"時代劇"カテゴリーの記事一覧
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「真田十勇士 2016」
注意:ネタバレ、長文
2014年、これまであらゆるフォーマットで作品化された真田十勇士を原作に、現代風にアレンジし、ヒットした舞台の映画化である。
時は関ヶ原から幾年。ある村で食料を盗んでいた猿飛佐助は、それがバレて村娘を人質に寺に籠もっていた。そこを通りかかった1人の侍こそは、天下に名のしれた真田幸村であった。しかし真田幸村は運良く歴史に名を残しただけで、本当は何もできない男であった。そこで猿飛佐助は昔の仲間、霧隠才蔵などとりあえずで集めた真田十勇士を天下に知らしめ、真田幸村を本物にしようと画策する。
その折に大坂城より浪人招集が全国に配布され、真田幸村も入城する。これを聞いたことで、徳川家の世の中になることを望まない諸将が集結する。
真田幸村を本物にするべく、猿飛佐助、霧隠才蔵の奮闘が始まる。
映画監督が堤幸彦とあり、笑って泣ける映画なんだと思って観ていたら、いきなり驚きの演出で笑わされた。
また思った以上に本格戦国スペクタクルに仕上がっていたのには、驚いた。日本映画でここまで戦国物を本格的にやるのは、珍しい。
特に戦国最後にして最大の合戦、大坂夏の陣は素晴らしかった。
個人的には最近、司馬遼太郎の「風神の門」を読み、霧隠才蔵をもし映画化するならどの俳優かと思っていた。その私の頭の中で松坂桃李とかいいのかなぁって思っていたところでこの映画を観たら、まさかまさかの不満なし!
もちろん主人公の猿飛佐助も中村勘九郎がぴったりだった。
オープニング、エンディングの演出が好きでない人もいるだろう。評判も良くない。
しかしエンディングに関してはこういう説もあるので、個人的にはすごくよかった。
久しぶりに時代劇で興奮してしまった。
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日蓮映画 ネタバレあり
あらかじめ書いておきますが私は日蓮宗でも、仏教徒でも宗教に思うことがあるとかもありません。無宗教の映画が好きな男の感想だと思って読んでください。
「日蓮と蒙古大襲来」
日本映画黄金期。大映の永田雅一社長は日蓮宗として知られており、日蓮の一生を映画にしたいということで、当時、大映の大スターだった長谷川一夫を日蓮に、日蓮が日本の柱となる、と決意してから武家との対立、当時の主流だった天台宗から異教徒と言われて、当時の鎌倉幕府から島流しにされたりと、波乱万丈な人生の中でも、自分の信仰を捨てず、道に立ち、教えを説きながら、幕府への進言書などを書く。
やがて蒙古が襲来し、日本は苦戦するも日蓮の願いが届き、神風が蒙古を撃退する話になっている。
日蓮というとどうしても伝説が多く、どこまでが事実なのか信じられないが、物語としては面白かった。
また永田社長の力の入れようが分かるスケールの大きな映画になっていた。
セットの巨大さ、エキストラの多さ、特撮。まさしす大スペクタクルに仕上がっている。
「日蓮」
蒙古大襲来から時代が経ち、日本映画界を取り巻く環境が悪化する中で、永田社長はもう一度、日蓮を映画化した。
今度はキャストを一新して、萬屋錦之介が日蓮を熱演している。
物語の大筋は蒙古大襲来と変わりないが、日蓮の子供の頃の回想や、宗教家としてのリアルをを追求しながらも、伝説の部分はしっかりと入れている。
そして特徴的なのは日蓮の最後までを描いている。
蒙古の襲来も台風の影響であり、日蓮は関わっていないことになっている。
こちらの映画のほうが、人間、日蓮を描いている気がする。
宗教映画というのは、必ず批判する人たちがいる。宗教の自由だから、特別それを批判波しない。
信じるもののために講義するのはけっこう。
表現の自由も素晴らしい。
だから宗教映画は面白い。議論が起こることは素晴らしいことだ。
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「七人の侍というジャンル」
1954年公開した本作について、語ることはおそらくないであろうし、他の人々が多いに語り尽くしていると思う。
本作は戦国時代、信長が本能寺で亡くなった数年後、世は乱れ野武士が溢れていた。
野武士は農村を襲い、米、女を奪っては、村を焼き払っていた。
