"カルト映画"カテゴリーの記事一覧
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前々回のブログ 映画おすすめ エル・トポ
前回のブログ 映画おすすめ 新しい枕の戦い 1897年
異次元の芸術はさらなる高みへと昇っていく
「ホーリー・マウンテン」
評価¥:★5
・映画おすすめ 物語
錬金術師は二人の女性の衣服を破り捨て、メイクを落とし、頭を丸刈りにして儀式を行う。
その頃、キリストに似た盗賊の男はゴミためで眠っていた。
体には大量に虫がたかり、小便を漏らしていた。
起き上がった盗賊は、手足のない小人症の男と友達になり、街に来ていたカエルとトカゲのサーカスの手伝いをして小銭を稼ぐ。
それを見ていた観光客の女性は街を独裁する兵士の一人に犯されるも、夫はそれを楽しんでカメラにおさめていた。
その容姿からキリストを安売りしている土産物屋の連中に目をつけられた盗賊は、酒を浴びるほど飲まされ、寝ている間に自らの型を取られ、キリストそっくりの人形を大量に作られてしまう。
自分に似た複製品が大量にある倉庫で目覚めた盗賊は大声で叫び、それらを作った男たちを鞭で打ちのめすのだった。
人形の一体を担いである教会へくるも、その教会で人形は受け入れられず、人形の顔を盗賊は喰らい、風船に着けて空に飛ばすのあった。
その後、街の中心にある塔に錬金術師が住んでいることを知り、一日に一度、降ろされるロープを伝って、ナイフを片手に錬金術師のところへやってくる盗賊は、しかし錬金術師の技に体の動きを止められ、首の後ろにできたコブから不思議な生き物を取り出されると、直になるのであった。
金が欲しいのか。
と問われ盗賊が頷くと、体を清められ透明な入れ物に自らの糞を入れると、錬金術が始まり、糞が金へと変わるのだった。
それを見た盗賊は錬金術師に弟子入りすると、他の弟子たちの生い立ちを説明されるのであった。
他の弟子たちは地位も名誉も金も捨て、錬金術師の弟子となったのであった。
そして一行は聖なる山へ修行へとむかうのであった。
・映画おすすめ 感想
前作「エル・トポ」がレイトショーで大ヒットの記録を作り、多くの著名人の心を引いたことで、100万ドルを手にしたアレハンドロ・ホドロフスキー監督は、三作目の映画にして自由を手に入れた。
制作、監督、主演、音楽、編集をすべて思い通りに行い、誰の口出しも許さず、自分の作りたいものを作ったという。
それは、ある画家の言葉を引用すると「パラレルワールドからやってきた芸術」である。
まさしくこの映画はあまりにユニークすぎる映画である。
まずオープニングでホドロフスキー自ら演じる錬金術師の怪しさ、そこからの女性二人の衣服を破り捨て、丸刈りにする儀式。
そして小便を漏らす盗賊の男の物語へと流れていくこの演出に、セリフは一切なく、不思議な雰囲気と音楽だけがついている。
ほとんどセリフのない前半を終えると、画面の中央に糞が映し出され、錬金術が始まる。
そこからまた異次元の芸術はさらに高み、宗教的へと変貌していき、それぞれの弟子たちの半生へと流れ込んでいく。
それぞれの弟子たちは、人間の欲望を表しており、欲望を膨らませたその映像もまた、シュルレアリスムの極みともいうべき映像が続く。
そして後半。
この映画、実は後半はものすごく地味な映像が続いている。
前半のあまりに鮮烈さがすさまじかったので、後半が地味に見えてしまうのだ。
延々と修行をする弟子たちの映像が流れ、衝撃のラストが待っている。
これは映画を超えたラストであり、芸術のある種の到達点ではないかと思える終わり方でもある。
この後、伝説の「デューン」の撮影へ向けて、芸術はさらなる高みへ上り詰めるはずであったのだが、商業主義に押しつぶされてしまい、この世に誕生することはなかった。
もし誕生していたならば、最高のSF芸術映画になっていたことは間違いないだろう。
監督 アレハンドロ・ホドロフスキー脚本 アレハンドロ・ホドロフスキー原作 『類推の山(英語版)』(ルネ・ドーマル)製作 アレハンドロ・ホドロフスキーロベルト・ヴィスキン出演者アレハンドロ・ホドロフスキ-ホラシオ・サリナスラモナ・サンダース音楽 ドン・シェリーロナルド・フランジパネアレハンドロ・ホドロフスキー
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前々回のブログ 映画おすすめ Lumière: Un enterrement 1897年
