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砂の惑星に青年は運命を見る
「DUNE/デューン砂の惑星」
機械文明が滅び、西暦一万年を過ぎた人類は、西洋文化を発展させた生活様式を用いり、宇宙に帝国を築き、生活していた。
皇帝は宇宙を支配しながらも、その権威は必ずしも絶対的ではなかった。
各惑星を領地とする三つの公家、アトレイデス家、ハルコンネン家、コリノ家は権力を持ち、さらに修道院、恒星間航行を行うスペースギルドが力をつけ、帝国は一枚岩ではなかった。
さらにメランジと呼ばれる精神と肉体に絶大なる作用を施すスパイスが貴重とされ、それが取れる惑星アラキスを征服するものは、権力をさらにましていた。
ハルコンネン家がアラキスを長らく統治していたが、公邸の命令によって、アラキスはアトレイデス家の領地とすることとなった。
アトレイデス家の当主レトは、愛妾ジェシカとの間にポールという息子を授かっており、ポールは修道院出身の母から、声で人を操る方法を、側近たちからは護身術を教えられ、育てられていた。
ポールは皇帝の命令が下る直前から不思議な夢を見ていた、砂と岩だらけの世界で女性と一緒にいる夢であった。
そのことを話せるのは、信頼を置ける兵士ダンカンだけであり、両親には話せずにいた。
そんなポールの悩みをよそに、皇帝の命令で、領地替えを行う準備は順調に進み、ついに砂漠の惑星アラキスへとアトレイデス家は到着するのであった。
当主レトは、アラキスの原住民であるフレーメンとの講和を望んでいた。
ハルコンネン家が統治していた頃は、スパイスを採取するだけで、フレーメンに反感をかい、争いが起こっていた。
ポールも父に従い、アラキスの未来と自分の夢を重ねるのであった。
そんな時、ハルコンネン家の軍勢と皇帝の軍勢が夜襲をかけて来た。
アラキスにアトレイデス家を移住させたのも、全ては謀略だったのである。
レトは捕まり、口に仕込んだ毒歯をかみ砕き、毒を周囲にまき散らしながら死に、ポールとジェシカはダンカンたちの護衛を受け、砂漠に逃げることに成功するのであった。
砂漠の民たちが信じる救世主がポールであるのか、宇宙の命運は砂の惑星とポールの運命に託されたのだった。
本作の紆余曲折の物語を映画好きなら知っていることだろう。
本作はSF小説の名作であり、発売当時にベストセラーとなった作品である。
それをフランスに移住したばかりのカルト映画の帝王アレハンドロ・ホドロフスキーが映画化に乗り出し、各界のクリエイターを集め、撮影にあと一歩いというところで潰れてしまい、その後、版権を手にした別のプロデューサーが当時、若手だったデヴィット・リンチ監督に作らせたのが、最初の映像化であった。
だが原作のあらすじをなぞるような総集編的な映画に、不評となり、それからしばらくは映像化されなかったが、90年代から2000年代にかけてドラマ化され、それは原作に忠実であり、好評を受け、映画では語られなかった、ポールの子供たちの物語まで映像化されてた。
そして本作である。
今回で五回目となる映像化である本作は、監督に「ブレードランナー2049」のドゥニ・ヴェルヌーヴを迎え、リンチ監督の映画の失敗を教訓に、二部構成の第一部を制作したものである。
これだけ紆余曲折あり、しかも原作が名作中の名作であることからも、プレッシャーは相当だったと推測される。
本作はいわゆるポール編の前半部をほぼ網羅した形で映画化しており、物語はポールとジェシカが砂漠の民たちと砦へ向かうところで終わっている。
計画としてどこまで進んでいるのか、後編は本当に作られるのか、キャストは戻ってくるのかなど、不安材料がありながらも、一応、前編としては成功したのではないだろうか。
演出面でも砂漠の惑星の神秘さ、宗教的な部分、それぞれの思惑が絡み合った、複雑なプロットを見事に映画化している。
ただ個人的にはアレハンドロ・ホドロフスキー監督がいかに壮大なビジョンを持っていたのかを、「ホドロフスキーのDUNE」を見て知っているので、よくできたSF映画だとは思いながらも、あの鮮烈なビジョンをやはり超えることはできなかった。
面白い。
この映画はSF史に残る面白い映画になっているのは確かなのだが、爆発的な鮮烈さはないような気がする。
それも物語の完結を見てから決めることであるから、後編を期待してまっていようと思う。
前回のブログ 映画おすすめ キューピッドとプシュケ 1897年
砂の惑星に青年は運命を見る
「DUNE/デューン砂の惑星」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
機械文明が滅び、西暦一万年を過ぎた人類は、西洋文化を発展させた生活様式を用いり、宇宙に帝国を築き、生活していた。
皇帝は宇宙を支配しながらも、その権威は必ずしも絶対的ではなかった。