ある農村で野武士の標的となったことを知った村人たちは、街に出て侍を雇い村を守ることにする。白い米を食べさせる。それだけで村を守る物づきの侍たちがいるものか、と疑問に思いながらも街で侍たち七人と出会い、村へ戻ってくる。
そして野武士たちとの戦が始まる。
物語は200分を超える超大作となり、東宝は途中で制作中止を決定し、撮影しているところまででいいから完成させろ、と黒澤明監督に言った。
しかたなく撮影しているところまでを編集、会社側に見せたところ、続きはないのか、と聞かれたので、だからこれから撮影するんです。と答えたところ内容の面白さから会社は社運をかけた映画とすることを決意。普通の映画の約7倍もの制作費をつぎ込んで映画は完成した。
「なにかに取り憑かれたように作った」
と監督が言っていた通り、この映画には何らかの強い魂が入っているかのように、世界中に連鎖していった。アメリカではスピルバーグ、ルーカス、コッポラがロシアではタルコフスキーが、イタリアではレオーネ。きっとまだまだ居るはずである、映画を志した人ならばこの映画に影響を受けないはずがない。それだけこの映画の持つ力は凄まじい物がある。
私はこの映画見る度に、引き込まれていく感覚になる。200分もあるのに、すべてのシーンを覚えているし、すべてのセリフが言えるわけではないが、覚えている。
だが意外なことに公開された1954年の年間興行収入で七人の侍は3位であった。上には「君の名は第三部」「忠臣蔵」が入っている。下には「ゴジラ」が控えていた。
「君の名は」はアニメの例もあるように、ブームというものを引き起こす映画であるからこれはこれで当時、ブームになったのだからすごいことだし、忠臣蔵は今も昔も日本人の心であるから仕方がない。ゴジラはあの当時、最先端の特撮技術を駆使して作った映像は、世界最先端であろう。
こうした中で名作と呼ばれ、後に数多くの亜種映画を生み出した七人の侍。
私は個人的にこう思う。黒澤明監督は「七人の侍」という映画のジャンルをつくってしまったのではないだろうか。と。
もちろん映画自体は時代劇に区分されるれっきとした時代劇だ。だがこれだけ人を引きつけ物語の枠組みを引用される映画が他にあるだろうか?
スターウォーズが公開された時、世界中の人々がスターウォーズの亜種映画を見た頃だろう。SFというジャンルを大きく世界に広めた映画である。その中にも確実に七人の侍の血は流れている。「隠し砦の三悪人」を元にしたのは有名な話だが、ルーカスが七人の侍を意識しているのは間違いない事実だ。
現にスターウォーズのアニメクローン・ウォーズには、七人の侍と同じストーリーの話がある。
またSFブームになった時「宇宙の七人」という映画も公開されている。荒野の七人、黄金の七人など7人でなにかを行うというフォーマットを作った映画だと個人的には感じる。
これは映画に関したことだけではない。関連性は誰も述べていないが、戦後、エログロ路線の時代劇を書き、忍者ブームを牽引した山田風太郎の忍法帖シリーズでは、敵味方決まって7人というのがお決まりのようになっている。これは偶然ではないと私は考える。
7人は確かに人間が一見して決まりのいい数字であるし、キャラクターを創造するにあたって、7人が並ぶのは光景として決まりがいい。
だが七人の侍はそれをフォーマット化した。つまり七人の侍というジャンル、七人組の物語の基盤を作った、ジャンルを超越した映画だと思うのだ。
世界には名作と呼ばれる、映画、本、漫画、アニメ、演劇。あらゆるジャンルのエンターテイメントがあるだろう。その根底に、創作者の中に何かしらの形で七人の侍は影響を与えていると思う。
直接的ではなくても、影響を受けた人物が作ったなにかを見て、それに影響を受けている。
人類はきっとこの映画を遺伝子レベルで刻み込んでいるのだ。
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「赤穂浪士」
東映の赤穂浪士であります。
映画黄金期。各社はこぞって忠臣蔵を制作した。各社オールスター俳優で制作した。
この時期から毎年、忠臣蔵が恒例になったのだろう。
物語はご存知の通り吉良上野介を浅野内匠頭が松の廊下で刃傷沙汰に及び、喧嘩両成敗の時代に浅野内匠頭だけが切腹となった。
これに不服をもった赤穂浪士たちはその年の12月14日、吉良上野介の屋敷に討ち入る。
今回の忠臣蔵は、この知っている話の前日談に力を入れ、赤穂の城を明け渡すまでが長い。
また周りをかためる俳優陣たちが豪華!