前回のブログ 映画おすすめ 海底47m 古代マヤの死の迷宮
映画を超えた映像体験
「エル・トポ」
評価:4.8
・映画おすすめ 物語
ガンマン、エル・トポは裸の子供を連れて、旅をしていた。7歳になった息子に、成人だ、として母親の写真とおもちゃを砂に埋めさせる。
そして盗賊に全滅させられた村にやってくると、殺してくれ、と怪我をした男に懇願されて、息子に殺させる。
村を全滅させた3人の盗賊を発見し、早撃ちで2人を殺害し、残った1人に盗賊の頭はどこかと尋ね、残った部下の数を聞くのだった。
盗賊たちは教会を占拠し、住民たちを撃ち殺し、修行僧たちを侮辱していた。
頭は大佐と呼ばれ、厚底ブーツ、カツラ、化粧と見栄をはっていた。
そこを襲撃したエル・トポは、盗賊たちを倒して、頭と決闘をして、辱め、股間を切り、自死に追いやり、教会を開放した。
すると頭におもちゃにされていた女が、エル・トポにすりより、エル・トポは女を選び、息子を教会においていくのだった。
砂漠でどうやって暮らすのかと聞かれた彼は、またを広げ、その下の砂から卵を出し、岩を撃ち水を沸かせた。
女もやるができなかった。
すると彼は女を犯す。
そして女も同じことをすることができるようになるのだった。
女は言う。
この砂漠には4人の達人がいる、その4人を倒して最強になってきた、と。
そこでエル・トポは盲目の達人、マザコンの達人、うさぎ好きの達人、仙人とそれぞれ戦うことになるのだった。
・映画おすすめ 感想
とうとうこの映画をレビューする日がやってきた。
カルト映画の帝王と呼ばれる、アレハンドロ・ホドロフスキー監督が手掛けた作品である。
監督は映画を撮る前、若い時代は100を超える舞台を作った。
前衛的な舞台が多く、ここで前衛的な世界観を養ったのだろう。
その後、映画協会のしばりを無視した「ファンドとリス」を作り、暴動や物議を起こした。その次に手掛けたのが本作である。
映画の始まりから、裸の子供を乗せたガンマンが現れ、母親の写真と、おもちゃを砂に埋めさせる。
そこから凄惨な村を訪れるところへいきなり場面が展開し、見るものを驚かせる。
そして登場する敵はどの人物も癖が強く、奇妙である。さらに4人の達人を倒したあと、新たなる映画に生まれ変わる。
この映画は見ている者の前で、生まれ変わる映画なのである。
そしてラストは衝撃的な結末で、見るものの脳に鮮烈な世界を残して映画は静かに終わるのだ。
宗教的とも見えるが、けしてそうではない。
これはアレハンドロ・ホドロフスキーの思想の片鱗が見える、ほんの1ミリも見えているのかわからないほどの、壮大な思想の片鱗の端を見せただけなのだ。
そしてホドロフスキー監督の思想は次へとつながっていく。
監督 アレハンドロ・ホドロフスキー脚本 アレハンドロ・ホドロフスキー製作 アラン・クライン出演者アレハンドロ・ホドロフスキーブロンティス・ホドロフスキー音楽 アレハンドロ・ホドロフスキー
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キワモノか芸術か
「ベガッテン」
評価:★4,5
・映画おすすめ 物語
血だらけで白い布を巻いた男が痙攣している。
自らの腹部を剃刀で切り取り絶命する。
そのそばの白い布から生まれいでた成人女性は顔を半分仮面で覆っている。
女は死んだ男の股間から精子を採取し、体に塗り付ける。
すると女は妊娠し、成人した奇形の人物が生まれる。
奇形の人物を置き去りにする女。
その場で這いずることしかできない奇形の人物。
そこに謎の人物たちがぞろぞろとやってきて、彼を連れていき岩に縛り付ける。
そして奇形の人物が吐き出す何かを採取するのであった。
奇形の人物はその後、火に放り投げられ燃やされる。
だが再び再生し地面を這いずっていたところに、自分を生んだ母親が現れる。
母は奇形の人物の首にロープを巻き、犬のように連れて森の中へ入る。
そこへまた謎の人物たちが現れ、奇形の人物は暴行され血まみれになり、その横では母親が頭を殴られレイプされる。
謎の人物たちがいなくなった後、また別の人物たちがやってきて、二人は連れ去られ、バラバラに刻まれるのであった。
・映画おすすめ 感想
物語を書くととんでもない映画だということがわかる。
