"サスペンス映画"カテゴリーの記事一覧
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「冷たい熱帯魚」
2010年公開のバイオレンス映画である。世界から注目される園子温監督の名前を世界的に知らしめた作品でもあり、もととなった事件の陰惨さが描かれている。映画には好きも嫌いも表現の制約もない、と個人的には思っており、映画には苦手はあっても嫌いはない。その園子温監督、正直なことを言うと苦手な監督である。いまいち作品がしっくりことないので、本作もみてはいなかったのだが今回始めて鑑賞し、なぜ早くみなかったのが公開している。本作は園子温監督の中で一番、私の中にしっくりくる映画で、実際の事件を題材にしていることもあって、それが恐ろしい。「人は産まれながらにして悪魔なのか、悪魔になっていくのか」この一文を思い出した。
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「バトル・ライン」
2008年公開のサスペンスアクション映画である。国境警備隊の主人公は昔、ギャングであり正義感が強かった。しかし事件を起こした昔の仲間をかばったことから、事件に巻き込まれていき、悪事と正義感の間で揺れ動く。正直に言っちゃうと、盛り上がりがない。始まって地味に進行したまま、終わりを迎える。価格:1,100円
(2020/7/22 12:38時点)
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「ヒッチャー」
1985年公開のサスペンススリラー映画で、出演はブレードランナーのルドガー・ハウアー。車でアメリカの一本の長い道を走る青年は、ヒッチハイカーを拾う。しかしそれが地獄の始まり。ルドガー・ハウアーが出演し、リバイバル上映が決まったので、ひと足早く鑑賞しましたが、ハウアーの切れっぷりは見事。しかも冷静にジワジワと追い詰めてくるところは恐ろしい。
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「ザ・サークル」
2017年公開のサスペンス映画である。エマ・ワトソン、トム・ハンクス主演とビックネームで宣伝をして、SNSの世界を描いたサスペンスと聴いて、今風の映画であるのだろうと予測した。確かに映画は今の仕事に満足できない主人公が、世界最大のIT企業に就職して、乗り上がっていく姿を描いている。しかしそこには今、この現代が抱える問題。SNSでのつながりが最大の絆であり、リアルにないことがネットで拡散され、個人がネット上で別の人間として確定してしまい、いい人が犯罪者になってしまうという恐ろしいところである。誰かが言った冗談を真に受けた第三者が本人を攻撃する。まさしくそういったものが描かれている。またSNSでつながることでノイローゼになる人間の姿を描かれており、世界の現在をここに凝縮したような映画になっている。ただこれほどのビックネームを出演させながらも、いまいち活かし切れていない気がする。トム・ハンクスなどは、少ししか登場しないので、名前でお客を読んでいるような感じに扱われており、少し残念である。
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「天河伝説殺人事件」
1991年公開の、角川映画である。主演はフジテレビで後に浅見光彦を続けて演じることになる榎木孝明。監督は市川崑である。新宿のど真ん中である男が死んだ。手には能で使われる鈴があり、男が何故死んだのか、なぜ殺されたのか。事件は天河村へとつながっていく。そこで駐在に貴重な鳥を殺したと勘違いされて連れて行かれた男、浅見光彦はこの事件に関わっていくのだった。いつもの流れのごとく、浅見光彦は警備局長の兄の力も借りながら、刑事たちの協力を受けて、事件の謎を解いていく。市川崑は本作で金田一シリーズを意識したのか、かなり金田一シリーズと同じような流れ、配役、決め台詞などを多用しております、ある意味では、金田一耕助シリーズのリブート版とも言える作りになっていられる。価格:2,200円
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「八つ墓村」
