映画おすすめ 復讐するは我にあり|映画レビューズ
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映画おすすめ 復讐するは我にあり
前々回のブログ 映画おすすめ ジャンク4 死の壊滅

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日本映画が剛腕を振るっていた時代

「復讐するは我にあり」

評価:★4,6

・映画おすすめ 物語

敬虔なクリスチャンの父と母のもとに生まれた榎津巌は、一生嘘しか言わない、と豪語する男だった。

ある日、専売公社の社員と運転手を殺害し、金を盗み逃走する。

警察はすぐに全国に指名手配を行うも、船で逃亡中に自殺を偽装して警察の捜査をかく乱する。

巌には妻と二人の娘がおり、巌の父は山奥で暮らす妻と二人の娘を旅館を経営する我が家へ来ないか、と誘いに来る。

巌の妻は次第に巌の父に心を奪われ、風呂に入っている時に、自分も入り、巌の父に体を許すも、父はそれを拒むのだった。

一方、巌は浜松の旅館に大学の教授と偽り宿泊、旅館の女将であるハルと次第に仲を深めていく。

一時、東京に状況すると、弁護士を偽り、保釈金をだまし取る手口で詐欺を働くと、その途中で知り合いになった弁護士の老人に依頼があると言い、自宅へ向かい殺害する。

その後、浜松へ戻り、ハルとの仲をさらに深めていくのだが、ハルと出かけた映画館で、ニュース映画に巌の指名手配映像が流れ、ハルは巌の正体を知るのであった。

ハルと同居する母親も巌の正体に気付くも、自分も殺人を犯した過去があり、巌に家から出ていくように促すも、巌は出ていかなかった。

そして衝動的に二人を殺害するのであった。

・映画おすすめ 感想


日本映画にもこの映画を作った、力のある頃があったのである。

本作は実際に起こった西口彰事件を参考に書かれた小説が原作となっている。

小説は直木賞を受賞し、当時の映画人たち、深作欣二などが版権を争う中、今村昌平監督が版権を取り、映画化した。

本作は巌の人柄、逃亡中の情事、事件を起こすきっかけなどを丁寧に描き、警察との攻防戦というよりも、人間、榎津巌を描いている。

なので逮捕の瞬間や死刑の瞬間は描かれず、周囲の人間の反応や巌に対する感情を描いている。

日本映画でもここまですごい映画が作れた時代があった。

規制ばかりの表現できない世の中になった今、こういった映画を作れる映画人が必要なのかもしれない。

ちなみに題名の「復讐するは我にあり」は登場人物たちのことを意味しているのではなく、聖書の言葉を引用したものであり、罪を裁くのは神のみだ、ということ。

つまり人の代わりに神が復讐をする、という意味にとらえることができ、原作者の肯定も否定もしない中立の立場で物語を描いたことも同時に意味している。


監督 今村昌平
脚本 馬場当
        池端俊策
製作 井上和男
出演者
緒形拳
三國連太郎
ミヤコ蝶々
倍賞美津子
小川真由美






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