吉良上野介の息子が養子に行った上杉家の様子も重点的に描かれ、歴史づきとしては面白かった。
討ち入りを応援する人たちもやはりいたというのはよかった。赤穂浪士の1年間短かった。この辺をもっと描いてほしかったです。
ただ忠臣蔵オールスターキャストは長い。細かい話まで入れれば、5時間では収まらないだろう。
ドラマには向いているが、やはり映画の豪華さがいい。この時代の時代劇の豪華絢爛はいい!
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毎度様です、ジンでございます。
本日の映画は、名曲の題材となったこちら。
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第113号「切られ与三郎」
死んだはずだよお富さん〜♪
この歌詞を知っている若い人はまず居ないとは思う。
昭和29年に春日八郎が歌って大ヒットした「お富さん」の歌詞である。
そして世は1960年。ジョン・Fケネディが大統領選に出馬を表明したこの年に公開されたのが、この「切られ与三郎」なのである。
原作は歌舞伎の演目「与話情名横しごく」である。
物語は江戸の大店伊豆屋の若旦那、与三郎は養子であった。
義理の思うとの縁談の話がもちあがり、自らが伊豆屋にとって邪魔な存在だと思った与三郎は、家を出て行く。
そんな旅の中で与三郎はお富という女と出会い、お互いにひとめで惹かれ合った。
ところがお富は地元の親分、赤間源左衛門の妾であった。
二人の仲を知った源左衛門は二人を捕らえ、与三郎を拷問する。そして与三郎とお富を殺せと子分たちに命令する。
与三郎は辛うじて逃げたのだが、全身三十四箇所に刀傷が残ってしまった。
与三郎はそこから任侠の世界へと足を踏み入れる。
それから三年。弟分とゆすりに行った家で、なんと死んだと思われたお富と再会するのだった。
そこから与三郎の人生は二転三転していく。
主演、市川雷蔵の時代の映画によくある、映画の中にすべてを詰め込んだ、映画がエンターテイメントの王様だった時代という感じだ。
市川雷蔵というと、若い世代はきっと知らないだろうが、彼の時代劇はまさしくエンターテイメント。すでに観客にこれでもかと物語を見せつけ、圧倒してくる。
面白い。古いと言わず、本当に面白い!
