こんにちは、こんばんは。
本日は日本における妖気漂う、カルト映画の金字塔であり、マルチクリエーター寺山修司の最高の映画。
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128号「田園に死す」
《田園に死す 概要》
時は1974年、軍艦島で有名な端島の炭鉱が閉鎖された年に、映画版田園に死すは公開された。
歌集として寺山修司が1965年に出版したものを題材にした、寺山修司初監督作品である。
《田園に死す 物語》
※物語と言っても、ここに書くのは物語らしきものであり、映画自体に物語性はあまりない。
恐山の麓の村で母親と暮らす主人公は、父親がいなかった。
楽しみといえば恐山のイタコに父の魂を読んでもらうことばかり。
近くに住む若い人妻は、村の外からやってきた美しい人だった。
ある日、村にやってきた不気味なサーカス団の人から村の外の世界のことを聞く。
これに触発された主人公は、村を出ようとする。
しかし母親に止められる、渋々残ろうとするも、同じく村を離れようとする意中の人妻もまた、村を出ようとしていた。
2人はある日、家出を決行、線路を歩いていくのだった。
と、これは実は主人公が大人になって制作した映画であり、それを見ている主人公へと物語は移る。
東京で映画を制作した主人公は、試写会で自伝的この作品を褒められる。
その後、木村功演じる批評家とバーで酒を飲む。
主人公は、自分の過去を作品にした途端、自分の過去が厚化粧をした物になってしまうと悩みを言うと、批評家は彼に宿題を出す。
「もし君がタイムマシーンに乗って数百年を遡り、君の三代前のおばあさんを殺したとしたら、現在の君は居なくなると思うか」
この突拍子もない宿題に、主人公は取り組むことになる。
そこへ少年時代の自分が現れ、2人は脚色のない本当の自分と出合う。
狂気に彩られた村人たち。変人が集まったサーカス団。恋をした人妻は、愛人と心中をする。
本当の自分を見たとき、少年と今の自分は語り合う。
そして少年は東京へ向かうことを決意する。
田園に死す ネタバレ(ドラックして見てね)
東京へ行く準備をしていた矢先、心中で生き残った人妻が少年の前に現れる。そして少年の服を脱がせ、むりやり少年の童貞を奪うのだった。
ショックを受けた少年はそのまま汽車で東京へ。
村に残った現在の主人公は、20年前の母親を殺そうとする。
しかし殺すことができず、フィクションの中でも自分は母親を殺せないのか、と落胆する中、母に促されるまま向き合って食事をする。
すると家の壁が倒れ、1974年の新宿の町並みの中、ひたすらに食事をする親子がそこにはいた。
《田園に死す 感想》
上記の物語は、一瞥するとSFとホラーが入り混じったように思えるが、実際に影像を見ると、最初から最後まで常人には理解できない、芸術の世界が渦巻いている。
白塗りの人々。遺影を磨く不思議な家族。異常な連中が集まったサーカス団。
嫌悪に思う人はこの映画には向いていない。
カルト映画、アバンギャルドの極みとも言えるこの映画は、しかしながら当時の日本の芸術を紛れもなく表現した映画氏に残る映画なのだ。
見て損はないですよ。
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