1996年公開の横溝正史原作とする金田一耕助シリーズの映画化であり「犬神家の一族」と並ぶ、最も映像化された金田一シリーズの一作である。本作は石坂浩二の金田一シリーズを監督した市川崑監督が久しぶりに監督した金田一映画である。主演は豊川悦司。出演に浅野ゆう子、高橋和也、宅麻伸、岸田今日子、加藤武。石坂浩二主演の金田一シリーズは、個人的に最も金田一耕助という人物に近い映画であると考え、話の複雑さも横溝正史らしいと思っていた。本作はそれを予測して観ると、肩透かしを食らうかもしれない。意図的に話を簡略化していると思われ、萩原健一を主演とし金田一耕助を脇役とした原作が同じである映画は、もっと鍾乳洞が広大で、ドロドロとした愛憎劇だった気がするが、本作は事件に焦点が当てられていて、横溝作品にしては、少し粘度が足りないきがしないでもない。ただ原作に忠実であるのは確かで、他の作品ではあまり描かれない典子をしっかりと描いているのは、本作の大きな特徴と言える。【中古】 八つ墓村 /市川崑(脚本、監督),豊川悦司,浅野ゆう子,高橋和也,宅麻伸,岸田今日子,岸部一徳,谷川賢作(音楽) 【中古】afb
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「ブレイン・ゲーム」
2015年公開のスリラー映画。出演はアンソニー・ホプキンス、コリン・ファレル、ジェフリー・ディーン・モーガン。謎の殺人事件を追いかけるFBI捜査官たちが頼ったのは、娘を白血病で亡くした、先を予知できる科学者だった。アンソニー・ホプキンスが娘の死から抜け出せない、科学者であり先が見える能力を保持するサイコメトラー的な役割をしているが「羊たちの沈黙」の影響もあり、個人的にはどうも危険な人物に見えてしまう。人は苦しみながら天珠を全うすべきか、他者から殺されても苦しまずに死ぬべきか。価格:3,759円
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「4デイズ」
2010年アメリカ公開、翌年日本公開のサスペンス映画。主演はマトリックスのキャリー・アン・モス、サミュエル・L・ジャクソン。世界中が知っている事実を上げると、2011年9月11日、アメリカの2つのビルに旅客機がテロリストにハイジャックされて突っ込んだ。その前年に公開された本作は、イスラム教の過激派となったアメリカ人がアメリカの3都市に核爆弾を設置したと政府へ犯行文を送りつけてくる。その後、わざと捕まり尋問が始まった。主人公FBI捜査官は、極秘裏にある施設へ連れて行かれ、そこで尋問をするように命じられるのだったが、CIAが連れてきた謎の男Hは、尋問ではなく拷問を始めるのであった。イスラム過激派のテロ、アメリカ人による人権を無視した拷問。それは本作の翌年から始まるテロ戦争の構図そのままであり、最初は何気なく観ていたのだが、この映画が同時多発テロの前年公開だと知った時には、その予感がアメリカにあったのではないか。【送料無料】4デイズ/サミュエル・L・ジャクソン[Blu-ray]【返品種別A】
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「お嬢さん」
2016年の韓国映画であり、監督を「オールドボーイ」のパク・チャヌクが行ったエロティックサスペンス映画である。物語は日本占領下にある朝鮮を舞台に、ある大金持ちの姪として育てられながら、叔父の悪趣味を仕込まれて育てられた娘と、その娘から資産を奪おうとする男女。女は侍女としてお嬢様に使えるが。まあ観ていると、これは言葉にしていいものか、という言葉が溢れ出てくる映画でした。韓国の俳優、女優が日本語や韓国語で生殖器の名前を堂々と口にしたり、官能小説のようなセリフを言ったりと、観ているほうが唖然とするほど。そしてなによりも主演女優2人の美しい絡みが、素晴らしい。物語は3部構成になっており、一部でえっと驚き、二部でなるほどとなり、三部でハッピーエンドに私個人は観えた。価格:3,787円
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「39-刑法第三十九条-」