公開:1960年
上映時間:90分
キャスト
市川雷蔵
淡路恵子
中村玉緒
冨士眞奈美
小沢栄太郎
監督:伊藤大輔
脚本:伊藤大輔
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毎度様です、ジンでございます。
本日の映画は、今は低迷している時代劇の超大作。
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第112号「江戸城大乱」
公開されたのは、前号で書いた「波の数だけ抱きしめて」と同じ、1991年である。
バブルの終焉が見え始めた時代をこの映画も捉えているのか、全体的に暗めな雰囲気である。
物語は徳川四代将軍が病身のため、政が行えなくなり、松方弘樹演じる酒井忠清が政を取り仕切っていた延宝八年。
次の将軍を決めるべく酒井は動き出していた。
ところが初代徳川家康以来、長子が世継ぎとなるならわしの徳川家にあって、四代将軍家綱には子供がいなかった。
そこで酒井は御三家より、光友、光貞、光圀らの当主を江戸城に招き老中たちと次期将軍を選定する定評が行われた。
ここで酒井は先の将軍、三代家光の三男、綱重を将軍にすべく強く押した。
しかし自らの家系から将軍を出したい御三家当主たちは渋い顔をした。
そんな中、酒井に反感をもつ若い旗本たちは、三代将軍家光の三男、坂上忍演じる綱吉を担ぎ上げ謀反を起こそうとする。
だがそこへ計画を知った三浦友和演じる若年寄、堀田政俊がかけつけ、無理矢理、綱吉を含めた若者たちを牢へと放り込むのだった。
これを高く評価した酒井は堀田に自ら江戸城へ招いた次期将軍候補、綱重の護衛をまかせた。
しかし護衛の最中、大勢の刺客によって綱重は暗殺され、堀田は辛うじて生き延びた。
そして刺客が柳生新陰流の使い手だったことを酒井に伝える。
そしてまた次の将軍候補を選ぶの定評の場で酒井は、綱重の嫡男、虎松と謀反を起こそうとした綱吉の名前が上がる。
しかし綱吉は傀儡になることを断り、思惑は酒井の意図通りに動き始める。
さらに酒井は焼け落ちた天守閣の再興も政に加え、野望をさらに膨らませていく。
それに待ったをかけたのは、綱吉の母、桂昌院であった。
家光の側室である桂昌院は、堀田に酒井への反抗を願い出る。
しかし堀田はそれを断るのだったが、そこへ酒井が放った刺客が押し寄せ、辛うじて逃げ延びた堀田は、綱吉を担ぎ上げ、将軍にすることを決意するのだった。
こうしてあらすじを書くだけでも、歴史好きでない限りは混乱してしまう内容だが、まだバブルの色気が残っていた1991年だけあり、出演者の名前は豪華そのもの。
さらにアクションで言えば、近年の日本映画ではなくなった斬り合いなどがあり、実にエンターテイメントととし見ごたえのある。
また今では辛口コメンテーターの坂上忍の若い演技も見どころの1つである。
さらには亡くなられた松方弘樹さんの妖気のある演技も見どころです。
見たことのない方はぜひ一度、見てみてください。
きっとこのエネルギーと重厚感に圧倒されることでしょう。
公開:1991年12月
上映時間:114分
キャスト
松方弘樹
三浦友和
坂上忍
十朱幸代
西岡徳馬
神田正輝
加藤武
丹波哲郎
スタッフ
監督:舛田利雄
脚本:高田宏治
テーマ曲:崎谷健次郎
「涙が君を忘れない」
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毎度様です、お久しぶりです、ジンでございます。
これからもご愛読、よろしくお願いいたします。
ということで本日も通常営業。日本を支えた映画監督たちが放った、日本映画!
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第104号「どら平太」
ある小さな藩で起こった出来事。
その藩では外堀という巨大繁華街を抱え、そこでは藩の法度など通用せず、無法者たちが盗み、殺人、強姦、売春を当たり前としていた。
歴代の町奉行たちも外堀の掃除に着手するも、皆、退陣していった。
そこで幕府から送り込まれてきた1人の侍。旗本の次男坊で遊び歩き、女を作っては飲み明かす堕落した日々を送っていることから、ついた名前が「どら平太」。
たちまち城中にその新任町奉行の噂が広まり、お城の評定で江戸にいる藩主からの名を老中たちに伝えた。
そこから彼の型破りな外堀掃除が始まる。
けして入ってはいけない、とのおふれが出たにもかかわらず、変装して外堀へ侵入、外堀を牛耳る3人の親分たちへと近づくのであった。
奉行所に1日たりとも出仕しなかった町奉行のお話。
この映画を監督したのは世界的に名を馳せいた市川崑監督である。
監督といえば金田一シリーズを思い出すのだが、あの手法、画面に文字が大きく出る演出は、今でも新鮮で、好きだ。
そして監督しかできない独特の陰影の強調と、スローモーションを使った撮影手法。
もはや芸術の映画である。
時代劇という近年では稀な映画でありまた、現代の監督たちが表現できない世界観がこの映画にはある。
そして脚本を手がけたのが「四騎の会」である。
日本映画を憂う4人の映画監督、黒澤明、小林正樹、市川崑、木下恵介が立ち上げた会が日本映画復興の映画として制作したのがこの映画なのだ。
これら巨匠が制作したのだから
面白くないわけがない。
主演は役所広司。ここもまたたまらない。
ドラマ「三匹が斬る」を見てきた世代としては、役所広司さんの侍は、惚れ惚れとしてしまう。
この日本映画を凝縮した一滴。是非とも堪能していただきたい!
