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映画『ブルークリスマス』:異星人と人間の「違い」がもたらす悲劇の物語
1978年に公開された映画『ブルークリスマス』は、岡本喜八監督によるSF要素を織り交ぜた社会派ドラマです。一見すると異星人をテーマにしたSF映画のようですが、その本質は「人間の差別意識」や「排他性」を鋭く描き出した作品です。公開当時の日本映画としては異色の内容であり、今なお多くの人々に衝撃と考察の余地を与えています。
物語の概要
ある日、地球上で未確認飛行物体(UFO)が目撃され、その現場にいた人々が「青い血」に変わるという奇妙な現象が発生します。外見上は変化がないものの、彼らの血液は青くなり、社会の中で次第に「異なる存在」として扱われていきます。
記者である主人公(仲代達矢)は、青い血を持つ人々を科学的に分析しようとしますが、政府や軍は彼らを「脅威」とみなし、排除しようとします。一方、青い血に変わった人々は、差別や迫害に苦しみながら、必死に生き抜こうとします。
クリスマスの華やかな雰囲気とは対照的に、異なる存在が排斥されていくこの世界は、見る者に不安と深い考察を促します。
見どころ
1. SFを通じて描かれる社会批判
『ブルークリスマス』は、単なるエンターテインメントとしてのSF映画ではなく、差別や人間の不寛容さといった普遍的なテーマを描いています。青い血を持つ人々に対する社会の反応は、異なる文化や価値観を持つ人々への恐怖心や排斥を象徴的に表現しており、観客に「異なるものをどう受け入れるか」という問いを投げかけます。
2. 岡本喜八監督の独自の演出
岡本監督は、戦争や社会問題をテーマにした作品で知られていますが、本作ではSFの要素を用いることで、テーマをさらに普遍的かつ寓話的に描いています。暗くシリアスなストーリー展開の中に緊張感と静けさを織り交ぜた演出が光ります。
3. クリスマスの「非日常」との対比
映画のタイトルにある「クリスマス」という言葉は、本来人々が平和と愛を祝う象徴的な日です。しかし、本作ではその背景が冷酷で排他的な社会と対比され、皮肉なメッセージ性を強調しています。この対比が作品全体に独特の空気感を与えています。
4. 仲代達矢をはじめとするキャストの演技
記者役の仲代達矢は、人間と異質な存在との間で葛藤する複雑な役柄を見事に演じています。彼の静かな熱量が物語を支え、観客に深い印象を残します。その他のキャストもそれぞれが異質性と人間性の間で揺れるキャラクターを説得力を持って表現しています。
テーマと考察
『ブルークリスマス』の中心テーマは「異質な存在への恐怖心と排他性」です。青い血を持つ人々は、物理的には何も変わっていないにもかかわらず、「異質」というだけで差別され、社会から排除されます。
この物語は、肌の色や宗教、文化的背景など、現実社会で実際に起きている差別問題と重なる部分が多くあります。また、政府や軍が「安全」の名の下に差別や迫害を正当化する姿は、国家と個人の関係性についても鋭い視点を提供しています。
さらに、映画のラストは観る者に救いを与えることなく終わります。これにより、「人間は本当に異質なものを受け入れられるのか」という重いテーマが観客の心に残ります。
感想と評価
『ブルークリスマス』は、今なお色あせないメッセージ性を持つ作品です。公開から数十年を経ても、差別や不寛容が消えない現代社会において、この映画のテーマは非常にタイムリーであり続けています。
一方で、1978年当時の日本映画としては異例のSF要素を取り入れているため、当時の観客には難解に映った部分もあるかもしれません。しかし、その大胆な試みとメッセージ性は高く評価されるべきです。
まとめ
『ブルークリスマス』は、SFというフィクションの枠組みを超えて、現実社会の問題を鋭く描き出した社会派ドラマです。その重厚なテーマと岡本喜八監督の演出、そして名優たちの演技は、多くの映画ファンにとって見逃せないものです。
クリスマスという希望の日に起こる絶望の物語。この映画は、私たちが持つ「違いへの恐怖」を静かに問いかけ、観終わった後も心に残り続ける作品です。
もし未見であれば、ぜひ一度ご覧になってください。映画が放つ深いメッセージが、あなたの心に響くはずです。
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