1999年、日本映画であり刑法第三十九条について触れている、法廷サスペンス映画である。注意:ネタバレ、長文日本の刑法は39条において、心神喪失者を責任無能力として処罰せず、また、心神耗弱者を限定責任能力としてその刑を減軽することを定めている。(Wikipediaより引用)雨の中、精神鑑定の依頼を受けた藤代のところに教え子の小川がやってくる。藤代は小川に今回の精神鑑定に同行するように伝える。小川は事件の概要資料を読むと、ある夫婦が刺殺された事件のあらましが書かれており、事件現場に落ちていた1人芝居のチケットから、役者をしている柴田が逮捕された。国選弁護人の長村は柴田と対面した際に見せた異常な表情と裁判の初公判の日に口にした異常な言動から、精神鑑定を申請したのであった。藤代と小川は早速、柴田の精神鑑定を行う。すると柴田が父から虐待を受けていたこと、東京に来てから父親と暮らすまでの3年間、空白の時期があることなどが次第にわかってくる。そしてある時、突然、体を震わせ始めた柴田は表情を一変させると、小川に襲いかかるのだった。柴田はその人格を「かもめ」と呼んでいた。藤代は柴田が多重人格と鑑定し、裁判で証言をするも、小川は柴田とかもめという人格に違和感を覚え、検察側に敢えて接触すると、独自に柴田のことを調べ始めるのだった。最初、本作は多重人格による精神疾患を理由に減刑される、という意味でのタイトルだと思って映画を観ていた。本作のような題材はどこにでもあり、今では多重人格という言葉も珍しくなく、当時よりは一般的になっている。しかしである。本作の本筋が次第に明らかになるにつれて、タイトルの意味、刑法三十九条をどういった方面から描いた映画なのかがわかるにつれて、本作が持つ力が理解できてきた。この映画は本当に刑法第三十九条が機能しているのか。本当に鑑定というものが正しいのか、それを問いかけてくるような映画である。個人的にも本作には強い思い入れを持って観ていたこともあり、のめり込んで観てしまった。価格:3,218円
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「祈りの幕が下りる時」
2018年日本映画。ジャンルはミステリー映画である。本作は阿部寛主演のドラマ「新参者」第二弾の映画であり、主人公・加賀恭一郎の過去や母親との関係が明らかになる。注意:ネタバレ、長文滋賀県のアパートで腐乱した遺体が発見される。しかし女性はアパートの住人ではなく、住人の男性は行方不明となっていた。同じ頃、新小岩の河川敷で焼死体となって発見されたホームレスとの関係を考え始めた捜査一課の松宮、アパートで死亡した女性が有名演出家の浅居という女性に会いに状況したことを突き止め、浅居に会いに行くとなんと加賀恭一郎と知り合いだったのだ。加賀恭一郎は日本橋署の刑事であり、ずっと日本橋署に居続けていた。その理由は亡き母のカレンダーに残されていた言葉からくるものなのだが、そこから事件は過酷な親子の長きに渡る苦悩の人生と壮絶な愛情を浮き彫りにしていく。原作・東野圭吾の映画は常に胸に迫るものがある。ガリレオシリーズの「容疑者Xの献身」も日本映画の中で屈指のミステリー映画だが、本作もそれに負けていない。本作の原作は東野圭吾版「砂の器」と評されることだけのことはあり、ある理由から父親と娘が旅をするシーンがある。そこがもう見ているだけで辛くなってくる。さらに一度別れて再会、そして結末が示された時、映画で久しぶりに涙を流した。この映画の監督は下町ロケットの演出で有名な福澤克雄である。阿部寛との相性がいいのだろう、本作の演出は素晴らしく、福澤監督作品でお馴染みの、各方面の超名人が登場し、更にエンディングではドラマで登場した人々も出演させるという演出もまた最高であった。
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「ゾディアック 覚醒」
2017年公開のカナダ映画。ジャンルはサスペンス映画である。アメリカで未だに未解決とされる「ゾディアック殺人事件」を題材にしたフィクション。注意:ネタバレ、長文トレーラーハウスで暮らす若い夫婦は、お金に困っていながらも夫は芝刈りの仕事、店は潰れたが妻は理容師の仕事をしていた。そんな夫の趣味は地元の貸倉庫をガラクタ屋の親父と買って、中にある品物を売って儲けること。しかし貸倉庫にお宝が入っていることはなく、今回も家賃3ヶ月分を使い、貸倉庫を買ったのだった。その品物をガラクタ屋の親父の店で調べることになり、夫婦は店に向かう。すると親父は古びたフィルムをみつけたといい、2人に見せるとそこには殺人行為が映し出されていた。世にいうスナッフフィルムであったのだ。犯人の胸には丸に十字のマークが入っており、親父はそこから「ゾディアック事件」について夫婦に話し始める。そして警察が犯人逮捕につながる証拠を提出した人には10万ドルを払うという記事をみつけ、犯人探しを3人は始めるのだった。