あるユーチューバーのお勧め映画ということで見たのだが、セリフのないこの映画、そのユーチューバーの解説がなければ、何が起こっているのか分からないところである。
冒頭に出てくる言葉によれば、記録するものは愚かであり、そこで起こっていることこそが言語である、と書いてある。
そして、命とは骨についた痙攣したに肉である、という言葉から物語は始まる。
一切のセリフがなく、音だけの世界で続かれる物語。
ユーチューバーはこれを神話ととらえた。
確かにエンディングで配役のところに神や女神、生命の象徴などという言葉が並ぶ。
そうみるとこれは言われるように神話なのかもしれない。
しかし神話を模した、人類へのアンチテーゼである可能性もあると思えた。
神々である登場人物たちを、惨殺する集団こそが人類、人間であり、残虐性しかもたず、奪うことしか知らない。
その意味では神をも殺した人間という意味の映画にも見える。
人はどこまで行っても救いようのない残虐性しかもたない生物だ、ともとらえられる。
ちなみにこの映画はものすごく見にくく作られている。
1989年の作品とはいえ、自主制作の映画でも映像をもっとクリアにできたはずである。
それをあえて、一コマずつ加工し、すべてを加工し、この世界観を構築している。
監督は予算がなくて制作期間が延びたのではなく、加工に時間をついやした、と言っているほど映像に実はこだわっている映画なのだ。
そのおかげもあり、マリリン・マンソンが監督を気に入り、自らの代表曲でもある「アンチクライスト・スーパースター」のPV監督に使うなどしている。
そこで起こることが言語。
見る人によって解釈は千変万化である。
監督E・エリアス・マーヒッジ
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90年に一度のお祭り
「ミッドサマー ディレクターズカット」
評価:★4.9
・映画おすすめ 物語
ダニーは双極性障害の妹に悩まされていた。相談相手になっていたが疲れていた。そんな時、妹は両親も巻き込んで一酸化炭素中毒で自殺してしまう。家族を失ったダニーは心がどん底に落ちてしまう。彼氏のクリスチャンはそんなダニーを支えながらも、男たち4人でスウェーデンへ旅をする計画をたてていた。スウェーデン出身のペレが自分の故郷ホルガ村で90年に一度のミッドサマーがあるから見に行こうと誘っていた。その話をしていたところにダニーがやってきて、流れから彼女を誘うことになり、5人はスウェーデンへ旅立つのだった。村に到着した一行を待っていたのは、楽しそうに暮らし、同じ衣服を着て、作業をする村の人々だった。一行はそれに違和感しかいだけなかった。村では時折、奇行が始まったりと、明らかにカルト集団の村に見えたのである。それでも村の祭典に参加した一行は、ペレから人生は4つの季節に分かれている、と説明を受ける。その季節が72歳で終わることを、ダニーは気になり質問するが、ペレはごまかすように笑った。儀式が始まった初日、二人の老人が崖から飛び降りて、自ら命を絶った。村人はそれを喜んでいたが、外から来たダニーたちは、おかしい、と声を上げるも、村の人たちは誰一人、ダニーたちの声に耳を傾けなかった。ダニーたちはそれから少しずつミッドサマーの中に沈み込んでいくのだった。・映画おすすめ 感想
監督は前年にヘレディタリーで長編監督デビューを果たし、賞賛を浴びていた。そこにきて、この映画である。閉鎖的で儀式的。幻想的でありながら、狂気に満ちている映画。本作は劇場公開されたものを再編集したディレクターズカット版であり、本編に追加シーンが含まれている。追加されたシーンは過激なものではなく、各シーンが少し伸びたり、儀式が一つ増えている程度である。ただモザイクが全面的になくなっているので、R指定が上がっている。本作はホラー映画と位置付けられているが、他の人が指摘しているように、ウィッカーマンなどのカルト映画、あざみの色のようなシュールレアリスム映画の映画を受けた、カルト映画だと思ってみていた。近年では優れたカルト映画であり、見事な作品だと賛美したい。監督 アリ・アスター脚本 アリ・アスター製作 ラース・クヌーセン(英語版)パトリック・アンデション(英語版)製作総指揮 フレドリク・ハイニヒ[1]ペレ・ニルソン[2]ベン・リマー[3]フィリップ・ウェストグレン[4]出演者フローレンス・ピュージャック・レイナーウィリアム・ジャクソン・ハーパー(英語版)ヴィルヘルム・ブロングレン(スウェーデン語版)ウィル・ポールター