各惑星を領地とする三つの公家、アトレイデス家、ハルコンネン家、コリノ家は権力を持ち、さらに修道院、恒星間航行を行うスペースギルドが力をつけ、帝国は一枚岩ではなかった。
さらにメランジと呼ばれる精神と肉体に絶大なる作用を施すスパイスが貴重とされ、それが取れる惑星アラキスを征服するものは、権力をさらにましていた。
ハルコンネン家がアラキスを長らく統治していたが、公邸の命令によって、アラキスはアトレイデス家の領地とすることとなった。
アトレイデス家の当主レトは、愛妾ジェシカとの間にポールという息子を授かっており、ポールは修道院出身の母から、声で人を操る方法を、側近たちからは護身術を教えられ、育てられていた。
ポールは皇帝の命令が下る直前から不思議な夢を見ていた、砂と岩だらけの世界で女性と一緒にいる夢であった。
そのことを話せるのは、信頼を置ける兵士ダンカンだけであり、両親には話せずにいた。
そんなポールの悩みをよそに、皇帝の命令で、領地替えを行う準備は順調に進み、ついに砂漠の惑星アラキスへとアトレイデス家は到着するのであった。
当主レトは、アラキスの原住民であるフレーメンとの講和を望んでいた。
ハルコンネン家が統治していた頃は、スパイスを採取するだけで、フレーメンに反感をかい、争いが起こっていた。
ポールも父に従い、アラキスの未来と自分の夢を重ねるのであった。
そんな時、ハルコンネン家の軍勢と皇帝の軍勢が夜襲をかけて来た。
アラキスにアトレイデス家を移住させたのも、全ては謀略だったのである。
レトは捕まり、口に仕込んだ毒歯をかみ砕き、毒を周囲にまき散らしながら死に、ポールとジェシカはダンカンたちの護衛を受け、砂漠に逃げることに成功するのであった。
砂漠の民たちが信じる救世主がポールであるのか、宇宙の命運は砂の惑星とポールの運命に託されたのだった。
・映画おすすめ 感想
本作の紆余曲折の物語を映画好きなら知っていることだろう。
本作はSF小説の名作であり、発売当時にベストセラーとなった作品である。
それをフランスに移住したばかりのカルト映画の帝王アレハンドロ・ホドロフスキーが映画化に乗り出し、各界のクリエイターを集め、撮影にあと一歩いというところで潰れてしまい、その後、版権を手にした別のプロデューサーが当時、若手だったデヴィット・リンチ監督に作らせたのが、最初の映像化であった。
だが原作のあらすじをなぞるような総集編的な映画に、不評となり、それからしばらくは映像化されなかったが、90年代から2000年代にかけてドラマ化され、それは原作に忠実であり、好評を受け、映画では語られなかった、ポールの子供たちの物語まで映像化されてた。
そして本作である。
今回で五回目となる映像化である本作は、監督に「ブレードランナー2049」のドゥニ・ヴェルヌーヴを迎え、リンチ監督の映画の失敗を教訓に、二部構成の第一部を制作したものである。
これだけ紆余曲折あり、しかも原作が名作中の名作であることからも、プレッシャーは相当だったと推測される。
本作はいわゆるポール編の前半部をほぼ網羅した形で映画化しており、物語はポールとジェシカが砂漠の民たちと砦へ向かうところで終わっている。
計画としてどこまで進んでいるのか、後編は本当に作られるのか、キャストは戻ってくるのかなど、不安材料がありながらも、一応、前編としては成功したのではないだろうか。
演出面でも砂漠の惑星の神秘さ、宗教的な部分、それぞれの思惑が絡み合った、複雑なプロットを見事に映画化している。
ただ個人的にはアレハンドロ・ホドロフスキー監督がいかに壮大なビジョンを持っていたのかを、「ホドロフスキーのDUNE」を見て知っているので、よくできたSF映画だとは思いながらも、あの鮮烈なビジョンをやはり超えることはできなかった。
面白い。
この映画はSF史に残る面白い映画になっているのは確かなのだが、爆発的な鮮烈さはないような気がする。
それも物語の完結を見てから決めることであるから、後編を期待してまっていようと思う。
監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本 エリック・ロス
ジョン・スペイツ
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原作 フランク・ハーバート
『デューン砂の惑星』
製作 メアリー・ペアレント
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
ケイル・ボイター
ジョー・カラッチョロ・ジュニア
製作総指揮 トーマス・タル(英語版)
リチャード・P・ルビンスタイン(英語版)
出演者
ティモシー・シャラメ
レベッカ・ファーガソン
オスカー・アイザック
ジョシュ・ブローリン
ステラン・スカルスガルド
デイヴ・バウティスタ
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