だがその時から夫婦の周りで怪しいことが起こり始める。本作は実際にアメリカで起こった連続殺人事件と、ゾディアックと名乗り暗号を警察に送りつけ、未だに世界中の人物が暗号解読を続けている事件を題材にしている。また作中のセリフにもあるが、ゾディアックのファンも現実に存在するほどその存在は今なお語り継がれている。本作はその犯人が撮影していたフィルムから犯人を探し始める物語になっており、本来ならばもっと残忍で、ホラーテイストがあっても不思議ではないところを、流血シーンもショッキングな演出もなく、若い夫婦が追い詰められていく様子を淡々と描いている。個人的には物足りなさが残る映画であり、他のゾディアックを題材にした映画がよくできているせいもあってか、見劣りする部分がどうしてもいなめない。
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「ペットセメタリー」
人には超えてはならない一線がある。しかし主人公はその一線を超えてしまった。その報いはあまりに残酷で、悲劇過ぎた。原作スティーブン・キングの衝撃作。
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「パッセンジャーズ」
飛行機事故で心に傷を追った人々を治療するセラピスト。しかし生き残った人たちは事故のことを話したがらず、カウンセリングはうまく行かない。そんな彼女はある患者と親しくなる。やがてそれが物語の重要な分岐点になっていく。
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「皆殺しのレクイエム」
2017年公開のデンマーク映画。サスペンス・アクションである。注意:ネタバレ、長文イラクから難民としてデンマークへやってきたある一家。やがて兄は外科医となり人を救う仕事をして、妻は妊娠する幸せな家庭を築いていた。一方の弟は裏社会のチンピラとして行きていた。ある日、銀行強盗に押し入ったが失敗し、兄に金の工面を頼みに来るのだったが兄はそれを断る。翌日、兄のいる病院に弟が意識不明で運ばれてきて、そのまま意識が戻ることはなく、呼吸装置を止めるのだった。その日から兄は弟を救えなかった自分を責め、次第に弟を殺した連中を許せなくなっていく。そして犯人が判明すると、昔なじみのところへ行き、密かにトレーニングや武器の調達を始め、薬物で身体を強化していく。そして復讐を始めるのだった。なかなか骨太で見応えのある映画であった。映画としての起伏はそれほどなく、淡々と物語は進んでいくが、それがかえって医師である主人公の葛藤が静かに描かれている感じがして、臨場感あった。
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「ネイビーシールズ チーム6」
2012年公開のサスペンスアクション映画である。本作はアルカイーダのウサーマ・ビン・ラディン殺害までの半年間を描いている。注意:ネタバレ、長文CIAにより居場所の操作が懸命に行われていたにも関わらず、その居場所を掴むことができないビン・ラディンの居場所、ようやく掴んだアメリカ政府は、それが確実な情報なのか、現地工作員によって調査が開始された。同時にネイビーシールズのチーム6も現地の基地へ移動になり、訓練を開始した。CIA内部では潜伏先の建物内部に本当にビン・ラディンがいるのかを確かめる方法を模索し、内部の様子をチェックすることがようやくできた。そして護衛官が所持していたライフルが、ビン・ラディンの映像に移っていたものと同じであると分析し、作戦実行の夜が訪れた。前情報なく本作を観たのだがまさか現実のテロ戦争の大事な局面を描いた映画とは知らず、思わず重い映画を持ち上げてしまった気分である。あの日、あの夜へつながる半年を描いた、非常にシリアスな映画である。ただこれが英雄の行為かどうかは、見る人によって違ってくるのでなんとも言えない。ただ映画として純粋に観るのであれば、隊員の家庭事情を描くのであれば、もっとしっかり描いてほしかったし、中途半端に浮気のシーンなどを入れる必要があったかどうかは疑問である。ただラストの字幕には、フィクションというものがどうしても追いつけない真実が書かれている。あまりにも残酷でこの映画で行われた行為が、ただ1人の人間がいなくなっただけであり、戦況になんら変わりがないのではないか、という現実を突きつけられる。