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これは狂気か純愛か
「追悼のざわめき」
評価:★4.8
・映画おすすめ 物語
女性を襲っては女性の性器と子宮を奪う誠は、廃墟ビルの上に住み、名前を付けたマネキンに奪った生殖器を埋め込んでいた。そしていつか自分たちの子供ができると信じていた。誠は小人症の兄弟が経営する下水掃除会社に就職し、下水処理を行う。そんな兄妹には、年に一度、妹を思って親が遺言を残していた。誕生日に兄が妹を性的になぐさめてあげる。誠はそれを目撃するも、その家で飼っていた文鳥を放つのだった。誠の住む廃墟は謎の力を持ち、そこには変な連中がよってくるようになる。時空がゆがんだのか、敗北した兵士が道端で楽器を演奏していた。そんな廃墟に若い兄妹がやってくる。妹は亡き母の面影をマネキンに重ねていた。そんな妹を見て兄は性的興奮にかられ幼い妹を犯すのだった。妹は出血多量で亡くなってしまい、兄はきれいな妹の体を土の中に埋葬するのだった。その直後、小人症の妹は兄を殺し、大人のおもちゃをもって、町をさまよい始める。すべてが狂い、何が真実なのか分からなくなっていく。・映画おすすめ 感想
アングラ映画の頂点ともいわれている映画である。本作の監督は寺山修司監督の「田園に死す」に感銘を受け、映画監督になり、寺山修司を師事していたほどの人物である。本作を見ていると、アングラを詰め込んだ、という感じがすごく伝わってくる。禁忌を犯している様子が多分に描かれ、人を愛せない主人公の一人、誠はその時代の若者の象徴だったのかもしれない。また廃墟ビルの屋上を本当に燃やしたことによる、消防の現場検証の様子や、小人症の女性が女子高に押し入るシーンなどは、きっと打ち合わせはないのだろう。打ち合わせ無しで現場のハプニング感をフィルムに収める。ヌーベルバーグの手法も取り入れた、凄まじい映画になっている。本作は世界各国の映画賞に出品するはずが、検閲に引っ掛かり、技師が嘔吐するなどのエピソードのある凄まじい映画である。これは歴史に残る映画である。監督 松井良彦脚本 松井良彦製作 安岡卓治出演者 佐野和宏音楽 菅沼重雄撮影 手塚義治村川聡井川義之編集 高島健一緒方達也鐘門律知佐々木宏製作会社 欲望プロダクション
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偏見から始まる信頼の実話
「アフリカン・ドクター」
評価:★3,8
・映画おすすめ 物語
アフリカ出身ながらフランスで医師免許を取得したセヨロは、医師を探している男と出会う。彼はある田舎の村長で、町に医者が欲しいと言い、フランスで生活することを夢見ていたセヨロはそれに応じる。妻と二人の子供を連れ、町に到着すると、町の人たちからは偏見の目で見られた。まだ黒人差別が色濃く残る時代、彼らは町に馴染もうとするが、現実は厳しかった。医院には患者は訪れず、子供たちは学校で仲間外れ。それでもあきらめず、セヨロは町に溶け込もうとした。そんなある日、妊婦が産気づき、黒人を嫌う妊婦の罵声を浴びながら、赤ちゃんを取り上げた。それが評判となり、医院には患者が来るようになった。しかしそれをよく思わない人々もいるのであった。・映画おすすめ 感想
黒人差別が強い時代、フランスのしかも田舎に移住するというのは、勇気がいる行為だと思った。田舎とは閉鎖された空間であり、黒人が差別されている時代にそこへ飛び込んでいく。これが実話なのだからすごい話である。きっと映画では描ききれなかった苦労が山のようにあったと思う。それでも最後は死ぬまで患者に信頼される医師であり続けた。素晴らしい映画である。監督ジュリアン・ランバルディ出演者アイサ・マイガジャン=ブノワ・ユジョージョナサン・ランベールバイロン・レブリマルク・ジンガメディナ・ディアラ -
現実とはなにか。このメッセージをあなたは受け取ることができるか
「トランプの国」
評価:★4,5
・映画おすすめ 物語