監 督:市川崑
脚 本:四騎の会(黒澤明、小林
正樹、木下恵
介、市川崑)
出 演:役所広司
宇崎竜童
菅原文太
片岡鶴太郎
浅野ゆう子
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第52号「天と地と」
日本で最もお金をかけた映画。
制作費50億円。角川春樹氏が監督した歴史スペクタクル映画である。
渡辺謙さんが主演する予定だったが、白血病におかされ降板してしまい、角川春樹氏は次の候補として松田優作さんをキャスティングするも、スケジュールが合わず、結局はオーディションで俳優選びを開始した。
この時からこの映画にはなにかの不可思議な力が働いていたのかもしれない。
物語は上杉謙信を主軸に、第四次川中島の合戦を題材にしている。
お金をかけただけのことはあり、合戦シーンには大規模な人員を配置して、本当の合戦を見ているような気分にさせられるほどに、大迫力のシーンが続々と登場する。
とにかく人、人、人。黒い甲冑の軍勢と赤い甲冑の軍勢が入り乱れ、本当の人間で陣形を形成しているのだから、圧巻である。
ただこういってはなんだが、この映画にストーリーらしいものはない。撮影したいシーンをつなぎ合わせただけの印象が強い。
興行的にも成功とは言いがたいものとなってしまった。
けれども合戦シーンだけでもこの映画は観る価値がある。日本映画の底力を感じられる映画だ。
ただ渡辺謙さん、松田優作さんのバージョンも見たかった。
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第50号「用心棒」
私が書くのはおこがましいが、好きなので書きます。
「この映画は面白い!」
その言葉に尽きる。
黒澤明御大は、まずこの映画を撮影するにあたって、時代考証は無視。
仲代達矢氏の首に巻くスカーフはイタリア、拳銃である。
そして舞台になる宿場のシーン。一目で荒れていることを観客に知らせなければならない。
そこで手首を加えた犬が三船敏郎氏演じる浪人の前を通るシーンが撮影された。
《物語》
とある宿場。以前は栄えていた宿場も今は閑散としていた。賭場を仕切る馬目の清兵衛は自らの息子にあとめをつがせようとした。しかしそれを面白くないと不服を言って独立した丑寅が争って、抗争が絶えなかった。
次第に宿場は荒れていく。だが八州見回り(関東の警察のようなもの)が来るときばかりは、2つの一家は争いを止め、宿場は元の姿を取り戻す。
しかも宿場の十手持ちは両一家を取り締まるどころがハイエナのようにウロウロしているばかり。
そこへやってきた浪人は、居酒屋に居座り、ある計画を企てる。2つの一家をつぶし合わせる。
そこで浪人は自らの腕を見せつけ、両一家の用心棒となり、宿場を翻弄し始める。
《感想》
とにかく腕の立つ浪人が争うヤクザたちの間をのらりくらりと渡り歩き、宿場の掃除。
ただそれも冒頭に伏線がある。
三船敏郎氏が素晴らしい!
知らない人は観てもらいたい、絶対に!