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「天空の蜂」
2015年公開のクライム・サスペンス映画。原作は東野圭吾が当時から20年前に書いた小説である。監督は堤幸彦、主演は江口洋介、本木雅弘。注意:ネタバレ、長文日本人はそれを現実で知った。湯原は錦重工の技術者として大型ヘリコプタービックBの開発に取り組んでいた。仕事一筋の湯原は妻とも子供とも折り合いがうまくいかず、別居することを決めていた。その最後の家族サービスとしてビックBの完成セレモニーにつれていき、セレモニーまで試験飛行場の待合室で同僚と待っていた。別居を伝えられた湯原の息子は、友達とビックBの格納庫へ入り込み、中へと入ってしまう。その時だった。ビックBのシステムが突如動き出し、飛び立とうとした。湯原は慌てて外へ駆け出すと、息子と友達が中にいるのを見つけ、飛び降りろと叫ぶ。友達は飛び降りたものの、息子を乗せたビックBはそのまま飛行していき、福井県の原子力発電所の上空に停止した。そして日本政府に脅迫状が届く。福井原子力発電所以外の全原子炉を停止させること。しかしこれを政府は最初、拒否するのだった。現場に技師として到着した湯原は、原子力発電所の人間たち、さらに昔からの知り合いである原子炉の専門家・三島と久しぶりの再会を果たすのだった。息子の救出作戦と万が一、原子炉にビックBが落下した際の被害と対策、テロリストを追いかける刑事たち。多くの問題をこの状況を引き起こすのだった。本作は原作者の東野圭吾は「映像化は不可能だと思っていた」というだけあって、内容が非常に大きい。テロリストが遠隔操作した架空の巨大ヘリを原子炉の真上に配置して、それを落とす。その時の危険性や原子炉の安全性など。日本人はこの小説が描かれた時代、まだ原子力発電というものを信じていたし、日本国政府は原子力発電所の建設を推奨していた。まだまだ希望のエネルギーだったのだ。この映画でも例えヘリが落下しても、原子炉は何重にも安全な設計をしていることになっているので、放射能汚染が起こる心配はない。だがこの小説、この映画の1995年から現在への原子力発電所への信用度は激変している。だからこそこの映画は意味をもってくる。映画公開当時、20年前に東野圭吾が提示した問題が、2011年に現実で突きつけられ、現実がフィクションを超えた。
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「ディパーテッド」2006年公開のサスペンス映画。
監督マーティン・スコセッシ、主演マッド・デイモン、レオナルド・ディカプリオ。注意:ネタバレ、長文子供の頃、コリンを叔父のように育ててくれたのは、地元のギャングのボス・フランクだった。コリンはフランクの言う通り、警察官となりギャングのネズミとなり、情報を流した。ビリーは父親や親類に犯罪者が多く、その育ちを見込まれ警察学校に通っていた時に潜入捜査官として任命され、フランクの部下となった。こうして2人の男の偽りの人生が幕を開ける。コリンは淡々と仕事をこなし、ネズミとして素晴らしい成果を上げる。一方のビリーは潜入捜査で過激な場面に何度も遭遇し、薬物に依存するようになっていく。やがて警察、ギャング双方にネズミが入っていることがバレ、警察、ギャングともネズミを探し出そうとする。マーティン・スコセッシ監督の映画を久しぶりに観た気がする。インファナル・アフェアが世界的にヒットし、そのリメイク作品として制作された本作。個人的にはインファナル・アフェアシリーズを観てから本作を観たかったのだが、本作を先に観る機会があったので観たのだが、ここまでギャング映画に仕上がっているとは思わなかった。フランクを演じたジャック・ニコルソンは流石だし、主演の2人の演技は素晴らしい。さらにこの映画にはキリストやマリアのような意味深なシーンが含まれ、監督の哲学的な部分が現れているように思える。この映画、凄い、面白いと言われている意味がようやく分かった。これは名作である。
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「ハンナ」2011年公開
アクションスリラー。注意:ネタバレ、長文少女は父親に育てられていた。文明なら離れ、極寒の地で動物を狩り、父親に拳銃、弓矢、格闘を教え込まれ育った。やがて父は発振器を置き、姿を消した。発振器をつけたハンナは現れた特殊部隊を殺害した。身柄を確保されたハンナは、絶対脱出できない施設から脱出、砂漠に出ていった。彼女は何者なのか、父親はなにを彼女にさせたいのか。文明に触れ、様々な人と触れ合う内に、ハンナは美しく輝いていく。ハンナを演じたシアーシャ・ローナンがすごく美しかった。しかもアクションがキレキレ。ボーンシリーズにも通じる謎とアクション。そして美しさ。
