キワモノか芸術か
「ベガッテン」
血だらけで白い布を巻いた男が痙攣している。
自らの腹部を剃刀で切り取り絶命する。
そのそばの白い布から生まれいでた成人女性は顔を半分仮面で覆っている。
女は死んだ男の股間から精子を採取し、体に塗り付ける。
すると女は妊娠し、成人した奇形の人物が生まれる。
奇形の人物を置き去りにする女。
その場で這いずることしかできない奇形の人物。
そこに謎の人物たちがぞろぞろとやってきて、彼を連れていき岩に縛り付ける。
そして奇形の人物が吐き出す何かを採取するのであった。
奇形の人物はその後、火に放り投げられ燃やされる。
だが再び再生し地面を這いずっていたところに、自分を生んだ母親が現れる。
母は奇形の人物の首にロープを巻き、犬のように連れて森の中へ入る。
そこへまた謎の人物たちが現れ、奇形の人物は暴行され血まみれになり、その横では母親が頭を殴られレイプされる。
謎の人物たちがいなくなった後、また別の人物たちがやってきて、二人は連れ去られ、バラバラに刻まれるのであった。
物語を書くととんでもない映画だということがわかる。
あるユーチューバーのお勧め映画ということで見たのだが、セリフのないこの映画、そのユーチューバーの解説がなければ、何が起こっているのか分からないところである。
冒頭に出てくる言葉によれば、記録するものは愚かであり、そこで起こっていることこそが言語である、と書いてある。
そして、命とは骨についた痙攣したに肉である、という言葉から物語は始まる。
一切のセリフがなく、音だけの世界で続かれる物語。
ユーチューバーはこれを神話ととらえた。
確かにエンディングで配役のところに神や女神、生命の象徴などという言葉が並ぶ。
そうみるとこれは言われるように神話なのかもしれない。
しかし神話を模した、人類へのアンチテーゼである可能性もあると思えた。
神々である登場人物たちを、惨殺する集団こそが人類、人間であり、残虐性しかもたず、奪うことしか知らない。
その意味では神をも殺した人間という意味の映画にも見える。
人はどこまで行っても救いようのない残虐性しかもたない生物だ、ともとらえられる。
ちなみにこの映画はものすごく見にくく作られている。
1989年の作品とはいえ、自主制作の映画でも映像をもっとクリアにできたはずである。
それをあえて、一コマずつ加工し、すべてを加工し、この世界観を構築している。
監督は予算がなくて制作期間が延びたのではなく、加工に時間をついやした、と言っているほど映像に実はこだわっている映画なのだ。
そのおかげもあり、マリリン・マンソンが監督を気に入り、自らの代表曲でもある「アンチクライスト・スーパースター」のPV監督に使うなどしている。
そこで起こることが言語。
見る人によって解釈は千変万化である。
「ベガッテン」
評価:★4,5
・映画おすすめ 物語
血だらけで白い布を巻いた男が痙攣している。
自らの腹部を剃刀で切り取り絶命する。
そのそばの白い布から生まれいでた成人女性は顔を半分仮面で覆っている。
女は死んだ男の股間から精子を採取し、体に塗り付ける。
すると女は妊娠し、成人した奇形の人物が生まれる。
奇形の人物を置き去りにする女。
その場で這いずることしかできない奇形の人物。
そこに謎の人物たちがぞろぞろとやってきて、彼を連れていき岩に縛り付ける。
そして奇形の人物が吐き出す何かを採取するのであった。
奇形の人物はその後、火に放り投げられ燃やされる。
だが再び再生し地面を這いずっていたところに、自分を生んだ母親が現れる。
母は奇形の人物の首にロープを巻き、犬のように連れて森の中へ入る。
そこへまた謎の人物たちが現れ、奇形の人物は暴行され血まみれになり、その横では母親が頭を殴られレイプされる。
謎の人物たちがいなくなった後、また別の人物たちがやってきて、二人は連れ去られ、バラバラに刻まれるのであった。
・映画おすすめ 感想
物語を書くととんでもない映画だということがわかる。
あるユーチューバーのお勧め映画ということで見たのだが、セリフのないこの映画、そのユーチューバーの解説がなければ、何が起こっているのか分からないところである。
冒頭に出てくる言葉によれば、記録するものは愚かであり、そこで起こっていることこそが言語である、と書いてある。
そして、命とは骨についた痙攣したに肉である、という言葉から物語は始まる。
一切のセリフがなく、音だけの世界で続かれる物語。
ユーチューバーはこれを神話ととらえた。
確かにエンディングで配役のところに神や女神、生命の象徴などという言葉が並ぶ。
そうみるとこれは言われるように神話なのかもしれない。
しかし神話を模した、人類へのアンチテーゼである可能性もあると思えた。
神々である登場人物たちを、惨殺する集団こそが人類、人間であり、残虐性しかもたず、奪うことしか知らない。
その意味では神をも殺した人間という意味の映画にも見える。
人はどこまで行っても救いようのない残虐性しかもたない生物だ、ともとらえられる。
ちなみにこの映画はものすごく見にくく作られている。
1989年の作品とはいえ、自主制作の映画でも映像をもっとクリアにできたはずである。
それをあえて、一コマずつ加工し、すべてを加工し、この世界観を構築している。
監督は予算がなくて制作期間が延びたのではなく、加工に時間をついやした、と言っているほど映像に実はこだわっている映画なのだ。
そのおかげもあり、マリリン・マンソンが監督を気に入り、自らの代表曲でもある「アンチクライスト・スーパースター」のPV監督に使うなどしている。
そこで起こることが言語。
見る人によって解釈は千変万化である。
監督
E・エリアス・マーヒッジ
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