ある男が駅でトランプの国への生き方を聞いて回っていた。しかし誰もそんな国を知らないという。ある国の王子は、王子であることを放棄して旅に出た。その先にあったのがトランプの国という専制国家であった。顔を白く塗り、軍服に身をまとい、ライフルで武装した彼らは名前を与えられず、トランプのマークと数字で呼ばれていた。そんな国で囚われた王子は、女性兵士へ独裁以外の自由を教え込んだことにより、次第にトランプの国の独裁が崩れていく。男でも女でも同性愛者でも自由に愛し合い、軍服を脱ぎ捨てた。時代はいつのことなのか、ハートのエースというトランプの国の女王が密かに暮らすところで、トランプの国を探していた男はたどり着いた。・映画おすすめ 感想
難しいインド映画だ。物語は2つの物語から始まる。狂っているのか信じているのかトランプの国を探す男。そしてどこかの国の王子が何不自由ない世界かつに飽き、旅立つ。トランプの国を求める男は遺跡のような場所でトランプの国の元女王と出会う。王子はトランプの国に自由を与える。といった感じだろうか。これを個人的に深堀りしていくと、狂ったような男は伝統を重んじるインド人。自由を求める王子は現代のインドの若者。トランプの国はこれまでのインドの体制を象徴し、それを開放するのは若者である。最後は自由への道はまだまだ長いという意味のエンディングなのだろう。カルト映画にも見えながら、ある種のメッセージ映画でもあるのかもしれない。どんな見方もできる。流石にインド映画。娯楽からこういった映画まで幅が広い。監督 カーシク・マクハージー脚本 Q撮影 マニュ・ダコッセ出演ジョイラージ・バッタチャルジーリー・センサウミャック・カンティ・デ・ビスワスアヌブラタ・バスよかったらポチッと応援してください。
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トゥ・ヘル
・物語
腹のでた中年トラック運転手は、ひょんなことからある女性を助ける。
しかしその女性は昏睡状態の娘を呼び戻すために、降霊術をする能力を持っていた。
昏睡状態の娘を呼び覚ます為、女性は再び降霊術を行うと、娘の魂は戻ってきた。
その後、男と女は肉体関係を持つようになり、彼女の家に住むようになる。
だが昏睡状態から目覚めた娘は、男のことを誘惑し始める。
娘の肉体に戻ってきたのは、男の死んだ妻の魂だった。
・感想
最近、ニコラス・ケイジはいろんな役柄をこなすようになっているが、宗教的な映画が多い気がする。
本作も漏れなくそのたぐいなのだが、神に祈りたくなる作品内容になっている。
ニコラス・ケイジがとにかく女性たちとセックスをする場面が多いが、興奮というよりもどこか奈落に落ちているのを見ている気分になる。
次第にそれが地獄のように本当に展開していくのは、見ていておぞましい。
最後、この映画は始まったときから地獄だったのだと気づくことになるだろう。
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「シャドウ・ワールド」
2007年公開のほぼ自主制作映画である。題材は大天使ウリエルの堕天であり、物語は天使などに詳しくないとあまりついていけないかもしれない。本作はオーストラリアでほぼ自主制作という形で撮影され、画面も昔のテレビサイズで撮影されており、一瞬、2000年代に製作された映画だと気づかないほどだ。物語の舞台は煉獄。煉獄には天国と地獄からそれぞれ使者が介入することが許されており、そこでどちらの勢力が勝つかを争っていたのだが、地獄の勢力が天国の勢力を圧倒してしまいバランスが崩れ、煉獄は地獄の使者たちの思う世界へと化していた。主人公ガブリエルはそのバランスを取り戻すべく、天国から煉獄へとやってくる。しかしそこに居た天国の使者、天使たちは堕天してしまい、煉獄に心を蝕まれていた。煉獄という概念をどのように捉えるか、でこの物語は大きく違ってくる。世界観としては題名どおり暗く、ドラッグ、ロック、レザーという世界観で、銃撃戦が主体となる。登場人物たちもハードロックテイストで、天使、悪魔という感じではないかもしれない。煉獄がこういう世界観なのはなかなか珍しいものの、これを近未来の地球としても良かったように思えてならない。何もかもから自由になる。この映画の1つのテーマであるから、もしかすると自由に思うままに作られた映画なので、他人の評価など気にしていないのかもしれない。それならば本来の表現の自由というのは、こういう映画のことをいうのかもしれない。
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「TOKYO TRIBE/トーキョー・トライブ 」