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「スプリット」
注意:ネタバレ、長文2016年、アメリカ公開のスリラー映画である。M・ナイト・シャマラン監督、脚本、制作の映画であり、2000年公開、アンブレイカブルと世界観を共有している。ある女子高生の誕生日パーティー。誕生日のクレアは中の良いマルシアと、学校でいつも一人でみんなから変な女と言われていたケイシーと、クレアの父の車で帰ることになる。しかしクレアの父は車に乗ってこず、見知らぬ男が車の中に入ってきて、催眠スプレーで3人を眠らせ誘拐した。ケイシーが目覚めるとクレアとマルシアは先に目覚めております、そこに誘拐犯の男が現れ、マルシアを連れていく。ケイシーは、失禁して、とマルシアにアドバイスすると、それを嫌がった男は暴行するのをやめた。なんとか逃げ出そうとする3人の前に、今度は女装した男が現れる。誘拐犯は23の人格を持ち、幼少期の虐待から人格が分裂してしまったのである。そして3人を誘拐した目的は、24番目の人格、ビースト、に食べさせるため出会ったのだ。人格障害は、人の新たなる可能性なのではないか、と主張する精神科医のカレンもまた、面会する中で男がおかしいことに気づき始めていた。ビーストとは何者なのか?少女たちは逃げられるのか?本作はミスターガラスという本作の続編を調べている中で知った映画である。おりからのヒーロー映画ブームに乗った感じの予告編を観て、また便乗映画かと調べていくと、2000年からの映画の3部作目とあり、なんだかすごそうだと思い、とりあえず今見られるものから観てみた。ジェームズ・マカヴォイはイギリスの俳優の中でも好きな俳優の一人で、本作もそうだが本当にどんな役柄でも演じられる凄さがある俳優だと思っている。でも本作ではそれが飛び抜けている気がする。24もの役柄は流石に登場しないがそれでも複数人を演じ分ける凄さ。これは本当にすごいと感じた。そしてこの映画を観て、障害というのは人の可能性の現れなのではないか、という考えが私の中で湧いてきた。 -
「JOKER」
2019年制作のサスペンス映画である。ホワキン・フェニックス主演。ワーナー・ブラザースの子会社DCコミックス原作のバットマンに登場するジョーカーを主人公にした単独映画である。なお、本作は「マン・オブ・スティール」から始まった一連のユニバース世界とはまったく関係していない。注意:ネタバレ、長文「人は辛くても生きていかなければならないのか?」ゴッサムシティに住むアーサー・アフレットは心臓に持病を抱える母親と、ボロボロのアパートに暮らしていた。貧困層が深刻化したゴッサムシティでは、職探しをする人々で溢れかえり、アーサーはピエロを派遣する会社でコメディアンになる日を夢見ていた。しかし脳性麻痺の持病から突然笑い出す病気になり、精神科に入院歴もあった。それでも仕事をしているが、楽器店の看板を掲げて道端で踊る仕事で不良たちに看板を奪われ、それがアーサーのせいにされ、仲間から「身を守れ」を銃をもらうがそれを小児科病棟での仕事に持ち込み、仲間は銃のことを知らない、と言い張りついには仕事を首になってしまう。仕事場からの帰り、列車に乗っていたら証券マン3人に絡まれている女性が居た。それを見ていたアーサーは「笑いの発作」が出てしまい、その証券マンたちに絡まれ、殴られてしまう。そこで持っていた銃で3人を射殺するのだった。この事件はゴッサムの貧困層の間で英雄ピエロと賞賛されはじめた。それを隠しながら、同じアパートに暮らす黒人女性と恋に落ち、デートをする関係になる。だが確実に刑事の捜査の手は彼に伸び、母親は刑事の訪問で倒れてしまう。そして次第にアーサーが貼っていた人生の壁紙が剥がれ落ち始めるのだった。この映画が制作されると聞いた時、世の中はアベンジャーズ、ジャスティス・リーグ、アクアマンとCGを画面いっぱいに使った共有世界が主流となっていた。しかも低予算で制作されるとあり、正直、大丈夫なのかと思っていた。ところが次第に情報が出てくるに連れて、この映画はアメコミ映画としてではなく、なにか違うものになる予感がどんどん湧いてきた。