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第45号「新撰組」
三船敏郎主演で制作されたオールスターキャストの、新撰組だ。
多摩の田舎でくすぶっていた剣士たちが清川の号令で京都へ。
その途中で暴れる三國連太郎演じる芹沢鴨たち天狗党の残党。
私がこの映画の中で大好きなのは、池田屋の騒動と、この芹沢鴨の憎たらしさだ。
三船敏郎の近藤勇は、酒を飲まなければ、と芹沢鴨をかばうが、かばいきれなくなり、暗殺へと向かう。
この流れが苦渋があって、よかった。
後に佐藤浩市さんが大河ドラマで芹沢鴨を演じたが、親子揃って、芹沢鴨を演じて素晴らしいのは、すごい。
この親子の芹沢鴨こそが、私の中の芹沢鴨である。
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第39号「座頭市」
北野武監督の座頭市である。
勝新太郎主演の座頭市も何何本も観ているし、ドラマ版も観ている。
その中でもやはり北野武監督版座頭市は異色である。
無口な座頭の市さんが、それぞれの事情を抱えた人々と触れ合い、盗賊団を切り倒していく。
殺陣は凄まじく斬新で、座頭市が凄まじく強い。
ドラマもしっかりしている。
そして、何よりも最後のタップが痛快で気持ちよく観終われる。
北野武監督へ黒澤明監督は、日本の映画界を頼む、と託したそうだが最近、北野武監督の作品を観ていて気づいた。
この監督には独特のアングルがあり、色がある。
どこかで観たようなシーン、アングルなどではない。
監督独自のアングルなのだ。だから黒澤明監督は未来を託したのだと思う。
この映画は、それをとくと味わえる。
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若き日の上戸彩が悪党をぶった斬る「あずみ」
日本映画である。
日本はアクション映画に弱い。
アメリカを含む海の外側では数多くのアクション映画が制作されているが、昨今の日本映画は人間ドラマ、サスペンスに重きをおいている。
その昔はアクション映画を日本でも制作されていた。
その時代に映画を見た監督が、あの時代を思い作るのが、このアクション映画である。
あずみは大人気マンガが原作である。
物語は徳川の世をかためるべく、豊臣の実力者たちを、暗殺する少女の物語。
親なき捨て子を暗殺者として育て、十人が殺し合い、生き残った五人で暗殺を繰り返す。
マンガでは鉄砲を使うシーンがあったりするも、この映画はとにかく刀。
刀で斬りあう。ラストの二百人斬りは日本の映画史に残る壮絶な戦いだ。
主演の上戸彩は、ここまで過酷な映画現場はなかった、というほどだ。
お正月、スッキリしたい人はオススメである。
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第7号「炎のごとく」
菅原文太はヤクザが似合う。
・菅原文太の映画を探している。たくさんあります。でもあえて数少ない時代劇から入ってみるのはいかがでしょう。
こう言っては偏見かもしれないが、現代劇でも時代劇でもこの俳優さんにヤクザをやらせれば、絵になる。
今回観た「炎のごとく」は、幕末という時代に虎鉄をひっさげた博打うちの任侠に生きる男が、盲目の三味線弾きのヒロインと恋に落ち、命を助けられたことから、波瀾万丈の生き方をする物語だ。
女房となったヒロインのために、任侠の世界から足を洗うも、賭場を荒らす男を許せずに殺害。
また縄張りではない河原に賭場を開くも、縄張り争いに発展してしまい、報復に押し入った男たちに女房が殺されてしまう。
田舎にいったんは帰るも、そこで許嫁と再会、京都まで追ってきた許嫁と暮らす日々。
世話になった八百屋の1人娘と新撰組隊士との恋仲騒動のあげく、芹沢局長の陰謀から2人を死なせてしまう。
などなど、映画の内容は非常に濃い。そして劇中で飛び跳ねる菅原文太が実に爽快で、観ていて楽しめる映画になっている。
幾人もの女の事を本気で考えたあげく、幸せにできない不器用な菅原文太を観ていると、男の生き様をみている気分になる。
ちなみにこの映画、新撰組が絡んでくることから、歴史物としても楽しめる部分があるので、歴史好きにはおすすめである。
・この映画を年間500本映画を観る筆者がおすすめします。
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