2014年公開のアクションラップミュージカル映画である。原作は同名マンガであるが、ストーリーラインは続編の2のものである。物語は近い未来のトーキョー。トライブと呼ばれる「族」が各トーキョーの区を支配し、荒廃した街では暴力、薬物、セックスが蔓延し、常に族間の抗争の火種はくすぶっていた。そんな時、池袋を縄張りにするトライブのメラが、武蔵野を縄張りとするトライブの海を罠にかけ、その生命を狙う。とこを同じくしてある少女がトーキョーの売春街につれてこられる。その少女とメラ、海の三人を中心にトーキョーを舞台にした大きな抗争が始まる。物語を文章で書いていると、若者の熱気に溢れた映画に思える。確かに凄まじい熱気は感じられた。が、セリフのほとんどがラップで進行し、正直言ってまったくストーリーが入ってこなかった。本作の監督は園子温であり、正直、肌の合わない監督なので観るのをためらっていた。だがマッチョな鈴木亮平と清野菜名みたさで観た。あまり俳優で映画を観ないので、個人的には珍しいことではあるが、ここまでムキムキの鈴木亮平に迫力。そしてあまりにも際どいパンツでの会議シーン。あれは笑えた。そして清野菜名。最近、好きな女優であるがアクションもできるし脱げる。朝ドラで知ってからファンになったが、この映画でのアクションを見る限り、この女優さんの能力の高さは本当に限度がないように思えた。
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「地獄 1999」
またとんでもない映画を見てしまったものである。
この映画は日本の映画界の鬼才と呼ばれる石井輝男監督が制作した、一種の日本の犯罪者に対する憤り映画である。
物語は地獄の閻魔大王が1人の女性に目をつけ、彼女ならば地獄を理解してくれる、と地獄に招き入れ、地獄に堕ちた極悪人たちがどのような罰を受けるかを見せるというものだ。
だがこの映画、大半がオウム真理教を批判する映画となっており、オウム真理教がどのようなことを行ったのかなどを描いている。
特撮、特殊メイクなどで安っぽさはどうしてもいなめないところもあるものの、人間の法律、人間の掟を超えたところで、極悪人が罰を受けているとするならば、これが信じるであってほしいと願いたくなる映画だ。
今、この時も地獄では極悪人たちが終わりのない苦しみを与えられ続けている。そう考えるだけでも、気持ちは軽くなる。
私の宗教観ではここまで古典的な地獄はまずないとは思う。ただ可視できないなんらかの、魂の苦しみを与える地獄と呼称される場所は存在するであろうと個人的には思っている。だからこの映画で表現されている現実の犯罪者たちはきっと、人間の法律ではさばけない罰を与えられ続けていることだろう。
そう願いたい映画でありました。
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いらっしゃいませ。
来ていただき、ありがとうございます。
さて、本日の映画レビューは、熱狂的ファンの熱い支持を未だに受け続けている、日本のカルトでありSFでもあるこちら。
第136号「鉄男THE BULLET
MAN」
《鉄男THE BULLET MAN 概要》
本日の映画レビューをの鉄男は、シリーズものである。最初の映画は1989年に俳優としても有名な塚本晋也監督が監督、脚本、美術、照明、特撮、編集を手がけたほぼ自主制作映画であった。
これが高い評価を受け、様々な映画監督にも影響を与えた。
シリーズは本作を含め3作品あるが、ストーリーのつながりはないため、どの映画を見ても、楽しめる作りで、テーマも同様になっている。
本作品は上記の第一作目から20年後に制作され、主人公も英語を話すなど、これまでのシリーズとは異なる部分が多い。
公開は2010年である。
《鉄男 THE BULLET MAN 物語》
東京でアンソニーは妻のゆり子と息子のトムと3人で暮らしていた。アンソニーの父も近くで医師をしながら生活していた。
ところがアンソニーの幸せは瞬間的に奪われてしまう。
トムと散歩をしていたアンソニーの元へ1台の車が急発進してきて、トムを轢き殺したのだ。
運転していたのは、塚本晋也演じるヤツ。
絶望のどん底に陥ったアンソニー。
妻は息子を殺した男を探して殺してやる、と言い出す。
するとアンソニーの体に異変が起こる。体から鉄が生えてきたのだ。