公開後は日本でも話題になるほど世界中で社会現象となり、アカデミー賞にノミネートされるまで大きな作品となり、ついには利益率が歴代映画最高額となり、R指定映画として最もヒットした映画とまで上り詰めた。劇場で見ることはできなかったが、今、ブルーレイを見終わったところなのだが、この映画は予想以上にアメコミ映画としてもサスペンス映画としても優れていたことに驚いている。まずアメコミ映画としての側面から見ると、ジョーカーとはバットマンの宿敵であり「ダークナイト」が公開された当時、ヒース・レジャーのジョーカーを超えることはできない、と誰もが思っていた。だが「ダークナイト」のジョーカーはあくまでバットマンという枠組みでのジョーカーであり、コミックの世界をどうしても拭うことはできなかった。本作に関してはコミックの設定がしっかりと生かされている。後にバットマンとなるブルース・ウェインと両親の悲劇がしっかりと描かれており、それがジョーカーを起因とするところがあるのは、本当にこの映画のうまいところだと思った。そしてサスペンス映画の側面から見ても、一瞬幸せに見えたアーサーの人生が崩壊していく部分は、鳥肌が立つほど見事である。「エンゼル・ハート」のような感覚の衝撃もあり、これは本当にサスペンスとして最高の仕上がりになっている。また本作のジョーカーは殺人までもジョークにしてしまう役柄なので、コメディアンがモチーフなのだが映画の冒頭からエンディングまで、1920年代のチャップリンやキートンを意識した作りになっている。作中にもチャップリンの映画が写り込んでいる。アーサーの理想がチャップリンであるかのように差し込まれているところが、演出のすごいところだと思ってみていた。ワーナーは本作をDC映画の新レーベル第一弾として宣伝していたので、こうした単独で独特の世界観、映画オリジナルの解釈でこれからも映画を作る方針なのかもしれない。現実に「ザ・バットマン」の全キャストが先日、アナウンスされたがキャストを見る限りでは、本作のように新しい解釈でバットマンを再構築するのではないだろうか?原作ファンとしては、アメコミにはifストーリーがいくつも存在しているので、これが、というのはない。だからどんどん世界を作っていってほしいと願う。 -
「キューブ」Cube
注意:ネタバレ、長文
1997年公開のカナダ映画である。ヴィンチェンゾ・ナタリ監督初長編映画であり、自身の短編映画をモデルにした、脱出サスペンス映画だ。
ある瞬間から記憶のない6人の男女。警察官、女医、学生、脱走を繰り返す犯罪者、精神障害者、会社員。目覚めるとそれぞれキューブ状の部屋に閉じ込められており、上下左右にハッチのような入り口がある。その隣の部屋はまたキューブとなっており、それが続いていた。部屋によっては罠がしかけられていて、入った者を一瞬にして殺害するものばかりだった。
6人は協力して罠のない部屋を探し出そうと、脱走のスペシャリストである犯罪者の老人が靴を投げて安全を確かめた部屋を移動するのだった。が、老人は顔に硫酸を浴びで死亡してしまう。
すると女学生があることに気づく。部屋の間の狭い通路には番号が刻まれており、数学的法則で罠が仕掛けられているのではないかと予測し、その数字通りに進むのだった。
だが、ある瞬間からその法則は間違っていることに気づき、次第に疲労困憊してきた面々は、自分の内面にある負の部分をあらわにしていく。
はなしてこのキューブの建物はなんなのか、脱出はできるのか?監督はドラマ・ウェスタワールドなどの制作に携わる鬼才であり、このキューブも低予算で映画を作ることになったので、1つのセットで役者を動かす物語を考え、本作が誕生した。
本当にすべてが謎で始まり謎で終わる本作は、密室から出ることなく、物語は進み、人間たちが本来もっている、他人には隠している部分をむき出しにしていく。
前から気になっていた映画であったが、低予算であることから観ることをためらっていたが、この映画は見事なアイディアである。
まさしくアイディア勝ちの映画だ。
残念ながら創案者の監督は本作の続編には関わっていないが、人気作となり、2,3と続編が制作されているので、それを観たいと思う。
