1人大映特撮祭り
「ガメラ対バルゴン」
大映がゴジラに対抗して制作しようとした大群獣ネズラの失敗から、次の怪獣映画として制作されたのが、このガメラシリーズであり、その第二作目にあたる。
前作はモノクロで特撮というものを知らない大映映画人がようやく作った。その成功から、大映永田雅一社長は大作規模の予算を出し、ガメラシリーズで一番、制作費がかかった映画となった。しかし永田印はガメラではこれが最後となり、次からは予算が減らされる一方となっていく。
物語はガメラ唯一、子供が登場せず、戦時中、オパールを隠したとする男のもとに集まった男たちは、一旗揚げるべく、オパール探索に向かうのだが、オパールはバルゴンと現地で呼ばれる怪獣の卵であり、それが孵化し、大阪を襲う。
その頃、熱エネルギーを吸収して地球上を飛び回っていたガメラは、バルゴンの熱エネルギーにひかれて大阪に現れるも、凍らされてしまう。
一方、オパールを探索に言った男たちも争い会い、1人は現地で死に、主人公も岩の中に埋められるのだが、現地人に助けられ、日本に向かう。
生き残ったあくどい1人の男は、計画を立てた男とその妻を怪獣が暴れる街に置き去りにして、1人逃げていく。
特撮は正直、当時の東宝のゴジラシリーズとは比べ物にならないほどだ。だがお金がかけられていることだけは分かる。やはり永田印の映画は、規模がでかい。
「大魔神」
ガメラ対バルゴンと同時上映という、日本映画史上初めて特撮映画を二本立てで上映した偉業である。
ガメラが東京撮影所で作られ、大魔神は京都撮影所で制作された。座頭市、眠狂四郎など数々の時代劇を作ったベテランたちが参加し、時代劇シーンに無理はない。またこちらは本格的に永田印で作られた映画だけあって、オープンセットは大きく、エキストラも大勢出てくる。そこに当時としては珍しいブルースクリーンの登場だ。前年、日米合作映画を大映は撮影しており、そのアメリカでの合成ノウハウをこの映画でも発揮したのだろう。
また大魔神の大きさは4メートルとリアルに作られ、セットの破壊、雷、地割れと神がまさしく怒り大暴れをする。
日本最大の変化球特撮映画だと思っていたが、あまりに時代劇パートと合税が見事なだけに、大映の凄さを改めてしった。
ただこのためにブルーバックを購入したのは良いのだが、妖怪シリーズなどで使う以外、使いみちはなかったそうだ。
「妖怪百物語」
ガメラシリーズ、大魔神シリーズに続く特撮シリーズとして、妖怪ものを手がけた大映は、もちろん時代劇をその主題とした。時代劇で豪華なセットこそが大映の本領発揮だからである。
舞台は長屋。その持ち主は30両の借金から長屋や、長屋の近くにあるお宮まで破壊されようとしていた。
そんなある盤、やはり問屋とぐるになっていた悪代官が酒を酌み交わし、百物語をするも、その物語の最後でお祓いをしなければならないのに、お祓いをしなかったことから、その周囲で不可思議なことが続々と始まりだす。
古典的なから傘お化け、のっぺらぼうと昔話を映像化したような話と、テレビ時代劇でありそうなヒーロー侍の話を合わせたような内容は、斬新で面白かった。また妖怪造形が非常に良く、東宝とは別の路線を行こうとしているのがすごく理解できて楽しめた。
大映は豪華絢爛時代劇。いやいや特撮もなかなかいけますよ。
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