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本日の映画レビューは、実際の事件を題材にしたこちらの映画。
第155号「キャプテン・フィリップス」
《キャプテン・フィリップス 概要》
2013年製作のこちらのキャプテン・フィリップスは、2009年に実際に起こった「マースク・アラバマ号事件」を題材にした伝記映画である。
実在の人物リチャード・フィリップスを演じるのは、アカデミー賞の常連、トム・ハンクス。
《キャプテン・フィリップス 物語》
リチャード・フィリップスはマースク社のベテラン船長として、ソマリアへの物資輸送をするべく、オマーンへと向かった。空港で妻と別れ、オマーンのサラーラ港へ到着する。
そこには大型の輸送タンカーが荷物を載せ、船長の到着を待っていた。
フィリップスは乗船するやいなや海賊用の施錠、ドアのロックなどが甘いことを指摘する。
出航後も乗員の休憩時間が長いと指摘するなど、真面目に職務と責務をまっとうしていた。
その頃、ソマリアの漁師ムセは、上司に仕事の命令を受け、海賊行為へと出向しようとしていた。
ソマリアではその場でメンバーを選び、海賊行為を行う。
ムセはノール、ワリド、10代のアダンを選び、自分の舟に乗せた。
大きな舟に他の海賊たちと乗り、獲物の船が近づくと、小型ボートで獲物に乗り込み、金を盗む。それが海賊たちのやり方だった。
フィリップスはソマリア沖での海賊行為が頻発しているニュースを目にすると、翌朝、抜き打ちで訓練を実施する。
しかしそこへ謎の船が二隻、接近してきたのだった。
ーキャプテン・フィリップス ネタバレー(ドラッグして見てね)
速度を上げて波を起こし、接近する船から逃げるフィリップスは、無線が傍受されていることを知って、救出がくるかのように演出をする。
これに一隻の船は逃げて行くも、ムセが指揮するボートを速度を上げてタンカーへ接近してくる。
タンカーの速度を更に上げ、引き離すフィリップス。ムセはボートの速度を上げさせるもエンジンが故障、フィリップスたちを逃してしまう。
大型船に帰ったムセは、もう一つのグループのエンジンをよこせと言うが、銃を突きつけてくる別ボートのリーダーをレンチで殴りつけ、強引にエンジンを奪い、ボートに設置する。
翌朝、再びフィリップスたちのタンカーへムセのボートが接近、海賊に襲撃されたことを無線で知らせ、フィリップスは乗員をエンジンルームへ隠し、タンカーの周りから放水をして海賊を退けようとするも、ムセたち4人は強引にタンカーへと乗り込み、フィリップスの居る操舵室へ入り、銃口を突きつけた。
フィリップスは居合わせた面々に抵抗しないよう促すと、ムセと話をする。
食料品を運んでいることを伝え、金庫に3万ドルがありそれを受け取って船から下りるようにフィリップスは促すも、ムセはそれでは足りないといい、他の乗員を全員、操舵室へ集めるように命令する。
フィリップスは無線で海賊達を誘導することを船員に伝え、船内を案内する。
船員たちは船長の指示に従い、エンジンルームの入り口にガラスを巻き、裸足のアダンに怪我を負わせる。そしてタンカー内部の電源を落とし暗闇にする。
ムセはアダンとフィリップスを操舵室へ戻し、自ら1人でエンジンルームを調べる。すると隠れていた船員たちはムセを捕まえ、船を下りるように訴える。
これを無線できいたフィリップスは、タンカーの避難船で立ち去るように訴える。
エンジンルームから出てきた船員とムセだったが、避難船へ海賊達が乗り込もうとした時、キャプテン同士を交換すると海賊たちは言い始め、フィリップスを避難船へ押し込めてしまう。
船員はムセを開放すると、フィリップスに避難船から出るように声を掛けた直後、海賊たちはフィリップスを暴行、ドアを閉めると船を出し、フィリップスを人質としてソマリアへ帰ろうとする。
海賊の元締めは、フィリップスを人質に金銭交渉することを決め、ムセにソマリアへ帰るように命令する。
だがアメリカ海軍が船へと接近、フィリップス船長救出作戦を開始する。
極限状態の狭い船内で、フィリップスは海賊たちの隙をつき逃げようと海へ飛び込むも、失敗してしまう。そして銃が頭に突きつけられた時、海軍から無線が入る。交渉の準備ができたと。
海賊たちの1人が軍艦へ来て、ソマリアの族長たちも出席して金銭交渉を行うと言われ、ムセが軍艦へと向かう。
その後、精神的に限界に達したフィリップスが海賊たちともみ合いになり、そこを海軍は一斉狙撃、残りの海賊たちを射殺した。
ムセは軍艦内部で拘束され、アメリカで裁判に掛けられることに。
フィリップスは救出された後、軍艦内部で看護しの治療を受けるも、混乱状態から抜け出せず、看護師の声にもしどろもどろ。だが落ち着きを取り戻し、横になると一気に涙が溢れ出てきたのだった。
《キャプテン・フィリップス 感想》
2013年当時、アメリカでヒットしたものの、日本ではそれほど話題にならなかった映画である。
ハリウッドニュースで評価が高かったが、地味な映画であるから筆者もこれまで見る機会がなかったが今回、鑑賞してみた。
その感想としては、まず現実の恐ろしさである。
海賊と聞くと、どうしても「パイレーツ・オブ・カリビアン」や漫画「ONE PIECE」のイメージが強い。しかし現実にソマリアでは海賊行為が行われている。
海賊は銃器で武装して、逆らう者は容赦無く撃ち殺される。現実なのだ。
その現実に直面した人物が誘拐され、極限状態下で海賊たちの中に1人。しかも何度銃を頭に突きつけられたことだろうか。
それでも機転を利かせ、言葉で仲間や救出に来た海軍へ合図を送り、命を繋いだ。
そして最後は見ていて胸が苦しくなる。
もし万が一、自分が同じ立場に立ったなら。そして仕事をする身として部下を守る立ち場にあったなら。船長の責務とはなにか?
色々と考えさせられる映画である。
そして極限状態に居た船長は家族の元へ帰り、翌年には仕事に復帰した。
海賊で生き残ったムセは、現在、アメリカの刑務所に服役中である。
現実に勝てるものはない。
本日の映画レビューは以上です。
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