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ある写真館での歴史の物語
「寫眞館」
評価:★4,2
・映画おすすめ 物語
1900年初頭、丘の上にある小さい写真館に一組のカップルが訪れる。
男は見ているだけだったが、写真を撮られる女性は恥ずかしがってうつむいてばかりいた。
困った写真館の店主は、庭に咲いている花を彼女に渡すと、彼女はその花を見て美しい笑顔を浮かべるのだった。
その後、彼女は彼と結婚し、子供が生まれる。
子供と母親になった彼女の写真を撮ろうとするも、赤ちゃんは笑顔を見せなかった。
必死に店主は面白いことをするのだが、結局わらうことなく、写真を撮る。
子供が成長し、その記念にまた写真をとりにくるも、必死に店主は笑わせようとするも女の子は笑おうとはしなかった。
次第に写真館の周りには家が建ち、発展していく。
それにつれて戦争の足音が聞こえ始め、女の子の父親は戦死してしまう。
その後、大きな地震にも見舞われるも写真館は無事だった。
成長した女の子は学生になり、写真をとりにくるも、やはり笑顔はそこになかった。
少女から女性へ、家族ができ、自分の子供ができても、写真館で笑顔を見せることのない女性。
やがてまた大きな戦争があり、写真館の周囲は焼け野原となった。
成長した女性の息子は戦死してしまい、女性は一人になってしまうのだった。
やがて町は近代化し復興したが、写真館はそのまま残っていた。
老婆になった女性はある日、写真館を訪れる。
・映画おすすめ 感想
16分の短編アニメ映画である。
しかし濃い内容のアニメであった。
笑顔を見せない女性と必死に映画を撮ろうとする写真館の店主。
この2人の長い歴史を、凝縮した映画である。
クラシック音楽が流れ、効果音はあるものの、セリフはなく、淡々と物語は進んでいく。
そこに日本のたどってきた歴史が重なり合い、なんだか最後は切ない気持ちにも温かい気持ちにもなれる。
16分の中に二人の人生が詰まった映画である。
監督
なかむらたかし
脚本
なかむらたかし
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