戸惑う彼へヤツから電話が来る。
父親に聞いてみろ。
そして父の家へ向かった彼は、家の地下へ続く階段を発見する。
そして驚愕の事実を目撃する。
ー鉄男THE BULLET MANネタバレー(ドラッグして見てね)
アンソニーの父は、その昔、「鉄男プロジェクト」という計画に参加していたという。
生命体と鋼鉄を融合させるプロジェクト。その資料を見ていたとき、家へ妻、そしてヤツが現れる。
妻が人質にされたことから、アンソニーの怒りが暴走、全身が鋼鉄へと変化、ヤツを追う。
しかしヤツが手配した特殊部隊が家へ殺到、銃撃戦になるもアンソニーの全身は銃となり、特殊部隊を撃退する。
遺体と鋼鉄の山の中、アンソニーは父から真実を知らされる。
アンソニーの父親は妻と幸せに暮らしていたが、妻が病に倒れてしまう。そして妻の願い、子供がほしい。
その願いを叶えるため、鉄男プロジェクトの力で妻のアンドロイドを作った。そしてアンソニーが誕生したという。
真実を告げて父は特殊部隊に銃撃された怪我で絶命する。
ヤツを追うアンソニーは、ヤツは、撃て、と懇願する。しかしその後ろには東京が広がっていた。
全身を銃と化したアンソニーはしかし、撃つことをしなかった。
ヤツは何故だと絶叫するのだった。
アンソニーとゆり子にはまた幸せが戻った。新しい子供を授かって。
《鉄男THE BULLET MAN 感想》
映画レビューということで、シリーズ通しての感想を。
1作目はやはり衝撃的で、アバンギャルドだった。ロックに合わせ、暴走する主人公の体。
2作目、3作目はある種、商業的に意識したのかな? と思ってしまった。
特に3作目の今作は、尖った映像にしようとして、アンソニー我どのように変化したのか、いまいち分からない。
設定は非常によく、そのへんはやはり鉄男だと思えた。そしてヤツ。シリーズ通して謎の男。
今作は最初から20年、監督の容姿の高齢化は仕方ないかな?
1作目目がギラギラして尖っていたから。
本日の映画レビューはこういったところだ。
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こんにちは、こんばんは。
本日は日本における妖気漂う、カルト映画の金字塔であり、マルチクリエーター寺山修司の最高の映画。
↓
128号「田園に死す」
《田園に死す 概要》
時は1974年、軍艦島で有名な端島の炭鉱が閉鎖された年に、映画版田園に死すは公開された。
歌集として寺山修司が1965年に出版したものを題材にした、寺山修司初監督作品である。
《田園に死す 物語》
※物語と言っても、ここに書くのは物語らしきものであり、映画自体に物語性はあまりない。
恐山の麓の村で母親と暮らす主人公は、父親がいなかった。
楽しみといえば恐山のイタコに父の魂を読んでもらうことばかり。
近くに住む若い人妻は、村の外からやってきた美しい人だった。
ある日、村にやってきた不気味なサーカス団の人から村の外の世界のことを聞く。
これに触発された主人公は、村を出ようとする。
しかし母親に止められる、渋々残ろうとするも、同じく村を離れようとする意中の人妻もまた、村を出ようとしていた。
2人はある日、家出を決行、線路を歩いていくのだった。
と、これは実は主人公が大人になって制作した映画であり、それを見ている主人公へと物語は移る。
東京で映画を制作した主人公は、試写会で自伝的この作品を褒められる。
その後、木村功演じる批評家とバーで酒を飲む。
主人公は、自分の過去を作品にした途端、自分の過去が厚化粧をした物になってしまうと悩みを言うと、批評家は彼に宿題を出す。
「もし君がタイムマシーンに乗って数百年を遡り、君の三代前のおばあさんを殺したとしたら、現在の君は居なくなると思うか」
この突拍子もない宿題に、主人公は取り組むことになる。
そこへ少年時代の自分が現れ、2人は脚色のない本当の自分と出合う。
狂気に彩られた村人たち。変人が集まったサーカス団。恋をした人妻は、愛人と心中をする。
本当の自分を見たとき、少年と今の自分は語り合う。
そして少年は東京へ向かうことを決意する。
田園に死す ネタバレ(ドラックして見てね)
東京へ行く準備をしていた矢先、心中で生き残った人妻が少年の前に現れる。そして少年の服を脱がせ、むりやり少年の童貞を奪うのだった。
ショックを受けた少年はそのまま汽車で東京へ。
