もリアルを追求しているのが伝わってくる。
ただ淡々と戦争を描き、他の戦争映画のようにグロテスクなシーンはあまりなく、ドキュメンタリー的な側面もある。
私が何より感じたのは、ノーラン監督はトム・ハーディが本当に好きで、どの監督よりもかっこよく撮る方法を心得ている。
ダークナイトライジングのベイン同様、ほとんど顔が見えないのだが、それでも決めるときは決める。最後は彼がこの映画を閉めている。
傑作だ。間違いなく傑作だ。
ただインセプションのときのように、観客を混乱させる映画になっているのが、ちょっと残念だった。
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