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「アルゴ」注意:ネタバレ、長文2012年のアメリカ映画であり、実際に発生した1980年のイラン国アメリカ大使館人質事件を題材にしている。物語はイランで反体制派が革命を起こす。これに危機感を抱いた国王は国外に逃亡し、それをアメリカが匿ったことから、イランのアメリカ大使館が選挙され、多くのアメリカ人が人質にされた。しかしこの時、大使館を離れていた6名のアメリカ人がカナダ大使公邸に避難していた。イラン人たちはこのことを知らず、この間にイラン国内から6名を救出することをCIAが画策する。そこにトニー・メンデスという職員が奇抜なアイディアを提示した。「アルゴ」というSF映画のロケ地を探しているという名目でイラン国内に入り、6名をスタッフとして国外へ連れ出すというものだった。この作戦に向け、トニーは本当の映画会社、映画企画、プロデューサーを雇い、作戦は決行されることになる。本作は実際に起こったイラン国内でのイラン革命による人質事件を題材としており、長年、この人質事件の6名を助け出したのはカナダということにされていたが、近年になりCIAのトニー・メンデスが面白い作戦を実行していたことが明るみに出て、これをジョージ・クルーニー、ベン・アフレックらが映画化したのが本作である。まずこの映画の面白い点は、トニーが作戦を考えつくところである。人質救出という迅速かつ精密さを要求される作戦を立案する際、スター・ウォーズのファンだった息子と電話で話したトニーが作戦を思いつく。これはSFファンからするとすごく嬉しいシーンでもあった。そしてSF映画、架空とはいえスタッフを集めるシーンはコメディタッチで面白く、内容がシリアスだと思っていたら、前半はオーシャンズ11のようにテンポが良かった。これとは対照的に後半は命のかかった作戦になる。冗談のような本当の作戦で6人の命を救出するのだから、最後は本当に緊迫した状況に、リアルを感じた。本作はこの年のアカデミー賞、作品賞を受賞するなど評価がいい。その反面、イラン国からは「革命の背景が描かれていない」という批判もあり、改めて別の映画でそうした背景を描くことが発表されている。
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「砂の女」
安部公房原作の第一弾映画であり、世界的にも評価が高い作品である。
砂にすむ昆虫を研究する教師は、ある日、一晩の宿を求めて研究先の村人に宿を尋ねる。
すると一軒の砂の穴の中に立つ家を進められ、縄梯子で降りていく。そこには若い女が1人住んでおり、砂まみれの家の中で、男は皮肉を言いながら、一泊だけすることを強調するも、女はまるで何日も住むような口ぶりで男の話を相手にしない。
そして翌朝、縄梯子を登って帰ろうとするが縄梯子はなく、砂の中を登ろうとづるも、崩れて登ることができなかった。
村の人々はこの砂に埋れた集落の砂堀り要員として、外から来た人々を、砂の穴の家へ割当、上にいる人達は、配給だといって食料、水などを砂かきの対価として与えていた。
男は何度も脱出しようとするが、次第に女と情を通じるようになり、一週間が三ヶ月、三ヶ月が半年と延びていくのだった。
感想は一言。不思議な世界だ。まるで男は別の惑星にでもきたかのような生活風景。配給というものに頼る以外、生きるすべはない。
そして男女2人くらしからくる自然な感情。
この生活はきっと続く。この2人が老人になっても。すでに主人公はこの砂の家になれていっている。そして女を愛しているのだから。
他人の顔といい安部公房の映画はどうも不思議な、それでいて心地の良いテンポで観られるので、肩の力を抜いて観られる。私にはあっているのかもしれない。
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第55号「ゴッドファーザー」
私がこの映画について語るのもおこがましいが、好きなので書かせてもらいます。
時代背景は公開当時にしても少し古かったのかな?
イタリア系マフィア、ドン・コルレオーネのファミリーは、麻薬絡みでほかのファミリーと対立していた。
そんな中、末っ子で軍人のマイケルがファミリーの仕事を請け負い、負傷した父親の代わりに、組織を継ぐこととなる。
兄弟の死、裏切り、暗殺未遂など。生臭い事件が続く中で、マイケルはその才能を開花させていく。
時代背景は新しく、規模も違うが、叙事詩的映画に数えられる作品の一つだ。
映画の冒頭の結婚式で物語が始まるのは、黒澤明監督の「悪い奴ほどよく眠る」へのオマージュだという。
確かに素晴らしいオープニングである。
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