村に残った現在の主人公は、20年前の母親を殺そうとする。
しかし殺すことができず、フィクションの中でも自分は母親を殺せないのか、と落胆する中、母に促されるまま向き合って食事をする。
すると家の壁が倒れ、1974年の新宿の町並みの中、ひたすらに食事をする親子がそこにはいた。
《田園に死す 感想》
上記の物語は、一瞥するとSFとホラーが入り混じったように思えるが、実際に影像を見ると、最初から最後まで常人には理解できない、芸術の世界が渦巻いている。
白塗りの人々。遺影を磨く不思議な家族。異常な連中が集まったサーカス団。
嫌悪に思う人はこの映画には向いていない。
カルト映画、アバンギャルドの極みとも言えるこの映画は、しかしながら当時の日本の芸術を紛れもなく表現した映画氏に残る映画なのだ。
見て損はないですよ。
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第69号「TAKESIS`」
北野武監督第12作となるのが本作である。
前作「座頭市」が娯楽作品だったのに対して、本作は監督が作りたい映画を作ったと公言し、監督曰く「百人の評論家のうち七人しか分からない映画」と言っているように、難解な構成となっている。
物語はビートたけしそっくりの男、北野武が主人公である。物語冒頭で2人は出会うのだが、途中にフラッシュバックのように次々と情報が入ってくるので、物語を追えなくなる。
また、主人公が夢を見ているのか現実の出来事なのかも曖昧に描写されているので、ますます分からない。
けれども銃撃戦はかっこいい。それに北野武監督にしかできない独特の構図があり、どこかで見たことのあるような映画ではぜったいない。そこが北野武監督が世界で認められる要因の1つなのだと思う。
難解だが最後まで見てしまう映画であった。
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第67号「鉄男」
B級映画である。
ところが世界中の映画監督に敬愛される映画となったのがこの「鉄男」である。
物語は男が自らの脚に太いボルトを埋め込み、走り出すシーンからスタートする。
男は車にひかれてしまう。
それこから主人公・田口トモロオ演じる普通の男の話になる。
男はある日、髭を剃っていたら頬から針金が出ていることに気づく。
その後、会社へ向かう途中の鋭気で腕が鋼鉄に変化した女に襲われる。そこから物語は怒濤の展開となっていく。
監督は「塚本晋也」氏である。俳優として活躍もしているので、顔を見ると分かる人も多いだろう。
塚本監督は俳優として面白い役を演じるひとのイメージが強かったのだが、「鉄男」を見た時、ここまで過激な表現をする人物なのだと、見かけとのギャップに驚かされた。
物語としては個人的には難しく、咀嚼できなかったのだがエネルギーは凄まじく伝わってきた。
また個人的には終わり方も好きである。
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監 督、出 演:塚本 晋也
主 演 田口 トモロオ
出 演 藤原 京
石橋 蓮司
六平 直政◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
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第35号「時計じかけのオレンジ」
スタンリー・キューブリック監督は完璧主義者。
だから監督作品がそんなに多くはない。
その中でもSF三部作と呼ばれる映画が三本ある。
2001年宇宙の旅、博士の異常な愛情、そしてこの時計じかけのオレンジだ。
私は三本ともすべて観ているが、三本とも正直、分かりません。
特にこの映画、時計じかけのオレンジは一番、分かりません。
ギャングの一人が、政府の政策で善良な市民に生まれ変わる。ある音楽を聴くと、苦痛になる。
やがて入院した主人公は、元の凶暴な男に戻ってしまう。
この映画、性描写、暴力描写があり、観ていて凄さはかんじられるのだが、キューブリック監督の意味のあるカットを私は汲み取れなかった。
特に、ラストカットは分からない。
まだまだ映画修行が足りない私の未熟さ故なのでしょう。
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