見たものを狂わせる怪物
「荒れ野」
評価:★4,3
・映画おすすめ 物語
世間から離れ荒れ野に住む一家。
父は無口で幼い息子に一人でも生きていけるよう、ウサギのしめ方、銃の撃ち方などを教えようとする。
しかし母はまだ幼い息子にはそんなことはできない、と野菜の育て方や歌を教えるなど、子供らいしく育てようとしていた。
寡黙な父の様子に、いつも何かを抱えているような感じを覚えた息子。
ある日、父はその理由を話した。
家の周りには案山子が建てられており、その外にはいくなと息子は言われていた。
外には首が長く大きな怪物が住んでいるという。
怪物は父の姉には見えた。
しかし父は信じなかった。
そのせいで姉は窓から飛び降り自殺したという。
その話を聞いた数日後、川に一艘の船が流れ着く。
男が血まみれで倒れており、銃には弾が入っていなかったことから、父はあの怪物を目撃した人物だとすぐに理解する。
治療を施すも、間もなくその男は自ら銃で命を絶つのだった。
母は船に乗せて川に流せばいい、というが父は遺留品から家族がいたと思われる男の遺体を、家族のもとへ届けてやりたい、と馬で出て行ってしまう。
数日中には帰るといった父は、その後二度と帰ることはなかった。
やがて母の様子もおかしくなってくる。
息子には見えない何かにおびえ、銃で威嚇し、来るなと叫んでいた。
母にも見えたのである、首の長い怪物が。
そして息子にもそれは見え始めるのだった。
・映画おすすめ 感想
落ち着いた雰囲気の映画。
状況は荒れ野に住む家族、ということ以外まったく情報がなく、外の世界も描かれないので、見た人が想像することのできる余白が残されている。
また怪物にも言及するところはあるものの、結局、それがなんであるのか、ただ恐怖する者をおかしくさせる、ということしかわかっていない。
ラスト、息子の姿に大人への階段を上ったともとれるが、呪縛に取りつかれた背中にも見えたのが印象的であった。
監督
ダビド・カサデムント
脚本
ダビド・カサデムントフラン・メンチョンマルティ・ルーカス
出演者
インマ・クエスタ
アシエル・フローレス
ロベルト・アラモ
ビクトル・ベンフメア
アレハンドラ・ハワード
映画観るなら<U-NEXT>
映画観るなら<U-NEXT>
PR
映画ランキング
コメント